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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第二話 原作開始!遊香の罠

第二話 原作開始!遊香の罠 作:サクラ

童実野高校に入学してから2週間が過ぎた。蝙蝠翼とのデュエル後も遊香に告白してくる男子生徒は何人か居たが、その全員を倒して過ごしていた。それにしても、遊香はふと思う事があった。中学時代に比べて告白してくる男子の数が少ないのだ。中学時代、クラスの男子はおろか上級生も下級生も時間があれば告白合戦のようだった事もあり、数が少ない事は目に見えて明らかだった。
だが、遊香にはその理由が分かっていた。この学校には遊香以外にも容姿のいい者が多い。同じクラスの真崎杏子と野坂ミホ、上級生の姫小路薫子だ。彼女たちはアニメではミスコンの様な物に参加しているぐらいの人気があった。
遊香は心の中で舌打ちすると、告白を待って魂を奪う作戦を考え直す事にした。
ふと、武藤遊戯の方を見ると一人で何かをやっているようだ。
さて、早速未来のデュエルキングとファーストコンタクトといこうか。

「やぁ、武藤遊戯君?」
「え?あーっと、の、野崎さんだよね?こんにちは」

遊戯の持っていたものは金色のパズル。千年パズルのパーツだった。まだ作りかけの様で机にパーツが散らばっていた。
遊香はパーツの一つを摘んであたかも知らない物かの様に遊戯に聞く。

「これは?」
「あ、それは千年パズルっていうんだ。店の隅の方に埃被って置いてあって────あ、僕の家はゲーム屋なんだ。色んなゲームがあるんだ。ごめん、話がズレちゃったね。それで、これは昔エジプトの遺跡で発掘された物らしいんだよ」
「ほう、エジプトか。それは興味深いな。それでそれを組み立てているのか?」
「う、うん。今まで誰も組み上げた事がない物なんだって。どんな形になるのか楽しみだなぁ」
「ふ、それは楽しみだろうな。ところで武藤遊戯君、君はデュエr────」
「なんだよ遊戯。こんなもんを大切そうに持ってやがって女子か?お前は」
「じょ、城之内君……」

突然現れた乱入者、城之内克也は千年パズルの入っている封印の黄金櫃を遊戯からひったくるとそれを見渡した。

「返してよ!城之内君」
「遊戯、いいか?男だったら自分で取り返せる様になれよ。そうだ。俺が男らしくなれるように指導してやる」
「僕、喧嘩とか大っ嫌い!」

ほれほれ、と城之内は遊戯が届かない様に黄金櫃を上にあげる。
遊香はそれをヒョイと取ると遊戯に返してやる。

「テメェ何しやがるんだ!」
「おいたが過ぎるぞ城之内克也君。それに、人の話を遮られるのはあまり面白くないんだ」
「テメェは野崎!?くそ、遊戯!今日の所はこれで勘弁してやる!」
「あ、城之内君!」

城之内は教室を飛び出して何処かに行ってしまった。遊香は思い出す。これは原作第1話の光景。ここから遊戯と城之内は深い友情を育んでいくのだ。では、これから城之内達は牛尾に目をつけられボコボコにされる。そして遊戯は千年パズルを完成させて牛尾と闇のゲームを行い勝利。罰ゲームを受ける牛尾は落ち葉を金に見えるように幻覚を見せる。折角だ。このイベントは近くで見てみるとしよう。

「そういえば野崎さん。何かを言いかけてなかった?」
「いや、何でもない。ではまたの機会に会話をさせて頂こうか」
「うん!ありがとう野崎さん!」

遊香は振り向かずに小さく手を挙げて返事をすると、席に戻った。
そして放課後。

「ふふ、やっているな。風紀委員を引き連れて城之内と本田ヒロトをボコボコにしているな」

すると牛尾と遊戯がやってくる。遊戯が城之内達を庇うと馬鹿笑いする牛尾と風紀委員のメンバー達。全く、こんなのが風紀委員で大丈夫なのだろうか。遊香は溜め息を吐きながら牛尾が立ち去るのを待つ。数分後、牛尾が立ち去ったのを見計らって遊香は今だに城之内達を痛めつけている風紀委員達に向かって歩いて行き、ピアスを指で弾いた。
風紀委員達の周りが闇に包まれる。闇が晴れるとガラス張りの床の広い空間にいた。高い塀に囲まれ、上空には大きな月が浮かび、中央にテーブルと椅子が2つ置いてある。全く見覚えのない風景に風紀委員達はざわめき始める。

「やぁ童実野高校風紀委員の諸君。ゲームの時間だ」
「お、お前は野崎!」
「ん?ああ、君は同じクラスの風紀委員の不祥事君じゃないか」
「野崎!何のつもりだ!」
「何のつもりもないさ。君たちの中から一人、私とゲームをしてもらおうと思ってね。ここから出るには私にゲームで勝たなければならない」
「ゲーム?」
「そうゲームだ。プレイするゲームはデュエルモンスターズ。幸い君たちは人数が多い。その中から腕の立つ者が代表となり私の相手になって貰おうか」
「ふざけるな!いくら美人でもやっていい事と悪い事があるだろ!ここから出せ!」

風紀委員達は口々に文句を言うが、遊香はその光景を面白そうに笑っている。

「言っただろう?私に勝つしか此処からの脱出方法は無い。さぁ誰だ?私の相手になってくれるのは」
「俺が行く」
「ああ、この中でデュエルモンスターズが一番強いのはお前しかいないからな。頼むぞ」

風紀委員達の声援を受けて、ガタイのいい大柄の男がやって来た。そのまま用意されたフィールドの前に座る。

「君が相手か?」
「先輩だぞ?口を慎め。俺は細山田だ」
「ふっ、数分後には忘れてそうな名前だな」
「口を慎めと言っただろ!早く始めろ」
「ふふっ、いいだろう。君のデッキは此処にある。君の記憶から作られたデッキだ。腐っても風紀委員の君は学校にデッキなど持ってきていないだろうからな」
「御託はいい。早く始めるぞ」


「「デュエル」」


「私が先攻だ。《霊滅術師カイクウ》召喚。ターンエンド。細山田君のターンだ。君のターンを行う前に忠告しておこう。これは闇のゲームだ。君のライフポイントが減るごとに、君の仲間のガラスの地面が開いて行く。0になれば仲間たちはガラス越しに見えるあの闇の中に真っ逆さま。君も罰ゲームを受けてもらうよ」
「なんだと?ちっ、ドロー!へへ、付いてるぜ!《ビッグバン・ドラゴン》召喚!攻撃力2200!カイクウを上回るぜ!行け!《ビッグバン・ドラゴン》!」

二つの頭の口から炎が吹き出され、カイクウを焼き払った。

「どうだ!」
「ほう、先ずは手堅く400ポイントライフを減らしていくか。私のターン《闇紅の魔導師》召喚。このカードは召喚時に魔力カウンターを2つ置く」
「魔力カウンターだと?」
「魔力カウンターは魔術師達の魔力の根源さ。魔力カウンターがあれば魔術師達は様々な力を手に入れられる。例えばこの《闇紅の魔導師》は魔力カウンターによって攻撃力が600上がる」
「なんだと!?」
「どうだ細山田君。今度はこちらから行かせてもらおうか。2300となった《闇紅の魔導師》で《ビッグバン・ドラゴン》を攻撃」
「くっ、この!だが、たった100程度ライフポイントが減ったところで直ぐにもっと強いモンスターを出して一気に逆転してやる!」
「それは楽しみだ。精々足掻いてみせろ」

細山田はカードをドローする。そのカードを見るとニヤリと笑い魔法、罠ゾーンに2枚のカードをセットした。大方こちらの攻撃で発動してくる《聖なるバリア-ミラーフォース-》辺りだろう。ちょっとばかし面倒だと遊香は心の中で舌打ちするが、すぐに頭を切り替える。

「私のターン。ドロー。ふふっこれは面白い……!装備魔法《ガーディアンの力》を《闇紅の魔導師》に装備。これにより、《闇紅の魔導師》にもう一つ魔力カウンターが乗る。そして、装備モンスターは魔力カウンターの数だけ攻撃力が500上がる」
「何!?《闇紅の魔導師》には3つの魔力カウンターが置かれている!元々の効果で300ずつ攻撃力が上がっている中で更に500ずつ攻撃力が上がるだと!?」
「そうだ。合計2400ポイント攻撃力上昇。これで《闇紅の魔導師》の攻撃力は4100となった」
「よ、4100だと!?(だが、俺にはとっておきのカードがある。ここで奴が攻撃してくれば、奴は終わりだ!)」
「さぁ攻撃しろ。《闇紅の魔導師》!」
「ハッハー!かかったな!罠カード《炸裂装甲》!!これで《闇紅の魔導師》は破壊!そして教えてやるよ!俺の手札には《死者蘇生》のカードがある!これで《ビッグバン・ドラゴン》を蘇らせて終わりだ!」

高笑いする細山田。しかし、遊香は人差し指を立てると左右に振る。

「いいや、細山田君。《ガーディアンの力》を装備しているモンスターは、破壊される代わりに魔力カウンターを1つ取り除く」
「な、なんだと!?」
「攻撃続行。《闇紅の魔導師》!」
「な、ならこいつだ!《ダメージ・ダイエット》!これでダメージを半分にする!これで1650のダメージで留まる!」
「ほう、耐えたか。だが、後ろを見てみろ」

細山田が後ろを振り向くとガラスの床がかなり開いていた。風紀委員の生徒たちはどうにか壁にへばりついて落ちないようにしているが、もはやギリギリだった。

「テメェ……」
「言っただろう?これは闇のゲームだと。そして君の受けた1650分の床が開いた。さぁ、残りの350を守り切れるかな?」
「おのれ……ドロー!ふっ、いくら攻撃力が高くても攻撃出来なければ意味はないよな?魔法カード《悪夢の鉄檻》!これでお前は2ターンの間幽閉され、攻撃出来ないぞ!」
「やってくれるじゃないか。男子の君が女性である私を監禁するとはね。そんな事をしてタダで済むとは思わない事だ」
「へっ!檻の中から吠えても痛くも痒くもない!俺は《レジェンド・デビル》召喚!こいつは毎ターン攻撃力が700ずつ上がっていく!そして《デーモンの斧》を装備してターンエンドだ!《悪夢の鉄檻》が場にある限り俺からも攻撃出来ないが、鉄檻が解除される時には《レジェンドデビル》の攻撃力は3900。《闇紅の魔導師》の3300より攻撃力が高くなるぜ!さぁ、お前のターンだ!」
「私のターン。ドロー。ふふ」
「何がおかしい!」
「ふふふっ。君の負けだ細山田君」
「何!?馬鹿な!《悪夢の鉄檻》がある限りお前は攻撃出来ないはずだ!」
「ああ、モンスターでは攻撃しないさ。モンスターの魂で攻撃するからな。魔法カード《エクトプラズマー》発動」
「何!?」
「《エクトプラズマー》はお互いのエンドフェイズに自分のモンスターを墓地に送り、元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与える」
「そ、そんな……!嫌だあぁあああ!!」

細山田は立ち上がると他の風紀委員の仲間たちの方へ逃げていった。だが、闇のゲームで逃げる事は許されない。

「行け!《エクトプラズマー》!」

闇紅の魔導師がエクトプラズマーの素材となり細山田に向かって放たれる。直ぐに細山田に追いつくと、彼の背中を突き飛ばすように衝突する。細山田は倒れ込む。あと少し前には風紀委員達のいるガラスの床のエリアだ。

「残念だったな。君たちの代表のライフはゼロになった。よって君たちは闇の中に真っ逆さまだ。さようなら」
「嘘だろ?そんなッ!嘘だああああ!」

あがる風紀委員達の絶望の声、声、声。一人また一人と闇の中に落ちていく。後は目の前で丸まって縮こまっている細山田だけだ。

「わ、分かった!城之内達に必要以上に暴行を加えたのは謝る!謝るから助けてくれ!頼む!あ、あれは牛尾さんの命令で俺は仕方がなくやってたんだ!俺じゃないんだ!」
「何か勘違いをしているみたいだな細山田君」

細山田は遊香の顔を見上げるように顔を見る。紅い大きな瞳に紺色のサラサラした綺麗な髪。短く着こなしたスカートから伸びたスラリとした足や細い腕。肌は美白、桜色の唇。後ろで光る月の光でより神々しく見える。
しかし、いくら神々しく見えても彼女は女神ではない。

「誰が城之内君達の為だと言った?」
「!!」

そう、彼女は悪魔だ。
彼女は初めから城之内達の事など一言も言っていない。あの盤面で現れた彼女を自分達が勝手に城之内達の仲間だと勘違いしていただけだったのだ。

「闇の扉が開かれた……」
「やめてくれぇ!!」
「罰ゲーム!」

遊香が細山田に向かって指を差すと、細山田の足元のタイルが割れて同じように闇の中に消えて行った。
遊香のピアスが光り始める。すると、闇の中から15個の光がやってくるとスカートのポケットに吸収された。
闇のゲームの空間から出ると校庭の真ん中で牛尾が落ち葉を集めて大喜びをしていた。

「なるほど。遊戯との闇のゲームは済ませたようだな」

遊香は早速、闇遊戯とのコンタクトを取るべく次なる計画を考えるのであった。
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ストライクフレア
原作初回をTCG話でなぞるまさかまさかのお話!
遊香、楽しみにします。 (2018-09-28 18:57)
サクラ
ストライクフレアさん
はじめまして。サクラです。
最近東映版遊戯王を見る機会があってそれで書いてしまいました笑
次回もよろしくお願いします! (2018-09-29 07:19)

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