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HOME > 遊戯王SS一覧 > Episode88:終焉の弧光

Episode88:終焉の弧光 作:カズ

「望み通り来てやったぜ、エース!」


 ユーゴが先陣を切る形で3人はエースのアジトに乗り込んだが、エースの隣には「この場にいないはずの最後のアンドロイド」、No.001『YUYA(遊矢)』が置かれていた。彼は多彩な戦術で対戦相手を唸らせる「本気のエンターテインメントデュエル」を信条としてプログラミングされていたが、第二次アストラル大戦で感情を表に出されると計画に支障をきたすという理由から別の場所に隔離されていた。
 しかしエースは、自ら切り捨てたはずの彼を、それも禁断のプログラムを起動させてまで裏切り者への制裁としてユート達に充ててきた。そして、そのプログラムの名は……。


「遊矢、なのか?」
「我が名はゼット・アーク。エースと名乗る者からはズァークと呼ばれているが、好きに呼ぶといい。名前など、他人から無責任に押しつけられた烙印のようなものだからな」


 エースは遊矢の体内に仕込まれた再構築プログラム「Z-ARC(ゼット・アーク)」を起動し、遊矢としての記憶をほぼ全て消去してしまった。そして今の彼は、デュエルを自分の渇きを潤すための手段としか見ていなかった。


「折角だ、3人を同時に相手してやろう。退屈しのぎとしては我にとって申し分ない」
「退屈しのぎだぁ?!言ってくれるじゃねえか!」
「落ち着けユーゴ。それで、お前はこのデュエルに勝った後、何を望む?」
「……そこの紫のヤツが懐にしまっているカードだ。そのカードを使い、我とお前達3人の意識プログラムを統合する」


 ユーリが持ち出した『超融合』のカードには、他のカードとは違い並々ならぬエネルギーが詰め込まれていた。ゼット・アークはその力による人格統合を成すことで、自分が最強であることの証明を果たそうと画策していたのだ。
 それをユーリ達が黙って見過ごさないことも想定済みだった彼は、こうして3人同時デュエルという明らかに分が悪い状況を自ら作り出した。そして、その変則デュエルのルールもゼット・アークが取り仕切ったが、彼曰く「これが最も合理的に戦える」らしい。ユート達もこのルールに異論はなく、4人全員が臨戦態勢に入った。



※「複数vs単独」変則ルール
・ターン順:A(単独側)→B→A→C→A→D(この場合、遊矢→ユート→遊矢→ユーゴ→遊矢→ユーリ)(複数側の集団リ○チにならないようにするため)
・単独側がドローフェイズを行えるのは、Bのターン終了後の1ターンのみ。CとDの次のターンはドローフェイズをスキップする(デッキアウトのスピード、手札バランスを考慮)
・単独側がバトルフェイズを行なう場合、その相手は直前にターンを行なったプレイヤーのみ(確実に1vs1の状況を作るため)
・複数側は2ターン目(Bの1ターン目)から、単独側は3ターン目から攻撃可能
・単独側のライフポイント=複数側の人数×8000
・複数側は墓地・フィールドのカードを共有(元々の持ち主が自分でないカードでも、発動できる効果があれば使用可能)
・単独側が「相手フィールドのカードを全て破壊する」効果を発動した場合、その範囲は複数側全員に及ぶ
・複数側が↑と同じ効果を発動した場合、その効果が及ぶのは単数側のみ
・「手札を捨てる」カード(手札抹殺、メタモルポットなど)を発動した場合、その効果は全プレイヤーに及ぶ






「「「「デュエル!!」」」」


UTE→LP:8000 手札:5 デッキ:35 Mゾーン:0 M&Tゾーン:0 Fゾーン:0 Pゾーン:0

HUGO→LP:8000 手札:5 デッキ:35 Mゾーン:0 M&Tゾーン:0 Fゾーン:0 Pゾーン:0

JOERI→LP:8000 手札:5 デッキ:35 Mゾーン:0 M&Tゾーン:0 Fゾーン:0 Pゾーン:0


 V S


YUYA(Z-ARC) →LP:24000 手札:5 デッキ:45 Mゾーン:0 M&Tゾーン:0 Fゾーン:0 Pゾーン:0



*TURN01
「我のターン。手札の『超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン』の効果発動!このカードを捨て500のライフを払い、デッキより『覇王眷竜ダークヴルム』を手札に。そしてダークヴルムをペンデュラムゾーンに置き、そのペンデュラム効果を発動!我が陣にモンスター無き時、デッキよりスケール0の『覇王門零』をペンデュラムゾーンに置く」
YUYA(Z-ARC)→LP:23500



○超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン(Lv12 光)
ドラゴン族/特殊召喚/ペンデュラム/効果
攻?/守?
【Pスケール:青12/赤12】
①:自分はドラゴン族モンスターしかP召喚できない。この効果は無効化されない。②:自分の墓地のドラゴン族の融合・S・Xモンスター1体を対象として発動できる。このカードを破壊し、そのモンスターを特殊召喚する。
【モンスター効果】
このカードは通常召喚できない。手札からのP召喚、または自分フィールドのドラゴン族の融合・S・Xモンスターを1体ずつリリースした場合のみ特殊召喚できる。①:このカードを手札から捨て、500LPを払って発動できる。デッキからレベル8以下のドラゴン族Pモンスター1体を手札に加える。②:このカードの攻撃力・守備力は相手のLPの半分の数値分アップする。③:1ターンに1度、LPを半分払って発動できる。このカード以外のお互いのフィールド・墓地のカードを全て持ち主のデッキに戻す。


○覇王眷竜ダークヴルム(Lv4 闇)(制限カード)
ドラゴン族/ペンデュラム/効果
攻1800/守1200
【Pスケール:青5/赤5】
①:1ターンに1度、自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。デッキから「覇王門」Pモンスター1体を選び、自分のPゾーンに置く。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしかP召喚できない。
【モンスター効果】
「覇王眷竜ダークヴルム」の①②のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「覇王門」Pモンスター1体を手札に加える。②:このカードが墓地に存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。


○覇王門零(Lv7 闇)
悪魔族/ペンデュラム/効果
攻0/守0
【Pスケール:青0/赤0】
①:自分フィールドに「覇王龍ズァーク」が存在する場合、自分が受ける全てのダメージは0になる。②:1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「覇王門無限」が存在する場合に発動できる。自分のPゾーンのカード2枚を破壊し、デッキから「融合」魔法カードまたは「フュージョン」魔法カード1枚を手札に加える。
【モンスター効果】
①:1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。そのカードとこのカードを破壊し、ドラゴン族の融合モンスターまたはドラゴン族のSモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力・守備力は0になり、効果は無効化され、S・X召喚の素材にできない。②:モンスターゾーンのこのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。このカードを自分のPゾーンに置く。



「ダークヴルム…それに覇王門だと?」
「遊矢のデッキにそんなカードは入っていないはずだけど?」


 本来の遊矢が扱うデッキは『超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン』や『オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン』を攻撃の起点とし、多種多様な『EM』によって構成されたハイブリッドデッキだった。しかしゼット・アークのデッキは、それとは全く別物の【覇王魔術師】に仕上げられている。


「フィールド魔法『天空の虹彩』を発動。ペンデュラムゾーンのダークヴルムを破壊し、デッキより『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』を手札に加える。そしてペンデュラム・ドラゴンをペンデュラムゾーンへ置き、永続魔法『星霜のペンデュラムグラフ』を発動」


 オッドアイズ・レボリューション・ドラゴンやオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンのように、かつて遊矢が使っているカードも確認できたが、それらを相棒のように扱った遊矢とは完全に真逆で、カードへの思いやりが一切伝わってこなかった。


「エンドフェイズにオッドアイズのペンデュラム効果発動!自らを破壊し、デッキより『調弦の魔術師』を手札に加え、ターンエンド」
YUYA(Z-ARC) →LP:23500 手札:3 デッキ:41 Mゾーン:0 M&Tゾーン:1 Fゾーン:1 Pゾーン:1



*TURN02
「行くぞ遊矢。俺のターン、ドロー!」


 2番手はユート。このターンから攻撃が可能だが、彼の手札には攻撃に使えるものがなかった。確実に勝つためには、ここで焦って攻めるよりも彼本来の堅実なプレイスタイルを貫いた方がよいと判断し、守りの態勢を整えようと手を打った。


「速攻魔法『手札断札』を発動!全てのプレイヤーは手札を2枚墓地へ送り、同じ枚数をドローする!」
「ターンも始まっていない味方の手札を交換させるとは何と愚かな」
「…いや。俺は2人を信じて、そしてこのデュエルで遊矢を取り戻すための一手を打ったまでだ」


 「墓地は第二の手札」という言葉があるが、それを特に体現したユートの【幻影彼岸】にとって手札断札及び手札抹殺は欠かせないカードだった。能動的に墓地へ落とせるカードを駆使することで、その後の展開は大きく変わる。


「手札断札の効果で墓地へ送られた『魔サイの戦士』の効果発動!デッキから『彼岸の悪鬼 スカラマリオン』を墓地へ落とす。そして墓地の『幻影騎士団ダスティローブ』を除外し、デッキから『幻影騎士団ウロング・マグネリング』を手札に加える。カードを4枚伏せ、エンドフェイズにスカラマリオンの効果発動!デッキから『魔界発現世行きデスガイド』を手札に加える。これでターンエンドだ」
UTE→LP:8000 手札:3 デッキ:29 Mゾーン:0 M&Tゾーン:4 Fゾーン:0 Pゾーン:0



○手札断札(速攻魔法)
①:お互いのプレイヤーは手札を2枚墓地へ送る。その後、それぞれデッキから2枚ドローする。


○魔サイの戦士(Lv3 地)
悪魔族/効果
攻1400/守900
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、「魔サイの戦士」以外の自分フィールドの悪魔族モンスターは戦闘・効果では破壊されない。②:このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「魔サイの戦士」以外の悪魔族モンスター1体を墓地へ送る。


○幻影騎士団ウロング・マグネリング(通常罠)
①:相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。その攻撃を無効にする。その後、このカードは以下の効果を持つ効果モンスター(戦士族・闇・星2・攻/守0)となり、モンスターゾーンに攻撃表示で特殊召喚される(罠カードとしては扱わない)。●このカード及び自分フィールドの表側表示の、「幻影騎士団」モンスター1体または「ファントム」永続魔法・永続罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。この効果は相手ターンでも発動できる。



*TURN03
「我のターン、ドロー!」


 ユートのターンが終了した後のターンのみ、ゼット・アークはドローフェイズを行える。しかし、彼のデッキならばありとあらゆる方法で通常のドローよりも的確に必要なカードをサーチするのだから、ドローフェイズを飛ばされた程度で痛くもかゆくもないだろう。


「天空の虹彩の効果発動!ペンデュラムゾーンの覇王門零を破壊し、デッキより『超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン』を手札に加える。そして我は、スケール2の『降竜の魔術師』と、スケール8の『クロノグラフ・マジシャン』でペンデュラムスケールをセッティング。クロノグラフのペンデュラム効果発動!このカードを破壊し、デッキからスケール8の『時読みの魔術師』をペンデュラムゾーンにセットする」
「来るか……」
「揺れろ、我が魂に宿る運命の因子。ペンデュラム召喚!!エクストラデッキから蘇れ『覇王門零』『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』『覇王眷竜ダークヴルム』。手札より来たれ、『調弦の魔術師』!!」



○クロノグラフ・マジシャン(Lv6 闇)
魔法使い族/ペンデュラム/効果
攻2000/守1700
【Pスケール:青8/赤8】
「クロノグラフ・マジシャン」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。①:自分メインフェイズに発動できる。このカードを破壊し、手札・デッキから「時読みの魔術師」1体を選び、自分のPゾーンに置くか特殊召喚する。
【モンスター効果】
①:自分フィールドのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。その後、手札からモンスター1体を特殊召喚できる。②:フィールドのこのカードを除外し、自分の手札・フィールド・墓地から、「ペンデュラム・ドラゴン」「エクシーズ・ドラゴン」「シンクロ・ドラゴン」「フュージョン・ドラゴン」モンスターを1体ずつ除外して発動できる。「覇王龍ズァーク」1体を融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。


○降竜の魔術師(Lv7 闇)
魔法使い族/ペンデュラム/効果
攻2400/守1000
【Pスケール:青2/赤2】
①:1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの種族は相手ターン終了時までドラゴン族になる。
【モンスター効果】
①:1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。このカードの種族はターン終了時までドラゴン族になる。②:フィールドのこのカードを素材として融合・S・X召喚したモンスターは以下の効果を得る。●このカードがドラゴン族モンスターと戦闘を行うダメージステップの間、このカードの攻撃力は元々の攻撃力の倍になる。



 遊矢の分身、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを含む4体のモンスターをペンデュラム召喚し、調弦とダークヴルムの効果によってそれぞれ覇王門零と黒牙の魔術師をサーチ及びリクルートした。5体のモンスターを揃えたところで、遊矢は次の段階に移った。


「我はレベル4の調弦の魔術師と黒牙の魔術師でオーバーレイ!漆黒の闇より、我に抗う愚鈍なる牙。今降臨せよ。エクシーズ召喚!ランク4『覇王眷竜ダーク・リベリオン』!!」



○覇王眷竜ダーク・リベリオン(ランク4 闇)
ドラゴン族/エクシーズ/効果
攻2500/守2000
闇属性レベル4のPモンスター×2
①:1ターンに1度、このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算前に、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。ターン終了時まで、その相手モンスターの攻撃力を0にし、その元々の攻撃力分このカードの攻撃力をアップする。②:自分・相手のバトルフェイズにこのカードをEXデッキに戻して発動できる。自分のEXデッキの表側表示のPモンスターの中から、「覇王眷竜」モンスターまたは「覇王門」モンスターを合計2体まで選んで守備表示で特殊召喚する。



 禁忌の四龍、オッドアイズ、ダーク・リベリオン、クリアウィング、スターヴ・ヴェノムはあくまで仮初めの姿。ズァークの眷属としての「覇王眷竜」こそ本来の姿であり、その力も格段に上昇している。


「俺のダーク・リベリオンを……」
「続けて我は、フィールドのダークヴルムとオッドアイズを融合する。飢えた牙持つ紫毒の竜よ、出でて地獄の花を狂い咲かせよ。融合召喚!『覇王眷竜スターヴ・ヴェノム』!!」



○覇王眷竜スターヴ・ヴェノム(Lv8 闇)
ドラゴン族/融合/効果
攻2800/守2000
闇属性Pモンスター×2
このカードは融合召喚及び以下の方法でのみ特殊召喚できる。●自分フィールドの上記カードをリリースした場合にEXデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。①:1ターンに1度、このカード以外の自分または相手のフィールド・墓地のモンスター1体を対象として発動できる。エンドフェイズまで、このカードはそのモンスターと同じ、元々のカード名・効果を得る。このターン、自分のモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。



「今度は僕のスターヴ・ヴェノムまで……」
「ってことは、俺のクリアウィングもそうなのかよ?!」
「その通りだ。覇王眷竜スターヴ・ヴェノムの効果発動!エンドフェイズまでこのカードは、我が墓地のオッドアイズ・レボリューション・ドラゴンとして扱い、同じ効果を獲得する」


 各々の相棒モンスターのみならず、遊矢の身体までもいいように利用され、3人は頭に血が上っていた。
 レボリューション・ドラゴンには、ライフポイントの半分を攻撃力に変換するものに加え、ライフを半分払うことで全プレイヤーのフィールドと墓地のカードをデッキに戻す効果がある。遊矢のライフは23500であるため、その半分、11750がスターヴ・ヴェノムの攻撃力となる。これを防がなければ、ユーゴとユーリの想いも途切れてしまうが……?


「バトル!覇王眷竜スターヴ・ヴェノムでダイレクトアタック!!」
「それは通さない!罠カード『幻影騎士団ウロング・マグネリング』を発動!その攻撃を無効にし、このカードをレベル2の効果モンスターとして攻撃表示で特殊召喚する」
「ならばこれならどうだ?覇王眷竜ダーク・リベリオンでウロング・マグネリングを攻撃!」
「スターヴ・ヴェノムを対象に、罠カード『幻影騎士団ロスト・ヴァンブレイズ』を発動!対象モンスターはレベル2となり、攻撃力も600下がる。そして俺の幻影騎士団はこのターン破壊されない!」
「だがダメージは受けてもらおうか」
UTE→LP:5500


 ダメージこそ受けたものの、スターヴ・ヴェノムによる敗北は罠カードで上手く免れた。そしてユートのフィールドにレベル2のモンスターが2体揃い、彼の狙いは的中し、相手ターンでもエクシーズ召喚を行える罠カード『ワンダー・エクシーズ』の発動条件を整えた。


「俺はレベル2のウロング・マグネリングとロスト・ヴァンブレイズでオーバーレイ!幾つもの戦場を駆け、闇を貫く反逆の槍。今降臨せよ。エクシーズ召喚!ランク2『幻影騎士団カースド・ジャベリン』!!」



○幻影騎士団カースド・ジャベリン(ランク2 闇)
戦士族/エクシーズ/効果
攻1600/守0
レベル2モンスター×2
「幻影騎士団カースド・ジャベリン」の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:このカードのX素材を1つ取り除き、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。ターン終了時までそのモンスターの攻撃力は0になり、効果は無効化される。このカードが「幻影騎士団」カードをX素材としている場合、この効果は相手ターンでも発動できる。



 ゼット・アークのバトルフェイズも終了し、カースド・ジャベリンを出すタイミングは少し遅かったかに思えるが、ユートのカードでも数少ない「相手ターンでも発動できる」モンスター効果は次のユーゴのターンでのアシストに繋がる。


「カードを1枚伏せる。我はこれにてターンエンド」
YUYA(Z-ARC)→LP:21900 手札:1 デッキ:35 Mゾーン:3 M&Tゾーン:2 Fゾーン:1 Pゾーン:2


*TURN04
(ヤツは遊矢じゃねぇ。そうだと分かっていても、その事実を「はいそうですか」ってすんなり受け入れられるほど、俺達は出来たアンドロイドじゃねえんだよ!)
「俺のターン、ドロー!」
「援護するぞユーゴ。カースド・ジャベリンの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、ターンの終わりまで覇王眷竜ダーク・リベリオンの効果を無効にし、攻撃力を0にする!」


 前のターンで「目の前にいるのは遊矢の姿を象った別のプログラム」だとはっきり分かった。しかし3人とも、特にユーゴはそれを認めようとせず、自分たちのデュエルを見せつけて仲間を取り戻そうと決意を固めた。
 そこにユートからの後押しも加わり、彼の心には熱風が吹き荒んでいた。


(サンキュー、ユート。これで思う存分暴れられるぜ!)
「自分フィールドにモンスターが存在しない時、このカードは手札から特殊召喚できる。来い、『WW-アイス・ベル』!!」


 アイス・ベルの効果を使い、デッキから新たに『WW-グラス・ベル』を特殊召喚した。この戦法は命慈とのデュエルでも披露した、召喚権を一切使わずにクリスタルウィングを召喚するものだ。ユートが伏せカードで壁を作ったなら、ユーゴはクリスタルウィングという槍で遊矢を操っているプログラムを取り除く。


「俺はレベル3のアイス・ベルに、レベル4のグラス・ベルをチューニング!真冬の風よ、氷雪を糧に吹き抜けよ。シンクロ召喚!『WW-ウィンター・ベル』!!」


 ユーゴはウィンター・ベルの効果を使い800のダメージを与えようとしたのだが、このタイミングでゼット・アークが待ったをかけた。前のターンでセットした永続罠『時空のペンデュラムグラフ』を発動し、その効果でスノウ・ベルを破壊したのだ。
 スノウ・ベルを素材としたシンクロモンスターは効果による破壊耐性を獲得する。そのスノウ・ベルがシンクロモンスターの中でも上位クラスに位置するクリスタルウィングの素材になれば、いくら彼でもそう簡単に対処できないと踏んでいたからこその破壊だった。そして時空と星霜、両方のペンデュラムグラフによって「ドローできない」次のターン以降に発生するハンデを覆したのだ。



(くそっ…!クリスタルウィングを召喚させねぇってか。だが、まだ道が絶たれたわけじゃねぇ!)
「俺は手札から『SRダブルヨーヨー』を召喚し、墓地から赤目のダイスを特殊召喚する。そして赤目のダイスの効果で、ダブルヨーヨーをレベル6に変更する。レベル6のダブルヨーヨーに、レベル1の赤目のダイスをチューニング!輝く翼、神速となり天地を照らせ。シンクロ召喚!『クリアウィング・ファスト・ドラゴン』!!」


 手札断札によって赤目のダイスと電ヶ大公を捨て、ダブルヨーヨーとタケトンボーグを引き当てた。スピードロイドはモンスターの比重がユートのデッキより多くなっているが、自発的に特殊召喚を行ないやすい点ではペンデュラムにも引けを取らない。
 続けてタケトンボーグを特殊召喚し、墓地の電ヶ大公の効果を発動し、赤目のダイスを再復活させた。最初から無茶とも取れるほどのハイペースで飛ばす彼だが、それだけこのデュエルに懸ける想いが強いという証拠だ。


「レベル6となったタケトンボーグにレベル1の赤目のダイスをチューニング!その美しくも雄々しき翼翻し、光の速さで敵を討て。シンクロ召喚!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!!」


 2種類のクリアウィングに加えウィンター・ベルまでも1ターン目から展開したが、彼の手札はまだ3枚残っていた。その中からユーゴは、命慈とのデュエルでは使う機会がなかった『SR56(ファイブシックス)プレーン』を手札から特殊召喚した。スピードロイドでも珍しい上級モンスターだが、彼のエースモンスターとのコンボは無駄がない。


「SR56プレーンの効果発動!クリアウィング・シンクロ・ドラゴンの攻撃力を600下げる。だがこの効果に対し、クリアウィング・シンクロ・ドラゴンの効果発動!レベル5以上のモンスターが効果を発動した時、その発動を無効にし破壊する!そしてクリアウィングの攻撃力は、ターン終了時まで56プレーンの攻撃力分アップするぜ!」


○SR56プレーン(Lv5 風)
機械族/効果
攻1800/守0
「SR56プレーン」の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:自分フィールドにモンスターが特殊召喚された場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は風属性モンスターしか特殊召喚できない。②:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで600ダウンする。



 スターヴ・ヴェノムはファスト・ドラゴンだけでも処理できるが、2体目のダーク・リベリオンはユートがいなければ攻略できなかった。ダーク・リベリオンが攻撃力を吸収するのはダメージ計算前、それも「対象を取らず」に行なわれるため、シンクロ・ドラゴンでも無効にすることはできないからだ。しかし2人は、協力してそれを乗り越えた。


「バトルだ!クリアウィング・シンクロ・ドラゴンでダーク・リベリオンを攻撃!続けてファスト・ドラゴンでスターヴ・ヴェノムを攻撃だ!」
「ぐっ…!」
YUYA(Z-ARC)→LP:14300


 続けてウィンター・ベルで守備表示の覇王門零を破壊し、ゼット・アークのフィールドは再び更地になった。攻撃の起点となるユーゴと守りを得意とするユートが合わさって漸く1人分のライフを削り取ったが、まだ彼の中に封じられた遊矢には届かない。


(こんだけ攻めたのに、まだダメなのかよ…!)
「…俺は、これでターンエンドだ」
HUGO→LP:8000 手札:2 デッキ:30 Mゾーン:3 M&Tゾーン:0 Fゾーン:0 Pゾーン:0




*TURN05
「我のターン!」


 このターンではドローフェイズを行えないが、ペンデュラムグラフによるサーチで手札をことは増強することはできる。遊矢の手札はスノウ・ベルを破壊したことでサーチした慧眼の魔術師のみだが、このカードさえあればいくらでも融通が利く。


「時空のペンデュラムグラフの効果発動!我がペンデュラムゾーンの時読みと、クリアウィング・シンクロ・ドラゴンを破壊する」
「くそっ…!」
「そして星霜の効果により、デッキから賤竜の魔術師を手札に加える」


 シンクロ・ドラゴンのみならず、「クリアウィング」モンスターが効果を使えるのはモンスターに対してのみ。モンスターに対して滅法強い反面、魔法・罠カードには非常に弱いことはユーゴも重々承知だが、手札に『追走の翼』のような防御カードを引き込めなかった以上、こればかりはどうしようもない。


「我はスケール2の賤竜の魔術師とスケール5の慧眼の魔術師をペンデュラムゾーンに置き、慧眼のペンデュラム効果発動!自らを破壊し、デッキよりスケール1の紫毒の魔術師をペンデュラムゾーンに置く。賤竜のペンデュラム効果で、エクストラデッキの慧眼を手札に戻す。天空の虹彩の効果により賤竜を破壊し、デッキより『オッドアイズ・フュージョン』を手札に加える」


 慧眼の魔術師のペンデュラム効果に「ターン中1回のみ」という制限がないことを利用し、空いたペンデュラムゾーンに再びセットすることで実質1枚で左右のペンデュラムスケールを揃えてみせた。
 エクストラデッキには多くのペンデュラムモンスターが蓄積されており、ゼット・アークは『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』『賤竜の魔術師』『降竜の魔術師』『覇王眷竜ダークヴルム』『覇王門零』の5体を容易くペンデュラム召喚したが、本当の恐怖はここからだった。


「賤竜の効果により、墓地の白翼を手札に戻す。そして我は、レベル7の覇王門零と降竜の魔術師でオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れよ『No.11 ビッグ・アイ』!!」


○No.11 ビッグ・アイ(ランク7 闇)
魔法使い族/エクシーズ/効果
攻2600/守2000
レベル7モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターのコントロールを得る。この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。


「カースド・ジャベリンの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、ビッグ・アイの効果を無効にし、攻撃力を0にする!」
「そう。お前達にはそうするしかあるまい。だが!魔法カード『オッドアイズ・フュージョン』を発動し、フィールドのオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンと賤竜の魔術師を融合する。融合召喚!『ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!!」



○ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン(Lv8 闇)
ドラゴン族/融合/効果
攻3000/守2000
「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」+魔法使い族モンスター
①:このカードは、「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」以外の融合素材としたモンスターの元々のレベルによって以下の効果を得る。●レベル4以下:このカードは1度のバトルフェイズ中に2回までモンスターに攻撃できる。●レベル5以上:このカードは1度のバトルフェイズ中に3回までモンスターに攻撃できる。②:フィールドのP召喚されたモンスターを素材としてこのカードが融合召喚に成功したターン、このカードは相手の効果を受けない。



 ビッグ・アイのコントロール奪取を警戒したユートがそれを止めたが、それはまだほんの序の口だった。このルーンアイズも、かつて遊矢がユーリから融合召喚を教わった際に初めて会得したカードであり、遊矢の数ある切り札の中でもお気に入りとして愛されていた。モンスターへの複数回攻撃に加え、融合召喚したターンは相手の効果を一切受け付けない強力な耐性を持つこのカードは、ユーゴのファスト・ドラゴンにとって天敵そのものだった。


「そして我は白翼の魔術師を通常召喚し、レベル4のダークヴルムにレベル4の白翼の魔術師をチューニング!その美しくも雄々しき翼を闇に染め、輝きを喰らい舞い上がれ。シンクロ召喚!『覇王眷竜クリアウィング』!!」


○覇王眷竜クリアウィング(Lv8 闇)
ドラゴン族/シンクロ/効果
攻2500/守2000
チューナー+チューナー以外の闇属性Pモンスター1体以上
①:このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。相手フィールドの表側表示モンスターを全て破壊する。②:1ターンに1度、このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算前に発動できる。そのモンスターを破壊し、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。③:このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドの「覇王眷竜」モンスター2体をリリースして発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。



「俺のクリアウィングが……!」
「悲観する暇などない。覇王眷竜クリアウィングがシンクロ召喚に成功したことで、お前達のモンスターを全て破壊する!」
「やらせねえ!ファスト・ドラゴンでクリアウィングの効果を無効にし、攻撃力を0にするぜ!」
「だがルーンアイズからは逃れられまい。バトル!ルーンアイズでウィンター・ベル及びファスト・ドラゴンを攻撃!」
「ぐっ…!」
HUGO→LP:5900


 覇王眷竜と化したクリアウィングも、スターヴ・ヴェノムやダーク・リベリオンに勝るとも劣らない強力な力を持っていた。全滅を避けるためにファスト・ドラゴンの効果を使用したが、ルーンアイズの連続攻撃でユーゴのモンスターは2体とも破壊されてしまった。ファスト・ドラゴンは破壊された時にペンデュラムゾーンへ移動できる効果があったが、その効果を使わずにエクストラデッキに置かれた。
 ユートとユーリは即座にその狙いに気付いたが、ゼット・アークも同様なのかは定かではない。


「我はこれでターンエンド。さあ、次はどんな策を見せてくれるのだ?」
YUYA(Z-ARC)→LP:14300 手札:1 デッキ:30 Mゾーン:3 M&Tゾーン:2 Fゾーン:1 Pゾーン:2



*TURN06
「僕のターン、ドロー!」


 4人目のユーリにターンが回ってくるまでの間、ユートとユーゴが覇王眷竜の力を抑えつつ、自分たちのライフポイントを少しでも温存しようとプレイしてきた。そのおかげでユーリへ想いの襷が繋がれた。


「僕は手札からフィールド魔法『暴走魔方陣』を発動!その効果処理でデッキから『召喚師アレイスター』を手札に加え、通常召喚。アレイスターの効果発動!デッキから『召喚魔術』を手札に加える」
「ほう……」



○暴走魔方陣(フィールド魔法)
「暴走魔法陣」は1ターンに1枚しか発動できない。①:このカードの発動時の効果処理として、デッキから「召喚師アレイスター」1体を手札に加える事ができる。②:このカードがフィールドゾーンに存在する限り、融合モンスターを融合召喚する効果を含む効果を自分が発動した場合、その発動は無効化されず、その融合召喚成功時に相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。


○召喚師アレイスター(Lv4 闇)(準制限カード)
魔法使い族/効果
攻1000/守1800
①:このカードを手札から墓地へ送り、自分フィールドの融合モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで1000アップする。この効果は相手ターンでも発動できる。②:このカードが召喚・リバースした場合に発動できる。デッキから「召喚魔術」1枚を手札に加える。


○召喚魔術(通常魔法)
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを手札から墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。「召喚獣」融合モンスターを融合召喚する場合、自分フィールド及び自分・相手の墓地のモンスターを除外して融合素材とする事もできる。②:このカードが墓地に存在する場合、除外されている自分の「召喚師アレイスター」1体を対象として発動できる。墓地のこのカードをデッキに戻し、対象のモンスターを手札に加える。



 ユーリの愛用していたオフリス・スコーピオや植物族の汎用カード『ローンファイア・ブロッサム』が規制され、以前のように純粋な【捕食植物】を組むことが難しくなってしまった。しかしユート・ユーゴとの相談のもと、同じ融合召喚に長けた【召喚獣】のパーツを取り入れることでデッキを強化することに成功したのだ。


「手札から魔法カード『召喚魔術』を発動!手札から融合素材とするモンスターを墓地へ送ることで融合召喚を行なう。ただし召喚獣と名の付いたモンスターを融合召喚する場合、自分及び相手のフィールド・墓地のカードを除外することでも融合召喚を行える!」
「よっしゃあ、いいぞユーリ!」
「僕はフィールドのアレイスターと、ゼット・アークの墓地の『紫毒の魔術師』を除外し、融合召喚!現れよ、『召喚獣カリギュラ』!!」



○召喚獣カリギュラ(Lv4 闇)
獣族/融合/効果
攻1000/守1800
「召喚師アレイスター」+闇属性モンスター
①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、その間はお互いに、それぞれ1ターンに1度しかモンスターの効果を発動できず、それぞれのバトルフェイズにモンスター1体でしか攻撃できない。



「墓地の『召喚魔術』の効果発動。除外されているアレイスターを手札に戻し、召喚魔術をデッキに戻す。続けて魔法カード『融合』を発動し、フィールドのカリギュラと手札の『捕食植物コーディセップス』を素材に融合召喚する。現れよ、『捕食植物ドラゴスタペリア』!!」


 ゼット・アークが墓地へ落とした紫毒の魔術師を覇王龍ズァークの素材にされる前に除外することで、その召喚を未然に防ぐことはできた。加えてユーリは、アレイスターと召喚魔術のコンボによって毎ターンほぼ確実に「召喚獣」の融合召喚が約束されている。しかし3人の本当の狙いは、彼らが持っている「遊矢との絆のカード」を使ってデュエルに勝利することだ。


「ドラゴスタペリアの効果発動!1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体に捕食カウンターを1つ置く。ルーンアイズに置かせてもらうよ。そして墓地の『捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ』の効果発動!このカードは、捕食カウンターが置かれているモンスター1体をリリースすることで墓地から特殊召喚できる!」



○捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ(Lv5 闇)
植物族/効果
攻800/守2300
「捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ」の、①の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:このカードは自分または相手フィールドの捕食カウンターが置かれたモンスター1体をリリースした場合に手札・墓地から特殊召喚できる。②:このカードがフィールド・墓地に存在する場合、このカード以外の自分の墓地の「捕食植物」モンスター1体を除外し、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力は500ダウンする。この効果は相手ターンでも発動できる。



「そのルーンアイズは、遊矢との繋がり。君なんかがそう易々と使っていいカードではないんだよ」
「……」
「続けて装備魔法『捕食接ぎ木(プレデター・グラフト)』を発動し、墓地の『捕食植物サンデウ・キンジー』を特殊召喚。キンジーの効果発動!このカードとドロソフィルム・ヒドラを素材として融合召喚する!現れよ、『捕食植物キメラフレシア』!!」


 ユーリだけは、目の前の相手を遊矢ではなくゼット・アークとして捉えていた。「たとえ非情だと言われようが、仲間の身体を支配した相手に情けをかける理由など何処にもない」ユーリのこの考えが、何より遊矢のことを思っている証だった。しかしゼット・アークにそのような考えは一切通用しなかった。


「我はここで『時空のペンデュラムグラフ』の効果発動!ペンデュラムゾーンの紫毒の魔術師と、キメラフレシアを破壊する!そしてペンデュラムゾーンで破壊された紫毒の魔術師の効果により、ドラゴスタペリアも破壊させてもらうぞ」
「チッ…!」


 折角の連続融合召喚も、ペンデュラムグラフと魔術師のコンボの前に断絶されてしまい、ユーリのフィールドは初期状態に戻されてしまった。しかし、一度のバトルフェイズでモンスターへ連続攻撃するルーンアイズを除去できたことは非常に大きく、ゼット・アークにとって有益になるモンスターが居ないおかげでビッグ・アイに奪われる心配も殆どなくなった。残すは覇王眷竜クリアウィングだけだが、向こうが攻撃を仕掛けても、こちらから攻撃を仕掛けても返り討ちに遭うモンスターをどう攻略すればよいのか。


(あの2枚のペンデュラムグラフとクリアウィングを対処しない限り、向こうのペースを崩すことはできない……か)
「僕はカードを1枚伏せて、ターンエンド」
JOERI→LP:8000 手札:2 デッキ:31 Mゾーン:0 M&Tゾーン:1 Fゾーン:0 Pゾーン:0






~現在の状況~
UTE→LP:5500 手札:3 デッキ:29 Mゾーン:1 M&Tゾーン:1 Fゾーン:0 Pゾーン:0

HUGO→LP:5900 手札:2 デッキ:30 Mゾーン:0 M&Tゾーン:0 Fゾーン:0 Pゾーン:0

JOERI→LP:8000 手札:2 デッキ:31 Mゾーン:0 M&Tゾーン:1 Fゾーン:0 Pゾーン:0


 V S


YUYA(Z-ARC) →LP:14300 手札:2 デッキ:29 Mゾーン:2 M&Tゾーン:2 Fゾーン:1 Pゾーン:1





*あとがき
かれこれ1ヶ月ぶりの更新ですが、3vs1のルールを最初に提唱した人に文句言いたくなりました……。タッグデュエルはアニメルールをほぼそのまま持ち込む形でこのシリーズでも何度か使ってきたのですが、この特殊ルールに関しては私自身も初めてだったので、どうすればゲームバランスが崩壊せずデュエルを進行できるか非常に頭を悩ませました。
Playmakerが「デュエルは1vs1でするものだ」とは言いましたが、ホントその通りですね。
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