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HOME　＞　遊戯王SS一覧　＞　1-4 幸崎 皓の登場

1-4 幸崎 皓の登場　作：霧雨

晟もどうやら戦力外通告は免れたようで、今は俺と一緒に歩いている。
Wanted Hunter代表、篝火 昴に連れられて、例のカードショップにしか見えない建物の地下へ地下へと、ただ階段を降り続けていた。

やっと一番下まで来たようで、豪快とは程遠いこじんまりした扉を開けると、そこにあったのはデュエル場のようだった。それだけではなく、椅子やらテレビやらキッチンやら、ここで生活できるようになっているのだろう。

デュエルフィールドには1人の男が立っていた。この男が、俺の先輩なのだろう。
まるで示し合わせていたかのようで、今まさに俺を待っていたかのような風情だった。すると昴が俺に、

「彼が、お前たちの先輩となる幸崎 皓だ」

俺だけではなく、晟もだったな。そう言われると晟は、

「よろしくな！！俺は四月 晟だ！」

意気揚々と挨拶をしていた。それに続いて俺も

「今日からハンターに加入した新峠 遊だ。何もわからないがデュエルは理解している」

と言っておいた。しかしこの幸崎 皓とやらは俺を無視し、

「おい、四月 晟。お前は最近調子が悪いみたいだが、やる気あるのか？」
「あ、あぁ、もちろんさ！さっきの遊…こいつとのデュエルで、自信を取り戻すことができたのさ」
「ということは、当然勝ったんだよな？」
「うぐっ…」
「負けた…とでも言うのか？ド素人相手に」

勝つことだけが全てというわけでもない。俺は反論した。

「負けてもいい試合をしたのなら、それは絶対次につながると思うがな」

その一言に、皓は過剰に反応した。

「お前…入ったばかりのようだが、まさかハンターをなめてるわけじゃないよな？」
「なめてはいない。結果がどうあれ自信を持てたのはプラスだと言っている」
「それがなめていると言っているんだ。Wanted Hunterでは努力なんざ関係ねえ。結果こそが全てなんだ！結果が求められるこの世界で甘い考えなんざ許されねえ」

それに対して昴も、

「その通りだ。この世界は結果が全て。いくら言葉を並べても、結果が伴わなければ評価することはできない。頑張ったけどダメだった、などという言い訳は通用しない」

だから、その考えは仕事においてだろう。

「晟が負けるのは仕方ないだろうが。こいつは弱くない。俺が強すぎるだけなんだから」

こういう脳筋共は口で言っても分かるはずがない。結局、デュエルするしかないのだ。

「幸崎 皓。先輩だか上司だかは分からんが、お前に晟の前向きな姿勢を否定する資格はない。今すぐ俺に負けろ」

そう。晟は強いのだ。こいつらにもわかってもらわないとな。

「ほう…上等だ。お前、もう一度名乗れ」
「新峠 遊だ。不愉快だから二度と忘れるな」

次回…怒涛の超展開型デュエル。新峠 遊、最大の危機か…それとも。
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