プロローグ２　影の皇帝　作：ヒラーズ

「リローダーのモンスター効果！自分の手札が0枚の時、1ターンに1度、デッキからカードを1枚ドローする。ドローしたカードがモンスターカードだった場合、そのモンスターのレベル×200のダメージを与える！ドロー！」
影道
手札0→1

「今日は運が良い。インフェルニティ・デーモンだ、800のダメージとデーモンのモンスター効果で特殊召喚し、効果でインフェルニティガンを手札に加える」
インフェルニティ・デーモン　ATK1800　☆4

総監　LP4000→3200

「序盤から効果ダメージか」
「手札からインフェルニティガンを発動して、インフェルニティ・デーモンでダイレクトアタック！」
総監　LP3200→1400

「くっ…！こんな早くもライフが」
こんなんでもう終わりか？つまらないなぁ…。
「ターンエンド」
「私のターン！」
総監
手札3→4

「手札からアックスドラゴニュートを召喚、カードを2枚伏せてターンエンド」
「（おや？様子見かな）僕のターン」
影道
手札0→1

「じゃあここで罠カード『針虫の巣窟』を発動！デッキの1番上からカードを5枚墓地に送るよ。何が送られるかな？」

『インフェルニティ・ジェネラル』
『インフェルニティ・リベンジャー』
『闇の幻影』
『ダメージコンデンサー』
『インフェルニティ・アーチャー』

んー？罠が2枚も墓地に逝ったか、まぁ仕方ない。
「手札からインフェルニティ・ネクロマンサーを召喚し、効果で守備表示に変更。手札が0枚の時に発動！1ターンに1度、墓地からインフェルニティと名のつくモンスター1体を特殊召喚する！僕はインフェルニティ・アーチャーを特殊召喚！」
インフェルニティ・ネクロマンサー　DEF2000　☆3
インフェルニティ・アーチャー　ATK2000　☆6

「なっ！？」
「さぁ、詰ませてもらうよ！アーチャーでダイレクトアタック！」
「そ…そうはさせない！カウンター罠『攻撃の無力化』！」
「…ターンエンド」
攻撃の無力化か、便利だよね～それ。
「私のターン！」
総監
手札1→2

「ならば！魔法カード『天よりの宝札』を発動！互いのプレイヤーは手札が6枚になるようにデッキからカードを引く！」
総監
手札1→6

影道
手札0→6

「どうだ！手札が数枚あればインフェルニティはバニラ当然！じわじわと痛みつけてやる！」
相手はそう思ったけど…僕は違うね。
何でかって？アレを伏せてるし問題ない。
「君、今僕の手札を6枚にしたね？」
「？だからどうした？」
この2枚のカードが目に入らないとは愚かだなぁ…まぁ古すぎて知らないか。
「残念だけど、君はここで詰むよ？永続罠『零式魔導粉砕機』を発動！手札から魔法カード1枚捨てて、相手に500のダメージを与える！僕は手札から『死者蘇生』を捨てるよ！」
総監　LP1400→900

「なっ…！？（よりによって蘇生カードを捨てただと！？）」
「さらに罠カード『全弾発射』！手札を全て墓地に送り、相手に捨てたカードの枚数×200のダメージを与える！5枚捨てたため、1000のダメージだ！」
総監　LP900→－100

「なんだとぉぉぉぉ！？」

WIN　影道




――――




「くうぅぅぅ…また負けた」
「弱い、相手にもならないよ」
相手が全力だったとはいえ、こんなにあっけなく倒せたのは何年ぶりだろうか。
「さて、僕はここで失礼するよ」
僕は看守に近づき、早く移動するように言う。
そしてデュエルフィールドを後にし、刑務所の外に出る。
しかし、移動ならバスで十分なはずなのに、用意されてあるのは大きな航空機だった。
「ねぇ、看守。何で飛行機なんだい？」
「ん？途中で他の囚人を乗せるつもりだからな、当たり前だろう」
そうなの？！
「おら、早く乗れ」
僕はいそいそと飛行機に乗り、席に座る。
「…（それにしても広いなぁ…一般の客が乗っていそうな広さだ）」
そしてアナウンスが鳴る。
『これより、囚人移送機は離陸します、シートベルトを着用して下さい』
もう飛ぶのか、早いなぁ…しばらく寝ているかな。
僕は目的地に着くまで、機内で寝ることにした。





――――






それからしばらくして僕は目が覚める。
丁度、僕の席は窓側だから外の様子が見れるから良いとして…ん？
「あれ？外荒れてない？」
そう、僕が見た外の光景は……嵐であった。
強風が吹き荒れ、機体が右に傾く。
「うわっ！」
それと同時に僕は体勢を崩し、床に倒れる。
揺れる機内、ややパニック状態になりかかっている他の囚人。
「くそっ！落ち着け…もうじき嵐が止む…そしてその先は日本だ」
その時だった。
ﾄﾞｵｫｫﾝ！

何かが爆発する音が聞こえた、同時に機内が左に傾き、水平になる。
「うわわっ！大丈夫なのかいこの飛行機」
僕は機内の職員に何があったと聞こうとしに移動しようとした時だった。
急に機体が激しく損傷し、僕の席の窓が割れ、壁が剥がされる。
そして僕が見たのは黒く、大きな雲、他に見えるのは巨大な竜巻と雷と雨。
確実に嵐の中を飛行してたかのように感じ取れた。
「嘘だろ…真下は海じゃないか！どこ飛んでいるんだこの飛行機は…！」
再びぐらりと機体が右に傾き、僕は転がるかのように機内から放り出される。
外は嵐の真っ只中、パラシュートはない。能力は手錠の力で発動できない。
落下している途中、僕が乗っていた飛行機は竜巻の中で粉々になった。
その光景を見たとたん、僕の意識は途絶えた。



次回に続く