第95話 2日目の旅行　作：ヒラーズ

翌日、赤い月が落ち、辺りはすっかり明るくなる。
朝日が満ち、1日の始まりを伝える。
そんな中、俺は目覚めた。
「・・・・」
遠くなっていた意識が戻り、少し視界が歪む。
だが、これだけははっきり言える。「夢を見ていた」・・・と。
周りを見ればクォーツ達が爆睡してる。
俺はこっそり客室を出て、朝食を済ませる。
「・・・（なんか・・・変な夢だったなぁ・・・。俺の世界にクォーツ達が来て、未来の俺の問題を解決とか、意味分からん）」
俺は一足先に、蒼羽の元に向かった。
その途中、俺は1度修理屋に寄っていき、どれくらい直っているかを聞きに行った。








「！（え・・・下手すると直らない！？）」
「ああ、そうなんだ。すまねぇな、百騎兵」
まずい事になった。直らないんなら新しい物にしろという事・・・。
「きゅ・・・（そうですか・・・まぁ元はガラクタ、仕方ありません）」
「多く時間を食うが、それでも良いか？」
「・・・（分かりました）」
俺は首を縦に振る。
「そうか、悪いな」
まぁ、今急いでもしょうがない。
2日目の旅行を楽しむか・・・。
俺が後ろを振り向こうとすると・・・。
「名をまだ言ってなかったな。俺の名は「シドー・アルベール」だ」
「ふきゅ・・・（ああ、よろしく。シドーさん）」
しかし、シドーは何かを思い出したかのように、言う。
「そういえば・・・今日、休業だったぜ」
「・・・ほあ！？（え・・・えええっ！？）」
その爆弾発言で、俺の二日目の旅行が始まった。







「今日は、、、一人？」
「きゅ・・・（はい、そうなんですよ）」
Ｄホイールが直る時間が延長したため、俺は蒼羽の家に行き、次はどこへ行くかの準備をしていた。
「不思議ね、、、、通訳者がいないのに、百騎兵君の言葉が時間が過ぎる事に理解が出来る」
マジで？すげぇな。
「二日目、、、どうするの？」
「・・・（そうだな、クォーツ達が来るまで、ここに居させてもらう。それと作業場貸してくれ）」
「作業場なら小屋の裏よ、、、」
裏か・・・思いっきり作業が出来るな。ついでに手伝って貰おう。





数分して小屋の裏－
「何を作るの、、、？」
「きゅ・・・（新しいＤホイールと電磁鈍槌の修理だ）」
「けど、、、どうやって？」
何、蒼羽は大きいタイヤを1つ持ってくれば良いだけだ。
「、、、、それで良いの？」
「・・・（それだけで良い。残りのパーツは俺が集める）」
一時的に屑鉄置き場の宝探しをし、蒼羽は大きいタイヤを1つ転がして来た。
「これで良いかしら？、、、ダンプカーのタイヤよ。。。」
十分過ぎる物を持って来たな・・・まぁこちらは必要以上にパーツが見つかったし良いか。
俺はストマックストックから工具を取り出し、作業に入る。
「、、、どんなＤホイールを作るの？」
「うにぇ（俺の居た世界のＤホイールを作る、こんなにパーツがあるなら、再現可能だ）」
「百騎兵君の居た世界のＤホイール、、、興味深いわ」
「・・・（あまり期待はしないでくれ）」
俺は作業に取り掛かる。
スパナやトンカチ、ネジやら釘やらを動かし、早く進む。
手抜きでもなく、全力で作った。






Ｄホイールを作って2時間、クォーツ達が来ない・・・。
何かあったのだろうか？俺はふと、作業を止める。
「もきゅ？（かれこれもう10時だ、遅いな・・・）」
クォーツ達を待ちながら数十分、Ｄホイールが完成する。
「百騎兵君、、、これは何のＤホイールかしら？タイヤの真ん中に目がついてるし、、、上にハンドルと座面がついてるわ、、、」
そう、これが俺の作ったＤホイール。
どこぞの名作ゲームの敵キャラをＤホイール版にリメイクした、俺の居た世界しかないホイール。その名も「グランドデュエルウィリー」通称Ｄウィリーだ。
「しかも、、、大きいわね、、、」
「もきゅ？（一緒に乗ってみるか？）」
「え、、、？乗れるの？」
まぁ乗れるぞ、最大二人乗りだ。
「こんな一輪バイク、、、、動かせるのかしら？」
俺と蒼羽はＤウィリーに乗り、試運転を試す。
「きゅ・・・（やれやれ、立ち運転からようやく座れる）」
俺はハンドルを握り、Ｄウィリーを走らせる。
「きゃっ！」
いきなりスピードが上がり、やや暴走しかかるが、少しずつ慣れていき、自分が思うような速度に変わる。
「、、、すごい、、、」
「・・・（さて、これでクォーツ達を迎えに行くか）」
俺はクォーツ達の居る旅館まで、Ｄウィリーを走らせた。
だが、この先に新たな事件が起こり、巻き込まれる事を今の俺は知らない。



次回、PartnerLost

※タイトルが変わる可能性があります。