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邪龍使いの遊戯王GX/第三話・デュエルアカデミア 作:鈴木颯手

海馬ランドにて行われたデュエルアカデミア入学試験で教員に勝利した黒崎龍吾は現在飛行機に乗っていた。行先は勿論デュエルアカデミア高等部がある島だ。

入学試験から数日後黒崎龍吾の元に合格通知が届き寮もラーイエローとなっていた。ラーイエローの上、オベリスクブルーは中等部でいい成績を出したものしか最初は入れないため高等部からはどれだけの実力者でもラーイエローからスタートとなる。

デュエルアカデミア高等部行きの便はまだ動いていない。龍吾が少し早く来ただけでまだ暫くの猶予があった。龍吾は指定された席に座り手を組んで出発するのを待っていた。

「えっと…お、ここだな。隣、失礼するよ」

退屈しのぎに窓から空港で働く作業員の様子を見ていると隣から声が聞こえてきた。龍吾がそちらを見れば私服と思われる服装をした一人の男がいた。どうやら龍吾の隣の様で席に座ってくる。龍吾は直ぐに興味がなくなり再び窓の外を眺めようとするが隣の男が話しかけてくる。

「なあなあ、お前ってあの10000越えのモンスターを出した黒崎龍吾って奴だろ?俺は軍治良太だ。ラーイエローだからよろしくな」

「…ああ」

ニコニコ顔で話す男、軍治良太の挨拶に龍吾は素っ気なく返す。しかし、良太は特に気にした様子を見せずに更に話しかけてくる。

「デュエルアカデミア高等部ってどんな所なんだろうな?龍吾は何か知っているか?」

「…いや」

「そうか~。あの海馬瀬人がオーナーをしているからきっとかなり豪華なんだろうな~」

「…ああ」

「そう言えばお前のデッキのモンスターってあんま見たことない奴だな。レアカードだったりするのか?」

「…さあな」

「そうか~。今度機会があったら俺とデュエルしてくれよ」

「…ああ」

基本的に一言で龍吾は返すが良太はそれを気にせずにどんどん話してくる。仕方なく良太の話に付き合う事にして良太の方を向く。暇つぶしくらいにはなるだろう。そんな事を思いながら。





☆★☆★☆
「…と、言うわけなんだ。お、デュエルアカデミアが見えて来たぞ」

良太との話し合い(ほぼ良太による一方的な会話)をしていると良太が窓の方を見てそう言った。龍吾もそちらを見れば大海の上に小さな島が見えてきた。事前に渡された説明書には島全体がデュエルアカデミアの敷地だと書いてあったのを思い出す。

「やっぱり海馬瀬人がオーナーだけあって随分と豪華だな~。今から楽しみだぜ」

「…ああ」

いい加減返事にも疲れて来たなと思いながらデュエルアカデミアを見る。やがてアカデミアに着いたため龍吾は降りるために良太の方を向く。

「…降りる」

「ああ、ちょっと待て。…よし、どうせこの後は入学式だし一緒に行こうぜ」

荷物を持った良太はそう言ってくる。龍吾も断るような事ではないため黙ってうなずいた。





☆★☆★☆
「…ったく、校長の話長すぎだろ」

「…ああ」

入学式の夜、ラーイエローの寮で歓迎会に参加した良太と龍吾は話していた(安定の一方的な会話)。今の話題はどの学校でもある長い校長の演説である。ここデュエルアカデミアも例外ではなく校長の鮫島の話の長さに大半の生徒は聞いていなかった。良太も話し始めてから数分で寝てしまっていた。因みに龍吾は聞いているふりをして頭の中で別の事を考えていた。

「さて、そろそろ歓迎会も終わりっぽいし俺は部屋に戻るとするか。ったく明日から直ぐに授業とかめんどくせぇな~」

良太はそう言うと邪魔にならないように食堂を出ていった。一人になった龍吾は良太との話し合いでほとんど手を付けていなかった料理を食べ始める。

「ちょっといいかな?」

暫く食べていると龍吾に声をかける人物がいた。龍吾がそちらを見ると知っている顔があった。

「受験番号一番の三沢大地」

「へぇ、俺の名前を知っているか。驚きだな」

三沢は純粋に驚いていたが龍吾からすれば自分より成績の良かった者は全員覚えていて当然だった。こう見えて龍吾は結構な負けず嫌いなのだ。

「俺より成績のいい奴は全員頭に記憶している。で?何の用だ?」

「いやなに、実技試験で一番注目されていた君に興味がっただけだよ」

「…そうか」

10000を超えるモンスターを召喚した時点で注目されるのは分かっていた龍吾は特に反応を示さない。その様子を見た三沢は感心した様に頷く。

「成程、噂通り無口で愛想がないようだな」

「…問題があるか?」

三沢の言葉にそう返す。龍吾は別に無口なわけではない。単純に興味のない者には無関心なだけである。その点良太はとても珍しいと言える。興味を無くせば返事すらしないのだから。

「いや、無口だからと言って批判する程幼稚ではないよ。ただ、先程の言葉は少し直球すぎたな」

「…別に」

「今日は顔合わせくらいの気持ちでいたからね。また明日」

三沢はそう言うと食堂を出ていった。周りを見れば半数近くが食堂から出ておりそろそろ潮時と判断した龍吾は食器を片付けると自分の部屋へと向かって行くのであった。





☆★☆★☆
翌日龍吾はこの上ない不快な気分となっていた。きっかけはここの実技担当責任者であるクロノス教諭の出した質問にオシリスレッドの生徒が答えられなかったことだ。クロノス教諭の質問したフィールド魔法についてはデュエリストなら知っていて当然だがその生徒は答えられなかった。龍吾としてはそれだけで不快になった訳ではなかった。不快になった訳はその後に言ったクロノス教諭の言葉に生徒が笑い出したことだ。

相手を下に見て笑う姿はとても醜かった。特にオベリスクブルーの生徒に多く見られ龍吾の心の中でオベリスクブルーの評価が急降下していた。

そんな時である。

「でもさ、クロノス先生。オシリスレッドの俺でも先生に勝っちゃうんだからそんなのは関係ないんじゃないかな?」

その言葉でまた笑いが起きるが龍吾はその声等まるで聞こえないようで今の言葉を言った生徒を見て呟く。

「遊城十代…」

今授業を行っているクロノス教諭を倒した人物。しかも入試用のデッキではなくクロノス教諭の暗黒の中世デッキを使い切り札を出しうえでだ。その様子を見ていた龍吾は十代に興味を持っていた。

そして放課後、アカデミアに入った時に支給された最新型のデュエルディスクを持って龍吾はオシリスレッドの寮に向かっていた。

「なんで龍吾はオシリスレッドに向かっているんだ?」

「何でも遊城十代に興味を持ったらしい」

「へぇ、確かにあいつクロノス先生倒していたもんな~」

…良太と三沢を引き連れて。

時間は少し前に遡る。デュエルディスクを持った龍吾が寮を出ようとした時ばったり三沢に出くわしたのである。行先を聞いてきた三沢に行先と目的を教えると自分も興味があるからと一緒に向かう事になったのだ。そして向かっている途中で散歩をしていた良太と出くわし一緒にオシリスレッドに向かう事となったのだ。

「どんなデュエルを見せてくれるのか楽しみだな」

「ああ、今後の対策に出来るからな。龍吾のデッキはまだまだ謎が多い」

向かう途中で二人は意気投合したらしくずっと話し合っていた。そうしているとオシリスレッドの寮へと到着した。オシリスレッドの寮はラーイエローの寮と比べると(オベリスクブルーの寮は見たことがない)余りにも違かったが特にその事で気にする龍吾ではないため外に出ていたオシリスレッドの生徒に近づく。

「遊城十代はいるか?」

「え?十代の兄貴っスか?」

よく見るとその生徒はクロノス教諭の授業で馬鹿にされていた生徒だった。兄貴と言っている当たり舎弟か兄弟なのだろうと思ったが口には出さずに話を続けた。

「そうだ。今はいるか?」

「いるっスけど…。あ、三沢君」

身長差もあって脅している様な図になったからか十代の弟はかなり委縮していたが後ろからついてきた三沢に気付きほっと息を付いた。龍吾は三沢の方を向くと聞く。

「知り合いか?」

「ん?ああ、実技試験の時に知り合ってね。一緒に十代のデュエルを見ていたんだ」

「成程」

三沢の言葉に納得していると上の方から扉の開く音がして声が聞こえてきた。

「お~い、翔。何やってんだ…って三沢!?」

龍吾が上を向くとそこにはお目当ての十代の姿があった。十代はまだこっちには気づいていないらしく三沢の方を向いていた。

「お前今日はどうしたんだよ?」

「いや、用があったのは俺じゃなく龍吾の方だ」

「龍吾?」

十代は名前に心当たりがないのか首をかしげていた。その様子に十代の弟が苦笑いしながら答える。

「兄貴言ったじゃないですか~。攻撃力10000を超えるモンスターを召喚して勝った人って」

「おお!?そう言えばそんな奴だったな!?で、何処にいるんだ!?」

十代はまだ気づかないらしく仕方なく十代の下から声をかける。

「下だ」

「下って…おお!お前が龍吾っていう奴か!俺は遊城十代!十代って呼んでくれよ!」

「黒崎龍吾。今日はお前とデュエルをしたくて来た。受けてもらえるか?」

「勿論だ!待ってろ!今デュエルディスクを持ってくるからな!」

十代は目をキラキラさせて部屋へと戻っていく。その間に龍吾はオシリスレッドの前のそれなりに広い場所に移動する。すると十代が部屋から出てきた慌てて階段を降りてくる。

「よっしゃ!それじゃあ早速デュエルだ!」

「…デュエル」

こうして遊城十代と黒崎龍吾の最初のデュエルが始まるのであった。
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