【完結】虹彩竜と歩むもの【お知らせあり】/第86話:転生 作:光芒








「クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン!?」
「解せないという顔をしているな。何故クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンが俺のフィールドにいるのか、と。言っておくがこいつが俺のフィールドにいるのはお前のおかげなんだぞ?」

 刃弥のフィールドには、破壊されて墓地に送られたセットカードが現れた。

「……そのカードは!?」
「罠カード“やぶ蛇”。こいつの効果だ」


※やぶ蛇
通常罠
(1):セットされているこのカードが相手の効果でフィールドから離れ、墓地へ送られた場合または除外された場合に発動できる。デッキ・EXデッキからモンスター1体を特殊召喚する。


「セットされているこのカードが相手によってフィールドから離れ、墓地へ送られるか除外された時にデッキまたはエクストラデッキからモンスター1体を特殊召喚できる」
「つまりその効果でクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンを特殊召喚した……」

 クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンは本来シンクロモンスター1体を素材としなければシンクロ召喚できないモンスターであり、シンクロ召喚を主軸に添えたデッキであればシンクロ召喚自体はそこまで難しくないと言える。
 しかし、刃弥のデッキはあくまで【サイバー・ダーク】であり、サイバー・ダークの主戦法は融合召喚であるため、決して容易にシンクロ召喚できるモンスターではない。そのためやぶ蛇のようにシンクロ召喚を経ずともフィールドに出せるカードを入れていたのだ。

「最もクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンはレベルを持たないエクシーズモンスター相手では2つ目の効果は発動できない。そのためお前のオッドアイズ・レイジング・ドラゴンの前ではただの壁に過ぎない」

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン DEF2500

「それでも2回までの攻撃ができるオッドアイズ・レイジング・ドラゴンの攻撃を防げる。それだけで十分だ」
「っ……バトル! 俺はオッドアイズ・レイジング・ドラゴンでクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンを攻撃!“憤激のデストラクション・バースト”!!」

覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン ATK4200 VS クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン DEF2500

「レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンに2回目の攻撃!」

覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン ATK4200 VS レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン DEF2400

「そして竜剣士マスターPでダイレクトアタックだ!」

竜剣士マスターP ATK1950

刃弥 LP6150→4200

「……レイジング・ドラゴンの攻撃を受けなかったとはいえ、結構削られてしまったな」
(それでも天海君のライフはまだ4200も残っている。レイジング・ドラゴンをエクシーズ召喚したのに削り切れなかった……)

 オッドアイズ・レイジング・ドラゴンの効果および攻撃は文字通り苛烈なものであり、このモンスターをエクシーズ召喚したそのターンにデュエルが終わらないことはまずない。
 それこそ遊大と同級生の一年生とのデュエルではこのモンスターを出せさえすれば、遊大はほぼ確実にそのターンで勝利をもぎ取ってきた。そのため遊希のように自分より格上の相手ではないにも関わらず、このモンスターを前に生き残ったのは刃弥が初めての存在であった。

(オッドアイズ・レイジング・ドラゴンの攻撃力は3000。それに次のターンでも効果は発動できる。このターンを生き残れるか……それで全てが決まる)
「メインフェイズ2……俺はこれでターンエンドだよ」


遊大 LP4850 手札1枚
デッキ:33 モンスター:2(覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン ORU:1、竜剣士マスターP)魔法・罠:0 墓地:9 Pゾーン:青3(相克の魔術師)/赤8(黒牙の魔術師)除外:0 エクストラデッキ:11(0)
刃弥 LP4200 手札3枚
デッキ:29 モンスター:0 魔法・罠:0 墓地:14 Pゾーン:青/赤 除外:0 エクストラデッキ:13(0)


「まさか遊大のオッドアイズ・レイジング・ドラゴンの猛攻を防ぐとはな……」
「レイジング・ドラゴンを使う遊大も遊大なら、それを防ぐ天海も天海だぜ。しかし、やぶ蛇なんてカードよく入れてたな」
「一応彼のサイバー・ダークとの相性は悪くないわ。クリスタルウィングのような召喚の難しいドラゴン族モンスターを特殊召喚しつつ、墓地に送られたら送られたでサイバー・ダークの装備カードにしてしまえばいいんだから」
「どこまでもサイバー・ダークで勝つことに拘っているってことかぁ……何事も拘りが大事なのね」
「おい、かんしんしているばあいじゃないだろ!」
「まあまあ……」
(何故でしょうか、胸騒ぎがします。このデュエル……)

 美鈴の感じた胸騒ぎ。それが杞憂であればどれほど良かったか。最も杞憂であって欲しいと思えば思うほど、そうならないのが定めであることを彼女は知る由もない。



☆TURN06(刃弥)


「俺のターン、ドロー。一つ聞いていいか?」
「……何?」
「そのオッドアイズ・レイジング・ドラゴンの効果はオーバーレイユニットを1つ消費することで発動ができる。それでいいんだろうな?」
「そうだよ。次の俺のターンになればレイジング・ドラゴンはまた効果を発動できる」
「そうか……ならばこのターンでそいつにはご退場願おうか。魔法カード発動」


※龍の鏡(ドラゴンズ・ミラー)
通常魔法
(1):自分のフィールド・墓地から、ドラゴン族の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。


「龍の……鏡……」
「効果は知っているな。俺は墓地のレッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン、クリスタルウィング・シンクロドラゴン、ライトパルサー・ドラゴンと真紅眼の黒炎竜2体。計5体のドラゴン族モンスターを除外し、このモンスターを融合召喚する!! 現れよ! 神の名を持つ大いなる竜!“F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)”!!」


 刃弥の墓地に眠る5体のドラゴンたちの姿が浮かびあがると同時に、その魂が巨大な5つ首の竜へと変化する。その竜の5つの頭にはそれぞれ闇・炎・水・地・風の5つの力が備わり、神の名を持つに相応しいだけの巨竜の咆哮が轟いた。


※F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)
融合・効果モンスター
星12/闇属性/ドラゴン族/攻5000/守5000
ドラゴン族モンスター×5
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードは闇・地・水・炎・風属性モンスターとの戦闘では破壊されない。


「F・G・Dの攻撃力は5000。そして俺はサイバー・ダーク・ホーンを召喚」


※サイバー・ダーク・ホーン
効果モンスター
星4/闇属性/機械族/攻800/守800
(1):このカードが召喚に成功した場合、自分の墓地のレベル3以下のドラゴン族モンスター1体を対象として発動する。そのドラゴン族モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。
(2):このカードの攻撃力は、このカードの効果で装備したモンスターの元々の攻撃力分アップする。
(3):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
(4):このカードが戦闘で破壊される場合、代わりにこのカードの効果で装備したモンスターを破壊する。


「召喚に成功したサイバー・ダーク・ホーンの効果を発動。墓地のサイバー・ダーク・クローを装備カード扱いとして装備する」


※サイバー・ダーク・クロー
効果モンスター
星3/闇属性/ドラゴン族/攻1600/守800
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードを手札から捨てて発動できる。デッキから「サイバーダーク」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
(2):このカードを装備カード扱いとして装備しているモンスターが戦闘を行ったダメージ計算時に発動できる。自分のEXデッキからモンスター1体を墓地へ送る。
(3):モンスターに装備されているこのカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地の「サイバー・ダーク」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。


「サイバー・ダーク・ホーンの攻撃力はサイバー・ダーク・クローの攻撃力分アップする。攻撃力は2400だ」

サイバー・ダーク・ホーン(+サイバー・ダーク・クロー)ATK800→2400

「さあ、お待ちかねのバトルだ。まずはサイバー・ダーク・ホーンで竜剣士マスターPを攻撃」

サイバー・ダーク・ホーン(+サイバー・ダーク・クロー)ATK2400 VS 竜剣士マスターP ATK1950

「サイバー・ダーク・クローを装備したモンスターが戦闘を行ったダメージ計算時に発動。エクストラデッキからモンスター1体を墓地に送る。俺は2体目のF・G・Dを墓地に送る」

遊大 LP4850→4400

(2体目のF・G・D……サイバー・ダーク融合モンスターで装備するという意味では最も適したモンスターだけど、この局面で……?)
「何を考えているんだ、という顔をしているな。深い意味はない。どちらにしてもお前に勝ち目など万に一つもないのだからな」
「っ……!」
「F・G・Dよ、圧倒的な力を示せ。覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴンを攻撃」

 F・G・Dの5つの頭にそれぞれが司る5つの属性の力が集約されていく。それと同時に刃弥の纏うサイコデュエリストの力がF・G・Dの力に呼応するかのように増幅していくのがわかった。
 有紗は刃弥の使う特定のモンスター=サイバー・ダークモンスターの時にこの力が現れるものと思っており、今まで自分が見てきた刃弥の力の暴走はあくまでサイバー・ダークの融合体によってもたらされるものであると思っていた。
 しかし、刃弥の力はこのデュエルにおいて急速に進化を遂げていた。その原因は定かではないが、精霊使いである遊希やエヴァを超えたいという思いが、そして彼が遊大から感じ取った力が、刃弥が気づかぬうちにサイコデュエリストの力を増幅させてしまっていたのだ。そしてそれを止められるだけの自制心を今の彼は持ち合わせていない。まさにF・G・Dが乗り移ったかのような破壊の化身がそこにはいた。





―――“ファイブ・エレメンタル・バースト”!!―――





F・G・D ATK5000 VS 覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン ATK3000


遊大 LP4400→2400


 F・G・Dの放った閃光に飲み込まれ、オッドアイズ・レイジング・ドラゴンは断末魔の咆哮を上げながら塵となって消えていく。本来モンスターが存在する場合はモンスター同士が戦闘を行うため、戦闘ダメージはあくまでモンスターを介して受けることになる。だが、サイコデュエリストである刃弥のデュエルで発生したそれは通常のデュエルのものを遥かに上回っていた。

「うわああっ!!」

 サイバー・ダーク・ドラゴンの攻撃を受けた時以上の衝撃が遊大の身体を襲う。遊大の身体はまるで荒波に揉まれる小舟のように舞い上がり、そしてそのまま全身を地面に強く打ち付ける。

「高海くん!!」
「遊大さん!!」
「遊大!」

 美鈴が、陸が、仁が、礼が、留奈が、林檎が、そして遊希が遊大の名を呼ぶ。

(み……んな……俺は……)

 意識が薄れ、ゆっくりと視界がぼやけてくる。遊大の心はこのまま自分が倒れてデュエルが不戦敗と処理されることに対する後悔に満ち溢れていた。立ちたい、立ち上がりたい。気持ちだけが逸る。それでも最早身体が言うことを聞かなかった。

(ごめん、俺は……もう……)






―――このまま諦めるのか?―――



 心も身体も折れかけた瞬間、頭の中に誰かの声が響いた。聞いたことがないはずなのに、妙に懐かしさを感じる声。



―――……誰?―――



―――……俺はお前であり、お前は俺だ。最も“あの頃”のことなどとうに忘れているだろうがな―――



―――あの頃……?―――



―――まあいい、思い出せないということはまだその時ではないということだ。それよりもお前が今なすべきことをする、それだけだろう?―――



 今、自分がすべきこと。謎の声にそう問われた遊大は自分が今すべきこと―――このデュエルに勝つ、ということを改めて心に刻む。



「高海くん!?」

 仰向けに倒れてその場を動かない遊大の周りには遊希らが駆け寄っていた。遊大の状態を見た遊希がデュエルの中止を告げようとしたその瞬間である。遊大は何も言わずゆっくりと立ち上がったのは。

「……」
「ちょっと待ちなさい高海くん!! その身体でデュエルは……!?」
 
 まるでホラー映画に登場するゾンビのようにふらふらとデュエルフィールドに向かっていく遊大。その姿は尋常のものではないということは誰の目にも明らかであった。
 こんな状態でデュエルをさせるわけにはいかない、とデュエルの続行を勧めた者として遊希は遊大を止めなければならない。しかし、そんな遊希を見る遊大の目はこれまで彼女が見たことがないものであった。光が無く、機械のように無機質。怒りも悲しみも喜びもないその眼光は強い決意を以て止めに入ろうとした遊希を怯ませるには十分すぎるものであったのだ。

「遊希さん、俺は、大丈夫ですから」
「……だめよ。これ以上やるとあなたが」
「俺は、あなたに憧れています。だから、もっと俺を信じてください」

 眼光こそ冷たいが、声色はいつもの遊大のままだった。そんな彼の言葉を聞いた遊希は何も言わずに俯く。それを見た遊大は小さく「ありがとうございます」と告げると、ゆっくりと覚束ない足取りながらもデュエルフィールドに戻り、三度刃弥と対峙した。

「……貴様、何者だ?」
「何者? 嫌だなぁ、俺は高海 遊大だよ? 君とデュエルをしているセントラル校のデュエリスト。他の誰でもないさ」

 遊大の異変は刃弥も気づいていた。F・G・Dの攻撃を受ける前と受けた後では明らかに遊大の纏っている雰囲気が違うことに。

「まあいい。俺はバトルフェイズを終了。何もせずターンエンドだ」


遊大 LP2400 手札1枚
デッキ:33 モンスター:0 魔法・罠:0 墓地:10 Pゾーン:青3(相克の魔術師)/赤8(黒牙の魔術師)除外:0 エクストラデッキ:11(2)
刃弥 LP4200 手札2枚
デッキ:28 モンスター:2(F・G・D、サイバー・ダーク・ホーン 魔法・罠:1(サイバー・ダーク・クロー)墓地:8 Pゾーン:青/赤 除外:5 エクストラデッキ:12(0)


☆TURN07(遊大)


(……さて、相手フィールドには攻撃力5000のF・G・Dと攻撃力2400のサイバー・ダーク・ホーン。どちらを残しても厄介だね)

 切り札であるオッドアイズ・レイジング・ドラゴンを失い、抗する術ないと思われた遊大であるが、彼の頭の中にはある1枚のカードが浮かんでいた。ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン―――兄である遊万から譲り受けた彼のエースモンスターであり、兄弟の絆が込められた1枚だ。
 闇属性モンスターとのバトルでは戦闘破壊されないF・G・Dであるが、ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの効果でF・G・Dの攻撃力の半分を奪ってしまえば、攻撃力を参照した戦闘、という点においてダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンを破壊できるモンスターはいなくなる。

(でも、天海君のエクストラデッキにはまず間違いなく“旧神ヌトス”は入っているはずだ。さっき何故使わなかったのかはわからないけど)

 しかし、刃弥のフィールドに存在するサイバー・ダーク・ホーンはサイバー・ダーク・クローを装備しており、その効果でエクストラデッキの旧神ヌトスを墓地に送られてしまえば万事休す。
 墓地に送られることでフィールドのカード1枚を破壊する旧神ヌトスにダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンを破壊されてしまえば、今度こそ完全に敗北が確定するからだ。そのため遊大はこのターンで刃弥のライフを0にしなければいけないのである。彼の手札は1枚。そのためこのドローでこの苦境を打破できるカードを引き当て、そしてデュエルを終わらせる。はっきりと言ってしまえば無謀と言わざるを得ない。それでもこの時遊大はそれを無謀となど思っていなかった。

(なんでだろう……デッキトップのカードから力を感じる。全く見たことも聞いたこともないカードのはずなのに)
「―――俺のターン、ドロー!!」

 遊大のドローしたカード。それはドローする前に彼が感じていたように、全く見たことも聞いたこともないカードであった。しかし、そのカードがこのデュエルにおいて遊大を勝利に導くカードであると確信していた。


「俺のPゾーンには、スケール3の相克の魔術師とスケール8の黒牙の魔術師が存在する。よってレベル4のこのモンスターをペンデュラム召喚する!」
「……そのカードは……」
「さあ、行くよ!」





―――揺れろ、魂のペンデュラム! 天空に描け光のアーク!―――





―――ペンデュラム召喚! 現れろ、俺を勝利へと導く魔術師―――











―――チューナーモンスター“調弦の魔術師”!!―――










 遊大のフィールドに現れたのは、空色のローブを纏い、音叉のような杖を持った可愛らしい少女の姿をした魔術師であった。



※調弦の魔術師
ペンデュラム・チューナー・効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻0/守0
【Pスケール:青8/赤8】
(1):このカードがPゾーンに存在する限り、自分フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、自分のEXデッキの表側表示の「魔術師」Pモンスターの種類×100アップする。
【モンスター効果】
このカードはEXデッキからの特殊召喚はできず、このカードを融合・S・X召喚の素材とする場合、他の素材は全て「魔術師」Pモンスターでなければならない。このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札からのP召喚に成功した時に発動できる。デッキから「調弦の魔術師」以外の「魔術師」Pモンスター1体を守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、フィールドから離れた場合に除外される。



「調弦の魔術師……なんだそのモンスターは……」
「手札からのペンデュラム召喚に成功した調弦の魔術師の効果を発動! デッキから調弦の魔術師以外の魔術師と名のついたペンデュラムモンスター1体を守備表示で特殊召喚する! 来い、虹彩の魔術師!」

 調弦の魔術師がその杖を鳴らして響かせることで、それに呼応するかの如く虹彩の魔術師が現れる。一度のペンデュラム召喚でシンクロ召喚はもちろん、エクシーズ召喚まで可能にする。攻撃力・守備力は共に0と自身の戦闘能力は無に等しいが、その効果の強さはまさに従来のチューナーモンスターの中でも、規格外のものであると言えた。

(そうだ。俺は……勝ちたい。勝って、皆の想いに応えたい!!)
「俺はレベル4の虹彩の魔術師と調弦の魔術師で―――オーバーレイ!!」

 虹彩の魔術師と調弦の魔術師の魂が紫色の光に変わり、天へと舞い上がる。次の瞬間、遊大の脳裏にはダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンではない別のモンスターの姿が浮かび上がっていた。
 脳内に映っている兄から受け取ったダーク・リベリオンの姿がゆっくりと変わっていく。“ダーク・リベリオンでありながら、ダーク・リベリオンではない”別の存在に。

(ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンのカードが変わっていく……これはいったい……? いや、考えている暇はない。俺は、このカードに賭ける!!)
「2体の闇属性・ペンデュラムモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!! エクシーズ召喚!!」

 漆黒の闇より浮かび上がるのは、全てを貫かんとする三本の牙を持ち、腕や翼に鋭い刃を纏った竜。その目に映るあらゆるものを貫くだけの力を秘めたもの。

「!?」
「!?」
「!?」

 時を同じくして、遊希・エヴァ・綾香の三人に衝撃が走る。それはこの世界において、この三人だけが感じたことのある力。

(今のは……まさか……)
(間違いありマセン……)
(この波動は……)











―――“その牙は全てを貫く。その魂は艱難辛苦において決して砕けぬ意志。漆黒の魔竜に宿りあらゆるものを刺し穿て!!―――”












―――叛逆の竜よ、転生せよ―――
















―――“覇王眷竜ダーク・リベリオン”!!―――










 覇王―――全てを力で制するもの。その名を持つ竜が、天に向かって裂けるような雄叫びを上げる。
 そして―――その竜の後ろには、人目を引く明るくも美しい金色の髪が、まるで闇夜の如く漆黒に染まった遊大の姿があった。

















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ター坊
F・G・Dまで出てくる大型戦もいよいよ大詰め。崖っぷちに追い詰められてやはりというか、イケナイものが覚醒したっぽいですね。覇王眷竜版のダリべ…アニメからほぼ据え置きの性能で見た当初は「マジか!?」とビビりました。さて、この交流戦、無事に終わるのか? (2018-02-06 07:07)
光芒
ター坊さん
仰る通り、現時点において覇王リベリオンは遊大にとっては「イケナイもの」ですね。アニメ版と比べると相手ターンでのエクシーズ召喚こそ無くなりましたが、今回の話と同じように調弦1枚から出せるモンスターとしては破格のものと思われますね。

ちなみに交流戦自体は次回で決着となります。ですが余波は大きいでしょうね……
(2018-02-07 13:57)
から揚げ
遊大くんが遂に覚醒したとは、融合モンスターに追い詰められていた点といい、対戦相手が主人公と因縁のある人物だった事といい、何よりダークリベリオンが関わっている所が正に遊矢vs勝鬨を思わせる様な展開でニヤリとしますね!刃弥くん「何!?そのモンスターはダークリベリオン・エクシーズ・ドラゴンではないのか!?」

この様子だと、デュエルが終わっても自分の中の「何か」について遊大くんが思い悩みそうですね!遊希ちゃんには是非ともその巨乳で遊大くんを癒しtゲフンゲフン遊大くんを励ましてあげてほしいですね!

それにしても、遊厳パパが渡そうとしたダークリベリオンが覇王眷竜に変化するとは、遊厳パパが遊大の中の「何か」について知っている可能性が微レ存・・・?(迷推理)そう考えると、遊厳パパが遊大くんの事を「デュエリスト向きではない」と評していた事も意味深に思えますね! (2018-02-09 08:30)
光芒
から揚げさん
別に勝鬨は何も関係と思いますけどね……と無慈悲な全否定。
シチュエーションが似ているのでわからなくはないんですけど。でも最後の台詞は言わせようと思えば言わせられたかと思います。ギャグメインの物語なら……

>それにしても、遊厳パパが渡そうとしたダークリベリオンが覇王眷竜に変化するとは、遊厳パパが遊大の中の「何か」について知っている可能性が微レ存・・・?(迷推理)そう考えると、遊厳パパが遊大くんの事を「デュエリスト向きではない」と評していた事も意味深に思えますね!
覇王ダリベの誕生および渡したカードが変化するという点については追々触れていきます。そして遊厳が遊大をデュエリストに向いていない、と評したのについては単に性格面の問題だったり。遊大は自分のために勝つ、という点ではあまりガツガツしていませんからね。
(2018-02-11 11:04)

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62 第62話:暴露 467 2 2017-09-21 -
61 第63話:決意 535 4 2017-09-25 -
44 第64話:結束 553 4 2017-10-02 -
23 第65話:渇望 667 3 2017-10-07 -
47 第66話:証明 468 4 2017-10-13 -
51 第67話:空想 475 2 2017-10-16 -
52 第68話:魔鎖 470 2 2017-10-23 -
45 第69話:喝采 441 2 2017-10-27 -
49 第70話:胸愛 537 3 2017-11-01 -
56 第71話:点火 486 4 2017-11-07 -
23 第72話:誘惑 438 3 2017-11-15 -
50 第73話:憤怒 487 5 2017-11-18 -
28 第74話:反攻 370 2 2017-11-22 -
15 第75話:夢追 450 2 2017-11-27 -
23 第76話:剣閃 421 2 2017-12-02 -
15 第77話:膠着 370 2 2017-12-09 -
24 遊大たちが1月制限について語るようです 502 4 2017-12-11 -
18 第78話:豹変 373 2 2017-12-17 -
36 第79話:親心 405 4 2017-12-22 -
14 第80話:疾風 367 2 2017-12-30 -
17 番外編:隠想 466 3 2018-01-01 -
16 第81話:異能 354 2 2018-01-08 -
37 第82話:要塞 346 2 2018-01-13 -
19 第83話:相反 362 3 2018-01-17 -
19 第84話:特異 416 5 2018-01-22 -
14 第85話:忌避 469 4 2018-01-29 -
25 第86話:転生 537 4 2018-02-06 -
19 第87話:変貌 495 4 2018-02-14 -
28 第88話:祭典・1 410 4 2018-02-22 -
14 第89話:祭典・2 453 4 2018-02-28 -
14 第90話:祭典・3 409 4 2018-03-10 -
33 18年4月制限について語るようです 573 4 2018-03-14 -
19 第91話:閉幕 409 4 2018-03-22 -
33 第92話:令嬢 420 4 2018-03-31 -
28 第93話:共闘 373 4 2018-04-07 -
40 第94話:古豪 371 3 2018-04-15 -
12 第95話:護心 335 2 2018-04-19 -
14 番外編:裏話 477 4 2018-04-29 -
45 第96話:転機 398 4 2018-05-03 -
29 第97話:敬意 314 0 2018-05-13 -
12 第98話:遺托 395 4 2018-05-17 -
31 番外編:青春 371 2 2018-05-23 -
43 第99話:疾駆 377 6 2018-06-12 -
38 遊大たちが18年7月制限について語ります 354 0 2018-06-14 -
29 第100話:戦士 309 0 2018-06-19 -
14 第101話:懐古 305 2 2018-06-24 -
11 第102話:降竜 299 0 2018-06-30 -
9 第103話:乱入 289 3 2018-07-06 -
11 第104話:奮起 280 0 2018-07-15 -
14 第105話:白翼 310 0 2018-07-22 -
25 第106話:夢境 446 3 2018-07-30 -
24 第107話:紫苑 256 4 2018-09-12 -
13 遊大たちが10月制限について語ります 268 2 2018-09-14 -
18 第108話:猛毒 278 2 2018-09-17 -
7 第109話:変身 237 2 2018-09-21 -
9 第110話:共闘 250 4 2018-09-25 -
6 第111話:油断 217 2 2018-09-27 -
21 第112話:浸食 230 2 2018-09-30 -
8 第113話:神意(修正・再掲版) 197 2 2018-10-03 -
25 第114話:忍者 209 2 2018-10-06 -
6 第115話:継承(修正版) 226 3 2018-10-08 -
11 第116話:征圧 217 2 2018-10-10 -
18 第117話:両雄(修正版) 221 3 2018-10-15 -
17 第118話:負担 181 2 2018-10-17 -
16 第119話:確信 187 2 2018-10-20 -
10 第120話:無限 222 4 2018-10-22 -
6 第121話:必然 174 2 2018-10-25 -
12 第122話:悲劇 196 2 2018-10-28 -
7 第123話:鬼気 177 2 2018-10-31 -
11 第124話:捕食 181 3 2018-11-02 -
16 第125話:一輪 183 2 2018-11-05 -
8 第126話:後悔 211 3 2018-11-07 -
6 第127話:神話 166 2 2018-11-10 -
15 第128話:仮説 197 3 2018-11-12 -
8 第129話:伝心 197 3 2018-11-14 -
15 第130話:対立 195 2 2018-11-16 -
16 第131話:残酷 192 3 2018-11-18 -
7 第132話:涙雨 179 3 2018-11-20 -
11 最終章予告 202 3 2018-11-21 -
12 番外編:歓喜 240 5 2018-11-22 -
9 第134話:決戦・1 193 2 2018-11-23 -
9 第135話:決戦・2 160 2 2018-11-25 -
8 第136話:決戦・3 178 2 2018-11-27 -
9 第137話:決戦・4 176 3 2018-11-28 -
9 第138話:決戦・5 206 3 2018-11-30 -
11 第139話:覇王 199 3 2018-12-02 -
12 第140話:精霊 183 3 2018-12-04 -
13 第141話:落涙 226 4 2018-12-05 -
15 第142話:命脈 218 3 2018-12-07 -
11 第143話:終焉 204 3 2018-12-08 -
9 第144話:帰還 191 3 2018-12-10 -
4 遊大たちが19年1月制限について喋ります 240 3 2018-12-11 -
6 第145話:三様 235 2 2018-12-12 -
8 第146話:光明 140 2 2018-12-15 -
12 第147話:竜星 181 3 2018-12-16 -
14 第148話:斬撃 147 3 2018-12-18 -
11 第149話:神竜 145 3 2018-12-20 -
6 第150話:新竜 154 3 2018-12-21 -
8 第151話:共鳴 141 3 2018-12-24 -
9 第152話:前夜 147 3 2018-12-25 -
9 第153話:星竜・1 148 3 2018-12-28 -
10 第154話:星竜・2 131 3 2018-12-29 -
12 第155話:星竜・3 158 3 2018-12-31 -
17 エピローグ:雪夜 252 6 2019-01-01 -
5 番外編:甘露 89 2 2019-02-14 -