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虹彩竜と歩むもの/第84話:特異 作:光芒







☆TURN03(遊大)


「俺のターン、ドロー!」

 流星竜メテオ・ブラック・ドラゴンの攻撃力は3500。遊大のデッキでこの攻撃力を上回るモンスターはいない。そしてモンスターゾーンから墓地に送られることで、墓地の通常モンスター1体を蘇生するため、仮に効果等で墓地に送っても墓地で通常モンスターとして扱うデュアルモンスターの真紅眼の紅炎竜を蘇生することで、刃弥のフィールドはがら空きになることはない。
 そのため彼のフィールドを一掃して攻撃を届かせるには、“墓地に送らずに”メテオ・ブラック・ドラゴンを除去する必要があったのだ。墓地に送らずに、という条件は字面以上に難しい。

「……よし、これなら。俺はチューナーモンスター“竜剣士ラスターP”を召喚!」


※竜剣士ラスターP
ペンデュラム・チューナー・効果モンスター(制限カード)
星4/光属性/ドラゴン族/攻1850/守0
【Pスケール:青5/赤5】
(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在する場合に発動できる。そのカードを破壊し、そのカードの同名カード1枚をデッキから手札に加える。
【モンスター効果】
このカードを素材として、「竜剣士」モンスター以外の融合・S・Xモンスターを特殊召喚する事はできない。


「俺はレベル4の慧眼の魔術師にレベル4のチューナーモンスター、竜剣士ラスターPをチューニング!“灼熱の魂と竜の血が呼応する時、目覚めるのは全てを滅する竜騎士! その炎を以て己が正義を貫け!”シンクロ召喚! 切り裂け!“爆竜剣士イグニスターP”!!」


※爆竜剣士イグニスターP
シンクロ・効果モンスター
星8/炎属性/ドラゴン族/攻2850/守0
チューナー+チューナー以外のPモンスター1体以上
(1):1ターンに1度、フィールドのPモンスター1体またはPゾーンのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、フィールドのカード1枚を選んで持ち主のデッキに戻す。
(2):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。デッキから「竜剣士」モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはS召喚の素材にできない。


「爆竜剣士イグニスターP……悪運は強いようだな」
「俺はイグニスターPの2つ目の効果を発動! デッキから竜剣士モンスター1体を表側守備表示で特殊召喚する! 俺は“竜剣士マスターP”を特殊召喚!」


※竜剣士マスターP
ペンデュラム・通常モンスター
星4/光属性/ドラゴン族/攻1950/守0
【Pスケール:青3/赤3】
(1):このカードがPゾーンに存在する限り1度だけ、自分または相手のPゾーンのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。
【モンスター情報】
同志たちの力を得て成長した「竜剣士ラスターP」の姿。
謎の呪いをかけられて竜魔族に似た竜の力を発現しているが、それ以前の記憶が全て失われており、真相は定かではない。
”竜化の秘法“がその呪いと記憶を紐解く鍵だと信じて、今日も悪の魔王を討つべく旅を続けている。


「そしてイグニスターPの1つ目の効果を発動する! 特殊召喚したペンデュラムモンスターのマスターPを破壊し、流星竜メテオ・ブラック・ドラゴンを持ち主のデッキに戻す!」
「……いいだろう」

 流星竜メテオ・ブラック・ドラゴンは墓地に送られなかったため、自身の効果で墓地の通常モンスターを蘇生することはできない。
 このターンで流星竜を処理できなければ敗色濃厚であった遊大だが、この局面で制限カードである竜剣士ラスターPを引き当て、イグニスターPの効果発動まで繋げられた。偶然と言ってしまえばそれまでのことなのだが、その偶然を必然にできるだけの実力を遊大は持っていた。
 それは紛れもなく彼が強いデュエリストの一人であり、彼がチーム・セントラルの大将を任せられるだけの存在であることを示していた。

「俺はまだペンデュラム召喚を行っていない。俺のペンデュラムスケールは3と8。よってエクストラデッキからレベル4の慧眼の魔術師、竜剣士ラスターP、竜剣士マスターPの3体をペンデュラム召喚!」

 遊大のフィールドにはイグニスターPを含んだ4体のモンスターが居並ぶ。イグニスターPの効果で特殊召喚したマスターPは、守備表示かつシンクロ召喚の素材にできないというデメリットが課せられていたが、一度フィールドを離れたことでそれらの制約は全て失われていた。また、4体のモンスターの総攻撃力は8150に至り、これらの攻撃が全て通ればこの時点でデュエルは遊大の勝利という形で終わるのだ。

「バトル! 俺は爆竜剣士イグニスターPでダイレクトアタック!“炎竜爆斬剣”!」

爆竜剣士イグニスターP ATK2850

 イグニスターPの燃え盛る剣が刃弥に迫る。しかし、彼は全く動じない。遊大がチーム・セントラルの大将に選ばれるだけの実力を持つならば、刃弥もまたそれに比肩しうるだけの実力を持っているのだ。

「ふん。リバースカードオープン」
(……このタイミングで?)
「墓地のライトパルサー・ドラゴンを対象に罠カード“戦線復帰”を発動させてもらう」


※戦線復帰
通常罠
(1):自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。


「ライトパルサー・ドラゴンを守備表示で特殊召喚する」


※ライトパルサー・ドラゴン
効果モンスター
星6/光属性/ドラゴン族/攻2500/守1500
このカードは自分の墓地の光属性と闇属性のモンスターを1体ずつゲームから除外し、手札から特殊召喚できる。
また、手札の光属性と闇属性のモンスターを1体ずつ墓地へ送り、このカードを自分の墓地から特殊召喚できる。
このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、自分の墓地のドラゴン族・闇属性・レベル5以上のモンスター1体を選択して特殊召喚できる。


「モンスターの数が増えたことで戦闘の巻き戻しが発生するが、どうする?」
「……俺は爆竜剣士イグニスターPの攻撃を中止するよ」
「ほう、攻撃しないのか? こいつの守備力はわずか1500だぞ?」
「わかっているよ。俺はこのまま……バトルフェイズを終了する」

 刃弥の言う通り、ライトパルサー・ドラゴンの守備力はわずか1500であり、下級モンスターである竜剣士2体の攻撃でも十分に破壊することができる。
 しかし、このモンスターの効果が遊大に攻撃を躊躇わせた。ライトパルサー・ドラゴンはフィールド上から墓地に送られることで墓地のドラゴン族・闇属性・レベル5以上のモンスター1体を蘇生させることができるのだ。
 刃弥の墓地には流星竜の効果で墓地に送られていたレッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴンが存在する。ライトパルサー・ドラゴンを下手に墓地に送らせれば、その効果でダークネス・メタルドラゴンを蘇生させられ、そしてダークネス・メタルドラゴンの効果でライトパルサー・ドラゴンを蘇生することができる。
 この2体を揃えられると、流星竜と同等、いやそれ以上に対処の難しい布陣になりかねなかったのだ。

「俺はバトルフェイズを終了してメインフェイズ2に移るよ。俺はレベル4の竜剣士ラスターPと慧眼の魔術師でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚!“清らかな風と竜の血が交わる時、目覚めるは全てを導く魔術の竜! その風を以て未来への懸け橋を築け!”飛翔せよ、“昇竜剣士マジェステターP”!」


※昇竜剣士マジェスターP
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/風属性/ドラゴン族/攻1850/守2000
レベル4のPモンスター×2
(1):このカードがX召喚に成功した時に発動できる。このターンのエンドフェイズに、デッキからPモンスター1体を手札に加える。
(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。自分のエクストラデッキから表側表示の「竜剣士」Pモンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはX召喚の素材にできない。


昇竜剣士マジェスターP ORU:2 DEF2000 

「エクシーズ召喚に成功したマジェスターPの効果を発動するよ。このターンのエンドフェイズにデッキからPモンスター1体を手札に加える。俺はこれでターンエンド。マジェスターPの効果で俺は2体目のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを手札に加えるよ」


遊大 LP5900 手札2枚
デッキ:34 モンスター:3(爆竜剣士イグニスターP、昇竜剣士マジェスターP ORU:2、竜剣士マスターP)魔法・罠:0 墓地:4 Pゾーン:青3(相克の魔術師)/赤8(黒牙の魔術師)除外:0 エクストラデッキ:12(0)
刃弥 LP6500 手札3枚
デッキ:32 モンスター:1(ライトパルサー・ドラゴン)魔法・罠:2(未来融合-フューチャー・フュージョン)墓地:6 Pゾーン:青/赤 除外:0 エクストラデッキ:15(0)


☆TURN04(刃弥)


「俺のターン、ドロー……ほう、こう来るか」
「?」
「スタンバイフェイズに発動から1ターン経過した未来融合-フューチャー・フュージョンの効果を発動する。エクストラデッキの融合モンスター1体を見せることで、その融合素材となるモンスターをデッキから墓地に送る。俺が融合召喚するのはこのモンスターだ」

 刃弥のデッキを形成するカードで現時点で判明しているのは【真紅眼】と【カオスドラゴン】。その両方に共通する融合モンスターとして思い浮かべられるのは、やはりドラゴン族モンスター5体を融合素材とするF・G・D。攻撃力5000かつ光属性のモンスター以外との戦闘では破壊されない強力モンスター。
 それでも持っているのはあくまで光属性のモンスター以外との戦闘では破壊されない、という局地的な戦闘破壊耐性であり、決して対処の出来ないモンスターではない。しかし、刃弥が遊大に見せたのは、彼の想像だにしないモンスターであった。



―――“鎧獄竜-サイバー・ダークネス・ドラゴン”―――











「サイバー・ダーク……刃弥、そのカードは!!」

 サイバー・ダークネス・ドラゴンの名前を聞いた有紗が突如立ち上がる。それまで常に冷静にデュエルを見守っていた有紗の動揺する姿に、チーム・ユニオンの面々の視線が一斉に彼女に向く。

「……天海?」
「えっ」
「サイバー・ダーク……あのモンスターに何かあるのか?」
「な、なんでもないわ。ちょっと驚いただけ……」
「そうか……」

 遊誉の探偵としての感が告げる。有紗は何かを隠している、と。
 










「サイバー・ダークネス・ドラゴン!?」
「……その顔だと見当違いだったようだな。大方F・G・Dあたりと思っていたのだろう? しかし、俺はいつ自分のデッキが【ドラゴン族】と言った? 鎧獄竜-サイバー・ダークネス・ドラゴンの融合素材は【サイバー・ダーク】モンスター5体。よって俺はデッキから5種のサイバー・ダークモンスター、“サイバー・ダーク・ホーン”“サイバー・ダーク・エッジ”“サイバー・ダーク・キール”“サイバー・ダーク・クロー”“サイバー・ダーク・カノン”を墓地に送る」

 刃弥のデッキにおいて真紅眼もカオスもあくまで添え物にしか過ぎなかった。彼のデッキの本分は【サイバー・ダーク】。かつてのアカデミアにおいて“帝王”の名を欲しいままにしたとある卒業生が使ったデッキの一つであり、その性質としては墓地のドラゴン族モンスターを自身の装備カードとして装備し、攻撃力を大幅に上昇させるというものだ。
 これまでサイバー・ダークは機械族モンスターのホーン、エッジ、キールの3種類しか存在しなかったが、近年になってドラゴン族モンスターで既出のサイバー・ダークの装備カードとして装備できるクローとカノンが追加され、大幅に強化されたデッキでもあった。

「次の俺のスタンバイフェイズにサイバー・ダークネス・ドラゴンが融合召喚される」
「くっ……」
「最も、それまでにデュエルが続いていればの話だがな。俺は手札から魔法カード“サイバーダーク・インパクト!”を発動」


※サイバーダーク・インパクト!
通常魔法
(1):自分の手札・フィールド・墓地から、「サイバー・ダーク・ホーン」「サイバー・ダーク・エッジ」「サイバー・ダーク・キール」を1枚ずつ持ち主のデッキに戻し、「鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン」1体をEXデッキから融合召喚する。


「サイバーダーク・インパクト!……まさか、未来融合と同じタイミングで引くなんて」
「あまり運否天賦に頼るのは好まないのだがな。もし神仏の類が存在するのであれば、彼らは俺の勝ちを願っているのだろう。墓地のホーン、エッジ、キールの3体をデッキに戻し、エクストラデッキから鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴンを融合召喚する! 現れよ、鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン!!」

 巨大な角を持った頭のような機械と巨大な翼を持った蜂のような機械、そして竜の胴体から尻尾を担う蛇のような機械が融合することで1体の巨大な竜となる。このカードこそ、進化形であるサイバー・ダークネス・ドラゴンと共に刃弥のデッキのエースモンスターとなるサイバー・ダーク・ドラゴンだ。


※鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン
融合・効果モンスター
星8/闇属性/機械族/攻1000/守1000
「サイバー・ダーク・ホーン」+「サイバー・ダーク・エッジ」+「サイバー・ダーク・キール」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合、自分の墓地のドラゴン族モンスター1体を対象として発動する。そのドラゴン族モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。
(2):このカードの攻撃力は、このカードの効果で装備したモンスターの元々の攻撃力分、及び自分の墓地のモンスターの数×100アップする。
(3):このカードが戦闘で破壊される場合、代わりに装備したそのモンスターを破壊する。


「特殊召喚に成功したサイバー・ダーク・ドラゴンの効果を発動。墓地のドラゴン族モンスター1体を装備する。そして装備したモンスターの攻撃力分、そして自分の墓地のモンスターの数×100ポイントこのカードの攻撃力はアップする。俺が装備するのは墓地の真紅眼の黒炎竜だ」

鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン(+真紅眼の黒炎竜)ATK1000→3400

「そして俺の墓地に存在するモンスターは5体。よって攻撃力は更に500ポイントアップする」

鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン(+真紅眼の黒炎竜)ATK3400→3900

「攻撃力3900……」
「ライトパルサー・ドラゴンを攻撃表示に変更、そしてバトルだ。まずはライトパルサー・ドラゴンで爆竜剣士イグニスターPを攻撃。“ライトニング・パルス・バースト”」

ライトパルサー・ドラゴン ATK2500 VS 爆竜剣士イグニスターP ATK2850

刃弥 LP6500→6150

「墓地に送られたライトパルサー・ドラゴンの効果を発動。墓地のレッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを特殊召喚する!」


※レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴン
効果モンスター(制限カード)
星10/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守2400
(1):このカードは自分フィールドの表側表示のドラゴン族モンスター1体を除外し、手札から特殊召喚できる。
(2):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。自分の手札・墓地から「レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴン」以外のドラゴン族モンスター1体を選んで特殊召喚する。


「そしてレッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴンで守備表示のマジェスターPを攻撃。“ダークネス・メタル・フレア”」

レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴン ATK2800 VS 昇竜剣士マジェスターP ORU:2 DEF2000

 ダークネス・メタルドラゴンの攻撃でマジェスターPが破壊される。今まさに攻勢に転じようとした刃弥であったが、そんな彼の心にはある一つの戸惑いがあった。それは他ならぬ対峙している遊大に対してであった。

(……何故だ。あの時高海 遊大から感じた力は、とてつもないものだった。だが、今の奴からはそれを感じない。それならば……俺がその力を引き出させてやる!!)
「鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴンで爆竜剣士イグニスターPを攻撃!! 砕け散れ!“フル・ダークネス・バースト”!!」

鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン(+真紅眼の黒炎竜)ATK3900 VS 爆竜剣士イグニスターP ATK2850

 真紅眼の黒炎竜を装備したサイバー・ダーク・ドラゴンの咆哮が衝撃波となって、イグニスターPを襲う。衝撃波は共振運動を起こし、やがてイグニスターPの身体をバラバラに、粉微塵に砕いてしまった。
 本来ならば、遊大が受けるのはサイバー・ダーク・ドラゴンとイグニスターPの攻撃力の差分の1050のダメージであるのだが、その瞬間会場の空気が一変した。何故ならばその時本来のデュエルではまず起こりえないことが起こったからだ。

「えっ……」

 ではその時に何が起きたのか。サイバー・ダーク・ドラゴンの攻撃を受けた瞬間―――遊大の身体が、まるで突風に飛ばされるが如く高く舞ったのだ。吹き飛ばされた遊大は、重力に引かれるままそのまま落下し、地面に強く打ち付けられる。それと同時に遊大の全身を激しい痛みが遅い、口の中には鉄のような味が広がる。遊大が立っていた箇所の地面は抉れ、まるで爆発事故でも起きたかのような痕跡が残っていた。

「がはっ……!!」

遊大 LP5900→4850

「刃弥!! あんた……!!」

 遊大が攻撃を受けた瞬間、有紗はデュエルフィールドの刃弥に物凄い勢いで詰め寄っていた。それまで何処か心配そうにデュエルを見守っていた彼女であったが、先程までの彼女の姿はそこにはない。そこにいたのは鬼気迫る顔で双子の兄に迫る少女であった。

「何、奴はあの程度のことでは死なない」
「あんた、自分が何をしたかわかっているの!?」
「俺は召喚したモンスターで奴に戦闘ダメージを与えた。それだけだろう?」
「っ……!!」
「いい加減下がれ。これは俺と奴のデュエルだ。さもないと“この力”をお前に向けることになるぞ?」

 そう言って悪戯っぽく笑って掌を見せる刃弥。この時有紗は刃弥の眼が本気であることを見抜いた。このデュエルに下手に水を刺せば、今の刃弥は何をするかわからない。それを肌で感じ取った有紗は身を引くことしかできなかった。
俯きながらデュエルフィールドを降りた有紗を、遊誉たちが出迎える。しかし、それは決して歓迎ムードというだけではない。有紗の様子から何かを感じ取っていた遊誉はもちろん、他の五人もこの尋常ではない事態を理解していた。

「……単刀直入に聞かせてもらおうか。天海 刃弥……あいつは何をした」
「……」
「黙秘権は与えない。答えてくれなければ俺たちはお前をいつまでも尋問し続ける」
「……刃弥は、生まれつき他の子どもとは違うものがあったの。それでも今までは私が傍にいたからなんとか抑えることができていた」
「どういうことだ?」
「刃弥にある力は―――デュエルモンスターズにおいて、特定のモンスターを実体化させ、そのダメージを現実にするというもの。過去にもいくつかそういう症例があったから……あなたならその存在を知っているでしょう?」
「まさか、あいつは―――」










―――ええ。私の兄……刃弥は、数十年に一人現れるか現れないかと言われる特異体質を持って生まれた。いわゆる―――










―――“サイコデュエリスト”―――






















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ター坊
刃弥のサイバーダークから放たれるサイコパワーでリアルダメージを負った訳ですが…やっぱり審判仕事しない(泣)
遊戯王世界の未来という世界観ですが、やっぱりゴレンダァァ先輩も準伝説扱いですね。 (2018-01-22 13:20)
光芒
ター坊さん
自分で書いているのにも関わらず、審判の存在を忘れているというね。ただ磯野然りこの手のデュエルで審判ってほとんど仕事していないですよね。こういう事態に至ったら普通レフェリーストップが入るはずなのに……

>遊戯王世界の未来という世界観ですが、やっぱりゴレンダァァ先輩も準伝説扱いですね。
DMからGXがこの世界の過去という設定なので、それらの登場人物は基本的にレジェンドだったりします。なので功績を残したという点ではカイザーはもちろん万丈目や翔であってもレジェンド扱いになりますね。 (2018-01-24 08:54)
ヘロ
久しぶりです コメントはしてませんがいつも読ませてもらってます
刃弥君まさかのサイコデュエリスト・・・その発想はなかったです(おい)
後、遊戯王の世界で審判が仕事しないのはいつもの事だと思ってます (2018-01-25 18:51)
から揚げ
レッドアイズやカオスドラゴンでさえサイバー・ダークの引き立て役だったとは驚きました!3つのカテゴリーが混在したデッキを難なく回す辺り、刃弥くんの実力・技量が並々ならぬ物である事が伺えますね!

それに加えて刃弥くんがサイコデュエリストだったとは正に衝撃の展開ですね!しかもその力を大会で披露しちゃうとは、刃弥くんの破天荒ぶりが凄いですね!妹の有紗ちゃんの苦労人っぷりが伝わってきます!(有紗ちゃんに胃薬を渡しながら)

それにしてもサイコデュエリストって羨ましくて良いですね!遊希ちゃんや留奈ちゃんとデュエルした時に、上手い事サイコパワーをコントロールして服だけにリアルダメージを与えて肌を露出させてみたいです!(ゲス顔)他には女性型モンスターを実体化して色々(意味深)としてみたいです! (2018-01-29 00:39)
光芒
ヘロさん
刃弥について、ヘロさんは精霊の子供などたくさんの設定を投稿されていましたが、この物語の世界感でそう精霊が登場してはいけないものなので、それに近い力を持ったサイコデュエリストになってもらいました。

>後、遊戯王の世界で審判が仕事しないのはいつもの事だと思ってます
思い返せば作中において審判は磯野以来出ていない気がしますね……

から揚げさん
元々はヘロさんがサイバー・ダークメインに真紅眼を加えたデッキレシピを掲示板スレッドに投稿してくれましたが、それをベースに色々と弄っていたらこうなりました。

>それに加えて刃弥くんがサイコデュエリストだったとは正に衝撃の展開ですね!しかもその力を大会で披露しちゃうとは、刃弥くんの破天荒ぶりが凄いですね!妹の有紗ちゃんの苦労人っぷりが伝わってきます!(有紗ちゃんに胃薬を渡しながら)
披露、というより暴走もやや入っています。

>それにしてもサイコデュエリストって羨ましくて良いですね!遊希ちゃんや留奈ちゃんとデュエルした時に、上手い事サイコパワーをコントロールして服だけにリアルダメージを与えて肌を露出させてみたいです!(ゲス顔)他には女性型モンスターを実体化して色々(意味深)としてみたいです!
ファイヤー・ボール!(物理)

(2018-01-29 10:33)

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30 第64話:結束 414 4 2017-10-02 -
19 第65話:渇望 552 3 2017-10-07 -
38 第66話:証明 376 4 2017-10-13 -
35 第67話:空想 361 2 2017-10-16 -
38 第68話:魔鎖 375 2 2017-10-23 -
33 第69話:喝采 337 2 2017-10-27 -
36 第70話:胸愛 408 3 2017-11-01 -
37 第71話:点火 371 4 2017-11-07 -
20 第72話:誘惑 340 3 2017-11-15 -
36 第73話:憤怒 360 5 2017-11-18 -
24 第74話:反攻 281 2 2017-11-22 -
11 第75話:夢追 354 2 2017-11-27 -
20 第76話:剣閃 317 2 2017-12-02 -
11 第77話:膠着 257 2 2017-12-09 -
20 遊大たちが1月制限について語るようです 405 4 2017-12-11 -
14 第78話:豹変 281 2 2017-12-17 -
23 第79話:親心 296 4 2017-12-22 -
11 第80話:疾風 267 2 2017-12-30 -
14 番外編:隠想 374 3 2018-01-01 -
11 第81話:異能 284 2 2018-01-08 -
26 第82話:要塞 234 2 2018-01-13 -
15 第83話:相反 267 3 2018-01-17 -
15 第84話:特異 333 5 2018-01-22 -
10 第85話:忌避 388 4 2018-01-29 -
18 第86話:転生 436 4 2018-02-06 -
16 第87話:変貌 405 4 2018-02-14 -
25 第88話:祭典・1 309 4 2018-02-22 -
11 第89話:祭典・2 343 4 2018-02-28 -
11 第90話:祭典・3 308 4 2018-03-10 -
28 18年4月制限について語るようです 473 4 2018-03-14 -
16 第91話:閉幕 328 4 2018-03-22 -
19 第92話:令嬢 300 4 2018-03-31 -
17 第93話:共闘 281 4 2018-04-07 -
23 第94話:古豪 251 3 2018-04-15 -
8 第95話:護心 248 2 2018-04-19 -
10 番外編:裏話 378 4 2018-04-29 -
29 第96話:転機 300 4 2018-05-03 -
19 第97話:敬意 213 0 2018-05-13 -
9 第98話:遺托 295 4 2018-05-17 -
20 番外編:青春 254 2 2018-05-23 -
26 第99話:疾駆 263 6 2018-06-12 -
24 遊大たちが18年7月制限について語ります 261 0 2018-06-14 -
15 第100話:戦士 200 0 2018-06-19 -
10 第101話:懐古 209 2 2018-06-24 -
7 第102話:降竜 207 0 2018-06-30 -
5 第103話:乱入 204 3 2018-07-06 -
7 第104話:奮起 186 0 2018-07-15 -
10 第105話:白翼 197 0 2018-07-22 -
13 第106話:夢境 327 3 2018-07-30 -
4 第107話:紫苑 122 4 2018-09-12 -
3 遊大たちが10月制限について語ります 143 2 2018-09-14 -
4 第108話:猛毒 126 2 2018-09-17 -
3 第109話:変身 120 2 2018-09-21 -
6 第110話:共闘 136 4 2018-09-25 -
3 第111話:油断 117 2 2018-09-27 -
10 第112話:浸食 111 2 2018-09-30 -
5 第113話:神意(修正・再掲版) 106 2 2018-10-03 -
12 第114話:忍者 103 2 2018-10-06 -
2 第115話:継承(修正版) 108 3 2018-10-08 -
7 第116話:征圧 107 2 2018-10-10 -
10 第117話:両雄(修正版) 112 3 2018-10-15 -
6 第118話:負担 74 2 2018-10-17 -
4 第119話:確信 65 1 2018-10-20 -