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虹彩竜と歩むもの/第82話:要塞 作:光芒








☆TURN07(仁)


「俺のターン、ドロー」
「この瞬間、再びPSYフレームロード・Ωの効果を発動させてもらう。このカードとお前の手札1枚をランダムに選択して除外する」

 PSYフレームロード・Ωによって、またしても仁の手札1枚がランダムに除外される。最も今回除外されたカードは使い道がなく、現状仁にとってはあってもなくても変わらないカードだったのが幸いした。

「高い攻撃力のモンスターを出すだけではなく、効果で相手を翻弄……柔よく剛を制す、か。言い得て妙だな。だが、お前がそう来るならば俺はさらにその上を行く! 手札から魔法カード“RUM-レイド・フォース”を発動!」


※RUM-レイド・フォース
通常魔法
(1):自分フィールドのXモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターよりランクが1つ高い「RR」モンスター1体を、対象の自分のモンスターの上に重ねてX召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。
(2):墓地のこのカードと手札の「RR」カード1枚を除外し、「RUM-レイド・フォース」以外の自分の墓地の「RUM」魔法カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。


「RUMか……フォース・ストリクスを残したのはそのためか」
「レディネスの墓地効果を使えるようにしておきたかった、というのもあるがな。俺はランク4のフォース・ストリクスでオーバーレイ! 1体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築! ランクアップ・エクシーズチェンジ! “獰猛なる隼よ。戦火に傷つき燃えた炎の翼翻し、寄せ来る敵を打ち破れ!”現れろ! RR-ブレイズ・ファルコン!」

 フォース・ストリクスをランクアップさせてエクシーズ召喚したのはランク5のブレイズ・ファルコン。攻撃力はわずか1000と低いが、RRモンスターをオーバーレイユニットにしている限りダイレクトアタックが可能であり、またオーバーレイユニットを1つ取り除くことで特殊召喚された相手モンスターを全て破壊し、その数×500ポイントのダメージを与えることもできるモンスターだ。
 それでも仁はブレイズ・ファルコンを守備表示で特殊召喚する。ブレイズ・ファルコンはオーバーレイユニットがあれば、相手にダイレクトアタックができるのだが、オーバーレイユニットのない状態では攻撃力1000の弱小モンスターに過ぎない。仮に遊誉のライフを削ろうとも、攻撃力1000のモンスターを棒立ちにさせたままでいるのであれば、効果を発動させた後に守備力2000の壁モンスターとして盾にすることを選んだのである。

RR-ブレイズ・ファルコン ORU:1 DEF2000

「ブレイズ・ファルコンの効果を発動! オーバーレイユニットを1つ取り除き、お前のフィールドの特殊召喚されたモンスターを全て破壊する! 焼き払え!」

 ブレイズ・ファルコンが羽ばたくことで発生した熱風が遊誉のフィールドに吹き降ろす。ダイガスタ・スフィアードは風のバリアを貼って自分を守ろうとするが、熱風の前に耐えきれず消滅してしまった。

「そしてこの効果で破壊したモンスターの数×500ポイントのダメージをお前に与える!」

遊誉 LP4300→3800

「厄介なΩこそ仕留め損なったが、ダイガスタ・スフィアードを破壊できただけで御の字というものだ。さらに俺は手札からトリビュート・レイニアスを召喚。バトルだ! トリビュート・レイニアスでダイレクトアタック!」

RR-トリビュート・レイニアス ATK1800

遊誉 LP3800→2000

「……そろそろ笑えなくなってきたな」
「俺としてはもっと早く切羽詰まって欲しいんだがな。まあいい、バトルフェイズを終えてメインフェイズ2に移る」
(次の風見のターンにPSYフレームロード・Ωが戻ってくるが、どちらにせよ次の俺のターンでこのデュエルは終わる。待っていろ、遊大)
「俺はカードを1枚セット。これでターンエンドだ」


仁 LP5500 手札4枚
デッキ:22 モンスター:2(RR-ブレイズ・ファルコン ORU:0、RR-トリビュート・レイニアス)魔法・罠:3(RR-ネスト)墓地:12 Pゾーン:青/赤 除外:4 エクストラデッキ:10(0)
遊誉 LP2000 手札1枚
デッキ:34 モンスター:0 魔法・罠:1 墓地:12 Pゾーン:青/赤 除外:3 エクストラデッキ:12(0)


☆TURN08(遊誉)


「俺のターン、ドロー。このスタンバイフェイズにΩとお前の手札が元に戻る。ブレイズ・ファルコンでダイガスタ・スフィアードを処理したのはいいが、それで勝ったつもりか?」
「まさか。デュエルはライフが尽きるその時まで終わらない……お前も俺もな」
「結構な心掛けだ。だが、それだからこそ倒す意義があるというものだ! 俺はガスタの神裔 ピリカを召喚。ピリカの効果で墓地のガスタ・ガルドを特殊召喚。そしてレベル3のピリカにレベル3のガスタ・ガルドをチューニング! 三度現れよ! ダイガスタ・スフィアード! シンクロ召喚に成功したスフィアードの効果で俺は墓地のガスタ・ガルドを手札に戻す。そしてバトルだ! PSYフレームロード・Ωでブレイズ・ファルコンを攻撃! PSYロード・サンダー!」

PSYフレームロード・Ω ATK2800 VS RR-ブレイズ・ファルコン DEF2000

「さらにダイガスタ・スフィアードでトリビュート・レイニアスを攻撃! ガスタ・アゲインスト・ウィンド!」

ダイガスタ・スフィアード ATK2000 VS RR-トリビュート・レイニアス ATK1800

仁 LP5500→5300

「わずか200とはいえ削れるのであれば、削っておいて損はない。これで俺はバトルフェイズを終了」
「バトルフェイズを終了……その前にリバースカードを発動させてもらおうか!」
「っ、リバースカードだと!?」
「速攻魔法発動! RUM-デス・ダブル・フォース! このターン戦闘で破壊され墓地に送られたRRモンスターのエクシーズモンスターを1体を対象として発動。そのモンスターを特殊召喚し、そのモンスターの倍のランクを持つエクシーズモンスター1体をエクシーズ召喚扱いとして特殊召喚する! 破壊されたブレイズ・ファルコンのランクは5!」
「ランク10のエクシーズモンスター……まさか」
「そのまさかだ! ランク5のブレイズ・ファルコンでオーバーレイ! 1体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築!“究極にして至高の隼よ! 数多なる朋友の魂をその翼に乗せ、勝利の天空へと飛翔せよ!”ランクアップ・エクシーズチェンジ!! 出でよ! RR-アルティメット・ファルコン!!」

 「究極」の名を与えられたRR-アルティメット・ファルコン。自他ともに認めるRRの切り札たるモンスターであり、強力な効果で相手を圧殺することのできるモンスターだ。それでも遊誉のフィールドにはガスタモンスターによる戦闘ダメージを相手に跳ね返すダイガスタ・スフィアードがいるため、アルティメット・ファルコンの存在は遊誉にとってはむしろありがたいことであるのだが。

(まさか俺のターンのバトルフェイズにこのモンスターをエクシーズ召喚してくるとはな……そして俺のフィールドにはダイガスタ・スフィアードがいるにも関わらず、アルティメット・ファルコンのエクシーズ召喚をした。ならばあのセットカードは……)
「……メインフェイズ2に移行する。俺はΩの効果を発動。このカードとお前の手札1枚を次の俺のスタンバイフェイズまでゲームから除外する!」

 ガスタモンスターではないPSYフレームロード・Ωを一時的とはいえフィールドに存在させなくすることで、アルティメット・ファルコンの攻撃対象をダイガスタ・スフィアードに絞らせる。これで仁はモンスターで攻撃を行う場合、ダイレクトアタックが可能なモンスターでもフィールドに出さない限り、遊誉に対してダメージを与えることはできない。
 そのようなことに仁が気付かないわけはないのだが、この時の彼は全く動じる素振りを見せなかった。元々こういう場で変に動揺しないのが仁であるが、遊誉には仁のこの態度が真実なのか虚構なのかを見抜くことができなかった。

「俺はカードを1枚セット。これでターンエンドだ」
「ではエンドフェイズにアルティメット・ファルコンの効果を発動。相手フィールドのモンスターの攻撃力を1000下げる」

ダイガスタ・スフィアード ATK2000→1000


仁 LP5300 手札4枚
デッキ:22 モンスター:1(RR-アルティメット・ファルコン ORU:1)魔法・罠:2(RR-ネスト)墓地:14 Pゾーン:青/赤 除外:4 エクストラデッキ:9(0)
遊誉 LP2000 手札1枚
デッキ:33 モンスター:1(ダイガスタ・スフィアード)魔法・罠:2 墓地:12 Pゾーン:青/赤 除外:3 エクストラデッキ:11(0)


☆TURN09(仁)


「俺のターン、ドロー。俺はアルティメット・ファルコンのオーバーレイユニットを1つ取り除き、効果を発動! 相手フィールドのモンスターの攻撃力は1000ダウン。そしてこのターン、相手はカードの効果を発動できない!」
(やはり攻めてきたか!)
「ならば俺はその効果にチェーンしてリバースカードを発動する! 罠カード、威嚇する咆哮!」


チェーン2(遊誉):威嚇する咆哮
チェーン1(仁):RR-アルティメット・ファルコン


「威嚇する咆哮……だと」

 遊誉の発動した威嚇する咆哮によって、仁はこのターンの攻撃宣言ができなくなる。もし前のターンに遊誉がこのカードを引いていなければ、セットしたカードと併用することでダイガスタ・スフィアードを倒すだけではなく、遊誉のライフを0にできていたのかもしれなかったのだ。

「リクルートメインのガスタでなんでこんなカードを入れているんだ?という顔をしたな。確かにガスタとはアンチシナジーかもしれないが、最近はワンキルを当たり前にこなすデッキが多くてな。この手のカードを入れておいて損はないということだ」
「……その理由には共感を覚えるな。チェーン1のアルティメット・ファルコンの効果で、このターンの間お前のモンスターの攻撃力は1000ダウンし、お前はカードの効果を発動できない」

ダイガスタ・スフィアード ATK1000→0

「さて、攻撃こそ封じられてしまったが、スフィアードは完全に無力化させてもらう。スフィアードを対象に俺は永続罠、デモンズ・チェーンを発動。スフィアードの攻撃を封じ、効果を無効にする」
「間一髪、というところだったな」
「……全くだ。攻撃宣言を封じられた俺にこのターンにできることはない。俺はこのままターンエンドだ」

 アルティメット・ファルコンの3つ目の効果はオーバーレイユニットがなければ発動できない。デモンズ・チェーンによって、ダイガスタ・スフィアードは無力化したが、それでも反撃の余地を遊誉に与えてしまったことは仁にとっては想定外のことであった。

ダイガスタ・スフィアード ATK0→1000


仁 LP5300 手札5枚
デッキ:21 モンスター:1(RR-アルティメット・ファルコン ORU:0)魔法・罠:2(RR-ネスト、デモンズ・チェーン)墓地:15 Pゾーン:青/赤 除外:4 エクストラデッキ:9(0)
遊誉 LP2000 手札1枚
デッキ:33 モンスター:1(ダイガスタ・スフィアード)魔法・罠:1 墓地:13 Pゾーン:青/赤 除外:3 エクストラデッキ:11(0)


「……一進一退。先が読めないデュエルですね」
「はい、緻密かつ熱いデュエル。まさに少年漫画の王道的展開ですね」
「その例えは正しいのか? まあ漫画家ならではの視点っていえばそうだけどよ」
「……でも風見の奴も相手の大空って奴もこの緊迫感を楽しんでる。アタシにはそう見えてならないぜ」



☆TURN10(遊誉)


「俺のターン、ドロー。このスタンバイフェイズに除外されていたΩとお前の手札が戻って来る」
「しかし、いくらPSYフレームロード・Ωであってもアルティメット・ファルコンの前ではそうやって除外して逃げ続けることしかできない」
「確かに。だが、お前にアルティメット・ファルコンという切り札があるならば、俺にもそれに対するだけのものがある。それを見せてやろう。俺は手札からチューナーモンスター、ガスタ・ガルドを召喚」

 このガスタ・ガルドは2体目のダイガスタ・スフィアードをシンクロ召喚した時に、その効果で墓地からサルベージしたモンスターであった。普通ならばスフィアードの効果でサルベージするのは複数体のスフィアードをシンクロ召喚できるピリカであるのだが、遊誉のエクストラデッキにはスフィアードは2枚しか入っていないため、ここでシンクロ先を縛るピリカを手札に戻す恩恵は少なかったのである。

「レベル3のチューナーモンスター……お前のフィールドにはレベル8とレベル6のモンスターがいる」
「俺はレベル6のサイキック族モンスター、ダイガスタ・スフィアードにレベル3のチューナーモンスター、ガスタ・ガルドをチューニング!“異能の力と科学の進歩が交わる時、彼の者は全てを撃ち抜く銃手となる。その目に映る全てを薙ぎ払え!”シンクロ召喚! 起動せよ!“ハイパーサイコガンナー”!!」


※ハイパーサイコガンナー
シンクロ・効果モンスター
星9/地属性/サイキック族/攻3000/守2500
チューナー+チューナー以外のサイキック族モンスター1体以上
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
また、このカードが守備表示モンスターを攻撃したダメージステップ終了時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ自分のライフポイントを回復する。


「ハイパーサイコガンナーは貫通効果を持ち、そして貫通ダメージの分俺のライフを回復する」
「だが、俺のフィールドには守備表示モンスターは存在しない。ハイパーサイコガンナーでは……」
「ところで俺がずっとセットしているこのカード。何だと思う?」
「……まさか」
「気づいたか。俺は今までこのカードを発動しなかったんじゃない。できなかったんだ。ハイパーサイコガンナーがいなかったからな。リバースカードオープン! 罠カード“バスター・モード”!!」


※バスター・モード
通常罠
自分フィールド上のシンクロモンスター1体をリリースして発動できる。リリースしたシンクロモンスターのカード名が含まれる「/バスター」と名のついたモンスター1体をデッキから表側攻撃表示で特殊召喚する。


「ハイパーサイコガンナーをリリースして発動。リリースしたシンクロモンスターの名が含まれた/バスターモンスター1体をデッキから特殊召喚する!“異能と科学が交わる時。溢れ出る力は更なる進化の鍵となる。己が限界を貫き飛翔せよ!”バスター・チェンジ!“ハイパーサイコガンナー/バスター”!!」


※ハイパーサイコガンナー/バスター
効果モンスター
星11/地属性/サイキック族/攻3500/守3000
このカードは通常召喚できない。「バスター・モード」の効果でのみ特殊召喚できる。
このカードが相手モンスターと戦闘を行ったダメージステップ終了時、その相手モンスターの守備力分のダメージを相手ライフに与え、その攻撃力分だけ自分のライフポイントを回復する。
また、フィールド上のこのカードが破壊された時、自分の墓地の「ハイパーサイコガンナー」1体を選択して特殊召喚できる。


「ハイパーサイコガンナー/バスター……何故そのようなモンスターを」

 仁の言う通り、ハイパーサイコガンナー/バスターは進化前にあたるハイパーサイコガンナーとは役割や用途が真逆であり、ハイパーサイコガンナーのシンクロ召喚の難しさから決して使い勝手のいいモンスターではない。だが、そういう扱い辛いカードを使いこなしてこそよりデュエリストとしての高みに辿り着ける。遊誉は常々そう思っており、その決意があるからこそ、遊誉はサウス校の代表として今この場に立つことができているのだ。

「……そういうことか。そこにお前の強さを垣間見た気がするな」
「それはどうも。だが、ハイパーサイコガンナー/バスターの効果はわかるな? ならば俺のことを褒めている場合ではないぞ? バトル!」
「ああ、わかっている。そのカードの強みはな……だからこそ墓地のRR-レディネスの効果を発動させてもらう! 俺の墓地にRRモンスターが存在する場合、このカードを除外することでこのターン俺が受けるダメージは0になる!」
「やはり使ってきたか。だが、アルティメット・ファルコンを倒せるだけで十分だ! ハイパーサイコガンナー/バスターでRR-アルティメット・ファルコンを攻撃! “クロス・アサルト・バスター”!!」
「アルティメット・ファルコン!“ファイナル・グロリアス・ブライト”!!」

ハイパーサイコガンナー/バスター ATK3500 VS RR-アルティメット・ファルコン ATK3500

 ハイパーサイコガンナー/バスターとアルティメット・ファルコンの攻撃力は共に3500。相手のカードの効果を受け付けないアルティメット・ファルコンであるが、戦闘においての耐性は持ち合わせていない。ハイパーサイコガンナー/バスターの光弾がアルティメット・ファルコンを撃墜し、アルティメット・ファルコンの風の刃がハイパーサイコガンナー/バスターを切り刻み、相討ちとなって消滅する。
 しかし、/バスターモンスターには秘められた効果がある。そしてハイパーサイコガンナー/バスターにおいては他の/バスターモンスターにはない効果も併せ持っていた。

「戦闘を行い、かつ破壊されて墓地に送られたハイパーサイコガンナー/バスターの効果が発動!」
「チェーン2。ハイパーサイコガンナー/バスターの1つ目の効果でこのカードと戦闘を行ったモンスターの攻撃力分俺のライフを回復し、守備力分相手にダメージを与える! 最もRR-レディネスの効果でお前へのダメージは発動しないがな」

遊誉 LP2000→5500

「そしてハイパーサイコガンナー/バスターの2つ目の効果で墓地のハイパーサイコガンナーを特殊召喚する。もしRR-レディネスがなければこのターンでお前の残りライフをハイパーサイコガンナーとPSYフレームロード・Ωで吹き飛ばせたものを」
「前のターンに俺も勝ちを潰されたからな。これでおあいこという奴だ」
「そうだな。だが、お前は切り札たるアルティメット・ファルコンを失った。このターンこそレディネスで防がれたが、次はない。メインフェイズ2。俺はPSYフレームロード・Ωの効果を発動。このカードとお前の手札1枚を除外する。最もこいつが戻って来るということはお前の負けがほぼ確定しているということだがな? 俺はこれでターンエンドだ」


仁 LP5300 手札5枚
デッキ:21 モンスター:0 魔法・罠:2(RR-ネスト、デモンズ・チェーン)墓地:16 Pゾーン:青/赤 除外:4 エクストラデッキ:9(0)
遊誉 LP5500 手札1枚
デッキ:31 モンスター:1(ハイパーサイコガンナー)魔法・罠:0 墓地:15 Pゾーン:青/赤 除外:3 エクストラデッキ:10(0)


☆TURN11(仁)


(壁モンスターを出したところでハイパーサイコガンナーには貫通効果がある。これ以上ライフを回復されたら間違いなく俺の負け……ある意味これがラストドロー。だが、不思議と充足しているのは何故だろうな……)
「俺のターン、ドロー!!……風見、聞きたいことがある」
「……なんだ?」
「お前はこのデュエル、満足したか」
「……これは個人のデュエルではなくチームのデュエル。普通のデュエルより勝ち負けが果たす役割は大きい。だが、敢えて言うのであれば最高に楽しいデュエルだ」
「そうか……それならば良かった。だが、残念だ。このデュエルはこのターンで終わってしまうのだからな! 俺は手札から速攻魔法、RUM-ソウル・シェイブ・フォースを発動!!」

仁 LP5300→2650

「ライフを半分支払い、墓地のRRエクシーズモンスター1体を特殊召喚。そしてそのモンスターよりランクの2つ高いモンスターにランクアップさせる!」
「ここでそのカードをドローするとはな。だが、何をエクシーズ召喚したところで……」
「俺が特殊召喚するのはランク10のアルティメット・ファルコンだ! 蘇れ、究極の隼よ!!」

 戦いで敗れた傷もそのままに、アルティメット・ファルコンが蘇った。それは戦うためではなく、さらなる進化のために。

「アルティメット・ファルコンを……ランクアップさせるだと!?」
「俺はランク10のアルティメット・ファルコンでオーバーレイ! 1体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築! エクシーズ召喚! “究極を超えし隼よ! 揺ぎ無き信念と友の想いを受け継いで最強にして最後の姿へと昇華せよ!”ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!! 降臨せよ! 天翔ける要塞!“RR-ファイナル・フォートレス・ファルコン”!!」


※RR-ファイナル・フォートレス・ファルコン
エクシーズ・効果モンスター
ランク12/闇属性/鳥獣族/攻3800/守2800
レベル12モンスター×3
(1):「RR」XモンスターをX素材としているこのカードは他のカードの効果を受けない。
(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。除外されている自分の「RR」モンスターを全て墓地に戻す。
(3):このカードの攻撃でモンスターを破壊した時、自分の墓地の「RR」Xモンスター1体を除外して発動できる。このカードは続けて攻撃できる。この効果は1ターンに2度まで使用できる。


「ランク12……攻撃力3800か」
「お前はアルティメット・ファルコンが俺の切り札と言ったな? 確かにアルティメット・ファルコンも切り札の一つではあるが、こいつは切り札の中の切り札。言うなれば真打と言っても過言ではない。こいつがこのデュエルに幕を下ろす! バトルだ! ファイナル・フォートレス・ファルコンでハイパーサイコガンナーを攻撃!“エンド・オブ・テンペスト”!!」

RR-ファイナル・フォートレス・ファルコン ATK3800 VS ハイパーサイコガンナー ATK3000

遊誉 LP5500→4700

「戦闘で相手モンスターを破壊した時、ファイナル・フォートレス・ファルコンの効果を発動! 墓地のRRモンスター1体をゲームから除外することで続けて攻撃できる! 俺は墓地のエトランゼ・ファルコンを除外し、ファイナル・フォートレス・ファルコンでダイレクトアタック!“エンド・オブ・エトランゼ”!!」

RR-ファイナル・フォートレス・ファルコン ATK3800

遊誉 LP4700→900

「っ……及ばなかったか」
「ファイナル・フォートレス・ファルコンのこの効果は1ターンに2回まで発動できる! 墓地のフォース・ストリクスを除外し、ファイナル・フォートレス・ファルコンで最後の攻撃!!“エンド・オブ・フォース”!!」

RR-ファイナル・フォートレス・ファルコン ATK3800

遊誉 LP900→0











「仁!」
「……すまない、だいぶ手間取った」

 苦戦の末に勝利を掴み取った仁は、少し覚束ない足取りで遊大たちの下へと戻ってきた。激戦というのもあるのだが、何よりここで負けてしまえば全てが終わってしまうというプレッシャーが無意識のうちに彼の体力を奪っていたのである。

「ったく、あの程度の相手にあそこまで苦戦するなんて修行が足らない証拠よ」
「あらら、妹さんは手厳しいですねぇー」
「わたしはしっているぞ! 礼がいちばんしんぱいそうにこのデュエルをみつめていたことを!」
「そんなことを言うのはどの口かしら!!」
「いひゃいいひゃい! ひゃーめーろー!!」

 顔を真っ赤にした礼が、留奈の頬を掴んでは左右に引っ張る。頬がまるでつきたての餅のように伸縮した留奈は手足をバタバタと動かしては暴れる。こんな時でも遊大たちはいつも通りの姿を見せていた。

「……相変わらずだな、俺たちは」
「でも相変わらずな私たちだからこそここまで来ることができたのだと思います」
「美鈴ちゃんの言う通りだぜ! さて、遊大。ここまで来たら後はもうどうにでもなれってんだ!」
「陸、どうにでもはダメだって。でも、みんな気づいた? 舞原さんや孫さんのデュエルの時には気になっていた相手側の応援が気にならなくなってるの」

 交流戦の序盤こそは相手の応援席から発せられる息の合った応援が留奈や美鈴の集中力を奪っていたのだが、相手の応援に、そしてセントラルのデュエルに感化されたのか、今ではセントラル側からの応援スタンドからもそれに負けないくらいの熱い応援が為されていた。もちろん事前に練習などしていなかったため、出来としてはユニオン側のそれとは雲泥の差である。それでも、そんな拙い応援が遊大たちに前に進むための力を与えてくれたのだ。

「舞原さん、孫さん、音無さん、大空さん、陸、仁。みんなが必死にバトンを繋いでくれたから。今俺はここにいれる。その想いを……俺は全力でこのデュエルにぶつけるよ!」
「遊大、頼んだぞ」

 仁とハイタッチを交わした遊大は意気揚々とデュエルフィールドへと向かう。目の前の勝利を掴み取るために。











「お疲れ。まあ、いいデュエルだったぜ」

 一方、敗れた遊誉は試合を決められなかったことに申し訳なさを感じつつも、いいデュエルができたことから肩を落とさずにユニオンのメンバーの下へと戻った。しかし、彼を出迎えた琥太郎らチームメイトたちの反応は決して悪いものではなかった。

「……負けてしまったのにか?」
「ここまで来たら勝ち負けは関係ありませんよ! 漫画や小説、ライトノベルに匹敵する熱い展開です!」
「お前創作物でしか例えらんねーのかよ。でもあんたが充実してるってのはアタシにもよく伝わってきたぜ」
「最後は天海さんに託すことにしましょう。ところで天海さんは……」

 そう言えばこのデュエルの最中刃弥と会話した記憶がないことを5人は気付いた。そうなれば彼は一体どこへ行っていたのか。すると、ユニオン側のベンチで足を組みながら腰かけている刃弥に涼夏に殴られて気を失っていたはずの彩奈が何やら呼びかけているのに気づいた。

「ねえ、天海くんずっと寝てるみたいよー」
「寝てる!? 俺らのデュエルの間ずっとか!?」
「……んだよそれ。あんまいい気分しねーな」
「羽々斬さん、暴力は……」
「こういう奴は一発殴らねーと目覚まさねえんだよ!」

 ワイシャツの裾をまくり、握り拳を固める涼夏。しかし、そんな彼女より早く刃弥の頭を上履きで引っ叩いた者がいた。刃弥の後ろに立っていたのはユニオンのチームに所属していないはずのイースト校の制服を着た女子生徒であった。

「刃弥! いい加減起きなさい!!」
「……ん、なんだ有紗か」
「なんだ有紗か、じゃないでしょ。あんたの出番よ」
「俺の出番……ようやくか。退屈なデュエルが続くのだから眠ってしまっていた」
「ったくもう……でもあんたが勝てば勝利はユニオンのものよ! だから気張りなさい!」
「わかったわかった。相手は……高海 遊大か。なあ有紗、あいつを倒してしまって構わないだろう?」
「……少なくとも私を始めとしたユニオンの生徒はみんなあんたが勝つこと祈ってるわ」
「そうか」

 双子の妹・有紗の一言を聞いた刃弥は、ゆっくりと立ち上がりデュエルフィールドへと向かう。有紗は遊誉たちに簡単な自己紹介を済ますと、彼らの許可を得て共にデュエルを見届けることになった。何故有紗がそのようなことを申し出たのかは遊誉たちはわからなかったが、双子の兄妹ならではの何かがあるのであろうと踏んであまり気に留めなかった。

(刃弥……わかっているとは思うけど、“あの力”は使わないで……“あの力”だけは)











【現時点の両チーム戦績】


チーム・セントラル 3 - 3 チーム・ユニオン


●舞原 留奈【ムーンライト】-【スパイダー】深山 若葉(ノース校)○
●孫 美鈴【WW魔導】-【トゥーン】如月 青葉(ウエスト校)○
○音無 林檎【幻奏】-【クリフォート】瀬戸 彩奈(イースト校)●
○大空 礼【LL】-【妖仙獣】一文字 琥太郎(ノース校)●
●国広 陸【超重武者】-【X-セイバー】羽々斬 涼夏(ウエスト校)○
○大空 仁【RR】-【除外サイキックガスタ】風見 遊誉(サウス校)●
 高海 遊大【オッドアイズ魔術師】-【???】天海 刃弥(イースト校)








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ター坊
ランクアップエクシーズチェンジ!!RUM祭だよ!
まさかアニメ最終局面で登場したファイナルフォートレスが出るとは。ランク12にもなると真打感がありますね。しかし実際にやると出番がないのは究極かセブンシンズで事足りるからか?
さていよいよラストバトルとなった遊大VS刃弥。企画エンディングもクライマックスだ! (2018-01-13 16:41)
光芒
ター坊さん
最終要塞さんはやはり、ランク12とだけあって究極さんよりさらに出しにくいのが大きいですね。アーセナル・ファルコンやレヴォリューションにデス・ダブル・フォースで出せないこともないのですが、どっちにしてもライトニングさんに両断されることには変わりないですし、超銀河眼同様オーバーキル感が否めない点もあります。
そして仰る通り、こいつ出すなら究極でも異なりますし、七罪の方が攻撃力ではわずか200ではありますが高いですからね……

>さていよいよラストバトルとなった遊大VS刃弥。企画エンディングもクライマックスだ!
大変長らくお待たせいたしました。しかし、このデュエルで大波乱が起きることだけは事前にお伝えしておきます。
(2018-01-14 23:13)

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22 第21話:恋情 564 4 2017-03-13 -
45 第22話:真価 500 3 2017-03-16 -
24 遊大たちが4月制限について語るようです 584 7 2017-03-17 -
44 第23話:信頼 532 6 2017-03-22 -
49 第24話:魔竜 560 8 2017-03-24 -
51 第25話:度胸 523 5 2017-03-28 -
39 第26話:漆黒 438 5 2017-03-30 -
95 番外編:4月1日 519 6 2017-04-01 -
29 第27話:英雄 410 3 2017-04-04 -
50 第28話:最高 544 4 2017-04-07 -
35 第29話:銀河 414 2 2017-04-10 -
56 第30話:昇華 602 3 2017-04-13 -
26 サブキャラクター紹介・1 572 3 2017-04-16 -
58 第31話:試練 515 5 2017-04-18 -
28 第32話:迷宮 478 3 2017-04-20 -
30 第33話:成長 483 3 2017-04-23 -
31 第34話:双子・1 450 4 2017-04-25 -
57 第35話:双子・2 463 2 2017-04-28 -
35 第36話:幻奏 472 2 2017-05-04 -
56 第37話:戦術 546 2 2017-05-08 -
41 第38話:門番 513 5 2017-05-12 -
46 第39話:白黒 371 3 2017-05-17 -
33 第40話:奇跡 447 6 2017-05-19 -
43 第41話:錬装 469 4 2017-05-23 -
54 第42話:命運 396 2 2017-05-27 -
44 第43話:覚悟 491 3 2017-05-30 -
40 第44話:条件 404 3 2017-06-03 -
30 1万アクセス記念企画のお知らせ 578 5 2017-06-04 -
48 第45話:幻影 455 4 2017-06-08 -
24 第46話:黒牙 408 2 2017-06-14 -
31 遊大たちが7月制限について語るようです 478 2 2017-06-14 -
29 第47話:終幕 511 4 2017-06-17 -
31 第48話:宣誓 443 2 2017-06-22 -
30 サブキャラクター紹介・2 409 2 2017-06-24 -
34 第49話:編入 397 6 2017-06-29 -
29 第50話:理由 458 4 2017-07-03 -
24 番外編:七夕 413 6 2017-07-07 -
33 第51話:一歩 508 5 2017-07-12 -
34 第52話:修練 400 4 2017-07-17 -
24 第53話:自信 378 5 2017-07-20 -
61 第54話:克服 392 4 2017-07-24 -
23 第55話:猛攻 381 6 2017-08-02 -
25 第56話:障壁 301 3 2017-08-08 -
19 第57話:意地 293 3 2017-08-13 -
22 第58話:提案 381 3 2017-08-17 -
23 第59話:来訪 362 3 2017-08-27 -
35 第60話:交錯 372 3 2017-09-04 -
26 第61話:諜報 333 3 2017-09-11 -
78 遊大たちが10月制限について語るそうです 478 5 2017-09-14 -
26 第62話:暴露 299 2 2017-09-21 -
28 第63話:決意 381 4 2017-09-25 -
16 第64話:結束 351 4 2017-10-02 -
17 第65話:渇望 495 3 2017-10-07 -
24 第66話:証明 314 4 2017-10-13 -
21 第67話:空想 304 2 2017-10-16 -
25 第68話:魔鎖 323 2 2017-10-23 -
16 第69話:喝采 278 2 2017-10-27 -
23 第70話:胸愛 349 3 2017-11-01 -
25 第71話:点火 313 4 2017-11-07 -
17 第72話:誘惑 295 3 2017-11-15 -
23 第73話:憤怒 287 5 2017-11-18 -
21 第74話:反攻 231 2 2017-11-22 -
9 第75話:夢追 304 2 2017-11-27 -
15 第76話:剣閃 257 2 2017-12-02 -
8 第77話:膠着 201 2 2017-12-09 -
18 遊大たちが1月制限について語るようです 336 4 2017-12-11 -
11 第78話:豹変 216 2 2017-12-17 -
15 第79話:親心 246 4 2017-12-22 -
8 第80話:疾風 210 2 2017-12-30 -
11 番外編:隠想 302 3 2018-01-01 -
9 第81話:異能 224 2 2018-01-08 -
19 第82話:要塞 181 2 2018-01-13 -
13 第83話:相反 219 3 2018-01-17 -
12 第84話:特異 270 5 2018-01-22 -
7 第85話:忌避 321 4 2018-01-29 -
7 第86話:転生 347 4 2018-02-06 -
13 第87話:変貌 315 4 2018-02-14 -
15 第88話:祭典・1 233 4 2018-02-22 -
8 第89話:祭典・2 280 4 2018-02-28 -
8 第90話:祭典・3 235 4 2018-03-10 -
13 18年4月制限について語るようです 375 4 2018-03-14 -
12 第91話:閉幕 261 4 2018-03-22 -
9 第92話:令嬢 210 4 2018-03-31 -
6 第93話:共闘 214 4 2018-04-07 -
8 第94話:古豪 184 3 2018-04-15 -
5 第95話:護心 197 2 2018-04-19 -
5 番外編:裏話 295 4 2018-04-29 -
11 第96話:転機 218 4 2018-05-03 -
5 第97話:敬意 145 0 2018-05-13 -
6 第98話:遺托 228 4 2018-05-17 -
3 番外編:青春 184 2 2018-05-23 -
6 第99話:疾駆 163 6 2018-06-12 -
9 遊大たちが18年7月制限について語ります 147 0 2018-06-14 -
2 第100話:戦士 122 0 2018-06-19 -
4 第101話:懐古 130 2 2018-06-24 -
5 第102話:降竜 108 0 2018-06-30 -
2 第103話:乱入 117 3 2018-07-06 -
2 第104話:奮起 51 0 2018-07-15 -