70.巨機重圧　作：くちなし

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準々決勝　チーム『サートゥルス』VS チーム『エイトスターズ』

1.オプス VS 香織　Winner 香織
2.レアー VS 有希　Winner 有希


【フィールド】
有希　LP400　手札0
スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン　ATK2800
ブラック・ローズ・ドラゴン　ATK2400
伏せカード1枚


「よし、あと1人やんね！」
「そのあと一人があいつなんでしょ」
「、、表サイバー、裏サイバーってきて、次は何サイバーなんやろ、、？」
「もうサイバーから離れようよ、、」

最終走者。言うまでもなく奴が出てくるのだが、それを既に察している有希は、迷っている。
交代すべきか。次の手札にかけるべきか。

「、、、」

有希の選んだ答え。それは、悠里に交代することだった。
端により、ピットへと入っていく。

「、、お疲れさん」
「、、うん」

悠里は一言だけ言った。有希から2体のモンスターを受け取る。

「このカード、、きっと使えるはず」

このカードは、、有希が知り合ったときから今もなお使っているカードだった。

「よし、そろそろ行ってくる」
「気を付けて」

後ろ姿を見送る有希。何も言わずに、ピットの中へと歩いて行った。

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「遅かったね」
「デュエル、、いつか以来だな」
「、、そうだね。お互い楽しもうか。観月悠里くん、、？」
「ふん、、そんなこと言うと気味が悪くなる」

『決闘！！』　(新奈 LP8000 VS 悠里 LP8000)

柏野新奈(かしの にいな)。それが彼女の本名である。
悠里は彼女の中学時代の同級生にあたるが、彼女とは前に決闘したくらいであり、クラスが隣だったので、会話した覚えはあまりない。

Turn14　TP 新奈　手札5→6

「まずカードを1枚伏せるよ。古代の機械飛竜を召喚」

古代の機械飛竜　☆4　ATK1700

「効果を発動、デッキから古代の機械箱を手札に加え、効果で手札に加わった古代の機械箱の効果で古代の機械歯車を手札に加えるよ」

見ての通り、新奈のデッキは【古代の機械】である。過去に一戦交えた時はメインモンスターのビートダウンが中心で、EXモンスターも1枚だけだったが、、
まあ、進化しないわけがない。もともと融合テーマだ。融合召喚に特化したのだろう。でなければ、一度にたくさんサーチする意味もないと思うからな。

「そして、置換融合を発動して、場の飛竜と手札の箱を素材に融合召喚するよ」

≪動き出す残骸よ、魔鋼の士魂となりて、ここに起動せよ≫

【融合召喚。古代の機械魔神】

古代の機械魔神　☆8　DEF1800

「古代の機械魔神の効果でターンに1回、相手に1000ダメージを与える」
「、、」

悠里　LP8000→7000

「これでターンエンド」


Turn15　TP 悠里　手札5→6

「、、」

場には有希の遺したスターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンとブラック・ローズ・ドラゴンの2体が存在する。
悠里はレッド・デーモンズ・ドラゴンを出すべきか迷っているのである。もしここで召喚すれば、他のモンスターの攻撃を止められたときに他のモンスターが破壊される。そして、その効果で破壊されたスターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンには、効果で破壊された時に、相手の特殊召喚されたモンスターを全て破壊する効果があるが、ここで破壊してもあまりメリットはない。

「スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンの効果で、古代の機械魔神の効果をコピー。その効果を使わせてもらうぞ」

新奈　LP8000→7000

「ブラック・ローズ・ドラゴンで古代の機械魔神を攻撃」

ブラック・ローズ・ドラゴン　ATK2400
古代の機械魔神　DEF1800

「破壊された古代の機械魔神の効果発動を発動させてもらうよ」

古代の機械魔神　闇属性　機械族　☆8　融合
「アンティーク・ギア」モンスター×1
「古代の機械魔神」の②の効果はターンに1度しか使用できない。
①このカードは他のカード効果を受けない。
②自分メインフェイズに発動できる。相手に1000ダメージを与える。
③このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「アンティーク・ギア」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。

「召喚条件を無視、、！？」

古代の機械巨人－アルティメット・パウンド　☆8　ATK3000

こんなモンスター初めて見たぞ、、
まるで「古代の機械巨人」、、いや、少しだけ違う、、気がする。だが、特殊召喚できない効果なのだろう。そして、どんな効果なのか、、

「古代の機械巨人の第二形態さ」
「、、なるほどな。モンスターとカードを伏せてターンエンドだ」


Turn16　TP 新奈　手札3→4

「古代の機械巨人で裏守備モンスターを攻撃、、ネオ・アルティメット・パウンド！」
「(伏せカードはグローアップ・バルブ、、しかも古代の機械巨人となれば、、最悪だ、、)」

悠里　LP7000→4000

「既に察しているみたいだけど、第二形態にももちろん貫通効果はあるよ。それと，このタイミングで追加効果を発動するよ」
「、、！」

新奈は手札1枚、、古代の機械騎士を墓地に送った。すると、、機械巨人が再度大きく腕を振りかぶる。

「まさか、、連続攻撃、、！！」
「古代の機械巨人でブラック・ローズ・ドラゴンを攻撃、、ネオ・アルティメット・パウンド・セカンド！」

ブラック・ローズ・ドラゴン　ATK2400

悠里　LP4000→3400

「さらに言うとね、この効果はターンに2回まで使えるんだよ。手札から古代の歯車機械を墓地に送って、スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンに攻撃。。ファイナル・アルティメット・パウンド！」

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン　ATK2800

悠里　LP3400→3200

「スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンは破壊された時、相手の場の特殊召喚されたモンスターを全て破壊する！」
「、、破壊された時の効果を発動」


古代の機械巨人－アルティメット・パウンド　地属性　機械族　☆8　効果
このカードは特殊召喚できない。
①このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
②このカードの攻撃でモンスターを破壊した時、手札から機械族モンスター1体を捨てて発動できる。このカードは続けて攻撃できる。この効果はターンに2度まで使用できる。
③場のこのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。デッキから「融合」1枚を手札に加え、自分の墓地からこのカード以外の「アンティーク・ギア」モンスター1体を選んで手札に加える。

「サーチにリクルート効果までついてるのかよ、、」
「デッキから融合を、墓地から古代の機械箱を手札に加え、効果で手札に加わった古代の機械箱の効果でデッキから古代の機械猟犬を手札に加えるよ」

バトル中に融合サーチ、、！しかもまだ召喚権も使ってないし、メイン2がある、、！

「置換融合の墓地起動効果を発動。自身を除外し、墓地の古代の機械魔神をデッキに戻して、カードを1枚ドローするよ」

ドローしたのは、、なかなかいいカードじゃない。

「カードを1枚伏せてターンエンドだよ」


Turn17　TP 悠里　手札5→6

(この手札なら、、次のターンに、、)
「カードを3枚伏せてターンエンドだ！」
「、、」

悠里にとってこの選択は大きな賭けであり、次のターンの布石である。
守備表示でモンスターを出してもダメージは受ける。ならばそのまま場を開けておけばいい、という悠里の読みである。


Turn18　TP 新奈　手札5→6

「何を伏せているのか知らないけど、このターンで終わりにするよ、、！」

新奈の声に力が入る。

「手札から融合を発動！手札の古代の機械巨人2体と古代の機械工兵、古代の機械箱を融合」

≪廃れし鋼鉄の兵士よ、新たなる命とともに、ここに起動せよ≫

【融合召喚、、古代の機械混沌巨人！】

「攻撃力4500、、！」
「そして手札からオーバーロード・フュージョンを発動して、墓地の古代の機械巨人2体と、古代の機械巨人－アルティメット・パウンドの3体を除外！」

≪朽ち果てた鋼よ、その御魂、鉄に染めてここに起動せよ≫

【融合召喚！古代の機械超巨人！】

古代の機械混沌巨人　☆10　ATK4500
古代の機械超巨人　☆9　ATK3300

(やはり大型モンスターを並べてきたか、、だが、今回に限っては「あれ」を使えれば勝てる、、！)


【フィールド】
新奈　LP8000　手札0
古代の機械混沌巨人　ATK4500
古代の機械超巨人　ATK3300
伏せカード1枚

悠里　LP3200　手札
伏せカード5枚


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次回予告！
新奈が新たな【古代の機械】融合モンスターを特殊召喚していく中、ある一時のチャンスを待ち続けている悠里。
新奈が一方的に優勢な状況を進めていく中、悠里はどう動く？そして悠里が考えている「あれ」とは一体、、！

次回！第71話「機魂紅逆」