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HOME > 遊戯王SS一覧 > arc11 高速の世界その2

arc11 高速の世界その2 作:こんにゃく

arc11
高速の世界その2


ユーゴ「よし!こんなもんでいいか!」

柚子「印刷機なんて良くあったわね」

ユーゴ「これもクロウが持ってきてくれたんだ」

柚子「…クロウって言う人…もしかして…犯罪者?」

ユーゴ「何言ってやがる!クロウは俺達の事を思ってトップスの奴らから持ってきてくれる!…俺達にそういうことをやらせないようにな…」

柚子「…ユーゴ」

ユーゴ「クロウは俺達孤児の兄貴分みたいな人なんだ…まぁ側から見たら犯罪者かも知れねぇけど俺達にとってはヒーローなんだ」

柚子「…よし!だったら頑張って張り紙しに行こっか!みんなに少しでも次元戦争の事を伝えないと!」

ユーゴ「おう!!」



クロウ「それで?俺達はユーゴの事を話したぜ?今度はあんた達の話を聞かせてもらおうか」

遊矢「…わかった」

遊矢説明中…

クロウ「…成る程な…」

シンジ「おいおい、次元戦争?マジで言ってんのか?」

遊矢「…本当さ、まぁ別に無理に信じろとは言わない…俺達は俺達でやれる事をやるだけさ…そうと分かれば俺達は柚子を探しに行かせてもらう、匿ってくれてありがとう」スッ

クロウ「ちょっと待て、別に信じないとも言ってないぜ?協力するぜ遊矢」

遊矢「何?」

クロウ「確かに状況は分からねぇ…だけどほっておく訳にもいかねぇだろ?」

遊矢「クロウ…」

クロウ「それにもしかしたらユーゴの居場所も分かるかも知れねぇ…探しに行くんだろ?柚子を」

遊矢「ああ」

クロウ「良し、シンジ、沢渡、セレナ、お前達はここに残ってくれ」

セレナ「待て!何故だ!!」

沢渡「そうだぜ!元々柚子を探し出すのは俺達の仕事の筈だぜ!」

クロウ「とはいえお前達に似た顔…つまりユーゴと柚子が何かしたせいで遊矢とセレナは狙われてるしタナー達もそうだこのまま団体行動すれば目立つ」

遊矢「…成る程…それにここだってもしかしたらバレる可能性があるな」

クロウ「その時戦える人間が居なかったらマズイだろ?その時のために沢渡お前の出番だぜ」

沢渡「え?お、俺?…ふ…ふはは!そうだぜ!!任せときな!ここにいるガキもセレナも守って見せるからよ!!」

遊矢「…任せた、シンゴ」

沢渡「おう!」

クロウ「…それじゃあ行くか遊矢」

遊矢「…」ウン

ユート『いい人でよかったな』

遊矢「ああ」



ロジェ「さて…と…私の推察が正しければそろそろプロフェッサーが動き始める頃ですか…」

ロジェ「しかし遅かれ早かれこの次元に来るとはいえ…自分から彼女達がここにいる事を口弁で話すのは些か不用心でしたかねぇ…」

カコンッ ロジェがナイトのチェスの駒を動かす

ロジェ「しかしこの次元での情報網の多さでは私が上…先にセレナ及び柊柚子を手にしプロフェッサーに差し出す事でプロフェッサーの目を私から背けさせる…」

ロジェ「それにより私の計画は…進む…そうですよねぇ…セルゲイ」

セルゲイ「…」ゴゴゴ…

ロジェ「まずは確保…させてもらいますよ…柊柚子…セレナ」



月影「…お待たせした」シュバッ

零児「どうだった」

月影「どうやらこの街零児殿の思った通り…格差社会のようでござった」

零児「やはりか」

月影「それだけではなく…この街の地下深く…そこにも何か巨大な施設が建造されておるようで…」

零児「…何?」

黒咲「何やら良からぬ事がこの次元で起こるのではないか?」スッ

零児「…黒咲」

黒咲「先程月影と出会い状況を教えてもらった」

零児「良からぬ事…」

黒咲「…同盟を結ぶにしてもその問題を片付けなければ…」

零児「…確かにそうだな…ならばやる事は1つ…我々は…」

ザッ

月影「っ何奴!!」

黒咲「っ!!」

白服「落ち着いて下さい、我々はシティ統制部の者です」

零児「…ほう」クイッ

白服「貴方方に…会っていただきたい方々がございます…付いてきてもらえますか?」

黒咲「…どうする…零児」

零児「…私の推論が正しければ…ここは付いて行くべきだ」

月影「拙者は零児殿に従うまで」

黒咲「…分かった…貴様達…案内しろ」

白服「理解していただきありがたい…ではこちらへ」



ユーリ「んん〜♪」ノビー

ユーリ「久々に来たねこの街…それにしても相変わらずの格差社会だ…反吐が出そう」

ユーリ「…確か…ここにいるのはジャン・ミシェル・ロジェ…か…2年くらい前から行方知れずになって突然情報提供…」

ユーリ「それにこの次元にリアル・ソリッドビジョンの技術をもたらしたの彼って話じゃないか…大方この次元でもその功績で上位陣にいるだろうし…」

ユーリ「…やっぱりどこかきな臭いな…まずは何が目的か…調べる必要があるね…それと…セレナ…彼女が無事かどうか確認しなくちゃね」



ユーゴ「その美しくも雄々しい翼翻し!俺達を運べ!!クリアウィング!!」シュッ!

柚子「…」

ユーゴ「おっかしいなぁ…クリアウィング?クリアウィングちゃーん!おーい!!」

柚子「…ユーゴ?」

ユーゴ「前の時はクリアウィングが俺を別の場所に連れて行ってくれたんだけどなぁ…何?今はそんな力使えない?何でだよ!!」

柚子「…また1人で喋ってる…それより!ユーゴも手伝ってよ!」

ユーゴ「わ、分かってるって…」ペタペタ←ポスター貼る音

柚子「この次元にもアカデミアが攻めて来るんです!どうか!!どうか聞いて下さい!!」

何?あれ…

宗教かしら…

怖いわ…

ユーゴ「…これはこれでやばい奴みたいだよなぁ…」



同時刻

権現坂「…」パタパタ←小さな旗を振っている

デニス「さぁ!皆様!我々のショー如何でしたでしょうか!!」

子供達「凄いね!お兄ちゃん!」

デニス「そうかい!ありがとう!」ポンッ

デニスの手には花が

デニス「はいプレゼントだよ」

少女「わーい!」

権現坂「おい!デニス!!俺達の目的を忘れてはおらんか!!?」

デニス「忘れてないよぉ…でも焦っても仕方がないって旅立つ前にも言ったじゃないか」

権現坂「お前は焦らなすぎだ!!」

デニス「はいはい…ゴンちゃんは真面目だなぁ…」

権現坂「遊矢達とも別れたまま…このままでは…」

デニス「なら…少し情報を集めようか」

権現坂「…何?」

デニス「遊矢達の情報さ…ここの人達はどうやら面白いことをするとチップを渡すみたいだから…チップの代わりに情報を…ってね?」

権現坂「成る程…一理ある…」

デニス「そしてぇ…面白いことと言えば…僕達にはこれしかないよねぇ!」バッ

権現坂「っお前!まさか…デュエルするつもりか!?」

デニス「あったり前じゃん!!きなよゴンちゃん…僕結構君に興味会ったんだよねぇ…遊矢の親友だって言うしね…」

権現坂「ぐっ…なんだがお前のペースに乗せられている気がするが…えぇい!!俺はあまり頭を使えん!!今回はお前に乗ってやる!!」

デニス「grayt!!いいね!!それじゃあ始めようか!!」

権現坂・デニス「デュエル!!」
LP4000



権現坂「行けぇ!!スサノO!!クサナギソード・斬!!」

デニス「あひゃぁぁっ!!?」ブワンッ
LP0

子供達「うぉぉ!すげぇ!!かっこいい!!」

権現坂「ふふん!かっこいいか!!子供達!君達のおかげで悪を倒したぞ!!」

ワァァ!!

高貴な女性「まぁ、面白いデュエルでしたわ」

次々とチップを投げて来る観客

デニス「それではご婦人…つかぬ事をお聞きしますが…僕達の様にこの辺では見ない様な…そうですね…変わった少年、少女を見かけませんでしたか?」

高貴な女性「そうですわね…そういえば先程…あちらに次元戦争がーとかなんとか言っていた子達が居ましたわ」

デニス「ビンゴ!…ゴンちゃん」

権現坂「おう!」

デニス「お答え頂きありがとうございました!それではシーユー♪」ポンッ

権現坂「うおっ!?」

デニスと権現坂は煙に巻かれ姿を消す

高貴な女性「まぁ」

権現坂「ケホッケホッ…デニス…最後のは必要だったか?」

デニス「エンターテイナーは去り際も華やかでなくてはならない…ってね?」

権現坂「…全く…」

デニス「でもこれで情報は手に入ったよ、良かったじゃないか」

権現坂「この行動力を初めから出せと言うとるんだ俺は!」




ユーリ「ふーん…成る程…」

男「もう行ってもいいかい?」

ユーリ「ん?ああ、もういいよ」

男「そ、それじゃあ…」

ユーリ「調べてみれば結構面白いじゃない…トップスにコモンズ…ジャック・アトラス…ね…」

ユーリ「力による物はアカデミアと同じだけど違うのは政治が絡んでる事か…全く政治にまで力が全てだなんて言うのはどんな脳筋なんだか…」

素良「っ…あれは…」

ユーリ「何?隠れたつもり?」

素良「…っ…君には何も通用しないね…ユーリ…」

ユーリ「君は確か…紫雲院素良…だよね?アカデミアでもそこそこの実力者の」

素良「そこそこって…まぁいい…君もセレナを連れ戻しに来たの…?」

ユーリ「まぁそう身構えない…ん?「セレナを連れ戻しに来たの」…?」

素良「…なにかおかしい事を言ってるかな…僕」

ユーリ「…その言い方だと…まるでセレナを守っているみたいだね?」

素良「そうだけど…」

ユーリ「…君はアカデミアを裏切るつもり?」

素良「…だったらどうするつもり…まさかここで僕とやりあうのかい…それもいいけど…!!」

ユーリ「…良いね!」

素良「…は?」

ユーリ「君…セレナを守っているんだろ?だったら僕は君の味方だよ」ギュッ

ユーリは素良の手を優しく握る

素良「え///ええ!?///」

ユーリ「うんうん、良いね、ここの次元にセレナが居て無事な事が分かった」ニコニコ

素良(く///な、なんだこいつ…表情がコロコロ変わりやがって//)ドキドキ

ユーリ「さて…話はここからだ素良」

素良「…コホンッ…何?」

ユーリ「実は僕ね…この次元にいる裏切り者を探しているんだ」

素良「…僕じゃなくて?」

ユーリ「うん、名前はジャン・ミシェル・ロジェ…」

素良「ジャン・ミシェル…って前はアカデミアで教頭をやって居た…」

ユーリ「そうだったの?」

素良「でも2年前に姿を消して以来…」

ユーリ「そう、そこさ…彼はどうやらこの次元に居座って何かをしようとしているみたいなんだ…それこそアカデミアに反してね」

素良「それで?」

ユーリ「…彼は突然アカデミアにコンタクトを取って来た…柊柚子がここにいるとね?」

素良「何!?そ、それじゃあどういう…」

ユーリ「はぁ…頭が悪いなぁ…突然コンタクトを取り柊柚子がいるよーって言ってくるのおかしいと思わない?2年間も音信不通で姿を隠してたくせに」

素良「…た、確かに」

ユーリ「つまりこれは隠れ蓑の言葉でしかない…大方、アカデミアがこの次元に来る事は避けられないと思ったからか先に手を打ったって所かな…問題はここからだ」

素良「問題?」

ユーリ「ロジェは多分アカデミアより先にセレナと柚子を確保するはず」

素良「…っ」

ユーリ「そうなると…はっきり言ってマズイよね…アカデミアに取っても…僕的にもアカデミア以外に捕獲されたとなると監視なんて出来っこない…セレナに何されるか分かんないしね」

素良「…それじゃあ…どうするの?」

ユーリ「死ぬ気でセレナを守り抜け…その間に僕がロジェを叩く」

素良「…」

ユーリ「その為にも先ずはロジェがやろうとしている事をはっきりさせた方が良いね…それにもっとこの次元で大きい事が起きてくれないと」

素良「大きい…事?」

ユーリ「…それに便乗してロジェを葬れば…ね?」

素良「…君中々怖いよ」

ユーリ「ま、別に良いじゃない…この次元は僕等には関係ないんだし」

素良「…君の言い分は分かった…だけど今、僕は仲間達とはぐれて居てね」

ユーリ「…」

素良「相談するのなら…遊矢が良いよ」

ユーリ「…遊矢?」

素良「…僕の友達で1番信用できる人さ…君に似てるからすぐわかるよ」

ユーリ「…ふーん…ま、そういう事だから…セレナのことよろしく頼むよ…怪我とかさせないようにね」手をフリフリ

素良「…はぁ…かなり過保護な奴なんだな…疲れたよ…」



ユーゴ「次元戦争がぁ!!…なぁ柚子」

柚子「何?」

ユーゴ「もうやめねぇか?これ…なんだか恥ずかしくなって…」

柚子「何バカなこと言ってるの!?今もアカデミアが進行して来るかもしれないのよ!?」

ユーゴ「うう…やっぱりリンみたいに怖ぇよ…」

デニス「ん?あれって…」

権現坂「あれは!!おーい!!柚子ぅ!!」

柚子「え!?あ!!あれって…権現坂!!?」

ユーゴ「ん?柚子の知り合いか!?」

権現坂「柚子ぅ!!心配したぞ!!」

柚子「権現坂!なんでここに!?」

権現坂「うむ、お前を探してこちらの次元に来たのだ…遊矢も心配しているぞ」

柚子「遊矢!?遊矢もこっちに来てるの!?」

権現坂「うむ」

デニス「へぇ…君遊矢に似てるねぇ…君がユーゴかい?」

ユーゴ「ユーゴじゃねぇ!!…いや合ってるか…そうだ俺がユーゴだ」

柚子「ユーゴを知ってるの?」

権現坂「うむ、柚子と共に消えた融合の手先…遊矢がユーゴの名を知っていたのだ」

柚子「そっか…良かった…」

セキュリティ「発見いたしました…柊柚子だと思われます」

ユーゴ「っ!!?」

デニス「おやぁ?」

権現坂「な、なんだ貴様らは!!」

セキュリティ「確保致します」

セキュリティが3人…Dホイールに乗りながら侵入する

その空気からか周りの人間が避難する

デニス「…よぉし…こうなったら…」ポンッ

デニスがステッキを取り出す

権現坂「デニス!?何を…!!?」

デニス「ま、任せておいて!!ショーマストゴーオン!!」

バフンッ!!

セキュリティ「なぬ!?なんだ!!?」

周りが煙で包まれる

次の瞬間

ブォォン!!

セキュリティ「!?Dホイール!!?それに…柊柚子を乗せているぞ!!」

セキュリティ「追え!!目的は柊柚子だ!!」ブォォン!!

デニス「…よぉし…行ったみたいだね…ジャジャーン囮作戦」

権現坂「…まさかこんな手を…」

柚子「ユーゴ…」



ユーゴ「へへん…付いて来てる付いて来てる…」

ユーゴの背後には柚子…に似た人形

ユーゴ「このまま逃げる!!」

セキュリティ「そうはいくか!!」

ユーゴ「うおっ!?」

ユーゴの前方にさらに3人のセキュリティ

ユーゴ「…あ、あはは…流石にキツイだろ…これ…」

セキュリティ「…もう逃がさんぞ…」

ユーゴ「しゃーねぇ…やってやるよ!!まとめてかかってきな」



クロウ「…ユーゴとリンはいつも一緒でチャンピンになるんだって言ってたな」

遊矢「…チャンピオン…」

クロウ「ほらアレ見えるだろ?ジャック・アトラス…」

遊矢「ああ」

クロウ「…この世界のキングなのさ…ユーゴはキングに勝つんだって言ってる…俺も是非そうしてほしいもんだぜ」

遊矢「…何かあったのか?」

クロウ「…ジャックは…俺の旧友なのさ…コモンズ育ちで昔は俺とヤンチャしたもんだぜ…ユーゴもリンもあいつを尊敬してた…」

クロウ「だからよ…あいつがキングになった時、俺たちは喜んだ…だけど…現実は何も変わらなかった…それどころかジャックは俺達に関わらなくなった…!!」

遊矢「…」

クロウ「…俺はキングになったアイツに会いに行ったさ…だけど…アイツは…」



クロウ『おい!ジャック!!どういう事だよ!!施設のアイツらはどうなる!?』

ジャック『…』

クロウ『なんとか言えよ!!』

ガシッ

クロウが周りの人間に取り押さえられる

クロウ『ユーゴは…アイツは今でも信じてるぞ!!お前が…お前がヒーローだって!信じてる!!』

ジャック『ならばユーゴに伝えておけ、ここまで来いと…俺はこの頂で待つ…と』



クロウ「…それ以来アイツはだんまりさ」

遊矢「…ジャック・アトラス…ね…」

ユート『なんだ遊矢…気になるのか?』

遊矢「…ああ、少しな」

ズガァァァンッ!!

遊矢「っ!!」

クロウ「な、なんだ!!?」



セレナ「うーむ…」

沢渡「どうした?」

セレナ「私はこうやってジッとしてる事が苦手なのだ」

沢渡「…だろうな」

セレナ「…だろうなとはどういう事だ」ギロッ

沢渡「ど、どう反応すりゃいいんだよ」

セレナ「そこは…ふふんお前にしては似合わない事を言うな…的な」

沢渡「…何言ってんだ」

セレナ「あ?」

沢渡「…ナンデモアリマセン」

シンジ「…シッ」

セレナ「…どうした」

シンジ「…不味いな…」

タナー「どうしたの?」

アマンダ「何かあったの?」

シンジ「…お前達は奥に隠れてろ」

沢渡「ありゃあ…セキュリティーじゃねぇのか?」

シンジ「…子供達…を狙ってるわけじゃなさそうだな…盗難ごときでこんだけ追跡してこねぇ…」

沢渡「つまり」

セレナ「…狙いは私か」

シンジ「セレナ…お前は子供達と一緒に隠れてろ」

セレナ「な…」

沢渡「それがいい…お前が狙われてんだ…ここは男に任せておけっての」

セレナ「しかし…」

シンジ「なら言い方を変える…子供達を守れ…良いな」

セレナ「む…ぐぅ…分かった…行くぞ」

タナー「う、うん…」

シンジ「沢渡!お前達!行くぞ!子供達は何としても守れ!」

沢渡「ああ!」




クロウ「これは…」

セキュリティ「ぐっ…つ、強い…」

遊矢「あれは…」

ユーゴ「オラァ!!ぜぇ…ぜぇ…か、かかって来やがれぇ…ぜぇ…ぜぇ…くっ」
LP300

クロウ「ユーゴ!!」

遊矢「…まだ2人残っている…クロウ!」

クロウ「ああ!手を貸すぜ」

セキュリティ「!?なんだお前達は!!」

ユーゴ「え…クロウ!!それに…遊矢…?で良いのか!?」

遊矢「俺を…そうか柚子から…」

クロウ「ユーゴ!手を貸す!コイツらをぶっとばせば良いんだな?」

ユーゴ「え?い、いや俺は別に1人で…」

クロウ「なーに言ってんだよぜぇぜぇ言ってたくせに…ここは兄ちゃんに任せておけよ、それとも頼りねぇか?」

ユーゴ「く、クロウ」ウルウル

遊矢「俺も手を貸そうか?」

クロウ「…必要ねぇな…ユーゴにああ言った手前だ…かっこいい所を見せてやりてぇのよ」

遊矢「ふ…俺もクロウのデュエルを見てみたいと思っていた所だ…見せてくれ」

クロウ「さぁて…俺はユーゴのライフを引き継いでやるよ…えーとどんくらいだ?…まっいいか…そんなもん確認するまでもねぇ…このターンで決着つけるからな」
LP300
手札5

セキュリティA「なんだと!!貴様!!」
手札1
LP1600


ゴヨウ・チェイサー
攻撃力1900


セキュリティB「なめやがって…コモンズの癖に」
手札0
セットカード1
LP1700

ゴヨウ・チェイサー
攻撃力1900

クロウ「おいおい、ユーゴはバリバリコモンズだぜ?そのコモンズにこれだけの人数がやられて恥ずかしくねぇのかよ」

セキュリティA「黙れ!!」

クロウ「見せてやるよ…コモンズの底力をな…俺のターン!!」
手札6

ユーゴ「遊矢…見ておけよ…クロウはスッゲェ強いんだぜ!!」

遊矢「…」

ユート『ユーゴの目がキラキラしてるな』

クロウ「俺は手札から《BF(ブラック・フェザー)疾風のゲイル》を召喚!」


《BF疾風のゲイル》
星3/闇属性/鳥獣族/チューナー
攻1300/守 400


クロウ「ゲイルの効果発動!『1ターンに1度相手フィールドのモンスター1体の攻撃力守備力を半分にする!』」

ビュォォッ!

セキュリティA「なに!?」

ゴヨウ・チェイサー
攻撃力1900→950

クロウ「そしてフィールドに「BF」モンスターが存在する時手札から《BF黒槍のブラスト》を特殊召喚する!」


《BF黒槍のブラスト》
星4/闇属性/鳥獣族
攻1700/守 800


ユーゴ「来たぜ!!クロウのデュエルはここからだ!」

クロウ「俺はレベル4の黒槍のブラストにレベル3の疾風のゲイルをチューニング!漆黒の翼翻し、雷鳴と共に走れ!電光の斬撃!シンクロ召喚!降り注げ、《ABF(アサルト・ブラック・フェザー)驟雨のライキリ》!」


《ABF驟雨のライキリ》
星7/闇属性/鳥獣族/シンクロ
攻2600/守2000


ユーゴ「出たぜ!クロウのシンクロ召喚!!」

遊矢「あれは…俺を助けた時の」

クロウ「そして自分フィールドに「BF」モンスターが1体のみの時手札から《BF 白夜のグラディウス》を特殊召喚!」


《BF白夜のグラディウス》
星3/闇属性/鳥獣族
攻 800/守1500


クロウ「まだまだ!フィールドに「BF」モンスターが存在する時!手札から《BF残夜のクリス》を特殊召喚する!」


《BF残夜のクリス》
星4/闇属性/鳥獣族
攻1900/守 300


セキュリティA「な…1ターンに…これ程の展開力…だと…!?」

クロウ「驚くのはまだ早いぜ…俺はライキリの効果発動!『このカード以外の「BF」モンスターの数だけ相手フィールドのカードを破壊する!』」

セキュリティB「なにぃ!?」

クロウ「俺のフィールドにはグラディウスとクリスがいる!よって2枚!あんたの方のモンスターとセットカードを破壊する!」

セキュリティB「ぐっ!!」バキンッ!

クロウ「ほらよ…このターンで十分だって言ったろ?」

セキュリティA・B「ひ、ひぃぃ!」

クロウ「バトルだ!ライキリで残るゴヨウ・チェイサーを攻撃!」


ライキリ
攻撃力2600



ゴヨウ・チェイサー
攻撃力950


セキュリティA「ぐぅあぁぁ!?」
LP1600→0

クロウ「グラディウス!クリス!!残ってるやつも切り裂いちまいな!!」

ズバッ!!

セキュリティB「ぐぁぁぁ!?」
LP1700→0

ズシャァァッ!!

遊矢「…強い」

ユート『相当な腕前だな…遊矢』

遊矢「ああ、クロウなら俺達…ランサーズの力になる…」

ユーゴ「さっすがだぜ!!クロウ!!」

クロウ「おうよ!こんなもん朝飯前だぜ!」

遊矢「…」

クロウ「って…ユーゴ!!お前なんでセキュリティに追われてんだよ!!」

ユーゴ「え…あ…ああ!!?そうだった…柚子が…!」

遊矢「…柚子!?」

ユート『…そこのバイクに乗っているのは柚子の…人形か?』

クロウ「柚子って言えば…遊矢が言っていたユーゴと一緒にいるはずの遊矢の探し人…だよな…」

ユーゴ「今!柚子が狙われてんだよ!それで俺が囮になったんだけど…ああもう!心配だ!!」

遊矢「…柚子は?」

ユーゴ「あっち…俺とは逆方向に逃げたはずだ…」

クロウ「急いだ方が良いな」

ユーゴ「おう!遊矢!乗りな!!」

遊矢「…クロウは?」

クロウ「なに言ってんだ、早く行きな、お前の会いたい人なんだろ?」

遊矢「…恩に着る」

ユーゴ「よーし!!かっ飛ばして行くぜ!!しっかり掴まってろよ!遊矢!!!」ブォォン!!

クロウ「…荒っぽい運転だなぁ…全く誰に似たんだか」



ユーゴ「…無事か…柚子」

遊矢「この…人形…ユーゴ…君が作ったものではないな?」

ユーゴ「え?ああ、まぁ」

ユート『こんな芸当を瞬時に出来る人間は1人しかいない』

遊矢「そうだな…デニス辺りか…ユーゴ、柚子達を任せている人間は誰なんだ?」

ユーゴ「えっと…確か…権現坂って奴と…なんか胡散臭い道化師みてぇな奴だったな」

遊矢「権現坂…!…良かった…」

ユート『それに道化師…デニスで確定だろう』

遊矢「…っ!止まれ!ユーゴ!」

キキィィ!!

ユーゴ「おいおい…あれは…」

遊矢「…権現坂…デニス…それに柚子…っ」

デュエルチェイサーA「確保いたしましました」

ロジェ「素晴らしい…では…」

「如何なさいましたかな…ロジェ長官殿」

ロジェ「っ…こ、これはこれは…評議会代表…ホワイト・タキ殿ではございませんか」

ホワイト「はぁい、何か…問題でも?」

ロジェ「いえ…ただ街中で騒ぎを起こしている犯罪者がいたもので…監獄に送ろうとしていただけですので」

ホワイト「…そうですか」

ロジェ「…要件は?」

ホワイト「いえ…私の方でも「次元」を超えたとおっしゃる方がいたものでしてね?長官の方にも情報をと思いまして」

ロジェ(…ちっ、まさかそっちでも既に他次元の人間が干渉しているのか…ここで柊柚子及びセレナを今私に引き渡してもらうのは後手か…この老いぼれジジイめ…面倒な事を…)

ロジェ「ええ、ありがとうございます、次元を超えた…ですか…ははっ面白い狂言者もいたものだ」

ホワイト「そうですね、私は今からこの方々の尋問を致しますので…街中での事…任せましたよ」ピッ

ロジェ(方々だと…?私が知る人間の他にもまだいるのか…監視カメラでの監視の量を増やすか…)

ロジェ「…デュエルチェイサー…聞こえますか?捉えた人間は全て監獄へ送れ、後に私が直接向かいます」

デュエルチェイサーA「了解しました」ピッ

デュエルチェイサーB「ほら!付いて来い!!」グイッ

権現坂「くっ…!数の暴力とはこのことか…!!」

デニス「全く…数だけ多いなんて…アリかな?」

柚子「もう、そんな軽口を言ってる場合じゃないでしょ!?」

ユーゴ「っ!!」

遊矢「待てユーゴ」ガッ

ユーゴ「おい!黙って見てろって言うのかよ!!?」

遊矢「流石に人数が多過ぎる…30人はいるだろうな」

ユート『こっちの戦力が少な過ぎる』

遊矢「…落ち着いて状況を判断するんだ…奴らは今までの奴らと違うな」

ユーゴ「あれはデュエルチェイサー…デュエルで俺達コモンズを捉える為に発足されたデュエル戦士だ…一人一人がかなりの実力を持ってる…」

遊矢「だろうな…権現坂やデニスも決して弱いわけじゃない…それをこの人数で相手にするのはキツイだろう」

デュエルチェイサーA「出せ!」

ブォォン…



ユーゴ「…」

遊矢「…この後柚子達はどこへ連れて行かれる?」

ユーゴ「…あの車のマーク…あれは監獄って所へ連れていくための…乗り物だ」

遊矢「監獄?」

ユーゴ「…普通はそんなすげぇとこにはいかねぇ…クロウだって何度か捕まってるけど…監獄は…脱出不可能って言われてる…入ったら最後…出てこれねぇ…」

遊矢「…」

ユート『そんな所が…』

ユーゴ「ああ!!もう!!やっぱり助けに行けば良かったか!?」

遊矢「そんな事をしても俺達もあれの仲間入りしてただけだ」

ユーゴ「くっそぉぉ!!どうすりゃあ良かったんだよ!!」

クロウ「おーい!!」




クロウ「…成る程な…遅かったか」

遊矢「…だが」

クロウ「分かってるって…諦めてねぇんだろ?」

ユーゴ「…だとしてもよぉ…どうすりゃあ良いんだよ…監獄だぜ?そこらへんの刑務所とは訳が違うだろ?」

クロウ「ああ、そうだな…だけど…俺に良い考えがある」

遊矢「…何?」

クロウ「…まぁこの話は一旦俺達の隠れ家に行って話そうぜ」




零児「…」

白服「ここでお待ちを」

月影「随分と開けた場所に…」

黒咲「…」

「お待ちしておりましたよ」

零児「貴方…いや…貴方方がこの次元のトップという事でしょうか」

「そうなりますね…私達はシティ統制機構評議会…そしてその代表のホワイト・タキと申します」

零児「ホワイトさん…聞きますが私達を連れてきた理由をお聞かせ願おう」

ホワイト「…ええ、貴方方が現れた時、この街に妙なエネルギー反応が複数でまして…それを追った時…貴方方を発見したと」

零児「…エネルギー反応…つかぬ事をお聞きしますが、この次元にはそれ程の科学力が?」

ホワイト「ええ、2年ほど前でしょうか…今この街で長官をなさってる方が居るのですがね?その方がこの街の科学力を1人で底上げしたのです」ニッコリ

零児「…」

月影(この者…)

零児(私に探りを入れているな…慎重に会話をしなければ)

ホワイト「…それで…私先程聞きましたが…貴方方の仲間と思われる人がですね…監獄送りになった…と聞きましてね」ニッコリ

零児(…そうくるか)

黒咲「…なんだと?どういう意味だ」

ホワイト「…そのままの意味ですよ?こちら見て頂きたい」

ピッ

そこには

黒咲「っ柊柚子!?」

零児(…既に捕まっていたか…)

月影「それに権現坂殿にデニス殿も…」

ホワイト「…どうやら知り合いのようですね」ニッコリ

零児「…取引ですか?」

ホワイト「いえいえそんな物騒な事は致しませんよ」

零児「では何を?」

ホワイト「…私から提案があります」

零児「…提案?」



クロウ「…どうなって…やがる…っ!!」

遊矢「…まさか」

ユーゴ「なんだよ…何が起こってるんだよ!?」

タナー「うう…」

クロウ「タナー!?フランク!アマンダ!!?どうしたんだよ!!」

遊矢「一体何があったんだ?」

タナー「う、うん…実は…」



セレナ『じっとしてろ…』

フランク『う、うん…』

シンジ『うぉぉ!!』

沢渡『くっそ…!!人数が多すぎるぜ!!』

シンジ『だが…これさえ突破できれば…!!』

デュエルチェイサーA『くっ…コイツら…』

デュエルチェイサーB『我々では手に負えんか…っ!!』

ズギャァンッ!!

シンジの仲間達『うわぁぁ!!?』

シンジ『っ!?なんだぁ!?』

デュエルチェイサーA『!きたかっ!!』

沢渡『う、うぇっ!?なんだアイツ!?』

デュエルチェイサーB『貴様達はもう終わりだ!!』

デュエルチェイサーA『私達の最終兵器…セルゲイが来たからな!!』

セルゲイ『…』

シンジ『っ!』

沢渡『やってやろうじゃねぇか…!!』



タナー「…それで」

クロウ「セルゲイ…だって…?」

遊矢「知り合いか?」

クロウ「知り合い…って言うのもおかしな話だ…だがセルゲイと言えばこの街でしらねぇ奴はいねぇ」

ユーゴ「俺も聞いたことがあるぜ…この街で好き勝手に暴れまわって何人もの人間を病人送り…鬼人、狂人って言われてた男だろ?セキュリティからだってずっと狙われてた」

クロウ「だけど何年か前にパッタリと奴の姿は消えた、死んだか…捕まったか…そんな噂が出回るようになった…だけどなんでそのセルゲイが…」

遊矢「セレナは?」

タナー「セレナ姉ちゃんも…」



シンジ『ぐわぁぁぁ!!』ズザァァッ!!
LP0

沢渡『シンジ!!くそっ!!』
LP200

セルゲイ『…』
LP2300

沢渡『な、なんなんだよ…こいつっ!!』

セレナ『っ!!沢渡…っ!!』

アマンダ『セレナお姉ちゃんダメだよ!!』

セレナ『っ…いいか皆…お前達はここにいろ…私がなんとかしてやるから』

タナー『う、うう…』

セレナ『…よし…』バッ

セレナ『私が相手だ!!』

沢渡『せ、セレナっ!?バカッ!!なんで…』

セルゲイ『…』

セレナ『もう、見ておれん!!かかって来い!!』



ユート『セレナらしい…が…』

タナー「そのまま、みんな…連れてかれちゃったんだ」

クロウ「…」

遊矢「…」

ユーゴ「マジかよ…どうすんだよ…っ!!」

タナー「あれ?ユーゴ兄ちゃん?なんでここに?」

ユーゴ「さっきクロウ達と会ったんだ…こっちでもあっちでも監獄送り…どうすんだよ!!ちきしょう!!」

遊矢「ユーゴ落ち着け」

ユーゴ「遊矢!!お前はなんでそんな…」

遊矢「策があるんだろ?クロウ」

クロウ「へ…まぁな」

ユーゴ「…え?」

クロウ「シンジが監獄に捕まったのなら…好都合かもな…」



シンジ「…」

沢渡「…すまねぇ…」

シンジ「いや…しょうがないさ…まさかセルゲイを連れてくるとはな」

セレナ「…知っているのか?」

シンジ「仲のいい友達ってわけじゃないさ…奴の悪名は俺達コモンズなら誰でも知ってる」

沢渡「そんな危険な奴なのかよ」

シンジ「危険すぎて…セキュリティーから狙われていた…そんな奴がセキュリティーの犬になるとは考えづらい」

沢渡「…何か臭うぜこれは」

シンジ「全く…セレナはどうして出て来た」

セレナ「…すまん」

シンジ「まぁ感情的な奴は嫌いじゃねぇ…むしろ俺たちコモンズにはそういう理屈で考えねぇバカばっかだからな」

セレナ「ぐ…バカと言われるのは癪だが…」

沢渡「しかし…セルゲイって奴…とんでもなく強かった…」

シンジ「そりゃなあのデュエルチェイサーを同時に30人相手にして勝ったなんて噂もあった程の実力者…そんな奴が出張ってくるなんてよぉ」

沢渡「…シンジ…随分と落ち着いてるな」

シンジ「ん?まぁな…ちょっとした作戦があんだよ俺には」

沢渡「?」

デュエルチェイサー「着いたぞ、降りろ」キキィ



沢渡「うぉ…まごう事なき監獄って感じだな」

セレナ「…」

権現坂「ええい!押さなくても自分で進めるわ!!」

デニス「はいはいゴンちゃん落ち着いて」

沢渡「ん?」

デニス「ん?」

権現坂「うお!!?お前達は!!」

沢渡「権現坂!?どうして…それに柚子!!」

柚子「沢渡!?」

セレナ「彼女が柚子か…」

沢渡「ここにいるって事は…遊矢達…」

デュエルチェイサー「何をボソボソとしゃべっている!女達はあっちだ」

柚子「え?」

デュエルチェイサー「女には女性棟がある」

柚子「そ、そうだよね…」

沢渡「…セレナ…柚子…無事でいろよ」

柚子「沢渡…ありがとう」



柚子「…でも良かった…女の子が居て」

セレナ「…私はセレナだ」

柚子「え、えと」

セレナ「お前は柚子だろう?遊矢から聞いている」

柚子「遊矢…」

セレナ「…私達はお前を探しに来たんだ…手間が省ける」

柚子「でも…」

セレナ「…そうだな…まずはここから抜け出すことを考えよう」



監獄内 食堂

シンジ「…」

沢渡「それで?作戦ってなんだよ」

デニス「へぇ?作戦なんてあるんだ?」

権現坂「何?ここを抜け出す手立てでもあるというのか」

シンジ「まぁな」

沢渡「つってもよ…ここ…そんな甘くなさそうだぜ?」

権現坂「…確かに」

デニス「中は結構自由そうだね…脱獄は難しそうだけど」

シンジ「…自由…確かにそう見えるな」

沢渡「…おい!!ちょっと待て!なんで俺達の飯がこんなにすくねぇんだよ!!?」

男「黙って貰え、嫌なら食うな」

沢渡「くっ…ぐぐ…っ!!」

シンジ「…ここは従うんだ」

デニス「ま、しょうがないねぇ」

権現坂「して…その作戦とは?」

シンジ「ああ、ここにはな…ここを仕切ってる奴がいるんだよ」

沢渡「仕切る?セキュリティって奴らじゃねぇのか?」

シンジ「…違う、あの人だ」スッ

権現坂「確かに…見るからにここの他の者とは違うな」

シンジ「あの人の名前は徳松長次郎…」

デニス「…知り合い?」

シンジ「…ああ、10年くらい前にこの街で人気を博したプロデュエリスト…エンジョイ長次郎として有名だったんだ…俺もクロウも…この街の現キングのジャックだって憧れた存在だ」

デニス「そんな人物がどうしてこんな場所に?」

シンジ「理由は分からねぇ…だがそれ以来デュエルの表舞台から去った…俺たちにエンタメデュエルを教えてくれたあの人は…もういない」

沢渡「エンタメ…」

デニス「それで?あの人と脱獄…なにか関係あるの?」

シンジ「…あの人は10年近くこの監獄にいる…そしてあの風格から分かると思うが自分の意思でこの監獄から出てねぇ」

権現坂「まさにこの監獄の総大将だな」

シンジ「あの人はカードを使って取り引きしているのさ…俺達もここに入れられた時デッキは無事だっただろう?」

沢渡「そういえば…」

シンジ「そしてそのカードを使ってここにいるセキュリティを買っているのさ」

権現坂「…けしからん」

シンジ「デュエルするにもディスクがねぇ、従うしかねぇのさ…ここではあの人にな」

沢渡「ちっ…気にいらねぇぜ!外で出来なくなったからってこんな所でお山の大将をしてるなんてよぉ!…気にいらねぇぜ…エンタメデュエリストとしてな…」

デニス「でもどうしてそこまで知ってるわけ?まるで1度ここに来たみたいな言い方じゃない」

シンジ「1度来たのは俺じゃねぇクロウだ…クロウは1度ここに来た…ここに来た時マジで絶望したらしいが…徳松長次郎と取り引きをして脱獄出来たらしい」

権現坂「…つまり…奴と取り引きして脱獄をする…それが作戦か」

シンジ「まぁな、作戦って程では無いけどまぁそうなるな」

デニス「まっ僕的には出れればそれで良いけど」



クロウ「って話になってるだろうな今頃」

遊矢「前回はそれで出てこれたのか」

クロウ「…ま、取り引きで俺の魂のカード…置いて来ちまったけど…あの時はガキ共の方が心配だったしな…カードよりお前達を取っただけだ」

ユーゴ「クロウ…」

クロウ「それはそれとして…俺達はアイツの脱獄をサポートする」

遊矢「…どうやって」

クロウ「前回俺が脱獄した時のルート…あの途中で俺は結構監獄の中を見て回ったんだよ…警備が薄い所とか色々とな」

遊矢「…侵入するつもりか?」

クロウ「その為にはお前達の協力がいる…遊矢、ユーゴ…頼めるか?」

ユーゴ「ったりめぇよ!!」

遊矢「柚子達を救えるのなら…」

クロウ「よし…結構はこの後だ…夜にはやっちまうぞ…アイツラもその頃には動き出すだろうしな」




柚子「…大丈夫かな…皆」

セレナ「うむぅ…暇だ」

柚子「そうだね…」

セレナ「元気を出せ柚子、こんな所すぐに脱出できる」

柚子「…遊矢」

セレナ「そうだ遊矢ならきっと私達を助けてくれる」

柚子「セレナ…うん、そうだよね、ありがとう」

セレナ「うむ!」




シンジ「…」

徳松「…なんだぁ…?てめぇら」

シンジ「折り入ってあんたに頼みがある」

取り巻きA「あん!?旦那に話があるってぇならまずは俺らを通してからにしな!!」

取り巻きB「おうよ!!」

徳松「…待ちな…てめぇら…頼みってのぉは…脱獄か?」

シンジ「話が早い」

徳松「前に来たガキもそんな事を言っていた」

シンジ「…それは俺の仲間だ」

徳松「なら話が早ぇ、分かってんだろ?てめぇさん方の1番大事なカードを寄越しなそれで手を打ってやる」

権現坂「なんだと!?大事なカードだと!?渡せるか!!」

徳松「威勢がいいねぇ兄ちゃん、それはてめぇの勝手だがよ…シャバに出るにはそれ相応の対価が必要なんだよ…てめぇの魂を掛けるくらいの覚悟…オメェさんにはあんのかい?」

権現坂「くっ…!!」

沢渡「あんたこそ…こんな所であぐらかいてて良いのかよ…エンジョイ長次郎さんよぉ」

徳松「…あ?」

取り巻きA「お、おい…あいつ…」

取り巻きB「て、てめぇ!!その名で旦那を呼ぶんじゃねぇ!!」

徳松「…何処でその名を知ったか知らねぇが…その名はとうに捨てた名だ…呼ぶんじゃねぇ」

沢渡「名を捨てた?違うね、あんたは逃げてるだけだぜ、エンタメから」

徳松「…何?」

権現坂「お、おい…沢渡」

デニス「まぁまぁゴンちゃん…へぇ…彼も中々言うじゃ無いか…」

沢渡「こんな所でお山の大将気取って応援している外の人間を蔑ろにして楽しいのかよって言ってんだよ!!」

徳松「ち…世間を知らねぇガキが…言ってくれるじゃねぇか」

沢渡「何があったかなんてしらねぇ…だがエンタメデュエリストを1度でも名乗った人間がこうやって逃げて言い訳した人生を送ってるなんてエンタメデュエリストの俺が許さねぇ!」

シンジ「お、おい…」

徳松「言うじゃねぇか…おい」

セキュリティ「は、はい」

徳松「デュエルディスクを持って来な…そいつの分と俺の分」

セキュリティ「し、しかし」

徳松「…ほらよコイツをやる」スッ

セキュリティ「こ、こんなにカードを!?ふ、ふへへ…了解しました」

徳松「急げよ」

セキュリティ「はい!!」ダッ

徳松「てめぇ…啖呵切っただんからそれなりの覚悟があるんだな?」

沢渡「ああ!」

徳松「…良いだろう、てめぇとデュエルしてやる…もし俺が負けたら無条件でここから出す手配をしてやる…ただし…負けたら…てめぇらはここからださねぇそしててめぇらのデッキは全て俺が貰う…良いな?」

沢渡「おう!」

徳松「へへ、威勢の良さだけは買ってやる…名前は?」

沢渡「沢渡シンゴ様だ!よく覚えておけよ!」

徳松「シンゴか…良いだろう…覚えておいてやる…俺の子分になる名前だからな」

権現坂「さ、沢渡…大丈夫なのか?」

沢渡「任せておけ!このネオニューハイパー沢渡に全て任せておけば何とかなるんだよ!!それに…ああいう目の人間は見過ごせねぇ…まだ諦めきれてねぇよなあの目の人間はよぉ」

デニス「へぇ…」

シンジ「はぁ…どうしてこうなった…」



柚子「へぇ、ユーリってそんななんだ」

セレナ「そうだぞ、可愛いんだぞ」

柚子「私と会った時は…ちょっと怖かった…」

セレナ「うむぅ…アイツは人見知りな所もあるからな…ああそうだ昔はアイツぼっちだったのだ」

柚子「ぼっち?」

セレナ「ほとんど人と話せてなかったからな!それでちょっとコミュニケーション能力に欠けている」

柚子「へぇ、なんか印象変わりそうかも」



ユーリ「へっくち…な、何…?寒く無いのにくしゃみが…」ブルル



柚子「それなら遊矢も昔は泣き虫だったのよ?」

セレナ「あの遊矢が?」

柚子「そうなのよ!今じゃ考えられないでしょ?昔は柚子〜柚子〜って泣いて頼って来てたの…可愛かったなぁ」

セレナ「うむ、確かに今とは真逆で可愛らしいな」



遊矢、ユーゴのDホイールに乗り監獄へ向かい中

遊矢「へくしょんっ!」ブルル

ユーゴ「おっ?どうした?寒いのか?」

遊矢「い、いや」

ユート『風邪か?』

遊矢「な、なんだろう…鼻がムズムズしただけだ」

ユーゴ「これから脱獄を手伝うのにしっかりしてくれよぉ遊矢」

遊矢「あ、ああ」



沢渡「さぁ!見せてやるぜ!!この俺のスーパーファンタスティックデュエルをな!!」

権現坂「なんだ、その妙なネーミングは」

デニス「彼のネーミングセンスは壊滅的だよねぇ」

沢渡「俺のターン!」
手札5
LP4000

沢渡「俺は手札からスケール2の《魔界劇団 クレイジーチャレンジャー》とスケール8の《魔界劇団 ファンキー・コメディアン》でペンデュラムスケールをセッティング!!これでレベル3から7のモンスターが同時に召喚可能だぜ!!」


《魔界劇団 クレイジー・チャレンジャー》
星5/闇属性/悪魔族/スケール2
攻1600/守1200

《魔界劇団 ファンキー・コメディアン》
星1/闇属性/悪魔族/スケール8
攻 300/守 200

徳松「おいおい、なんだいコイツはぁ…俺がシャバから離れてる間にこんな洒落た召喚方法が出来たのかい」

沢渡「ペンデュラム召喚!!現れろ!!レベル7《魔界劇団 ビッグスター》!!」


《魔界劇団 ビッグスター》
星7/闇属性/悪魔族/スケール3
攻2500/守1800


沢渡「ビッグスターの効果発動!『1ターンに1度、デッキから「魔界台本」魔法カードをフィールドにセットできる!』俺はデッキから《魔界台本 魔王の降臨》をセット!!」

沢渡「コイツで俺はターンエンドだぜ」
手札2

沢渡「どうだ!これが俺様のエンタメ!!」

権現坂「ペンデュラム召喚をしただけではないか」

沢渡「おいおい、そう焦るなって…ビッグスターの効果でセットしたカードはこの瞬間に墓地へ送られる…だがクレイジー・チャレンジャーのペンデュラム効果により『1ターンに1度、自分フィールドのカードが墓地へ送られる時墓地へ送られたカードを手札に戻すことができる』」
手札3

デニス「ド派手でバカな性格かと思ったら結構堅実なんじゃない?僕は少し見直したけどね」

徳松「エンタメ…エンタメね…てめぇが思ってる程その道は安くねぇ…」

沢渡「あ?」

徳松「ソイツを俺が教えてやる…俺のターン」
手札6


徳松「俺は魔法カード《花積み》を発動!!『デッキから「花札衛」モンスター3種類を選び、好きな順番でデッキの上に戻す事ができる!』」

沢渡「デッキトップ調整…?一体何を…」

徳松「そして俺は手札から《花札衛(カーディアン) 松》を召喚!!」


《花札衛(カーディアン) 松》
星1/闇属性/戦士族
攻 100/守 100


徳松「コイツが『召喚に成功した時、デッキから1枚ドローする』」
手札6

徳松「そして『ドローしたカードが「花札衛(カーディアン)」モンスター意外だった場合ソイツは墓地へ送られる』」

徳松「ドローしたカードは…《花札衛(カーディアン) 松に鶴》」

沢渡「なっ!?」

権現坂「デッキトップを操作したのはこの効果の為か!!」

デニス「…」

徳松「そして手札に加えた松に鶴の効果発動!!『「花札衛松に鶴」以外の自分フィールドのレベル1の「花札衛」モンスター1体をリリースした場合に特殊召喚できる!』」

徳松「松をリリースし松に鶴を特殊召喚!!」


《花札衛(カーディアン)松に鶴》
星1/闇属性/戦士族
攻2000/守2000


徳松「松に鶴の効果発動!!『自分はデッキから1枚ドローし、お互いに確認しそれが「花札衛(カーディアン)」モンスターだった場合、そのモンスターを特殊召喚できる!!
違った場合はそのカードを墓地へ送るが…』」

権現坂「先ほどの花積みの効果によりデッキトップは操作されている…これは…」

徳松「ドローしたカードは《花札衛(カーディアン) 芒に月》!!よって特殊召喚する!!」


《花札衛(カーディアン) 芒に月》
星8/闇属性/戦士族
攻2000/守2000


徳松「芒に月の効果によりドローしドローしたカードが「花札衛(カーディアン)」モンスターの場合特殊召喚する!ドローしたカードは《花札衛(カーディアン) 桐に鳳凰》!よって特殊召喚!!」


《花札衛(カーディアン) 桐に鳳凰》
星12/闇属性/戦士族
攻2000/守2000


権現坂「ここまでは花積みの効果により調整されたデッキトップだったが…ここからはどうするつもりだ?」

デニス「…まぁ何かしらの対策はあるだろうね…あの人の戦い方だと…」

徳松「そして桐に鳳凰の効果によりドローしドローしたカードが例によって花札衛(カーディアン)モンスターの場合特殊召喚する!!そしてこの瞬間!!俺は速攻魔法!!《切り返し》発動!!『自分がデッキからカードをドローする時!ドローしたカードをデッキの1番下に戻しデッキから「花札衛(カーディアン)」モンスター1体をデッキの1番上へと戻す!!』」

沢渡「はぁ!!?」

デニス「やっぱりね…」

徳松「俺はドローしたカードをデッキの1番下に戻し俺はデッキから《花札衛(カーディアン)柳に小野道風》をデッキの1番上にしドローする!!」


《花札衛(カーディアン) 柳に小野道風》
星11/闇属性/戦士族
攻2000/守2000


沢渡「て、てめぇ!!さっきからドローカードを操作しやがって!!卑怯だぜ!!」

徳松「そうかい…ドローカードを操作するのは悪いってのかい…」

沢渡「そうだ!!ドローしたカードに自分の魂を賭けて逆転のカードを引く事こそエンタメ!!皆を盛り上げる演出なんだぜ!!」

徳松「はっその程度のことがエンタメ?俺にとっちゃあドローカードが逆転のカードなんて発想の方がよっぽどイカサマだぜ」

沢渡「なにぃ!?」

徳松「ドローカードを自分で決め、自分の思った通りの戦術を披露する…それこそがデュエルじゃねぇのかい」

沢渡「ぐ、ぐぬぬ…」

権現坂「一理ある反論だ…」

デニス「でも、それじゃあ何にも楽しくないよねぇ…特に彼のようなデッキじゃあさ」

取り巻き「うるせぇぞ!お前ら!!お前らに徳松さんの何がわかる!!」

徳松「まぁ、待ちな…こいつを倒しちまえば文句の1つや2つ後でも好きに言える…コイツにエンタメなんてもんは無駄だって事を教えてやらなきゃならねぇからな」

徳松「柳に小野道風の効果により俺はデッキから1枚ドローする…まぁドローカードは《札合わせ》…花札衛(カーディアン)じゃねぇ…だから墓地へ送られる」
手札4

徳松「だがよぉ…ドローカードなんてそんなもんは無駄だって事を教えてやる俺はフィールドの柳に小野道風の効果により『このカードをシンクロ召喚の素材とする時フィールドの花札衛(カーディアン)モンスター全てのレベルを2にする事ができる!!』」


松に鶴
レベル1→2

芒に月
レベル8→2

柳に鳳凰
レベル12→2

柳に小野道風
レベル11→2


徳松「俺は松に鶴、芒に月、柳に鳳凰に柳に小野道風をチューニング!!涙雨!!光となりて降り注げ!!《花札衛(カーディアン) 雨四光》!!」


《花札衛(カーディアン) 雨四光》
星8/闇属性/戦士族/シンクロ
攻3000/守3000


取り巻き「で、でた!!徳松さんの必勝コンボの要!!」

デニス「必勝コンボ…?」

徳松「バトルだ!!雨四光でビッグスターを攻撃!!」


雨四光
攻撃力3000



ビッグスター
攻撃力2500


ズギャァンッ!!

沢渡「うぐぅぅ!!」
LP4000→3500

沢渡「いってぇ…やってくれるぜ…」

徳松「俺はカードを2枚セットしてターンエンド」
手札2

沢渡「確かに…攻撃力3000のモンスターを出してくるなんて…ここで大将をやってるだけはある…だけど、ここからだぜ俺のデュエルは!!」

取り巻き「くくく、そう上手くいくかな?」

沢渡「俺のターン!!」
手札4

徳松「この瞬間!雨四光の効果発動!!」

沢渡「何!?」

徳松「『相手のドローフェイズ時に相手がカードをドローした時!!相手に1500ポイントのダメージを与える!!』」

沢渡「なっ!?」

スバババッ!!

沢渡「あぎやぁぁぁ!?!?」
LP3500→2000

権現坂「ドローするだけでダメージだと!?」

デニス「ドローに対して固執している…何やらあの人には何かあるんじゃないかな」

沢渡「こっちのドローにさえ茶々入れてくんのかよ…」

沢渡「でも…まだまだ!!ドローさえできりゃあこっちのもんだ!!俺はセット済みのスケールで再びペンデュラム召喚だぜ!!手札からレベル6!!《魔界劇団 ライトスター》!!」


《魔界劇団 ライトスター》
星6/闇属性/悪魔族/スケール1
攻2400/守1500


徳松「ふん、そんなことはさせねぇぜ永続トラップ《イカサマご法度》発動!『1ターンに1度、相手が手札からモンスターの特殊召喚をした時全て手札に戻す』」

沢渡「なっ!?」

取り巻き「これこそが徳松さんの必勝コンボ!!相手に何もさせずにぶっ倒す!!10年無敗のコンボだ!!」

徳松「その面倒くせぇペンデュラム召喚なんざさせねぇぜ」

沢渡「は、はは…だけどペンデュラム召喚はそれだけじゃ止まらねぇ!!」

徳松「何?」

沢渡「エクストラデッキから甦れ!!ビッグスター!!」

ビッグスター
攻撃力2500

徳松「エクストラデッキだと…?」

沢渡「ペンデュラムモンスターはフィールドで破壊されても墓地へはいかねぇでエクストラデッキに行きそして何度でも復活できる!!」

徳松「…」

沢渡「それに!!イカサマご法度の効果は1ターンに1度だけ!!俺は手札のライトスターの効果発動!!『自分フィールドにビッグスターが存在する時手札から特殊召喚できる!!』」


ライトスター
攻撃力2400


沢渡「更に!ライトスターの効果発動!!『ビッグスターが存在する時に特殊召喚に成功した時、デッキから「魔界台本」1枚を手札に加える!』」
手札3

沢渡「そして手札から魔界台本 魔王の降臨を発動!!『このカードの効果により相手フィールドの表側表示のカードを自分フィールドの攻撃表示の「魔界劇団」モンスターの種類まで破壊する!!』」

沢渡「俺のフィールドには2枚!!よって!そのイカサマご法度と雨四光を破壊する!!」

徳松「…そうかい、なら…」

沢渡「おっと、魔王の降臨はレベル7以上のモンスターが存在する時、相手はこの効果に対して効果を発動することはできないぜ!」

徳松「ふん、はなからそいつに対して発動する気なんざサラサラねぇよ俺は永続トラップ《イカサマ厳守》発動!『自分フィールドの表側表示のカード1枚を選択しそのカードはこのカードが存在する限り効果で破壊されず効果の対象とならない』」

沢渡「なっ!?」

徳松「これでイカサマご法度は破壊されねぇ」

沢渡「ぐっむむむ!!だったら俺は!イカサマ厳守と雨四光を選択する!!」

徳松「雨四光の効果で雨四光破壊されず効果の対象とならねぇ」

沢渡「おめぇもかよ!!ならイカサマ厳守を破壊した上でイカサマご法度を破壊してやる!!」

徳松「ふ…まぁそうなるだろうな…だが『イカサマ厳守が破壊される場合手札を1枚墓地へ送ることでその破壊を無効にする』」
手札1

沢渡「うそーん!?」

徳松「まだソイツの効果は続くよな?」

沢渡「っ…もう一度破壊してやる!!」

徳松「なら手札を1枚墓地へ送ることで破壊を無効」
手札0

沢渡「くっそぉ!!俺はこれでターンエンド!!」
手札2

徳松「はっ!おめぇさんのエンタメとやらも無駄だったな」

沢渡「む、無駄かどうかはまだわからねぇ!!」

徳松「いいや分かるね、コイツでお前はお終いさ…俺のターン…そして雨四光の効果により『俺はドローをスキップする』」

沢渡「ドローを…?」

徳松「ドローをスキップする事で雨四光の効果はこのまま発動できるって訳さ」

徳松「行きな!雨四光!!!ライトスターを破壊しな!!」

バキンッ!!

雨四光
攻撃力3000



ライトスター
攻撃力2400


沢渡「うわぁ!!」ズザァ!!
LP2000→1400

権現坂「沢渡!!?」

デニス「ライフは…1400…万事休すだね」

沢渡「くっ…いてて…」

シンジ「自分のドローも放棄…徳松さん!!あんたはそんなデュエリストじゃなかったはずだ!!」

徳松「…」

シンジ「あんたは…あんたのデュエルは…自分のドローを信じてそして…みんなをワクワクさせる…そんな…そんなエンタメデュエルだった筈だ!!」

沢渡「…シンジ」

シンジ「俺は!!俺達はそんなあんたに憧れた!!こんな…こんなデュエル…エンジョイ長次郎のデュエルじゃねぇ!!」

徳松「黙りな!!てめぇに何が分かる!!エンジョイ長次郎!?その名は捨てた!!ドローに賭ける!?馬鹿馬鹿しい!!そんなもんあっても金と権力の前には霞んじまう!!それがこのシティの姿!!あり方なんだよ!!」

沢渡「…」

徳松「俺はこれでターンエンド」
手札0

シンジ「確かに…今のシティはそうかも知れねぇ…だけど…」

沢渡「だったらぶっ壊してやりゃあ良いじゃねぇか!!」

シンジ「!?」

徳松「…何?」

沢渡「俺が望むデュエルは皆んなを笑顔にする事だ、その為なら…そんな不条理な世界があるってんなら俺はぶっ壊して上を目指す!!上を目指して下にいる人達を笑顔にしてやる!!」

徳松「ガキが…そんなこと…」

沢渡「やってもいねぇのに無理なんて言うんじゃねぇ!!」

徳松「!?」

沢渡「俺の知り合いに榊遊矢って奴がいる、ソイツは強ぇ…そんでもって俺にエンタメっつぅもんがどんなもんなのか教えてくれた奴が…ソイツはど底辺から始まった…どんな奴にもバカにされどんな奴からも蔑まれ…だが奴は勝ち取った、底辺から天辺をもぎ取ったんだ!!」

権現坂「沢渡…お前…」

沢渡「ソイツは諦めなかった!!どんな事があっても決して!諦めちまったらそこで終わっちまうのが分かってたからだ!!あんたは諦めちまった!だからこんなところで燻ってやがるんだ!!」

徳松「ガキの…くせに…」

沢渡「ああ!!ガキだよ!!俺は!だけどよ!!そのガキ共があんたの帰りを待ってんだ!待ってたんだよ!!ソイツからてめぇは目を背けんのかよ!!」

徳松「…!!」

シンジ「徳松さん…」

徳松「俺は…」

沢渡「だったら見せてやる!!俺の…俺だけのエンタメを!!」グッ

権現坂「しかし、沢渡のライフは1400…今ドローを行えば1500のダメージを受け…」

デニス「負けちゃうね…ま、でも…大丈夫でしょ」

権現坂「何?」

デニス「うーん、僕の師匠にこんな言葉がある『真のデュエリストのドローは全て必然、ドローするカードだって信じて答えてくれる』ってね」

デニス「さぁ、沢渡…君も僕や遊矢のステージに上がってくると良い…稀代のエンタメデュエリストのステージに…ね」

沢渡(落ち着け、俺、ドローカードが『あのカード』なら大丈夫だ…行ける…やれる…やらなくちゃならねぇ…)

沢渡(あのおっさんにはちゃんと、自分のデュエルを取り戻して欲しい…だから…!!!)

沢渡「俺のターン!!ドロォォ!!!」
手札3

徳松「っ!!この瞬間!!雨四光の効果発動!!相手に1500ポイントのダメージだ!!!」

ズババッ!!

シンジ「まずい!!このままじゃあ!!」

沢渡「…ふっ!!キタキタキタァァ!!俺のドローしたカード!!それは!!《魔界劇団 フォーリオム・ライオ》!!」


《魔界劇団 フォーリオム・ライオ》
星4/闇属性/獣族/スケール4
攻1500/守0


沢渡「このカードは『戦闘および効果ダメージが発生した時!そのダメージを無効にしこのカードを特殊召喚する!!そしてそのダメージと同じ数値分このカードの攻撃力をアップする!!』」


フォーリオム・ライオ
攻撃力1500→3000


徳松「なんだと!?だが!!!イカサマご法度の効果でソイツを…」

沢渡「手札に戻した所でダメージを俺は受けねぇぜ?」
手札3

徳松「ぐっ…」

沢渡「…俺は再びペンデュラム召喚しエクストラデッキからライトスターを召喚する」


ライトスター
攻撃力2400


沢渡「…俺はカードを1枚セットしてターンエンド」
手札2

シンジ「な!?」

権現坂「沢渡何を!?」

沢渡「…なぁおっさん、あんたのデュエルはこれで良いのか?」

徳松「…」

沢渡「俺はあんたのデュエルを見てぇ、あんたの意思を…あんたの言葉を聞きてぇ…!!」

徳松「俺はよぉ…」

シンジ「俺は…見たい…」

徳松「…!」

シンジ「俺はあの時の…あの時のエンジョイ長次郎を見たい!!ドローに全てを込めた伝説のドローを!!」

取り巻き「徳松さん…俺らがここであんたの手下になったのはさ…あんたのファンだったからだ…この獄中にいる奴らの殆どはコモンズの最下層にいた奴ばかりだ…そんな…そんなガキ共にとってあんたは希望の光だった…!!」

取り巻き「こんなこと言うのもなんですが…やっぱあん時のあんたが見てぇんですよ…俺達の希望の星だったエンジョイ長次郎が…!!」

その時だった、周りにいた観客囚人達が一斉に呼び始める

「エンジョイ長次郎!エンジョイ長次郎!!エンジョイ長次郎!!」

徳松「…おめぇら…」

沢渡「へ、呼んでるぜおっさん、10年前に何があったか知らねぇが、今こそその10年の呪縛を解き放つ時だぜ!!」

徳松「…く…くくく、あっはっはっ!バカな奴だぜ…おめぇさんは…敵に塩を送るなんてよぉ…くくく…」

徳松「だがおもしれぇ!!乗ったぜガキんちょ!!おめぇさんのおかげで目が覚めた!!」

沢渡「…!!」

徳松「俺はよぉ…トップスとの戦いで負けらねぇという焦りからイカサマに手を染めちまった…だがそれは…俺の信念を…子供達の望みから目を背けることだった…!!」

徳松「スゥ…デュエルとはすなわち人生なり、人生とは一度きり勝つ日もあれば負ける日もある、負けを恥じらず勝って驕らず…すなわち!!レッツエンジョイ!!!」

取り巻き「徳松さん…っ!!いや…エンジョイ長次郎!!!」

シンジ「エンジョイ長次郎の復活だぁ!!」

うぉぉぉ!!!

徳松「よっしゃ!!だったらやる事はただ1つ!!このドローに全てを賭ける!!!」

沢渡「それこそデュエリストの本領だぜ!!」

徳松「ああ、そうだ!!やってやる!!見せてやるぜ!!俺のターン!!ドローー!!」
手札1

徳松「来たぜ!!先ずは下準備と行こうか!!俺はフィールドのイカサマ厳守の効果発動よ!!『フィールドのこのカードとこのカードの対象としたカードを破壊する!そしてフィールドの「花札衛(カーディアン)」シンクロモンスター1体をリリースする事で墓地から「花札衛(カーディアン)」モンスター2体を特殊召喚する!!』」

徳松「来い!!芒に月!柳に小野道風!!」

芒に月
攻撃力2000

柳に小野道風
攻撃力2000


徳松「そしてここで!手札から『超こいこい』を発動!!」

シンジ「あのカードは!!!」

徳松「このカードは『デッキからカードを3枚ドローしそのカードが「花札衛(カーディアン)」モンスターの場合可能な限り召喚条件を無視して特殊召喚出来る、ただしそれ以外の場合1枚につき1000ポイントのダメージを受け!そのカードを除外する!!』」

沢渡「なんつーギャンブルカード…!!」

デニス「へー…彼の本来のデッキ…これが…」

徳松「さぁ、来やがりな、俺のカードよ…俺に答えてくれ…」

徳松「こいこい…こいこい…!!」

観客達「こいこい…こいこい…!!」

徳松「行くぜ…!!ドロォォ!!」
手札3

徳松「キタ!!!俺が引いたカードは《花札衛(カーディアン) 桜に幕》、桐に鳳凰、松に鶴!!こいつらを特殊召喚!!!」


《花札衛(カーディアン) 桜に幕》
星3/闇属性/戦士族
攻2000/守2000


観客達「キタァ!!エンジョイ長次郎の伝説のドロー!!!」

徳松「行くぜ、俺は柳に小野道風の効果で全てのモンスターのレベルを2にしシンクロ召喚を行う!!その神々しきは聖なる光!今、天と地と水と土と金となりて照らせ!!シンクロ召喚!!《花札衛(カーディアン) 五光》!!」


《花札衛(カーディアン) 五光》
星10/闇属性/戦士族/シンクロ
攻5000/守0


権現坂「攻撃力5000!!?」

デニス「はは♪凄いや!!」

徳松「あんちゃん、ここまでお膳立てしてもらって悪いんだが…後悔するなよ?」

沢渡「後悔なんてしてねぇ…あんたの本当のデュエルが観れたんだからな」

徳松「ふっ…言ってくれる!!バトルだ!!五光でライトスターを攻撃!!」


五光
攻撃力5000



ライトスター
攻撃力2400


沢渡「トラップ発動!!《魔界台本 戦陣同盟》!!『このカードは相手の攻撃宣言時に発動できる!!自分フィールドのペンデュラムゾーンのモンスターを全て破壊する事で攻撃して来たモンスターを破壊する!!その後自分は破壊したペンデュラムゾーンのカードの枚数だけデッキからカードをドローする!!』」

徳松「へぇ、おもしれぇ効果じゃねぇかだがそうはいかねぇな五光の効果により『相手が発動するマジック、トラップ効果の発動を1度だけ無効にする!』」

沢渡「ちっ…防がれたか…だったら!!ライトスターの効果発動!!『このカードは自分フィールドのビッグスターを破壊する事でこのターンの終わりまでビッグスターの元々の攻撃力分攻撃力をアップさせる!!』」

権現坂「よし!攻撃力が届かずともダメージを最小限にできるぞ!!」

徳松「すまねぇなシンゴ!!コイツはなぁ!『戦闘するモンスターの効果を無効にする効果を持っている!!だからその効果は発動しねぇ!!』」

沢渡「なぬぅぅ!?」

徳松「トドメだぜ!!五光でライトスターを攻撃!!!」

ズバァァン!!

沢渡「ぐぎゃぁぁ!!?」ブワッ
LP1400→0

ドサッ

デニス「あーらら、沢渡負けちゃったねぇ」

権現坂「…だが俺達に悔いはない」

徳松「…」スッ

取り巻き「ま、待ってくれ徳松さん…こ、コイツはあんたに笑顔を取り戻した…だ、だから…デッキくらいは勘弁…」

徳松「退きな」ギロッ

取り巻き「っ…」

沢渡「あー…くっそ…負けちまったな…」

徳松「…何言ってやがる、おめぇなら勝てたはずだ」

沢渡「何言ってんだよ…トラップもモンスター効果も防がれたどうしようもないだろ」

徳松「ふっ…五光を召喚する前におめぇならライトスターの効果で攻撃力を上げて雨四光を破壊できたろうし手札だって温存してるカードがまだあるだろうに」

沢渡「負けて恥じらず…勝って驕らず…だろ?」

徳松「!」

沢渡「俺は今回の負けで恥ずかしいなんざ思っちゃいねぇ…むしろその逆だ清々しいくらいだ」

徳松「デッキを取られるとしてもか?」

沢渡「おう」

徳松「くっ…あっはっはっ!!俺の負けだシンゴ!!」

沢渡「!?」

徳松「おめぇほどの器を持った野郎は今まであった事ねぇや…くくく…」

沢渡「おっさん…?」

徳松「止めだ、止め…今日限りで秋雨の長次郎は終いだ…おめぇら!!」

取り巻き「は、はい!!」

徳松「ちょいと、この牢獄…荒らしちまおうぜ」ニコ

取り巻き「はい!!!」

権現坂「!!!」

デニス「デュエルには負けちゃったけど…万事オッケー…かな?」

沢渡「よっしゃあ!!みんな!!さっさとここから出ちまおうぜ!!そんで徳松のおっさんが言ってた不条理をとっぱらちまおう!!」

シンジ「は!賛成だぜ沢渡シンゴ!!野郎共!!脱獄だぁ!!!」

うぉぉぉ…




続く

次回もあるよ!!


5ヶ月ぶりの更新…遅すぎ!!ですね

同時進行無理でした…というか花札衛が難しすぎて進行が疎かに…

ですが頑張りますよ!!こっちもReRも!!
シンクロ次元も一気に進めていきたいと思っておりますので!のんびりと待てる方がいらっしゃいましたら最後まで付き合ってください!!何でもしますから!!










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ター坊
アニメ本家とはまた違う展開が面白いんですよ。ユリ×ソラのやり取りやシンゴVS長次郎のifバトルも見応え充分でした。 (2017-09-18 21:47)
カズ
久々のifストーリー、すげえ面白い...!
今回は沢渡さん大活躍でしたね。魔界劇団を惜しみなくぶん回し、デュエルを通じて徳松さんの心を動かす姿は格好良かったです。
ん?今、何でもするって言いました?!
(2017-09-19 16:15)
こんにゃく
コメントありがとうございます!!
やはりコメントがあるとモチベーションが上がりますな!!
ター坊様。アニメ本家とは違った展開…大筋は同じにかなり大胆に変えるのは少し難しいですが楽しんでもらえて嬉しいです!
カズ様。久々の投稿となってしまいすみません、アニメだとあまり沢渡さんに良いところがなかったので花を持たせつつ徳松さんの復帰、というのをアニメ見た頃からやって見たかったのです。
あと、なんでもするとは言ってない(矛盾) (2017-09-20 10:26)

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