37.桃色の夕立　其の壹　作：くちなし

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「アンタも、、持ってるのか、、！」

まくった腕に描かれた円に十字架の刻印。

「あなたのも、、見せてくれませんか、、」
「あ、ああ、、」

左腕をまくって見せてやる。この刻印的なもの。なんなんだ。一体。
香織は見せた時、腕を取ってはじーっと眺めている。

「三日月型、、」
「あまり見せたいものではないんだが」
「あ、ごめんなさいね、、」

慌てて後ろへ後退る。
沈黙。おい、お前。体が小刻みに震えてるぞー。大丈夫かー？

「のこりの、、のこりの3体はしってますか、、？」

残り、、？3体？まだ3体もいるのか！
ということは、この刻印を持つ誰かもあと3人いるってことか、、！？

「、、ほかに竜をもっているひとをしってますか？」
「、、知らん」
「これは？」
「刻印、、3人、、だけなら」
「3人、、」
「ああ、3人だ」
「そうですか、、それ、、どうですか？」

どう、と聞かれると？感想を述べればいいのか？ん？

「最初はびっくりしたな。痛いわ光るわ、迷惑もんだよ」
「、、」
「、、」
「、、帰りましょう？」

ーーー

「わたしはここの鍵を閉めて職員室へよるので、さきにかえっていてください」

彼女からそう言われたので、その通りに昇降口に向かう。
廊下からの夕焼けが眩しい。

「おまたせしましたぁ～」

戻ってきた。ここ(昇降口)から職員室まで結構距離あるぞ。
端っこ端っこだし。

「お、おう、、」

一緒にかえるつもりなのか？ん？

「かえりましょう？」

とりあえず承諾しておく。

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、、どうやら、同じ駅で降りるらしい。
電車内も終始無言。そして、駅からの帰り道である。

「その服、、巫女服、、」
「これですか？、、正装ですよ。わたしは巫女でもあるので、、」

へぇ、巫女さん兼学生か。途中で転びやしないか心配だよ。

「、、入部、ありがとうございます」
「あ、ああ。。」

何をするか、顧問一切不明の部活。
余談だが、文芸部には顧問がいない。活動報告や予算案を自分達で処理しなければならない。

「、、」

ザーー、、、雨が降ってきた。

「きて！」

先に走り出す香織。後に続く悠里。

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「ここのぼって」
「んあぁ！！？」

数分間、走ってどこに行くかと思いきや、斜め45°位に続く階段。
その周りには竹林が立ち並んでいて、風に揺られて音を立てている。

「ちょ、、っ！」

少しぼうっとしていると、香織が階段を上っていた。

ーーー

「はぁ、、はぁ、、」

何段の階段を駆け上がったのだろう。ざっと100段弱はあっただろう。

「ここ、、わたしの、、神社、、」
「、、」

わりと広い。整備もしっかり整っている。

「なか、、はいって」

お言葉に甘えて。靴を脱いで、中に入る。

「ぬれちゃった、、」
「これ、、着替えれば？」

カバンの中から私服を出して差し出す。

「ありがとう、、じゃあ、きがえるから、こっち、、見ないでくださいね、、！」

狭い一室。真後ろで着替えるのか！？

「ほんとにみないでよ、、！」

ハイハイ。

「、、」

なんかガサガサするなぁ、、

「、、！？(あ、あ、ああ、あれは。。。)」
「早くてよな」
「い、、いやぁぁぁ！！！」
「な！？」

後ろを振り向こうとすると、いきなり何かが当たって、後ろへ倒される。
いたい、、！なんなんだってんだ、もう、、！

「、、？、、！」

口が開かない。いや、正確には何かで塞がっている。、、というのがただしいな。

、、目を開けてみる。
暗いな、、いや、暗いのはもとからか。

「、、！？」

数秒経ってにボクの脳内環境が正常に戻った、、
だがしかし、この現状を理解するには少しばかり時間がかかったことを前もってこれを
見ている皆の衆に伝えておこう。

「、、！？(え、、？嘘、、、)」
「、、、(んな、、！？)」


今。この瞬間、ボクは、着替え途中の、つまりは、素っ裸になっている彼女の唇で、
唇を、、塞がれているのである！

「、、！(ええええ！！！)」
「、、、(は、恥ずかしい、、！)」