第08話　闇医者　作：風鼠

英一郎（はなぶさ　いちろう）　22歳
数多くの難関手術をこなしたり、新しい術式を開発し、数多の患者の命を救う世界トップクラスの腕を持つフリーの天才外科医。
だが、実際は政府直属の仕事人の一人であり、主に医療界を担当し、殺 人と同時に医療界の闇を解決する重要な。

遊樹「殺 人鬼と呼ぶな。俺は仕事でやってるだけだ」

英「私もだよ。私も『上』からの･･･ね」

遊樹「･･･また、増えたな。『アルバム』」

英「あぁ･･･。2冊ほどね。これはいい薬だ。何時見直しても、どんな薬よりも深い絶望をくれる」

彼は、自身の手術によって死んだ子供たちの写真をアルバムにしている。

英「ところで、今日は僕に何用かな？君から話にくるんだから、よほどの緊急事態、ということだね。」

遊樹「まぁ･･･な。」

遊樹は英に、バットの話、異世界の話をする。

遊樹「･･･どう思う？」

英「ふむ…まさか、君がオカルトに興味があるとはね。」

遊樹「(･･･やはり、その反応だよな)」

英「で、証拠はあるのかい？」

遊樹「バット。」

バット『はい、遊樹殿。』

英「･･･！ほう、さっきの話に出てきたしゃべる蝙蝠、バットだね」

遊樹「あぁ。」

バット『英殿。はじめまして、バットと申します。』

英「･･･本当の、ことみたいだね。･･･なるほど。･･･で、君の本題はなんだい？殺 人鬼君？」

映像越しにバットが現れ、英は一瞬動揺したものの、すぐに冷静さを取り戻す

遊樹「･･･異世界へのメンバーに加わってほしい。」

英「･･･却下だ。異世界の冒険は興味はあるが、君と違い、僕は『普段』の仕事も忙しいんだ。付き合える時間はないよ。」

遊樹「それは、問題ない。病院にも政府にも十分な『有給』はもらってるからな。」

英「･･･手が早いこと。仕方ないな。だが、ひとつ、条件がある。遊華君を死なない程度に実験しても、かまわないかね？」

遊樹は1ヶ月以上の休暇許可証を英に見せつける

遊樹「･･･しかたねえな。それで手を打とう。」

英「交渉成立だね。よろしく。」

遊樹家

狼一「たくよぉ･･･散々尋問しやがったくせに、電話がきたらあっけなく解放しやがって･･･」

龍次郎「容疑が晴れただけいいじゃないですか」

虎三郎「でも、どこからの電話だったんですかね。」

遊華「カツ丼おいしかったぁ～♪」

容疑が晴れ、4人は遊樹の家に集い、警察の拘束から解放された4人は、ソファーによこになるなど、各々くつろぎはじめる

遊樹「いま、帰ったぞ」

遊華「あ、遊樹～♪おなかすいたー！ごはん、ごはんつくって～♪」

狼一「おい、さっきまで署で10杯以上カツ丼食ってただろ」

虎三郎「ん？」

英「や、お邪魔するよ」

遊樹が英をつれ、家に帰宅すると、遊華は腹の虫の音を鳴らしながら遊樹の元へと駆け寄る

狼一「誰だ、そいつは？」

遊樹「あぁ、こいつは腕の立つ医者でな。この馬鹿女の悪運を研究したいんだとよ」

英「しばらく同行させてもらう英一郎だよ。よろしく」

遊華「よろしく～♪なにかお菓子もってる？」

英「もっているよ。このクッキーをあげよう」

遊華「わ～い♪ありがと～♪」

英がカバンから意味ありげに悲しそうな表情を浮かべる髑髏マークが描かれたクッキーを遊華に渡すと、遊華は何事も無くおいしそうに食

べ始める

英「何事もないかい？」

遊華「ううん？なにもないよ～♪しいていうなら、おいしくて興奮してるくらい♪」

英「フフフ･･･それはよかった(即効性の猛毒クッキーだったんだけどね)」

遊樹「(たく、さっそく実験しやがって･･･)･･･で、今日は何かあったか？」

狼一「お、おう。トラックがつっこんできたり、強盗で人質になったり･･･がでかい事件か」

遊樹「･･･わかった。許可証の内容を良くしておこう」

虎三郎、龍次郎「よっしゃぁああ！」

狼一から今日一日を通しての遊華のトラブルを聞き遊樹は、携帯用のPCで政府へと許可証発行の申請を行い始める

遊華「ねぇねぇ、英はデュエルつよいの？」

英「どうかな？プロ資格をとる程度にはあるけど、それイコール強いってきまってるわけじゃないからね」

遊華「え！英、プロデュエリストなの!?」

英「うん。『仕事』上必要な時があってね･･･ふふふ」

遊華「すっご～い♪ねぇねぇ、私とデュエルしようよ♪」

英「僕はいいよ。やろうか」

遊華は英がプロということを聞き、目を輝かせデュエルを申し込む

狼一「プロのデュエルか･･･参考になるな」

龍次郎「えぇ。」

遊樹「･･･いや、今回は狼一たち3人と3対1のデュエルをね」

虎三郎「な、何で俺達が！」

狼一「いや、いい機会だ。見るより実践のほうが学べるからな」

龍次郎「それに3対1なら余裕の圧勝だな！」

英「(これは僕に対しての試験ということだね)」

狼一たち3人は薄ら笑いを浮かべ、英の対面に立ちデュエルディスクを構える

遊樹「狼一たちのルールはLPは8000、墓地、フィールドは共有、そしてターンが1週するまで、ドローフェイズのドローとバトルフェイズ

は行えない。ターンの順番は虎三郎、龍次郎、狼一、英でいいな？」

狼一「おう！」

英「僕も異論は無いよ。」

遊樹が設定したルールに4人は承諾する。

遊華「じゃあ･･･れっつ！」

4人「デュエル！」

4人は遊華の掛け声の後に続けて、デュエル開始の掛け声を叫ぶ