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第2話 欲と剣と白い十字架 作:イベリコ豚丼
遡ること9年前。
遊午の住む地域では毎月第3日曜日に古紙の回収があり、その日は各家の前に大量の古新聞や古雑誌が積まれる。
当時まだ7歳だった遊午は、4軒隣の大学生が捨てる週刊少年誌を回収される前に拾って読むのが楽しみで、毎月欠かさず通っていた。
ある日いつものように週刊少年誌を手に入れた後、ふと横を見ると、黒いビニール袋に包まれた雑誌の束が目に入った。
中身の見えないそのビニール袋はなんだか宝箱のようで幼い好奇心を掻き立て、一体何が入っているのかとドキドキしながら結び目を解いたのをまだ覚えている。
そうして中身を確認した遊午は、次の瞬間————性に目覚めることとなった。
結論を言おう。
今、遊午にはその時を超える衝撃が走っている。
「なっ……、なっ……!?」
遊午はただただ言葉にならない声を絞り出すことしかできなかった。むしろこの場合、声を出せただけでも十分だというべきだろう。
いくら世界が不思議体験で溢れかえっているといっても、体から美少女を召喚したのは、恐らく彼ぐらいではないだろうか。
この美少女は、いったいどうやって体の中に入っていたのか。
そして、なぜ自分の中にいたのか。
わからないことが多すぎる。
多すぎるが、本当に遊午が驚いているのはそこではなかった。
美少女。美少女である。
もはや非実在と言われても信じてしまうほどの美少女である。
髪はツヤツヤでさらさら、肌は白くてぷにぷに、目は碧眼猫目でくりんくりんのちみっこい美少女である。
頭のてっぺんからつま先まで、純度100%の美少女である。
そろそろしつこいと思われるかもしれないが、もう一度言おう。
とんでもない美少女である。
「む? なんじゃ、なにをじろじろ見ておる」
驚くことに、柔らかそうな唇からこぼれる声までもが美少女だった。
透明な鈴を転がすようなその声は、ただでさえ可愛い美少女を、さらに20割増しで可愛く見せる。
遊午が声に興奮を覚える体質故に贔屓目に見ている(聞いている)から、とかそういうことでは断じてない。
もちろん、遊午だってもともと女の子の声は好きだし、出来ればずっと聞いていたいと思っている。
しかし、今まで声よりも身体のほうに興味があったことは確かだ。それも、数値にして1オッパイと200オッパイくらいの大差で。
そんな遊午でも、その声だけでいくらでも白飯が食えると思ってしまうほどの可憐な声である。
ヤバい。美少女マジでヤバい。
「おい聞いておるのか?」
「か……」
「か?」
「可愛いぃ————っ!!」
「ひぃっ!?」
ボルテージが最高潮に達した遊午は、周りの目も気にせず奇声を上げた。
突然の奇行に、銀髪の美少女は顔を引きつらせながら自分の肩を抱いてしまっているが、その程度では今の遊午を鎮めることはできない。
むしろ、こんな可愛い娘の顔を自分が引きつらせたという背徳感に、さらに興奮度を増す始末だ。
さっきまでの無力感など、もはやどこ吹く風である。
(全国のロリ好きの皆さんごめんなさい。俺は今までロリっ娘の可愛さを完全にあなどっていました。もう随分と使い古された言葉ですが、改めて言わせていただきます。まったく、小さい女の子は最高だぜ! ぐひひひひ)
ぐひひひひ、とか笑った。主人公なのに。
「な、なんじゃこの気色の悪い面構えは……。いくら緊急事態じゃったとはいえ、此奴を頼ったのは間違いじゃったのかのぅ……?」
「……はっ! いやいやいや! 大丈夫! 大丈夫だよ! こと女の子のことにおいて俺ほど頼りになる男はいないさ!」
目の前の美少女が、もはや脇目も振らずに逃げだしてしまいかねない勢いでドン引きしているのを見て、さすがの遊午も少しだけ正気を取り戻す。
こういうときは女の子を不安にさせないことが大切だ、という話をどこかで聞いたことがあったので、遊午はひとまず自己アピールをしておくことにした。
「なんてったって俺は、女子の人気投票(遊午調べ)で『都合のいい男』ランキング3年連続1位に輝いた男だからね!」
「お主それ、利用されておるだけではないか?」
逆効果だった。
正気は取り戻しても常識は吹っ飛んだままだった。
「え、そうなの? てっきり『彼氏にするのに都合のいい男』ランキングかと思ってたんだけど」
「ポジティブにも程があるじゃろ!」
「だって『頼りにしてるよ』とか言われたら勘違いするじゃん! あれ? 都合のいいってもしかしてそういうこと? とか思っちゃうじゃん!」
「そこまでいくとポジティブというよりただの阿呆じゃな……」
こんなことでは、銀髪の美少女にいいところを見せられない。
遊午は記憶をひっくり返して他のアピールポイントを探す。
「1回も学校休んだことないぜ!」
「子供か」
「バク宙とか出来るよ?」
「それが今なんの役に立つ?」
「家が駅から徒歩5分だ!」
「もはやそれ、お主の長所ではないじゃろ」
あっけなく全滅である。
遊午が女の子を安心させるなど、彼がいきなり同性愛に目覚めるぐらいしないと無理な話だった。
こうなったらもう脱ぐしかない。遊午がそう決心したとき、今まで一言も発さなかった墨田が、唐突に口を開いた。
「まさかそんなことまで出来るとは驚きでしたよ、R」
「おいぃぃ! 今俺が銀髪ちゃんと喋ってんだろうが! 邪魔すんじゃねぇよこのオールバック野郎! 大体お前ワックスガッチガチ過ぎんだよ! なんだそれ! ヘルメットか! 工事でもすんのかおぉん!?」
「お主もう黙っておれ。話が進まん」
銀髪の美少女が右手で小さなおでこを押さえて、ため息をつく。その何気ない仕草にさえ、上品な美しさが滲み出る。
「そのイヤリング、貴様CHESSの人間じゃな?」
「御名答。でしたらおのずと私の目的もお分かりでしょう?」
「ふん。あの黒男ならまだしも、それ以外の輩ごときに敗れる妾ではないわ」
「それはどうでしょうね。今のままでは勝敗は決したも同然のようですが」
「たわけ。妾にはまだ逆転の策が残っておる」
(……えーと、なんの話だ? )
遊午の頭上で疑問符が飛び回る。
一人だけおいてけぼりを食らっている感に、なんだか身体がムズムズする。
自分の知らないところで重要な何かを決められても困るので、遊午はおずおずと銀髪の美少女に伺いを立てた。俺と銀髪ちゃんが一生添い遂げるとかそういう話だったら大歓迎なんだけどなぁ、などと可哀想な思春期の妄想を思い浮かべながら。
「あのー……」
「お主は黙っておれと言うたじゃろうが」
「わぉ辛辣! 新しい性癖に目覚めちゃいそうだぜ! ってそうじゃなくて。その、話が全然見えてこないんだけど」
「む。……まぁそうか。お主にも関係のある話じゃしな。説明しておいてやろう」
「そうしてもらえるとありがたいです」
「簡単に言うとじゃな」
「うん」
「このデュエルに負ければ妾は消える」
「うん!?」
それは困る! そんなことになったらせっかく立てた『俺と銀髪ちゃんのドキドキメモリアル〜秘密の365日〜』大作戦が全部おじゃんになっちゃうじゃないか! ボディータッチどころかまだパンツも覗いてないんだぞ! と、遊午は救いようのない頭を抱えた。もう捕まればいいのに。
「そしてお主は今度こそ本当に死ぬ」
(いかん。一刻も早くこの眼鏡を排除しないと。そもそも、こいつさえいなけりゃ俺と銀髪ちゃんの出会いはもっとロマンあふれる展開なってたはずなんだ。朝起きたら何故か隣に美少女が寝ててドキッ!? ついでにはずみで手のひらサイズの胸を揉みしだいてその感触を十二分に味わい尽くす、みたいな感じに。よし、こうなったらバールだ。皆の者、バールを持て。もうこいつを物理的に排除してあらためて出会いのシーンから————はい?」
懲りもせず妄想世界にトリップしていた遊午は、予想だにしていなかった台詞に、一気に現実に引き戻された。
「え、えーっと、あれぇ? おかしいな。今もしかしたら『死ぬ』って言った? 俺の聞き間違いかな? 聞き間違いだよね。聞き間違いだと言って!」
「必死か。聞き間違いなわけなかろう。死ぬんじゃよお主は。このデュエルに負ければな」
「はぁぁぁぁっ!?」
あまりの衝撃に、遊午の頭から『俺と銀髪ちゃんのドキド(以下略)』大作戦が消し飛ぶ。
「いやっ、ちょっ、そんっ、えぇぇっ!?」
「なんじゃ騒がしいのう」
「いやいやいや! いくらなんでも展開がかっとビング過ぎるぜ! 本当に死ぬってどういうこと!? 今の俺って、死んだと思ったらなんか奇跡的に生きてたぜわぁいラッキー、的な状態じゃなかったの!?」
「あー、そのあたりを説明すると長くなるのでな。今は省く」
まったくもって省いていい内容じゃないと思うんだけど……、というツッコミは、今のところ銀髪の美少女に聞き入れてはもらえなさそうだ。
あぁでも、と遊午は気付く。
そういうことなら、確かに突然の心臓の痛みにも説明が付く。付いてしまう。
銀髪の美少女登場の衝撃ですっかり気にならなくなっていたが、心臓の痛みは、あの−Noというモンスターからダメージを受ける度に悪化していった。
それは本当の意味でライフ0へと近付いている証拠だったのだろう。
よく見ると、銀髪の美少女の姿も、遊午のライフに比例して、心なしか薄くなっている。負けると消えるというのもどうやら本当らしい。
「そういうわけでこのデュエルには必ず勝たねばならん。さもなければ、その説明をする時間すら失われるぞ」
「あ……うん。勝つ、か……」
言われて、遊午はあらためて戦況を俯瞰する。
遊午のライフは残り1350ポイントで、手札は4枚。ただし、フィールドはがら空き。
対する墨田は、残りライフ1650ポイント、手札は同じく4枚。魔法・罠ゾーンに伏せカードが1枚。
そしてモンスターゾーンには、たった1体で遊午を追い詰めた規格外、−No.12 トラジック・エレジー。
あのモンスターをどうにもできない現状、もう遊午に勝ち目はない。
もしここで思い通りのカードを引けたとしても、それは変わらない。そもそも、彼のデッキには、この状況を打開できるカードが入っていないのだ。
作戦うんぬんの前に武器が無い。
完全に詰みである。
「安心せい。武器なら授けた。あとはお主が気付くかどうかじゃ」
「え……?」
そんな遊午の心を悟ったかのように、銀髪の美少女は告げた。
「授けたって、どんな?」
「あれじゃよあれ」
銀髪の美少女は右手の人差し指をピンと立て、目の前の巨大なモンスターを指差す。
「−Noじゃ」
「−No? 」
あれと同じカードを遊午も持っているということだろうか?
「正確にはトラジック・エレジーと同じ種類のカードを、じゃがな。妾の中に残っておった最後の−Noじゃ。大切にするんじゃぞ?」
「…………。」
両膝をついた姿勢の遊午は、もう一度機械仕掛けの天使を見上げた。
その鋼鉄の身体は−No以外のモンスターで破壊できないばかりか、ダメージを力に変え、なおも硬度を増す。
初めは0だった攻撃力も、今では3250まで膨れ上がっている。さらにターンが進めば、もはやどんなモンスターでも手が付けられなくなるだろう。
たった1体で勝負を決した————勝負の意味さえ奪い去った、文字通りの化物《モンスター》。
視線を下げ、今度は自分自身を見つめる。
そんなカードが自分の手の内にあるという。
遊午はいつの間にか口の中に溜まっていた唾液を吞み下した。一度は静かになった心臓が再び早鐘を打ち始める。
その根源にあるのが興奮なのか、それとも恐怖なのかはわからない。
「……よしわかった。じゃあその−Noの出し方を教えてよ」
「さぁの。妾にはわからん。知っておるのはお主だけじゃ」
「……どゆこと?」
「−Noは欲望の象徴。他の全てを切り捨ててでもただ1つを欲する、そういう心を糧にして、−Noは姿を現わす。故に、百の人間がいれば百の欲望があるように、どうやって発現するか、そしてどんなカードを発現するかは、全て其奴次第なのじゃよ。——逆に言えば、己が魂が真に求めるものも理解できんような者に、−Noを手にする資格は無い」
銀髪の美少女は静かに、しかしはっきりと言い切った。
(俺の魂が求めるもの……)
心の中で遊午は自問する。
数ある欲望の中で、白神 遊午という人間は何を欲しているのか。
順当に考えるなら異性関係、つまりは性への欲求だろう。
食費を削ってエロ雑誌を買えば、名誉を捨ててハラスメントを働く。睡眠を賭して風呂を覗き、身銭を切って女性に貢ぐ。
遊午には、今まで欲求の赴くままに行動してきた自負がある。
だがしかし、ならば−Noはとうに発現しているはずではないか?
いったいいつからそのカードを手にしていたのかは知らないが、なんならこのデュエルの最中にだって、何度も勝利より性への欲求を満たすことを優先している。
例えば、銀髪の美少女が現れたとき。
あのとき遊午は自己防衛や勝利よりも、いかに目の前の美少女とお近付きになるかを考えていた。
それでも、−Noはその片鱗すら見せることはなかったのだ。
(くそっ……! じゃあ一体なんだってんだよ……!)
見当もつかない問いに遊午は当惑するしかなかった。
「成る程、逆転の策とはそういうことでしたか。ですがそう簡単にいくでしょうかね。全ての人間が−No発現の可能性を有しているとはいえ、まだ成人もしていない白神少年には難しいのではありませんか?」
視界の端で俯く遊午を捉えながら、墨田は銀髪美少女に話を振った。
「たとえ無理難題であろうとも、此奴には突破してもらわねばならん。妾もこんなところであっさりと消えるつもりはないのでな」
「ふむ……。まぁ安心してください。もしこのまま白神少年が−Noを発現出来なかったとしても、貴女が消えることはありませんから」
「…………なんじゃと?」
言葉の真意を探るように、銀髪の美少女は軽く眉をひそめる。
「私が本当に貴女を消すつもりだとお思いで?」
「貴様一体何を言って……!?」
「私はね、正直−Noなんてどうでもいいんです」
月明かりを反射して、墨田の眼鏡がギラリと輝く。
「私が本当に興味があるのは貴女なんですよ、R。上層部の人間は貴女から全ての−Noを回収して消し去ることを目的としているようですけれど、一人の研究者である私からすればそんなにも勿体無いことはない。体内でカードを生成する生命体。こんなにも不可思議な研究素材が今までありましたでしょうか! 私の人生を全て捧げてもいい。私は貴女が欲しい! 身体中余すことなくメスを入れ! ありとあらゆる薬剤を投与し! あまねく全ての装置にかけて貴女を調べ上げたい! ————それが私と、そしてトラジック・エレジーの欲望です」
恍惚という言葉を具現化したようなその表情は、飼い猫が鼠を見付けたときに似ていた。
食べるために殺すのではなく、ただ好奇心や優越感を満たすためだけに命を蹂躙する。そんな表情に。
「なっ……! 他の仲間が見えんと思ったら、最初からそのつもりで……!」
「えぇ。貴女を消さずにカードを抜き取る方法が見つかるまでは、時間を稼がねばなりませんからね」
「そ、そんなことっ」
「そんなこと? 素晴らしいことじゃあないですか」
口角がいやらしく持ち上がり、真っ黒な瞳の奥で欲望の炎が泳ぐ。
「私の研究の成果は必ずや世界にとって正しいものになるに相違ありません。無機物を自由に生み出す有機物などという夢のような存在があれば! 科学! 医療! 工業! この世のありとあらゆる分野がさらなる高みへと躍進する! そうなれば、誰もが私を褒め称えるでしょう。天才だ、偉大だ、と。あぁ、世界が私を求める姿が眼に浮かぶ! 私の頭脳を! 私の正しさを!!」
「ひっ……!」
飛び散る唾など歯牙にも掛けず吠え続ける墨田に、銀髪の美少女の身体が強張る。それでも気丈に振る舞おうと、ふるえる唇をきつく噛みしめ前を向くが、その瞳はわずかに潤み、
「さぁR。人類の発展のため、世の繁栄のため、絶対なる正しさのために、細胞一つ残らず私に差し出しなさい。貴女を糧にして、我々は輝かしい未来を————」
「馬鹿かテメェは」
芯の通った低音が墨田の口を遮った。
「……なにか言いましたか?」
半開きだった口を閉じ、墨田は不機嫌そうに声のした方向を見やった。そこには、前髪で目元に陰を落とした白神 遊午がいて。
「馬鹿かっつったんだよ大馬鹿野郎」
遊午が片膝をついた状態からもう片方の膝に右手を乗せ、ゆっくりと体を起こし始める。空いた左手は自分の爪で手の平を貫きかねないほどに、固く、強く、握られている。
「黙って聞いてりゃくっだらねぇ御託をごちゃごちゃ並べやがって。世界のため? 人類のため? だから正しい? はっ」
笑わせんな、と激情が吐き捨てられる。そこでようやっと、墨田は遊午と目があった。瞋恚に満ちた目と。
「銀髪ちゃんが犠牲になることを前提にしてる時点で、もう間違ってんだよンなもんは! たとえ何万人が救われようが、どんだけの命が助かろうが、たった一人でも女の子が笑えない未来に、正しさなんざこれっぽっちもあるわけねぇだろうが!」
荒々しく言葉が紡がれる。一歩前へと踏み出し、銀髪の美少女の庇うように立った遊午は、眼前の男を睥睨する。その姿は理不尽に立ち向かう勇者のようで。
「学生風情に私の研究のなにがわかると……!」
「わからねぇし、わかりたくもねぇ」
さらにもう一歩、今度は不条理を打ち砕く英雄がごとく。
「他人の涙を無視して、まだテメェの欲を押し通そうっていうなら、歯ァ喰いしばれ」
「————!」
射殺すほどの眼差しに、墨田の身体が無意識のうちにビクリと震えた。その鋭さは、彼の自慢の頭脳を押しのけて本能が警鐘を鳴らすには十分だった。
だが、もう遅い。
遊午の怒りはとうに臨界点を振り切っている。
「————こっからは俺のターンだ!!」
胸の前に構えられたデュエルディスクから、1枚のカードが光の弧を描いて引き抜かれる。その表側を視認することなく、遊午はカードをモンスターゾーンに叩きつけた。
それは、ともすれば一発反則負け《ジャッジ・キル》になりかねない危険極まる行為であったが、遊午には絶対の確信があった。
それが求めるカードだという確信が。
ここで引くべきカードだという確信が。
「ワンコイン・キャッチャーを攻撃表示で召喚!」
『キュィン!』
ワンコイン・キャッチャー ☆4 ATK 1500
UFOキャッチャーのアームのようなモンスターが、頭に付けたプロペラでフラフラと飛ぶ。
「ワンコイン・キャッチャーの効果により、手札を1枚捨てることで、墓地からレベル4以下のモンスターを特殊召喚できる! 戻ってこい、ジャイロスラッシャー!」
ワンコイン・キャッチャーの底部が開き、1本のロボットアームが降りてくる。ロボットアームはそのままスルスルと地面に空いた黒い渦に呑まれてゆき、次に引き上げられたときには赤い防具に身を包んだ剣士を掴んでいた。
ジャイロスラッシャー ☆4 ATK 1700
ドクン、と遊午を中心として空気が波打つ。
それは不思議な空間だった。
固まった風。
動かない雲。
傾いたままの葦。
驚愕と恐れで歪んだ墨田の口元はそのままピクリとも動かず、後ろに反った背骨は明らかに無理な体勢を固定する。
横を見れば、銀髪の美少女がすがるような瞳でこちらを見つめている。だが、ただそれだけだ。半開きの唇から言葉が漏れることもなければ、かといって瞼が閉じられることもない。
ただ一人、遊午だけを除いて、世界が停止していた。
いや、遊午以外にもう1つだけ動いているものがあった。
長方形の光源。
遊午の目の前に浮くそれは、わずかに灰色に染まった世界の中で、そこだけ切り取られたかのように白かった。
まるで、自分の全てを映し出す鏡のごとく。
『汝、何を欲するか』
白無垢の鏡が声を発する。
男の声のようで女の声でもあり。天使の声のようで、悪魔の声でもあり。人間の声のようで、機械の声でもある。
そんな、音としかいいようのない声。
「俺は…………俺の本当の欲望は————」
————、————。
『承知した。ならば力を貸そう』
世界が再び時を刻む。
「レベル4、ワンコイン・キャッチャーとジャイロスラッシャーでオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚!」
一筋の彗星が銀河の渦に突き刺さり、眩い光が爆発する。
「————現れろ、−No.39! 純然たる輝きで、全てを包む気高き白翼! 天騎士ウィングリッター!!」
光の洪水を掻き分け現れたのは、一振りの西洋剣だった。穢れを知らぬ精白の刀身からは、金色の鍔を境に、同じく金色の柄が1対伸びている。刹那、柄から刃先まで縦横無尽に閃光が走り、刃が砕け散る。雪のごとく踊る光の粒は、数え切れないほどの羽根となって空を舞う。白く、白く、白く、白い羽根。漂う羽根は絹糸を絡み合わせるように収束すると、やがて白銀の甲冑へと姿を変えた。鎧の手掌が、鞘を失い宙に浮く2本の剣をしっかりと握る。右手には銀の大剣を。左手には雷の長剣を。背には清麗なる比翼を。
武骨な鎧さえも聖衣に変えてしまうその姿は、さながら神話に登場する聖女をようであった。
『セァァァッ!』
−No.39 天騎士ウィングリッター ★4 ATK 2500 ORU 2
「なんと美しいモンスターじゃ……」
無意識のうちに、銀髪の美少女が嘆息を漏らす。
そこにいるだけで見る者の心を洗う、純潔の騎士。時折翼からこぼれる羽根が光の粒に戻ってゆく光景は、儚さなど微塵も感じさせず、ただただ感嘆だけを生む。
敵である墨田でさえ、その美しさに見惚れてしまっていた。
「惚けてんなよ。まだ俺のターンは終わってねぇぞ」
遊午の言葉が、はっ、と墨田の顔に意識を引き戻す。
「ウィングリッターがエクシーズ召喚されたことで、効果発動。俺のライフを800ポイント回復する。 『サモンズ・ホーリー』!」
YUGO 2150
———VS———
SUMIDA 1650
「同時に、ウィングリッターのオーバレイ・ユニットを1つ使い、もう1つの効果も発動! 回復したライフポイントと同じ800が、ウィングリッターの攻撃力に加えられる!」
「なにっ!?」
『ハァッ!』
−No.39 天騎士ウィングリッター ★4 ATK 3300 ORU 1
「チェックメイトだ。行け、ウィングリッター!」
ウィングリッターは交差した二刀を頭の後ろまで振りかぶり、その勢いを殺すことなくトラジック・エレジーの遥か上へと飛躍する。
「ッァがあああ! ちょっと攻撃力を上回ったぐらいで調子コイてんじゃねぇぞ糞ガキィッ! 罠カード! フォレスト・ファイアァァッ!」
フォレスト・ファイア 通常罠
「このバトルの終了後モンスターを全て破壊し、攻撃力を合計した数値分のダメージを相手に与える! 貴様ごときに崇高な研究の邪魔をさせるかボケェッ! 既に攻撃は確定された! 貴様の負けだァァァっ!!」
語調から丁寧さなどかなぐり捨てて、墨田が絶叫する。怒りで焦点のあわない瞳で生意気な餓鬼をねめつけ、絶望に染まっているであろう顔面を覗き込む。
だが、
「チェックメイトつったろうが」
「!!?」
真っ直ぐ睨み返す遊午の眼には、まだ明々と焰が燃えていた。
「速攻魔法発動! テイル・ウィンド・グローリー!」
テイル・ウィンド・グローリー 速攻魔法
「ウィングリッターの攻撃力を、もう一度同じ数値だけアップさせる!」
−No.39 天騎士ウィングリッター ★4 ATK 4100 ORU 1
「そしてこのターン、ウィングリッターの戦闘で発生するダメージは————2倍だ!」
吹き抜ける風が光の粒を巻き上げ、新たに1対の翼を広げる。
夜の闇に、白い十字架が描かれた。
「覚悟はいいか、大馬鹿野郎」
「あ、ああ、ああああ……!」
地の底から響くような声に、墨田の中でなにかがボキリとへし折れる音がする。それがそのまま決着の合図となった。
「『クロスウィング————ッッ』!!!」
『ゼァァァァッ!!!』
−No.39 天騎士ウィングリッター ATK 4100 vs −No.12 トラジック・エレジー ATK 3250
「ぎゃぁぁぁぁァァァァッ!!」
YUGO 450
———VS———
SUMIDA 0
深夜の河川敷に、簡素な電子音が轟いた。
◎−No.39 天騎士ウィングリッター
◎−No.12 トラジック・エレジー
————回収完了。残り98枚。
遊午の住む地域では毎月第3日曜日に古紙の回収があり、その日は各家の前に大量の古新聞や古雑誌が積まれる。
当時まだ7歳だった遊午は、4軒隣の大学生が捨てる週刊少年誌を回収される前に拾って読むのが楽しみで、毎月欠かさず通っていた。
ある日いつものように週刊少年誌を手に入れた後、ふと横を見ると、黒いビニール袋に包まれた雑誌の束が目に入った。
中身の見えないそのビニール袋はなんだか宝箱のようで幼い好奇心を掻き立て、一体何が入っているのかとドキドキしながら結び目を解いたのをまだ覚えている。
そうして中身を確認した遊午は、次の瞬間————性に目覚めることとなった。
結論を言おう。
今、遊午にはその時を超える衝撃が走っている。
「なっ……、なっ……!?」
遊午はただただ言葉にならない声を絞り出すことしかできなかった。むしろこの場合、声を出せただけでも十分だというべきだろう。
いくら世界が不思議体験で溢れかえっているといっても、体から美少女を召喚したのは、恐らく彼ぐらいではないだろうか。
この美少女は、いったいどうやって体の中に入っていたのか。
そして、なぜ自分の中にいたのか。
わからないことが多すぎる。
多すぎるが、本当に遊午が驚いているのはそこではなかった。
美少女。美少女である。
もはや非実在と言われても信じてしまうほどの美少女である。
髪はツヤツヤでさらさら、肌は白くてぷにぷに、目は碧眼猫目でくりんくりんのちみっこい美少女である。
頭のてっぺんからつま先まで、純度100%の美少女である。
そろそろしつこいと思われるかもしれないが、もう一度言おう。
とんでもない美少女である。
「む? なんじゃ、なにをじろじろ見ておる」
驚くことに、柔らかそうな唇からこぼれる声までもが美少女だった。
透明な鈴を転がすようなその声は、ただでさえ可愛い美少女を、さらに20割増しで可愛く見せる。
遊午が声に興奮を覚える体質故に贔屓目に見ている(聞いている)から、とかそういうことでは断じてない。
もちろん、遊午だってもともと女の子の声は好きだし、出来ればずっと聞いていたいと思っている。
しかし、今まで声よりも身体のほうに興味があったことは確かだ。それも、数値にして1オッパイと200オッパイくらいの大差で。
そんな遊午でも、その声だけでいくらでも白飯が食えると思ってしまうほどの可憐な声である。
ヤバい。美少女マジでヤバい。
「おい聞いておるのか?」
「か……」
「か?」
「可愛いぃ————っ!!」
「ひぃっ!?」
ボルテージが最高潮に達した遊午は、周りの目も気にせず奇声を上げた。
突然の奇行に、銀髪の美少女は顔を引きつらせながら自分の肩を抱いてしまっているが、その程度では今の遊午を鎮めることはできない。
むしろ、こんな可愛い娘の顔を自分が引きつらせたという背徳感に、さらに興奮度を増す始末だ。
さっきまでの無力感など、もはやどこ吹く風である。
(全国のロリ好きの皆さんごめんなさい。俺は今までロリっ娘の可愛さを完全にあなどっていました。もう随分と使い古された言葉ですが、改めて言わせていただきます。まったく、小さい女の子は最高だぜ! ぐひひひひ)
ぐひひひひ、とか笑った。主人公なのに。
「な、なんじゃこの気色の悪い面構えは……。いくら緊急事態じゃったとはいえ、此奴を頼ったのは間違いじゃったのかのぅ……?」
「……はっ! いやいやいや! 大丈夫! 大丈夫だよ! こと女の子のことにおいて俺ほど頼りになる男はいないさ!」
目の前の美少女が、もはや脇目も振らずに逃げだしてしまいかねない勢いでドン引きしているのを見て、さすがの遊午も少しだけ正気を取り戻す。
こういうときは女の子を不安にさせないことが大切だ、という話をどこかで聞いたことがあったので、遊午はひとまず自己アピールをしておくことにした。
「なんてったって俺は、女子の人気投票(遊午調べ)で『都合のいい男』ランキング3年連続1位に輝いた男だからね!」
「お主それ、利用されておるだけではないか?」
逆効果だった。
正気は取り戻しても常識は吹っ飛んだままだった。
「え、そうなの? てっきり『彼氏にするのに都合のいい男』ランキングかと思ってたんだけど」
「ポジティブにも程があるじゃろ!」
「だって『頼りにしてるよ』とか言われたら勘違いするじゃん! あれ? 都合のいいってもしかしてそういうこと? とか思っちゃうじゃん!」
「そこまでいくとポジティブというよりただの阿呆じゃな……」
こんなことでは、銀髪の美少女にいいところを見せられない。
遊午は記憶をひっくり返して他のアピールポイントを探す。
「1回も学校休んだことないぜ!」
「子供か」
「バク宙とか出来るよ?」
「それが今なんの役に立つ?」
「家が駅から徒歩5分だ!」
「もはやそれ、お主の長所ではないじゃろ」
あっけなく全滅である。
遊午が女の子を安心させるなど、彼がいきなり同性愛に目覚めるぐらいしないと無理な話だった。
こうなったらもう脱ぐしかない。遊午がそう決心したとき、今まで一言も発さなかった墨田が、唐突に口を開いた。
「まさかそんなことまで出来るとは驚きでしたよ、R」
「おいぃぃ! 今俺が銀髪ちゃんと喋ってんだろうが! 邪魔すんじゃねぇよこのオールバック野郎! 大体お前ワックスガッチガチ過ぎんだよ! なんだそれ! ヘルメットか! 工事でもすんのかおぉん!?」
「お主もう黙っておれ。話が進まん」
銀髪の美少女が右手で小さなおでこを押さえて、ため息をつく。その何気ない仕草にさえ、上品な美しさが滲み出る。
「そのイヤリング、貴様CHESSの人間じゃな?」
「御名答。でしたらおのずと私の目的もお分かりでしょう?」
「ふん。あの黒男ならまだしも、それ以外の輩ごときに敗れる妾ではないわ」
「それはどうでしょうね。今のままでは勝敗は決したも同然のようですが」
「たわけ。妾にはまだ逆転の策が残っておる」
(……えーと、なんの話だ? )
遊午の頭上で疑問符が飛び回る。
一人だけおいてけぼりを食らっている感に、なんだか身体がムズムズする。
自分の知らないところで重要な何かを決められても困るので、遊午はおずおずと銀髪の美少女に伺いを立てた。俺と銀髪ちゃんが一生添い遂げるとかそういう話だったら大歓迎なんだけどなぁ、などと可哀想な思春期の妄想を思い浮かべながら。
「あのー……」
「お主は黙っておれと言うたじゃろうが」
「わぉ辛辣! 新しい性癖に目覚めちゃいそうだぜ! ってそうじゃなくて。その、話が全然見えてこないんだけど」
「む。……まぁそうか。お主にも関係のある話じゃしな。説明しておいてやろう」
「そうしてもらえるとありがたいです」
「簡単に言うとじゃな」
「うん」
「このデュエルに負ければ妾は消える」
「うん!?」
それは困る! そんなことになったらせっかく立てた『俺と銀髪ちゃんのドキドキメモリアル〜秘密の365日〜』大作戦が全部おじゃんになっちゃうじゃないか! ボディータッチどころかまだパンツも覗いてないんだぞ! と、遊午は救いようのない頭を抱えた。もう捕まればいいのに。
「そしてお主は今度こそ本当に死ぬ」
(いかん。一刻も早くこの眼鏡を排除しないと。そもそも、こいつさえいなけりゃ俺と銀髪ちゃんの出会いはもっとロマンあふれる展開なってたはずなんだ。朝起きたら何故か隣に美少女が寝ててドキッ!? ついでにはずみで手のひらサイズの胸を揉みしだいてその感触を十二分に味わい尽くす、みたいな感じに。よし、こうなったらバールだ。皆の者、バールを持て。もうこいつを物理的に排除してあらためて出会いのシーンから————はい?」
懲りもせず妄想世界にトリップしていた遊午は、予想だにしていなかった台詞に、一気に現実に引き戻された。
「え、えーっと、あれぇ? おかしいな。今もしかしたら『死ぬ』って言った? 俺の聞き間違いかな? 聞き間違いだよね。聞き間違いだと言って!」
「必死か。聞き間違いなわけなかろう。死ぬんじゃよお主は。このデュエルに負ければな」
「はぁぁぁぁっ!?」
あまりの衝撃に、遊午の頭から『俺と銀髪ちゃんのドキド(以下略)』大作戦が消し飛ぶ。
「いやっ、ちょっ、そんっ、えぇぇっ!?」
「なんじゃ騒がしいのう」
「いやいやいや! いくらなんでも展開がかっとビング過ぎるぜ! 本当に死ぬってどういうこと!? 今の俺って、死んだと思ったらなんか奇跡的に生きてたぜわぁいラッキー、的な状態じゃなかったの!?」
「あー、そのあたりを説明すると長くなるのでな。今は省く」
まったくもって省いていい内容じゃないと思うんだけど……、というツッコミは、今のところ銀髪の美少女に聞き入れてはもらえなさそうだ。
あぁでも、と遊午は気付く。
そういうことなら、確かに突然の心臓の痛みにも説明が付く。付いてしまう。
銀髪の美少女登場の衝撃ですっかり気にならなくなっていたが、心臓の痛みは、あの−Noというモンスターからダメージを受ける度に悪化していった。
それは本当の意味でライフ0へと近付いている証拠だったのだろう。
よく見ると、銀髪の美少女の姿も、遊午のライフに比例して、心なしか薄くなっている。負けると消えるというのもどうやら本当らしい。
「そういうわけでこのデュエルには必ず勝たねばならん。さもなければ、その説明をする時間すら失われるぞ」
「あ……うん。勝つ、か……」
言われて、遊午はあらためて戦況を俯瞰する。
遊午のライフは残り1350ポイントで、手札は4枚。ただし、フィールドはがら空き。
対する墨田は、残りライフ1650ポイント、手札は同じく4枚。魔法・罠ゾーンに伏せカードが1枚。
そしてモンスターゾーンには、たった1体で遊午を追い詰めた規格外、−No.12 トラジック・エレジー。
あのモンスターをどうにもできない現状、もう遊午に勝ち目はない。
もしここで思い通りのカードを引けたとしても、それは変わらない。そもそも、彼のデッキには、この状況を打開できるカードが入っていないのだ。
作戦うんぬんの前に武器が無い。
完全に詰みである。
「安心せい。武器なら授けた。あとはお主が気付くかどうかじゃ」
「え……?」
そんな遊午の心を悟ったかのように、銀髪の美少女は告げた。
「授けたって、どんな?」
「あれじゃよあれ」
銀髪の美少女は右手の人差し指をピンと立て、目の前の巨大なモンスターを指差す。
「−Noじゃ」
「−No? 」
あれと同じカードを遊午も持っているということだろうか?
「正確にはトラジック・エレジーと同じ種類のカードを、じゃがな。妾の中に残っておった最後の−Noじゃ。大切にするんじゃぞ?」
「…………。」
両膝をついた姿勢の遊午は、もう一度機械仕掛けの天使を見上げた。
その鋼鉄の身体は−No以外のモンスターで破壊できないばかりか、ダメージを力に変え、なおも硬度を増す。
初めは0だった攻撃力も、今では3250まで膨れ上がっている。さらにターンが進めば、もはやどんなモンスターでも手が付けられなくなるだろう。
たった1体で勝負を決した————勝負の意味さえ奪い去った、文字通りの化物《モンスター》。
視線を下げ、今度は自分自身を見つめる。
そんなカードが自分の手の内にあるという。
遊午はいつの間にか口の中に溜まっていた唾液を吞み下した。一度は静かになった心臓が再び早鐘を打ち始める。
その根源にあるのが興奮なのか、それとも恐怖なのかはわからない。
「……よしわかった。じゃあその−Noの出し方を教えてよ」
「さぁの。妾にはわからん。知っておるのはお主だけじゃ」
「……どゆこと?」
「−Noは欲望の象徴。他の全てを切り捨ててでもただ1つを欲する、そういう心を糧にして、−Noは姿を現わす。故に、百の人間がいれば百の欲望があるように、どうやって発現するか、そしてどんなカードを発現するかは、全て其奴次第なのじゃよ。——逆に言えば、己が魂が真に求めるものも理解できんような者に、−Noを手にする資格は無い」
銀髪の美少女は静かに、しかしはっきりと言い切った。
(俺の魂が求めるもの……)
心の中で遊午は自問する。
数ある欲望の中で、白神 遊午という人間は何を欲しているのか。
順当に考えるなら異性関係、つまりは性への欲求だろう。
食費を削ってエロ雑誌を買えば、名誉を捨ててハラスメントを働く。睡眠を賭して風呂を覗き、身銭を切って女性に貢ぐ。
遊午には、今まで欲求の赴くままに行動してきた自負がある。
だがしかし、ならば−Noはとうに発現しているはずではないか?
いったいいつからそのカードを手にしていたのかは知らないが、なんならこのデュエルの最中にだって、何度も勝利より性への欲求を満たすことを優先している。
例えば、銀髪の美少女が現れたとき。
あのとき遊午は自己防衛や勝利よりも、いかに目の前の美少女とお近付きになるかを考えていた。
それでも、−Noはその片鱗すら見せることはなかったのだ。
(くそっ……! じゃあ一体なんだってんだよ……!)
見当もつかない問いに遊午は当惑するしかなかった。
「成る程、逆転の策とはそういうことでしたか。ですがそう簡単にいくでしょうかね。全ての人間が−No発現の可能性を有しているとはいえ、まだ成人もしていない白神少年には難しいのではありませんか?」
視界の端で俯く遊午を捉えながら、墨田は銀髪美少女に話を振った。
「たとえ無理難題であろうとも、此奴には突破してもらわねばならん。妾もこんなところであっさりと消えるつもりはないのでな」
「ふむ……。まぁ安心してください。もしこのまま白神少年が−Noを発現出来なかったとしても、貴女が消えることはありませんから」
「…………なんじゃと?」
言葉の真意を探るように、銀髪の美少女は軽く眉をひそめる。
「私が本当に貴女を消すつもりだとお思いで?」
「貴様一体何を言って……!?」
「私はね、正直−Noなんてどうでもいいんです」
月明かりを反射して、墨田の眼鏡がギラリと輝く。
「私が本当に興味があるのは貴女なんですよ、R。上層部の人間は貴女から全ての−Noを回収して消し去ることを目的としているようですけれど、一人の研究者である私からすればそんなにも勿体無いことはない。体内でカードを生成する生命体。こんなにも不可思議な研究素材が今までありましたでしょうか! 私の人生を全て捧げてもいい。私は貴女が欲しい! 身体中余すことなくメスを入れ! ありとあらゆる薬剤を投与し! あまねく全ての装置にかけて貴女を調べ上げたい! ————それが私と、そしてトラジック・エレジーの欲望です」
恍惚という言葉を具現化したようなその表情は、飼い猫が鼠を見付けたときに似ていた。
食べるために殺すのではなく、ただ好奇心や優越感を満たすためだけに命を蹂躙する。そんな表情に。
「なっ……! 他の仲間が見えんと思ったら、最初からそのつもりで……!」
「えぇ。貴女を消さずにカードを抜き取る方法が見つかるまでは、時間を稼がねばなりませんからね」
「そ、そんなことっ」
「そんなこと? 素晴らしいことじゃあないですか」
口角がいやらしく持ち上がり、真っ黒な瞳の奥で欲望の炎が泳ぐ。
「私の研究の成果は必ずや世界にとって正しいものになるに相違ありません。無機物を自由に生み出す有機物などという夢のような存在があれば! 科学! 医療! 工業! この世のありとあらゆる分野がさらなる高みへと躍進する! そうなれば、誰もが私を褒め称えるでしょう。天才だ、偉大だ、と。あぁ、世界が私を求める姿が眼に浮かぶ! 私の頭脳を! 私の正しさを!!」
「ひっ……!」
飛び散る唾など歯牙にも掛けず吠え続ける墨田に、銀髪の美少女の身体が強張る。それでも気丈に振る舞おうと、ふるえる唇をきつく噛みしめ前を向くが、その瞳はわずかに潤み、
「さぁR。人類の発展のため、世の繁栄のため、絶対なる正しさのために、細胞一つ残らず私に差し出しなさい。貴女を糧にして、我々は輝かしい未来を————」
「馬鹿かテメェは」
芯の通った低音が墨田の口を遮った。
「……なにか言いましたか?」
半開きだった口を閉じ、墨田は不機嫌そうに声のした方向を見やった。そこには、前髪で目元に陰を落とした白神 遊午がいて。
「馬鹿かっつったんだよ大馬鹿野郎」
遊午が片膝をついた状態からもう片方の膝に右手を乗せ、ゆっくりと体を起こし始める。空いた左手は自分の爪で手の平を貫きかねないほどに、固く、強く、握られている。
「黙って聞いてりゃくっだらねぇ御託をごちゃごちゃ並べやがって。世界のため? 人類のため? だから正しい? はっ」
笑わせんな、と激情が吐き捨てられる。そこでようやっと、墨田は遊午と目があった。瞋恚に満ちた目と。
「銀髪ちゃんが犠牲になることを前提にしてる時点で、もう間違ってんだよンなもんは! たとえ何万人が救われようが、どんだけの命が助かろうが、たった一人でも女の子が笑えない未来に、正しさなんざこれっぽっちもあるわけねぇだろうが!」
荒々しく言葉が紡がれる。一歩前へと踏み出し、銀髪の美少女の庇うように立った遊午は、眼前の男を睥睨する。その姿は理不尽に立ち向かう勇者のようで。
「学生風情に私の研究のなにがわかると……!」
「わからねぇし、わかりたくもねぇ」
さらにもう一歩、今度は不条理を打ち砕く英雄がごとく。
「他人の涙を無視して、まだテメェの欲を押し通そうっていうなら、歯ァ喰いしばれ」
「————!」
射殺すほどの眼差しに、墨田の身体が無意識のうちにビクリと震えた。その鋭さは、彼の自慢の頭脳を押しのけて本能が警鐘を鳴らすには十分だった。
だが、もう遅い。
遊午の怒りはとうに臨界点を振り切っている。
「————こっからは俺のターンだ!!」
胸の前に構えられたデュエルディスクから、1枚のカードが光の弧を描いて引き抜かれる。その表側を視認することなく、遊午はカードをモンスターゾーンに叩きつけた。
それは、ともすれば一発反則負け《ジャッジ・キル》になりかねない危険極まる行為であったが、遊午には絶対の確信があった。
それが求めるカードだという確信が。
ここで引くべきカードだという確信が。
「ワンコイン・キャッチャーを攻撃表示で召喚!」
『キュィン!』
ワンコイン・キャッチャー ☆4 ATK 1500
UFOキャッチャーのアームのようなモンスターが、頭に付けたプロペラでフラフラと飛ぶ。
「ワンコイン・キャッチャーの効果により、手札を1枚捨てることで、墓地からレベル4以下のモンスターを特殊召喚できる! 戻ってこい、ジャイロスラッシャー!」
ワンコイン・キャッチャーの底部が開き、1本のロボットアームが降りてくる。ロボットアームはそのままスルスルと地面に空いた黒い渦に呑まれてゆき、次に引き上げられたときには赤い防具に身を包んだ剣士を掴んでいた。
ジャイロスラッシャー ☆4 ATK 1700
ドクン、と遊午を中心として空気が波打つ。
それは不思議な空間だった。
固まった風。
動かない雲。
傾いたままの葦。
驚愕と恐れで歪んだ墨田の口元はそのままピクリとも動かず、後ろに反った背骨は明らかに無理な体勢を固定する。
横を見れば、銀髪の美少女がすがるような瞳でこちらを見つめている。だが、ただそれだけだ。半開きの唇から言葉が漏れることもなければ、かといって瞼が閉じられることもない。
ただ一人、遊午だけを除いて、世界が停止していた。
いや、遊午以外にもう1つだけ動いているものがあった。
長方形の光源。
遊午の目の前に浮くそれは、わずかに灰色に染まった世界の中で、そこだけ切り取られたかのように白かった。
まるで、自分の全てを映し出す鏡のごとく。
『汝、何を欲するか』
白無垢の鏡が声を発する。
男の声のようで女の声でもあり。天使の声のようで、悪魔の声でもあり。人間の声のようで、機械の声でもある。
そんな、音としかいいようのない声。
「俺は…………俺の本当の欲望は————」
————、————。
『承知した。ならば力を貸そう』
世界が再び時を刻む。
「レベル4、ワンコイン・キャッチャーとジャイロスラッシャーでオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚!」
一筋の彗星が銀河の渦に突き刺さり、眩い光が爆発する。
「————現れろ、−No.39! 純然たる輝きで、全てを包む気高き白翼! 天騎士ウィングリッター!!」
光の洪水を掻き分け現れたのは、一振りの西洋剣だった。穢れを知らぬ精白の刀身からは、金色の鍔を境に、同じく金色の柄が1対伸びている。刹那、柄から刃先まで縦横無尽に閃光が走り、刃が砕け散る。雪のごとく踊る光の粒は、数え切れないほどの羽根となって空を舞う。白く、白く、白く、白い羽根。漂う羽根は絹糸を絡み合わせるように収束すると、やがて白銀の甲冑へと姿を変えた。鎧の手掌が、鞘を失い宙に浮く2本の剣をしっかりと握る。右手には銀の大剣を。左手には雷の長剣を。背には清麗なる比翼を。
武骨な鎧さえも聖衣に変えてしまうその姿は、さながら神話に登場する聖女をようであった。
『セァァァッ!』
−No.39 天騎士ウィングリッター ★4 ATK 2500 ORU 2
「なんと美しいモンスターじゃ……」
無意識のうちに、銀髪の美少女が嘆息を漏らす。
そこにいるだけで見る者の心を洗う、純潔の騎士。時折翼からこぼれる羽根が光の粒に戻ってゆく光景は、儚さなど微塵も感じさせず、ただただ感嘆だけを生む。
敵である墨田でさえ、その美しさに見惚れてしまっていた。
「惚けてんなよ。まだ俺のターンは終わってねぇぞ」
遊午の言葉が、はっ、と墨田の顔に意識を引き戻す。
「ウィングリッターがエクシーズ召喚されたことで、効果発動。俺のライフを800ポイント回復する。 『サモンズ・ホーリー』!」
YUGO 2150
———VS———
SUMIDA 1650
「同時に、ウィングリッターのオーバレイ・ユニットを1つ使い、もう1つの効果も発動! 回復したライフポイントと同じ800が、ウィングリッターの攻撃力に加えられる!」
「なにっ!?」
『ハァッ!』
−No.39 天騎士ウィングリッター ★4 ATK 3300 ORU 1
「チェックメイトだ。行け、ウィングリッター!」
ウィングリッターは交差した二刀を頭の後ろまで振りかぶり、その勢いを殺すことなくトラジック・エレジーの遥か上へと飛躍する。
「ッァがあああ! ちょっと攻撃力を上回ったぐらいで調子コイてんじゃねぇぞ糞ガキィッ! 罠カード! フォレスト・ファイアァァッ!」
フォレスト・ファイア 通常罠
「このバトルの終了後モンスターを全て破壊し、攻撃力を合計した数値分のダメージを相手に与える! 貴様ごときに崇高な研究の邪魔をさせるかボケェッ! 既に攻撃は確定された! 貴様の負けだァァァっ!!」
語調から丁寧さなどかなぐり捨てて、墨田が絶叫する。怒りで焦点のあわない瞳で生意気な餓鬼をねめつけ、絶望に染まっているであろう顔面を覗き込む。
だが、
「チェックメイトつったろうが」
「!!?」
真っ直ぐ睨み返す遊午の眼には、まだ明々と焰が燃えていた。
「速攻魔法発動! テイル・ウィンド・グローリー!」
テイル・ウィンド・グローリー 速攻魔法
「ウィングリッターの攻撃力を、もう一度同じ数値だけアップさせる!」
−No.39 天騎士ウィングリッター ★4 ATK 4100 ORU 1
「そしてこのターン、ウィングリッターの戦闘で発生するダメージは————2倍だ!」
吹き抜ける風が光の粒を巻き上げ、新たに1対の翼を広げる。
夜の闇に、白い十字架が描かれた。
「覚悟はいいか、大馬鹿野郎」
「あ、ああ、ああああ……!」
地の底から響くような声に、墨田の中でなにかがボキリとへし折れる音がする。それがそのまま決着の合図となった。
「『クロスウィング————ッッ』!!!」
『ゼァァァァッ!!!』
−No.39 天騎士ウィングリッター ATK 4100 vs −No.12 トラジック・エレジー ATK 3250
「ぎゃぁぁぁぁァァァァッ!!」
YUGO 450
———VS———
SUMIDA 0
深夜の河川敷に、簡素な電子音が轟いた。
◎−No.39 天騎士ウィングリッター
◎−No.12 トラジック・エレジー
————回収完了。残り98枚。
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141 | 第5話 拳と支配と月明かり | 995 | 2 | 2017-08-28 | - | |
115 | 第5.5話 風呂とタオルとハイテンション | 912 | 4 | 2017-08-28 | - | |
112 | 第6話 壁と修理とハリケーン | 945 | 6 | 2017-09-21 | - | |
120 | 第7話 犬と屋敷と都市伝説 | 955 | 4 | 2017-10-31 | - | |
189 | 第8話 掟と違和感と身代わり人形 | 958 | 4 | 2017-11-27 | - | |
71 | 第9話 首輪と矛盾と初めの一歩 | 827 | 6 | 2017-12-25 | - | |
133 | 第10話 後輩と奉仕と路上戦闘 | 946 | 6 | 2018-01-22 | - | |
153 | 第11話 電話とモグラとシャンパンピンク | 834 | 6 | 2018-02-26 | - | |
70 | 第12話 放課後と兎と北斗七星 | 828 | 6 | 2018-03-26 | - | |
89 | 第12.5話 ゴスロリと尾行と着ぐるみ | 849 | 7 | 2018-03-26 | - | |
108 | 第13話 クジと透視と掌握結界 | 823 | 4 | 2018-04-25 | - | |
204 | 第14話 奇術師と孔雀と鏡の主 | 1033 | 5 | 2018-06-07 | - | |
71 | 第15話 巨鳥と誤解と努力の意味 | 718 | 4 | 2018-10-24 | - | |
73 | EX.1 第15話までの登場人物まとめ | 977 | 2 | 2018-10-24 | - |
更新情報 - NEW -
- 2024/03/23 新商品 QUARTER CENTURY CHRONICLE side:PRIDE カードリスト 追加。
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- 04/24 16:07 評価 6点 《クリブー》「「クリボー5兄弟」の1体となるモンスターで、担当…
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《》の中は直前のフレーズのルビ
改行2つは三人称視点の視点移動(ドラマのカメラワークのようなもの)
改行3つは視点はそのままに時間もしくは場所の移動
☆☆☆は視点・時間・場所のいずれか2つの移動
これをふまえて読んでくだされば、より読みやすくなる・・・と思います。 (2017-06-01 10:33)
合間合間の文章も非常に面白いです。
主人公のデッキがカテゴリに縛られていないので、一枚一枚のカードにしっかり見入りますね。 テイル・ウィンド・グローリー にはちょっと惹かれるものがあります。
次回も楽しみにしております。 (2017-06-01 20:13)
トラジックエレジーだと下手に高火力で殴れば相討ちじゃね? と思っていましたが、そういう意味でライフを回復しつつ火力を上げるウィングリッターなら上手く捌けた、と……お見事でした。
ストーリーも気になりますが、次はどの-No.が出てくるのかも気になっちゃいますね。 (2017-06-07 12:51)
返信遅くなり申し訳ありません。
正直もう遊午の変態レベルは私のそっち方面の知識だけが暴走している有様です。作者が手綱を握りきれてません。
デッキが完全に統一されていないのは某先生へのリスペクトでもあります。
テイル・ウィンド・グローリー、喜んでいただけで嬉しい限りです。 (2017-06-08 12:07)
そこのギャップが無いとコイツただの無駄に女の子の情報に詳しい主人公の悪友ポジションのキャラですからね・・・。
本家とは違ってすべての-Noを出せるかは作者の技量次第ですが、期待していただければ幸いです。 (2017-06-08 12:12)
☆☆☆は視点・時間・場所のいずれか2つ『以上』の移動
です。
(2017-06-08 12:14)
ブランド財布激安
■ 店長:山崎 佑子
■連絡先:bagjapangoodluck@gmail.com
営業時間:年中無休
ブランドコピー激安 www.dironlavori.it/index.html (2017-06-23 23:12)