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第七話:芸術の剣 作:粉玉采
デュエルアカデミア華札校専用のデュエルスペースはいたるところにある。
食堂、体育館、グラウンド…いつどこでデュエルのイベントが起こってもいいようにするためだ。
そして今、その食堂のスペースで一つのデュエルが始まろうとしている。
「あんた、なんで死神が見えるの?」
「さるお方に作ってもらった装置のおかげでな、普通の人間にも見えるようになるのさ」
「じゃあ…死神を賭けたデュエルって…どういう意味?」
「そのままの意味だ、この俺カヴェリエーレ=アルコバレーノが勝ったらその死神を貰い受ける。お前が勝ったらそのままだがな」
『面白え…やれるもんならやってみやがれ!』
「「デュエル!!」」
「先攻は私!手札から魔法カード、『死竜の領域』発動!自分フィールドに『死竜団トークン』を特殊召喚する!」
死竜団トークン
ATK2000
死竜団トークン
ATK2000
「そして!手札のこのモンスターは自分フィールドの攻撃力2000以上のトークンを含む『死竜団』モンスターをリリースして、手札から特殊召喚できる!」
「『死竜団 ゴーストレイト』!」
死竜団 ゴーストレイト
ATK0
戦闘強制能力とダメージ反射能力を持つ暗黒物質のドラゴン。体全体から吐息に至るまで禍々しい。
「そのドラゴンがエースってところか?なんとも悪趣味なもんだなぁー。」
(ゴーストレイトを見てこの反応…すでに対策は練っているということ?)
「一枚伏せターンエンド!」
「俺のターン!まずは手札から『カヴァリエーレ・ビアンキ』を召喚!」
カヴァリエーレ・ビアンキ
ATK1400
「『カヴァリエーレ・ビアンキ』が召喚に成功した場合、デッキからあるフィールド魔法を手札に加える!そのフィールド魔法は、『ビアンキ・カステロ』!そしてそのまま発動!」
「このカードがある限り、俺は1ターンに一度自分メインフェイズ時に『カヴァリエーレ』モンスターを手札から特殊召喚できる!来い!『カヴァリエーレ・ロッソ』!」
カヴァリエーレ・ロッソ
ATK1700
「赤い鎧と白い鎧の騎士…随分とカラフルなのね」
「それが俺の『カヴァリエーレ』!まだまだこいつらの芸術を堪能してもらおう!ロッソの効果!このカードが召喚に成功した場合、デッキから魔法カード『コローレ・マジーア』を手札に加える!」
「そしてそのまま『コローレ・マジーア』発動!自分のエクストラデッキからレベル5以下の『カヴァリエーレ』モンスターを融合召喚扱いで特殊召喚し、攻守を0にする!」
「来い!『カヴァリエーレ・ヴェルデ』!」
カヴァリエーレ・ヴェルデ
ATK2100→0
「ヴェルデの効果発動!1ターンに一度、自分フィールド上のカード一枚を墓地に送って発動できる!俺は『ビアンキ・カステロ』を墓地へ!そして!『カヴァリエーレ』融合モンスターによって決められたこのカードを含む融合素材モンスターを自分フィールドから墓地へ送り、融合召喚を行う!」
「豊かな国土を表す緑!正義を表す白!熱血の赤!今ひとつとなりて祖国の旗印となれ!融合召喚!『カヴァリエーレ・トリコローレ』!」
カヴァリエーレ・トリコローレ
ATK2600
右手に緑の剣、左手に赤の盾を携えた赤の騎士。希はまるでイタリア国旗のようだと感じた。
「『カヴァリエーレ』には共通効果がある!それは自分フィールド上に『カヴァリエーレ』モンスターが一体のみの場合、攻撃力が500ポイントアップする効果!戦う騎士は常に一人、それが俺の騎士道だ!」
カヴァリエーレ・トリコローレ
ATK2600→3100
「騎士道?ランチタイムに襲って来た割には大層な信念を持ってるじゃない。」
「騎士として光栄に思う、だが容赦はしない!トリコローレのもうひとつの効果!このカードは融合召喚に成功したターン、ダイレクトアタックが可能となる!」
「なっ!?」
「確かにそのモンスターには攻撃強制能力がある…ダメージ反射能力も持っていることも知っている…だがな!こうして無視してしまえば何も怖くはない!やれ!トリコローレ!」
命令を受けたトリコローレが緑、白、赤の衝撃波を放つ。
希 LP4000→900
「…やれやれ、ちょっと卑怯なんじゃないの?その効果。」
「戦いは最低限の礼儀で十分!敵に甘くしたらその虚を突かれる!基本中の基本だぜ?」
「よくわかってらっしゃる…」
『おいおいおいおい、まずいんじゃあねーか?これよぉ!』
(トリコローレのダイレクトアタック効果は融合召喚したターン、つまり次のターンには消えている…だけどこういう時に握っているでしょうね…『融合解除』を!)
(次のターン、相手は何もできないはず。そして俺のターンが回って来たら『融合解除』を発動し、ヴェルデの効果でトリコローレをもう一度融合召喚し、勝つ!!悪く思うな遊原 希!これが戦いだ!)
「俺はこれでターンエンド!」
「くっ、私のターン!…私はカードを一枚伏せ、ターンエンド…」
「勝機我にあり!俺のターン、ドロー!俺は『融合解除』を発動!」
アルコバレーノがトドメの『融合解除』を発動しようとしたその瞬間。
「墓地から魔法カード『死竜団の領域』を除外し、カウンター罠『死竜団の呪術』発動!その魔法カードを無効にする!」
「な、なにっ!?」
「そのモンスターのダイレクトアタック能力は脅威的…だけどこうして封印してしまえば怖くはない!」
「その台詞…!なるほど、意趣返しというわけか?だが騎士として逃げるわけにはいかん!トリコローレ!ゴーストレイトに攻撃だ!」
衝撃波を放たず直接ゴーストレイトに斬りかかるトリコローレ。しかし全くダメージが入らず、だんだん生命エネルギーを吸い取られていくように斬撃の勢いがなくなっていく。
「くっ!」
アルコバレーノ LP4000→900
「俺はこれでターンエンド…お互いにライフ900か…先に攻撃力900以上のモンスターを召喚した方の勝ちというわけだな」
「…私のターン!」
「!悪かったわね…見えたわ、あなたの死期が!今引いたのは魔法カード『死竜団の投石機』!このカードは墓地に『死竜団』モンスターが存在する場合相手に1000ポイントのダメージを与えるカード!」
「俺の負けか…」
「あなたほどの騎士、死なすには惜しいけど…、これは戦い!相手に甘くすればその虚を突かれる!だから今!ケリをつける!『死竜団の投石機』発動!」
アルコバレーノ LP900→0
「ぐぁあーー!!」
断末魔のような叫び声をあげ、その場に倒れこむアルコバレーノ。
いくらなんでもやりすぎたかと心配になった希はアルコバレーノに駆け寄る。
「フ…同情のつもりか?俺はそこの死神の命を狙ったんだ…このままそこの死神の力で俺を殺すがいい…それが負けた騎士の定め…」
『…こいつ、敵ながらあっぱれな騎士道精神…!希、これは何かわけがありそうだぜ?』
「あんたにしては珍しい意見ね、いつもはおいおいこいつどーする?みたいに振ってくるのに。とはいえ、私もこいつの事情が気になるわ、ひとまず保健室に運びましょうか。」
『真矢にも手伝わせたらどうだ?』
「名案」
「ほう、これは何の騒ぎだ?」
聞き覚えのある声が希の耳に入る。
「あんた、神愛人…」
「神が告げている、そのけが人を運べと、僕も手伝おう」
「…ありがと、借りできたわね」
「どうってことはない、何せ僕は天才だからな!」
「希ちゃーん?何があったの?」
「ああ、真矢!ちょうどいいところに!」
「…何故だ?」
理解出来ない、といった風にアルコバレーノが呟く。
「何故ってどういう意味よ?」
「俺は襲撃者だぞ?何故助ける?」
「さあ…もう敵じゃないからじゃない?」
「どういう意味だ?」
「デュエルが終わったならそいつはもう仲間、ていうのが私の考えなんだけど」
「馬鹿な…そんな甘い考え、戦いで命取りとなってしまうぞ…」
「今はもう戦ってないでしょ?」
「……!フ…それもそうか……!」
デュエルアカデミア華札校の保健室、看護が必要な生徒の心を落ち着かせるため、花を多めに飾っており、一呼吸すると鼻や口から花の香りが漂ってくる。
「それでシドー先生、アルコバレーノの容態は?」
シドー=レーベン。
元々はドイツ出身のプロ医師だったが、日本人女性との結婚をきっかけに日本に移り住んだ養護教諭。医療の本場出身というだけあって、その治療技術は高い。
「ふむ…デュエル終了の際に電気ショックのようなものを浴びせられていたようだが…とくに命に別状はない。少しすればまた起き上がれるさ。」
「よかったあ…!」
胸をなでおろす真矢。
「電気ショック?」
「僕もそれが気になった、何故電気ショックなんてものが発生したんだ?」
希と神愛人が質問を投げかける。
「フム…それはこれが原因だろうな。彼のデュエルディスクから見つかった。」
そう言ってシドーは一つのカードを取り出し、希、神愛人、真矢に見えるようにする。
そのカードの見た目はデュエルモンスターズのカードの似ている。だがその表にあたる面には大文字のSが描かれているだけだった。
『マスター、これは!?』
「…ああ、間違いない!」
アイエルと神愛人が異様な反応を見せる。
「神愛人くん、このカード知っているの?」
「ああ…これは洗脳カード、簡単に言えば、対象を意のままに操ることができる特殊なカードだ…」
「で、でもそれがなんで電気ショックを?」
「おそらく、口封じのためだろうな…本当なら致死量の電流、電圧だったはずだ。だが…」
そこまで言いかけた神愛人はアデスの方を向き、話を続ける。
「もしかしたら『不思議な何か』が働きかけたのかもしれないな。」
『成る程、俺の影響ってわけね…』
「でもだれが?だれがこんなものを?」
「それは…」
「…聖堂 志門(せいどう しもん)、エンゼルウィング社の社長にして聖堂 神愛人の父親…そうだろ?」
保健室のベッドからアルコバレーノが起き上がりそう告げる。神愛人は無言でアルコバレーノの言葉に頷く。
「…僕が5歳の時から、父は強いデュエリストをその洗脳カードによって自分のものにしていった…プロデュエリストはもちろん、ジュニアクラスのデュエリストまでその毒牙にかけてきた。なんのためにそんなことをするのかはわからなかった…」
「そして、父は保険として僕に洗脳カードを使おうとしたんだ…!僕は父が洗脳したプロデュエリストを何人も倒していた、そんな僕が敵になることを恐れたんだろう…!」
「自分の息子を…!?」
信じられない、目的のためなら息子すら利用し尽くすあまりに非道徳的な行為が行われていた事実に真矢は両手で口を覆い、希は目つきが少し険しくなった。
『マスター…』
(わかってるさアイエル、ここまできたら…)
「希、お願いがある。」
「何?改まって。」
「僕の父を止めるのに…協力してもらえないだろうか?」
「いいわよ」
即答、何の迷いもなかった。
「本当にいいのか?これから先、父が洗脳したデュエリストと戦うことになるかもしれないんだぞ?」
「だって私狙われているのよ?そんな面倒な状況、放っておけるわけないじゃない。」
『ま、希ならこう言うと思ったぜ。無論俺も協力するぜ、正確には狙われているのは俺だしな。』
「なんだかよくわからないけど私も!友達が危ないなら助けないと!」
真矢が名乗りをあげる。
「…俺にも強力させてくれ、洗脳された借りを返したい。後、人々を無理やり自分の意のままにするなど、俺の騎士道が許せねえ…!」
「そうそう、俺の名前長いだろうから名字のアルコバレーノを縮めてアルコって呼んでくれよ、なっ?」
アルコバレーノ改めアルコが名乗りを上げた後ニッ、と笑う。
「みんな……!本当にありがとう!」
「絶対に父の、聖堂 志門の野望を阻止しよう!」
食堂、体育館、グラウンド…いつどこでデュエルのイベントが起こってもいいようにするためだ。
そして今、その食堂のスペースで一つのデュエルが始まろうとしている。
「あんた、なんで死神が見えるの?」
「さるお方に作ってもらった装置のおかげでな、普通の人間にも見えるようになるのさ」
「じゃあ…死神を賭けたデュエルって…どういう意味?」
「そのままの意味だ、この俺カヴェリエーレ=アルコバレーノが勝ったらその死神を貰い受ける。お前が勝ったらそのままだがな」
『面白え…やれるもんならやってみやがれ!』
「「デュエル!!」」
「先攻は私!手札から魔法カード、『死竜の領域』発動!自分フィールドに『死竜団トークン』を特殊召喚する!」
死竜団トークン
ATK2000
死竜団トークン
ATK2000
「そして!手札のこのモンスターは自分フィールドの攻撃力2000以上のトークンを含む『死竜団』モンスターをリリースして、手札から特殊召喚できる!」
「『死竜団 ゴーストレイト』!」
死竜団 ゴーストレイト
ATK0
戦闘強制能力とダメージ反射能力を持つ暗黒物質のドラゴン。体全体から吐息に至るまで禍々しい。
「そのドラゴンがエースってところか?なんとも悪趣味なもんだなぁー。」
(ゴーストレイトを見てこの反応…すでに対策は練っているということ?)
「一枚伏せターンエンド!」
「俺のターン!まずは手札から『カヴァリエーレ・ビアンキ』を召喚!」
カヴァリエーレ・ビアンキ
ATK1400
「『カヴァリエーレ・ビアンキ』が召喚に成功した場合、デッキからあるフィールド魔法を手札に加える!そのフィールド魔法は、『ビアンキ・カステロ』!そしてそのまま発動!」
「このカードがある限り、俺は1ターンに一度自分メインフェイズ時に『カヴァリエーレ』モンスターを手札から特殊召喚できる!来い!『カヴァリエーレ・ロッソ』!」
カヴァリエーレ・ロッソ
ATK1700
「赤い鎧と白い鎧の騎士…随分とカラフルなのね」
「それが俺の『カヴァリエーレ』!まだまだこいつらの芸術を堪能してもらおう!ロッソの効果!このカードが召喚に成功した場合、デッキから魔法カード『コローレ・マジーア』を手札に加える!」
「そしてそのまま『コローレ・マジーア』発動!自分のエクストラデッキからレベル5以下の『カヴァリエーレ』モンスターを融合召喚扱いで特殊召喚し、攻守を0にする!」
「来い!『カヴァリエーレ・ヴェルデ』!」
カヴァリエーレ・ヴェルデ
ATK2100→0
「ヴェルデの効果発動!1ターンに一度、自分フィールド上のカード一枚を墓地に送って発動できる!俺は『ビアンキ・カステロ』を墓地へ!そして!『カヴァリエーレ』融合モンスターによって決められたこのカードを含む融合素材モンスターを自分フィールドから墓地へ送り、融合召喚を行う!」
「豊かな国土を表す緑!正義を表す白!熱血の赤!今ひとつとなりて祖国の旗印となれ!融合召喚!『カヴァリエーレ・トリコローレ』!」
カヴァリエーレ・トリコローレ
ATK2600
右手に緑の剣、左手に赤の盾を携えた赤の騎士。希はまるでイタリア国旗のようだと感じた。
「『カヴァリエーレ』には共通効果がある!それは自分フィールド上に『カヴァリエーレ』モンスターが一体のみの場合、攻撃力が500ポイントアップする効果!戦う騎士は常に一人、それが俺の騎士道だ!」
カヴァリエーレ・トリコローレ
ATK2600→3100
「騎士道?ランチタイムに襲って来た割には大層な信念を持ってるじゃない。」
「騎士として光栄に思う、だが容赦はしない!トリコローレのもうひとつの効果!このカードは融合召喚に成功したターン、ダイレクトアタックが可能となる!」
「なっ!?」
「確かにそのモンスターには攻撃強制能力がある…ダメージ反射能力も持っていることも知っている…だがな!こうして無視してしまえば何も怖くはない!やれ!トリコローレ!」
命令を受けたトリコローレが緑、白、赤の衝撃波を放つ。
希 LP4000→900
「…やれやれ、ちょっと卑怯なんじゃないの?その効果。」
「戦いは最低限の礼儀で十分!敵に甘くしたらその虚を突かれる!基本中の基本だぜ?」
「よくわかってらっしゃる…」
『おいおいおいおい、まずいんじゃあねーか?これよぉ!』
(トリコローレのダイレクトアタック効果は融合召喚したターン、つまり次のターンには消えている…だけどこういう時に握っているでしょうね…『融合解除』を!)
(次のターン、相手は何もできないはず。そして俺のターンが回って来たら『融合解除』を発動し、ヴェルデの効果でトリコローレをもう一度融合召喚し、勝つ!!悪く思うな遊原 希!これが戦いだ!)
「俺はこれでターンエンド!」
「くっ、私のターン!…私はカードを一枚伏せ、ターンエンド…」
「勝機我にあり!俺のターン、ドロー!俺は『融合解除』を発動!」
アルコバレーノがトドメの『融合解除』を発動しようとしたその瞬間。
「墓地から魔法カード『死竜団の領域』を除外し、カウンター罠『死竜団の呪術』発動!その魔法カードを無効にする!」
「な、なにっ!?」
「そのモンスターのダイレクトアタック能力は脅威的…だけどこうして封印してしまえば怖くはない!」
「その台詞…!なるほど、意趣返しというわけか?だが騎士として逃げるわけにはいかん!トリコローレ!ゴーストレイトに攻撃だ!」
衝撃波を放たず直接ゴーストレイトに斬りかかるトリコローレ。しかし全くダメージが入らず、だんだん生命エネルギーを吸い取られていくように斬撃の勢いがなくなっていく。
「くっ!」
アルコバレーノ LP4000→900
「俺はこれでターンエンド…お互いにライフ900か…先に攻撃力900以上のモンスターを召喚した方の勝ちというわけだな」
「…私のターン!」
「!悪かったわね…見えたわ、あなたの死期が!今引いたのは魔法カード『死竜団の投石機』!このカードは墓地に『死竜団』モンスターが存在する場合相手に1000ポイントのダメージを与えるカード!」
「俺の負けか…」
「あなたほどの騎士、死なすには惜しいけど…、これは戦い!相手に甘くすればその虚を突かれる!だから今!ケリをつける!『死竜団の投石機』発動!」
アルコバレーノ LP900→0
「ぐぁあーー!!」
断末魔のような叫び声をあげ、その場に倒れこむアルコバレーノ。
いくらなんでもやりすぎたかと心配になった希はアルコバレーノに駆け寄る。
「フ…同情のつもりか?俺はそこの死神の命を狙ったんだ…このままそこの死神の力で俺を殺すがいい…それが負けた騎士の定め…」
『…こいつ、敵ながらあっぱれな騎士道精神…!希、これは何かわけがありそうだぜ?』
「あんたにしては珍しい意見ね、いつもはおいおいこいつどーする?みたいに振ってくるのに。とはいえ、私もこいつの事情が気になるわ、ひとまず保健室に運びましょうか。」
『真矢にも手伝わせたらどうだ?』
「名案」
「ほう、これは何の騒ぎだ?」
聞き覚えのある声が希の耳に入る。
「あんた、神愛人…」
「神が告げている、そのけが人を運べと、僕も手伝おう」
「…ありがと、借りできたわね」
「どうってことはない、何せ僕は天才だからな!」
「希ちゃーん?何があったの?」
「ああ、真矢!ちょうどいいところに!」
「…何故だ?」
理解出来ない、といった風にアルコバレーノが呟く。
「何故ってどういう意味よ?」
「俺は襲撃者だぞ?何故助ける?」
「さあ…もう敵じゃないからじゃない?」
「どういう意味だ?」
「デュエルが終わったならそいつはもう仲間、ていうのが私の考えなんだけど」
「馬鹿な…そんな甘い考え、戦いで命取りとなってしまうぞ…」
「今はもう戦ってないでしょ?」
「……!フ…それもそうか……!」
デュエルアカデミア華札校の保健室、看護が必要な生徒の心を落ち着かせるため、花を多めに飾っており、一呼吸すると鼻や口から花の香りが漂ってくる。
「それでシドー先生、アルコバレーノの容態は?」
シドー=レーベン。
元々はドイツ出身のプロ医師だったが、日本人女性との結婚をきっかけに日本に移り住んだ養護教諭。医療の本場出身というだけあって、その治療技術は高い。
「ふむ…デュエル終了の際に電気ショックのようなものを浴びせられていたようだが…とくに命に別状はない。少しすればまた起き上がれるさ。」
「よかったあ…!」
胸をなでおろす真矢。
「電気ショック?」
「僕もそれが気になった、何故電気ショックなんてものが発生したんだ?」
希と神愛人が質問を投げかける。
「フム…それはこれが原因だろうな。彼のデュエルディスクから見つかった。」
そう言ってシドーは一つのカードを取り出し、希、神愛人、真矢に見えるようにする。
そのカードの見た目はデュエルモンスターズのカードの似ている。だがその表にあたる面には大文字のSが描かれているだけだった。
『マスター、これは!?』
「…ああ、間違いない!」
アイエルと神愛人が異様な反応を見せる。
「神愛人くん、このカード知っているの?」
「ああ…これは洗脳カード、簡単に言えば、対象を意のままに操ることができる特殊なカードだ…」
「で、でもそれがなんで電気ショックを?」
「おそらく、口封じのためだろうな…本当なら致死量の電流、電圧だったはずだ。だが…」
そこまで言いかけた神愛人はアデスの方を向き、話を続ける。
「もしかしたら『不思議な何か』が働きかけたのかもしれないな。」
『成る程、俺の影響ってわけね…』
「でもだれが?だれがこんなものを?」
「それは…」
「…聖堂 志門(せいどう しもん)、エンゼルウィング社の社長にして聖堂 神愛人の父親…そうだろ?」
保健室のベッドからアルコバレーノが起き上がりそう告げる。神愛人は無言でアルコバレーノの言葉に頷く。
「…僕が5歳の時から、父は強いデュエリストをその洗脳カードによって自分のものにしていった…プロデュエリストはもちろん、ジュニアクラスのデュエリストまでその毒牙にかけてきた。なんのためにそんなことをするのかはわからなかった…」
「そして、父は保険として僕に洗脳カードを使おうとしたんだ…!僕は父が洗脳したプロデュエリストを何人も倒していた、そんな僕が敵になることを恐れたんだろう…!」
「自分の息子を…!?」
信じられない、目的のためなら息子すら利用し尽くすあまりに非道徳的な行為が行われていた事実に真矢は両手で口を覆い、希は目つきが少し険しくなった。
『マスター…』
(わかってるさアイエル、ここまできたら…)
「希、お願いがある。」
「何?改まって。」
「僕の父を止めるのに…協力してもらえないだろうか?」
「いいわよ」
即答、何の迷いもなかった。
「本当にいいのか?これから先、父が洗脳したデュエリストと戦うことになるかもしれないんだぞ?」
「だって私狙われているのよ?そんな面倒な状況、放っておけるわけないじゃない。」
『ま、希ならこう言うと思ったぜ。無論俺も協力するぜ、正確には狙われているのは俺だしな。』
「なんだかよくわからないけど私も!友達が危ないなら助けないと!」
真矢が名乗りをあげる。
「…俺にも強力させてくれ、洗脳された借りを返したい。後、人々を無理やり自分の意のままにするなど、俺の騎士道が許せねえ…!」
「そうそう、俺の名前長いだろうから名字のアルコバレーノを縮めてアルコって呼んでくれよ、なっ?」
アルコバレーノ改めアルコが名乗りを上げた後ニッ、と笑う。
「みんな……!本当にありがとう!」
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イイネ | タイトル | 閲覧数 | コメ数 | 投稿日 | 操作 | |
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103 | 第一話:元死神と女の子 | 1386 | 4 | 2017-04-01 | - | |
76 | 第二話:あの世へGo straight! | 790 | 5 | 2017-04-02 | - | |
66 | 第三話:波乱の入学デュエル | 747 | 4 | 2017-04-03 | - | |
89 | 第四話:バスタイムは決闘の中で | 756 | 2 | 2017-04-05 | - | |
94 | 第五話:歯車の天使 | 751 | 3 | 2017-04-08 | - | |
134 | 設定集 | 674 | 0 | 2017-04-10 | - | |
107 | 第六話:ランチタイムの襲撃者 | 635 | 3 | 2017-04-12 | - | |
132 | 第七話:芸術の剣 | 858 | 3 | 2017-04-14 | - | |
173 | 番外編:私は執事セバスチャン | 722 | 3 | 2017-04-15 | - | |
112 | 懲りずに番外編:みなさんありがとう! | 756 | 3 | 2017-04-16 | - | |
101 | 質問返答のお時間 | 703 | 0 | 2017-04-24 | - | |
102 | 第八話:陰謀 | 708 | 2 | 2017-04-24 | - | |
82 | 第九話:希の大会前夜 | 680 | 2 | 2017-04-26 | - | |
115 | 第十話:遊原塔子 | 757 | 2 | 2017-04-29 | - | |
125 | 第十一話:死神姫と愉快な蛇 | 754 | 3 | 2017-05-15 | - | |
110 | 第十二話:漫画家騒動!? | 912 | 3 | 2017-05-18 | - | |
116 | 第十三話:eye scream | 847 | 1 | 2017-06-01 | - | |
110 | お久しぶりです&謝罪 | 1396 | 2 | 2017-08-02 | - |
更新情報 - NEW -
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野暮ったいですがいくつか……
カヴァリエーレ・ヴェルデはエクストラ→墓地→フィールドと移動していますが、蘇生制限は無いのでしょうか。
あと融合解除は速攻魔法なので死竜団の呪術にチェーンできそうに見受けられますが、呪術にはチェーン不可効果があるんですかね。 (2017-04-14 23:23)
それにしてもようやくボスらしい存在が現れましたね。
神愛人→父を止める!
真矢→友達をほっとけない!
アルコ→借りを返す!
希→自分への面倒事を片付ける
うん、戦う動機が希らしい!
(2017-04-15 01:25)
指摘された点をひっそりと修正しましたがどうですかね…
物語の進行とともに成長する主人公もいいですが、たまにはこういうブレない主人公もいいのではないでしょうか。まあ作者の私が言うのもアレですけど…
それからター坊さん、遊戯王SS紹介・感想板でこの作品を紹介してくれてありがとうございます! (2017-04-15 09:31)