光と闇 会長・刹那の混沌を操る力！⑬　作：はにわ改

　
「ーーリューゼリッドのモンスター効果だ！
相手フィールド上に存在する攻撃力が１番高いモンスターの、元々の攻撃力の半分の数値だけ、リューゼリッドの攻撃力がアップする！」

「私の場にはガブリエルのみ。
攻撃力は２６００ね」

「その半分、１３００ポイントアップだ！」

リューゼリッドの効果で、元の攻撃力１９００が３２００まで上がる。
ミカエルの６２００という攻撃力が未だにインパクトが強く残り、その半分程度の攻撃力だが、それでも生半可なモンスターは一掃できる数値である。

「更に手札から『三宝の輝き（さんほうのかがやき）』を発動！」

「そのカードは・・・流石にいい引きしてるわね、透矢くん」

「へへ・・・自分フィールド上に存在するＴ・Ｆモンスターの数だけドローだ！」

魔法カード・『三宝の輝き』。
自分の場のＴ・Ｆモンスターの数だけドロー出来る専用カード。
状況によっては１枚で大量の実入りが得られるが、状況を作れなければとことん腐るややリスキーなカードだ。
しかし手札がこれ１枚だった今の透矢には有り難いカードである。

場には『アリアス』と『リューゼリッド』がいるので、２枚ドローだ。

「えーっと、俺は手札から『三騎士 守護の鎧』を召喚！」

ドローした２枚の中から召喚される『守護の鎧』。
水花戦で活躍した三騎士の一体。
金色の鎧で身を護り、守備力の高さが頼れる戦士だ。
ただ攻撃能力は低く、攻撃力は６００しかないがーー。

「守護の鎧の効果！
召喚時にこのカードを守備表示に変更！
更に次のターンのスタンバイフェイズにデッキから『守護の鎧』を１枚手札に加える！」

守護の鎧の効果により、自ら守備態勢になり、１９００という高い守備能力を活かす事が出来る。
更に次のターンのスタンバイフェイズに、同名の守護の鎧を手札に加える事が約束される。

これでリューゼリッド、アリアス、守護の鎧。
透矢の場が俄然厚くなった。

「（さてあとはバトルだがーー）」

布陣は整った。
ガブリエルの攻撃力を凌ぐリューゼリッドがいるから、是非倒しに行きたいところ。

だがやはり気になるのは３枚のリバース・カード。
ここまで刹那は動きを見せてないから、バトルを行うこちらを迎撃する罠である可能性は充分ある。

Ｔ・Ｆモンスターは除去には非常に強いが、万能ではない。
リューゼリッドは確かにガブリエルの攻撃力を凌いでいるが、その差は僅か６００。
ガブリエルの攻撃力をあげるサポートカードがあれば、その差は簡単にひっくり返るだろう。

かといってバトルしないのは、消極的な感は否めず、ガブリエルの能力により刹那は更なる恩恵を受ける事となる。

「（危険だが・・・ここは行くぜ！）」

透矢はリューゼリッドを見る。
視線を感じたか、リューゼリッドも後ろ目に透矢を見るが、すぐにまた前を向いてしまう。
そして透矢は１度目を閉じて深呼吸すると、決断の意を示した。

「バトルフェイズ！
リューゼリッドでガブリエルを攻撃！」

下された攻撃宣言。
これが通れば厄介なガブリエルを消し去れる。
果たしてーー。