16. お呼び出し　作：くちなし

☆★☆★

翌日放課後。

「よーっす」
「ウミキヨか。昨日はサンキューな」
「気にすんなって。それより、顔色曇ってるじゃん」
「ん、、そうか？」
「なんか雰囲気が」

流石だな。少しの違いもお見通しってか。
キーンコーンカーンコーン、、ん？連絡用チャイム？

≪生徒No.1-2-13と生徒No.1-2-31　該当生徒は放課後生徒会室へ集まってください。繰返します、、≫

「1-2-13、、自分だ、、」
「、、観月、なんかやらかした？」
「城ケ崎か。別に何もやらかしたつもりは無いが、、」
「観月くんの事だから、普段の行いとかw」
「有り得る」
「っていうか、1-2-31って安楽木、キミだ」
「え、、？私、？」

生徒手帳を見る安楽木。
男子の最初は1からだが、女子の最初は31に当たるのだ。

「あ、ほんとだ、、私、何もしてないのに、、観月くんならともかく」
「ともかくってなんだよ。ともかくって」

アカデミアの生徒には、それぞれに生徒ナンバーという物が存在する。例えば、自分の1-2-13の1は学年、
2はB組。アルファベットの2番目だからだろう。そして13は出席番号である。
このように、名前を知らずとも、連絡用放送で、生徒ナンバーで呼べば時短で分かりやすいのだ。
会長とは一体誰なんだ？何のために呼んだんだ？

☆★☆★

放課後。重々しく会長室のドアをノック。

「私、ここに(ドアの外)いるわ」
「どうぞ」
「失礼します」
「失礼します」
「後ろの方も入っていいわよ」
「し、、失礼します」
「失礼します、」

後ろ、、と言うのは城ヶ崎の事である。ウミキヨはいない。

「悪いね。わざわざ放課後に。私が生徒会長は最上陽翔だ」
「いえ、お気になさらず。それで、本題は、、？」
「ああ、キミのそのマークみたいな物についてだ、、」
「なぜ自分にある事を、、？」
「今日廊下ですれ違ったときに見えてね。気になったのだよ。それに、今着てるのは夏服でじゃないか」

そう。今は7月。思いっきり夏季の制服である。半袖Yシャツにズボン。普通の格好である。

「で、左腕だっけ？見せて貰えるか？」

袖をたくし上げる。左腕にあるマークが露になる。

「これは、、月、、？」
「それが全く分からないので」
「この痣に心当たりは？」
「全く」
「そうか、、」

会長、と呼ばれるその目は冷酷な目をしている。まるで睨め付けているかのように。

「三日月の様だな、、」
「、、」
「もしかして、、」

会長は引き出しから本を出して、ページを捲る。ブックカバーのせいで何の本かは不明。
やがて、捲る音は止み、考え込むように黙る

「その本は何ですか？」
「ああ、この本は天体関連の本だ。このページを見てくれ」

3人はそのページに集まる。

「あ、このマーク、」
「私のにも似てるわ」

安楽木も右腕の袖をまくる。

「っということは、この奇妙なマークがあるのは3人か、、観月くんが三日月、安楽木さんが数字の4みたいな、、
それぞれ【月】、【木星】、を表しているらしいな」
「へぇ、、言われれば確かに似てるわね、、」
「で、これに何の意味があるのか分かるのですか？」
「これが天体の名前以外に何を意味するのかは生憎分からない。だが、何か分かったら教えてくれないか？」
「、、分かりました」
「悪かったな」
「いえいえ」

3人は会長室(生徒会室)を出る。

☆★☆★

帰途につく途中の駅のホームから来た電車に乗り、席でひと段落ついていた。

「まさか、月と木星だったとはね、、」
「自分のは見当ついてたけど」
「観月のは、あんな分かりやすいんだから誰にでも分かるわよ」
「まあ、そうだけど、」
「なんか不気味、、」
「天体に不気味要素なんて、、」
「異星人、、」
「いるわけ無いだろ」
「でも、ネッシーとか、UFOとか、、」
「そんなに怖くたきゃ話さなきゃいいだろ」
「(´・ω・`)」
「2人共、駅、ここじゃないのか？」
「あ、早いね」
「じゃ、お疲れ」
「うん。また明日」

惑星、、ね、、。まだ終わらないような気がするのは自分だけか。

☆★☆★

その頃、某所にて、、

「では会長。お先に失礼します」
「ああ、気を付けて」

夕日が差し込む部屋の中。


⋯⋯、、あと7人、、あと7人で揃う、、

⋯⋯さて、ゲームを始める準備を使用ではないか、、(ΦωΦ)ﾌﾌﾌ…