寄り道編02. パペット・フェスティバル　作：くちなし

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㊟このストーリーには以下の要素が含まれています。
・本編無関係
・まったりトーク
・本編との矛盾

それでも良ければゆっくり読んでいってね！(#^^#)

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帰り道。
何やら囃子が聞こえる。神社の方か。ちょっと寄ってみるか。

「あ、観月」
「観月くん！」
「なんなんだ？この人だかりは、、」

そこに居たのは同盟の2人、、

「今日は何日？」
「3月3日」
「何の日？」
「、、、」

本日。3月3日。皆、ご存じだろうか。雛祭りである。別名桃の節句、英名Puppet festival.
安楽木と城ヶ崎は着物を着ているが、それが何だというんだ。男の自分には全く無縁な話題である。

「で、？だから何なの？」
「食べるのよ」
「は？食べる、、？千歳飴？」
「それは七五三」
「じゃあ、甘酒？」
「それもそうだけどさ、、他にあるじゃん！」
「知らないな」
「、、雛霰と菱餅！」
「ああ、そんなのあったな」
「後、雛人形ね」

雛人形は、幼女が遊ぶ人形遊びを基にした物であり、宮中の殿上人の装束を模している。古くから嫁入り道具の
1つとされた為、母方の実家から贈る事が一般的とされたが、現在では家庭によりけりな様である。
また、雛人形が無い家庭は娘の嫁入りが遅れる、なんていう噂もあるらしい。
そして、その起源は平安時代にまで遡るとまで言われている。

雛霰とは、糯米の糒(ほしいい)や豆を炒った物に砂糖で甘くした菓子で、桃、緑、白の3色が一般的である。
この3色には意味があり、それぞれ生命、木々の芽、雪を表している。

また、菱餅は名前の通り、菱形の形をしたお菓子である。これもまた3色で構成されており、、上から桃、白、緑
の順番で色付けられている。菱形は、大地を意味するらしい。
赤い餅は先祖を尊び、厄を祓い、解毒作用のある山梔子の実で健康を祝う為であり桃の花を表している。
白い餅は菱の実を入れ、血圧低下の効果を得て、清浄を表し、残雪を模している。緑の草餅は初めは母子草の
草餅であったが「母子草をつく」と連想され代わりに増血効果がある蓬を使った。春先に芽吹く蓬の新芽で
穢れを祓い、萌える若草を譬えた。
こちらは、室町時代の宮中で食べられていて、そこから広まったらしい。当時は紅白の2色で、今の様な菱形に
なったのは江戸時代になってからである。(これらは一例。諸説あり)

「ま、観月には関係無いんだけどね」
「そうね。観月くんは5月だね」
「おい」
「なによ」
「その、、写真撮ってやろうか」
「あら、気が利くじゃない。じゃあ、お願いするわ」

2人は雛人形の両端にしゃがみ込む。なにせ2人が着物着てるのだから、、記念、と言うのが妥当か。

「行くぞ、、はい、チー鱈」
「ちょちょちょ、、なんでチー鱈！？」
「なんとなく」
「いや、普通でいいから」
「じゃ、Take2.チーーーー、、、、」
「いや、長いから！」
「はいはい」
「もしかして、わざとやってる？」

速攻否定。うん、と言う奴もいないだろうがな。

「3度目、頼むわよ」
「行くぞぉ、、ちーず」
「いやいやいやいや、、」
「ちょっと、間をおいてよ」
「行くぞぉ、、、。。チーズ」
「いや、そういう事じゃないから」
「はい、とか、せーの、とか言ってよ、、」
「Take5行くよぉ、、はい、、、、ちーず」
「間が長い！もっかい！」
「はい、、choose」
「なんか可笑しかったけど、綺麗に撮れてるじゃん。あと2枚頼むわ」
「何枚撮ればいいんだ」
「もとはと言えば観月のせいでしょ！」
「はいはい、、行くぞぉ、、はい、ポン酢」

こんな調子で写真を撮ってやった。

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帰り道。

「ちょっとくらくらすりゅぅ、、」
「そりゃそうよ。飲み過ぎなのよ」

安楽木、いくらなんでも甘酒10杯は飲み過ぎだ。

「らってぇ、ただなんりゃもん、、(だって、ただなんだもん)」
「節度を持てっつー事だよ」
「安楽木さん、腹八分よ」
「いいんらもぉん、、」

既に呂律が回ってない。頼むから吐かないでくれよ。僕の背中で。
安楽木、の吐息が酒臭いが、、城ヶ崎には背負えないからな、、しょうがない。

「たのしかったぁ、、」
「そうかい。今度はこっちの番よ」
「ええ、なんかあったっけぇなぁ、、？」
「端午だ。とぼけるなよ」
「へへ、ごめんごめん」

こうして、帰途へ着いた。結局、安楽木を家まで送り届けた事、翌日に頭痛で欠席した事は言うまでも無い。
それと同時に、3人の親近感も近くなった日でもあった事は言わずと知れた事だろう。


Fin