06. HMP作戦　作：くちなし

★☆★☆

畜生。一気に畳みかけようとしたら、あの時盗まれたカードが立ちふさがるなんて、想定外だ！


【盤面】
悠里　LP5000　手札5
バトルフェーダー　ATK0

海清　LP3000　手札1
伏せカード3枚
墓地13枚、残りデッキ総数23枚

相手　LP6000　手札6
怒濤制圧皇ーゼクスブライトー　ATK5000
墓地20枚　残りデッキ総数14枚


幸い、ゼクスブライトが出たのがスタンバイなので、海清の伏せ3枚は守られたってところか。

「メインフェイズ！」

ゼクスブライトをどう対処しようか、、、


怒濤制圧皇ーゼクスブライトー　闇属性、戦士族、☆12、効果モンスター
このカードは、このカードの効果でのみ特殊召喚できる。
①相手のスタンバイフェイズ、このカードは手札から攻撃表示で特殊召喚できる。
②このカードは相手の効果を受けず、効果では破壊されない。また、リリース、裏側表示にも出来ない。
③このカードが表側表示で存在する限り、相手は通常召喚、特殊召喚、反転召喚をいずれか1回しか行うことが出来ず、カードのセットも出来ない。
④相手はモンスター効果及び、魔法・罠カードを1ターンに1枚ずつしか発動できない。
⑤(不明)


「ん、、(相手の場にはバック無しか、、これなら、、出来るかも、、)」

唯一の打開策に、賭ける事にする。
その名も、「HMP作戦」。

H 　　ハンド(手札)に
M　　戻して
P 　　「ポイッ」させる　作戦である。

場から墓地に行く、除外したならサンダー・ボルト+手札に戻るが、手札から捨てさせれば、効果は出ない。
そこを突く！
逆に言えば、この策が通らなかったら、負けだ。
敗けたら許してくれよな。

「このカードを召喚、、」

悠里の召喚したカードは、相手のカード、、ゼクスブライトを突破する、可能性のあるカードだ。

N グラン・モール　ATK900

「そのカードなら、！」

「バトル！グランモールでゼクスブライトを攻撃！」

「ゼクスブライトの攻撃力は5000！自爆に走ったか！」
「いーや。グラン・モールはダメージ計算前に、互いのモンスターを手札へ戻す！」
「何、、！？だが、ゼクスブライトは対象には、、」
「このバウンス効果は対象を取らない！」

ゼクスブライトへ突っ込む1匹のモグラ。そして、その2体は手札へ戻る。

「、、戻されたか、、でも、また次のターン出せばいい事よ！」
「いや、もう出させない！」
「！？」
「手札から魔法カード、手札抹殺、発動」


手札抹殺　通常魔法　【制限カード】
①お互いに手札を全て捨てる。その後、デッキからお互いに捨てた枚数分、カードをドローする。


「これで、お互いの手札は全て墓地へ送られた！ゼクスブライトは自身の効果でしか特殊召喚が出来ない！」
「ってことは、、！」
「ゼクスブライトは、、もう、来ない！」
「、、、効果発動、、」
「な、、、」
「ゼクスブライト、第5の効果発動！」
「5個目の効果、、だと、！？」

ゼクスブライトに5個目の効果なんて覚えが無い。まさか、ここまで来て復活とかないよな、、

「ゼクスブライトがカード効果で墓地に送られた時、相手に5000ダメージを与える！！」
「5000ダメージ、、！？」
「手札のダメージ・リゾネーターの効果発動！」

ダメージ・リゾネーター　闇属性、悪魔族、☆2、効果チューナー　(オリジナル)
「ダメージ・リゾネーター」の①の効果は1ターンに1度しか発動できない。
①相手がダメージを与える効果を発動した時、その効果を無効にし、このカードを手札から特殊召喚できる。
②このカードがS素材に使われた時に発動できる。このカードの他にS素材に使ったモンスター1体を守備表示で
特殊召喚する。


「何、！？無効化されただと、、！？」
「悠里、、Thanks！助かった！」
「気にするなって事よ」

ダメージ・リゾネーター　ATK1000

HMP作戦、完全成功。これで、後は畳みかけるだけだ。
相手を睨む。名も知らぬ相手だが、因縁を晴らさなければな。

「ゼクスブライトが場を離れた事で、発動制限は無くなった！」
「、、、！」
「自分の場に攻撃力の1500以下の悪魔族チューナーが存在する時、手札の風来王ワイルド・ワインドは
特殊召喚できる！」

風来王ワイルド・ワインド　闇属性、悪魔族、☆4、効果モンスター
①自分の場に攻撃力1500以下の悪魔族チューナーが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
この効果で特殊召喚したターン、自分はSモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
②墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから攻撃力1500以下の悪魔族チューナー1体を
手札に加える。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

風来王ワイルド・ワインド　ATK1700

「☆4の風来王ワイルド・ワインドに☆2のダメージ・リゾネーターをチューニング」
「☆6、、！？」

そうか。このカードを使うのは初めてか。因みに、使ったことあるのは2枚だけなので、他の13枚は代理で
賄っている。

『疾風の使者よ！悪魔と交じりて、烈火の龍と成る、、』

≪S召喚、、！レッド・ライジング・ドラゴン！≫

レッド・ライジング・ドラゴン　ATK2100


「レッド・ライジング・ドラゴンのS召喚時効果！」

レッド・ライジング・ドラゴン　闇属性、ドラゴン族、☆6、Sモンスター
悪魔族チューナー＋チューナー以外のモンスター1体以上
①このカードのS召喚成功時、自分の墓地の【リゾネーター】モンスター1体を対象として、特殊召喚できる。
この効果を発動するターン、自分はドラゴン族・闇属性SモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
②墓地のこのカードを除外し、自分の墓地のレベル１の「リゾネーター」モンスター２体を対象として発動できる。そのモンスター２体を特殊召喚する。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。


「墓地のレッド・リゾネーターを特殊召喚し、効果で、レッド・ライジング・ドラゴンの攻撃力分、LPを回復する！」

レッド・リゾネーター　DEF200

「レッド・リゾネーター」の②の効果は１ターンに１度しか使用できない。
①このカードの召喚成功時に発動できる。手札から☆4以下のモンスター1体を特殊召喚する。
②このカードの特殊召喚成功時、場の表側表示モンスター１体を対象として発動できる。そのモンスターの
攻撃力分だけ自分はLPを回復する。

悠里LP5000→7100

「☆6のレッド・ライジング・ドラゴンに☆2のレッド・リゾネーターをチューニング」


≪S召喚！煉獄龍オーガ・ドラグーン！≫

煉獄龍オーガ・ドラグーン　ATK3000

「さらに、チェーン・リゾネーターを召喚！効果でデッキから、フォース・リゾネーターを特殊召喚！」

チェーン・リゾネーター　ATK0
フォース・リゾネーター　DEF500

チェーン・リゾネーター　闇属性、悪魔族、☆1、チューナー
①場にSモンスターが存在し、このカードの召喚成功時に発動できる。このカード以外の別名【リゾネーター】
モンスターをデッキから特殊召喚する。


「手札から、死者蘇生、発動！」

死者蘇生　通常魔法、【制限カード】
①自分又は相手の墓地のモンスター1体を特殊召喚する。

「墓地から、風来王ワイルド・ワインドを特殊召喚！」

風来王ワイルド・ワインド　AK1700

「☆4の風来王ワイルド・ワインドに☆2のフォース・リゾネーターをチューニング、、」

≪S召喚！スターダスト・チャージ・ウォリアー！≫

スターダスト・チャージ・ウォリアー　ATK2000

「スターダスト・チャージ・ウォリアーS召喚時効果で1枚ドロー」

悠里の手札は2枚にまで減ったが、、これで、盤面は整う、、はずだ。

「さらに、☆6のスターダスト・チャージ・ウォリアーと☆1のバトルフェーダーに☆1のチェーン・リゾネーターを
チューニング！」

『烈火の龍よ、今ここに魂の咆哮を上げ、天地を揺るがす覇者となる！』

≪S召喚！レッド・デーモンズ・ドラゴン！≫

レッド・デーモンズ・ドラゴン　ATK3000

「悠里、、」
「ああ、出したよ。5年ぶりだな、、」


【盤面】
悠里　LP5000　手札2
煉獄龍オーガ・ドラグーン　ATK3000
レッド・デーモンズ・ドラゴン ATK3000
墓地７枚　残りデッキ総数31枚

海清　LP3000　手札1
伏せカード3枚
墓地1４枚、残りデッキ総数22枚

相手　LP6000　手札7
墓地27枚　残りデッキ総数7枚

「だが、貴様のバトルフェイズは終了している！」
「いや、このカードの発動で、この状況を引っ繰り返す！」
「！？」
「魔法カード、逆戻り！」


逆戻り　通常魔法　(オリジナル)
「逆戻り」はデュエル中に1枚のみ発動できる
①自分の場のモンスターがS、X、P、儀式、融合のどれか1種類のみの時に、種類(S、X、P、儀式、融合)を
1つ選択して発動できる。選択した種類のモンスターのみ、このカードの発動直後、攻撃を行うことが出来る。


「んな、、馬鹿な！？」
「バトル。煉獄龍オーガ・ドラグーンでダイレクトアタック、、】

煉獄龍オーガ・ドラグーン　ATK3000
相手　LP6000

「ぐぅぉぉ、、！！」

相手LP6000→3000

「よし、行けるよ、悠里！」
「ああ、続けてレッド・デーモンズ・ドラゴンで攻撃！【独断の紅蓮地獄】(アブソリュート・ヘル・テンペスト)！」

「く、、くそがァァァ！！！」

相手LP3000→0

HMP作戦及び、クラスメイト救出作戦、完了(?)。
「おい、さっさと鍵を渡せ」

怯えているせいか、無言で渡された。

「観月くぅん！！」
「ふぅ、、腕が痛い」
「ったく、なんでんなとこにいるんだよ」

大方予想はつくが、聞いてみる

「えとね、、」

安楽々の言い分によると(上から順に)
・城ヶ崎が数日来ないのを心配して、彼女の家に行った。
・母親によると、家には戻っていない、と言われ、なんとなくで海に行った
・すると、倉庫内から声がしたので、開けるとデュエル中だった
・安楽々自身も参戦するが、見事に惨敗。監禁状態に。
・そこに、海清がやってきて、応戦。
・で、自分登場、

という事らしい。まったく、アホらしい。僕は、他人の地雷を処理しに来たのか。
ま、いい。過ぎた事だ。
因みに、城ヶ崎は、、散々だったようだ。身体的な苦痛を受けたらしい。詳細は省略する事にする。

んで、そいつ(相手)からゼクスブライトを取り返し、サツに送っといてやった。アイツは多分、永く姿を見る事は
無いだろう。なにせ、傷害容疑、監禁罪、少女淫行罪、脅迫罪、、その他が重なるからな。

「兎に角、帰ろう」
「ここ、船の上だよ！？」
「何言ってるんだよ。もうとっくに止まってるよ」
「え、、？」
「だって、行先、、アカデミアだもん。」

アカデミアから、海までは遠いが、船の次は車に運ばれていたらしい。コンテナに行き先が描いてあったので、
すぐに分かったのだ。

「兎に角、帰るぞ」
「うん」

それから、安楽々は無断欠席で、海清と自分は無断早退で指導を受けた事は言うまでもない。