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第12話 大空の刃 作:いちごT
12話
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前回のあらすじ
フリーデュエルスペースで海馬瀬人の甥、海馬継馬のデュエルを目撃した遊飛と景介。そこで出くわしたクロノス校長の勧めで部活見学に乗り出すがひょんなことから相撲部に強引に勧誘される。遊飛は入部拒否をかけて2年生、八卦鋸太郎とデュエルすることとなった。
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鋸太郎「『雲龍の型』の効果でこのターン『小結』は攻撃出来ない。俺はカードを2枚伏せてターンを終了。」
●伴 遊飛 手札3 LP3500
モンスター0
魔法、罠1 セットカード
●八卦 鋸太郎 手札1 LP4000
モンスター1 『力士マン 小結』
魔法、罠2 『ちゃんこ祭り』、セットカード×2
遊飛「俺のターン、ドロー! 『機動獣-ヘビーホーン』召喚。」
・機動獣-ヘビーホーン ☆4 地 1700/1400
赤く力強さを感じさせる体躯の角竜のような機動獣が現れる。背中にはライフル、鼻先には貫通力のありそうなツノ、頭部には砲塔がフリルのよう揃っている。
鋸太郎「遊飛、こちらの『ちゃんこ祭り』の事を忘れていないだろうな?そいつでは攻撃力の上がった『小結』に届かんぞ。」
遊飛「分かってるさ! 『ヘビーホーン』はモンスターと戦闘する場合、攻撃力と守備力が400アップする。攻撃した後は守備表示になるけどな。」
鋸太郎「ほう…」
遊飛「バトル! 『ヘビーホーン』で『力士マン 小結』を攻撃!」
・機動獣-ヘビーホーン 攻1700→攻2100
鋸太郎「だが甘い! 罠カード『猫騙し!』」
ツノを振りかざして突進するヘビーホーン。それに臆する事なくどっしりと構えて向かう力士マン小結。その2体が合間見えようとした瞬間、小結はヘビーホーンの眼前で手を打ち鳴らす。その音と衝撃に戸惑い急停止してしまう。
遊飛「なに!?」
鋸太郎「『猫騙し』は力士マンが場に存在する時、相手モンスターの攻撃または効果を無効にし表示形式を変更する! ただ攻めるだけじゃ取り組みを制することは出来んのだ。」
遊飛「く…ターンエンド。」
鋸太郎「俺のターン! ドロー!! 2体目の『力士マン 小結』を召喚する。こいつも『ちゃんこ祭り』の効果で攻撃力が上昇だ!」
・力士マン 小結 攻1600→攻1800
鋸太郎「いくぞ! 1体目の『力士マン 小結』で『機動獣-ヘビーホーン』に攻撃!」
遊飛「おっと『ヘビーホーン』の効果はモンスターとバトルする時は攻撃力、守備力が400アップだ。」
・機動獣-ヘビーホーン 守1400→守1800
遊飛「攻撃力1800の『小結』じゃ倒せないぜ?」
鋸太郎「こちらとてそれは百も承知! 無策で突っ込むわけではないわ!!」
鋸太郎「『小結』は『前頭』の効果で特殊召喚されている場合【モンスターに攻撃する時、ダメージステップ終了時まで攻撃力が500アップする】効果を得る!」
・力士マン 小結 攻1800→攻2300
遊飛「マジ!?」
鋸太郎「続行だ! 行け『小結!』『前頭』」
『小結』が相当な重量のありそうな『ヘビーホーン』を軽々投げ飛ばし、遊飛は目の前に落下した巨体から生じた衝撃波にたまらず顔を覆う。
遊飛「『ヘビーホーン!!』」
鋸太郎「この瞬間『ちゃんこ祭り』にカウンターが乗り、攻撃力はさらに上がる!」
・力士マン 小結×2 攻1800→攻2000
再び鍋の上から具材が出現し、投下される。
鋸太郎「2体目の『小結』で直接攻撃だ!」
遊飛「ぐあっ!?」
遊飛 LP3500→LP1500
鋸太郎「さらに相手モンスターを戦闘で破壊した1体目の『小結』をメインフェイズに墓地に送りデッキから『力士マン 関脇』を特殊召喚する!!」
・力士マン 関脇 ☆6 地 2200/2200
鋸太郎「そして『ちゃんこ祭り』の効果で攻撃力上昇!」
・力士マン 関脇 攻2200→攻2600
遊飛「次から次に…力士ってのは凄えんだな。」
鋸太郎「はっはっは! その通り。どうだ?相撲部に入りたくなっただろう?」
遊飛「それとこれとは別だっての!」
鋸太郎「なあに…じきに入部届けを書くこととなる。カードを1枚伏せてターン終了だ。」
景介「ちょっと遊飛くんしっかりしてくれよ! このままじゃ入部まっしぐらだよ!」
遊飛「平気平気! まあ見てなって!」
景介(ホントその自信はどこから湧いてくるんだろう……)
●伴 遊飛 LP1500 手札3
モンスター0
魔法、罠1 セットカード×1
●八卦 鋸太郎 LP4000 手札1
モンスター2 『力士マン 関脇』『力士マン 小結』
魔法、罠2 『ちゃんこ祭り』 セットカード×1
遊飛「俺のターン、ドロー! ……やっと来たか。」
遊飛「俺は魔法カード『融合』を発動! 手札の『機動獣-レックス』2体を融合する!! 来い!『機動獣-ギガ・レックス!』」
・機動獣-ギガ・レックス ☆10 地 3000/2600
景介「出た! 遊飛くんの暴力的モンスター!!」
鋸太郎「融合使いか! 面白い!」
遊飛「こいつは罠カードの効果を受けないぜ! バトルだ! 『ギガ・レックス』で『力士マン 関脇』を攻撃。『ギガクラッシャーバイト!!』」
『ギガ・レックス』は巨大な顎を開け、『力士マン 関脇』の体を完全に飲み込んでしまう。
鋸太郎「ぬう!?」
鋸太郎 LP4000→LP3600
遊飛「さらに破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える! 『ギガクラッシャーテイル!!』」
太い鋼鉄の尾を思い切り振り抜く『ギガ・レックス』。鋸太郎はとっさに腕を交差させて衝撃から身を守るがその勢いは凄まじく、立ったまま数メートル後退させられる。
鋸太郎「ぐぅ……強い! ますます相撲部に欲しくなるわ!!」
鋸太郎 LP3600→LP1400
鋸太郎「だが伏せカード『土俵際の意地』 発動。 戦闘で破壊された力士マンを攻撃力を500上昇させて復活! さらに指定されている力士マンの効果での特殊召喚扱いにもなる!!」
・力士マン 関脇 攻2600→攻3100
今しがた倒された『関脇』が蘇る。体は傷だらけだがその顔つきは険しく、気を抜いたら逆に一瞬で倒されるのではないかと言うほどの雰囲気が漂っている。
鋸太郎「力士とは最後の最後まで意地を見せるもの! 次のターンの終わりには除外されてしまうがな。」
遊飛「最後の最後まで……それはデュエリストと同じってわけだ。」
鋸太郎「分かってくれるか!」
遊飛「でも入部するかどうかは別問題だぜ! ターンエンドだ。」
鋸太郎「ドロー! 攻撃力の上がった『関脇』で『機動獣-ギガ・レックス』に攻撃!!」
組み合う2体のモンスター、大きさでは『ギガ・レックス』に分があるが『関脇』の闘志は半端ではなく、やがて意地で『ギガ・レックス』を投げ飛ばす。
遊飛「ぐっ!」
遊飛 LP1500→LP1400
鋸太郎「モンスターを戦闘破壊したため『ちゃんこ祭り』にカウンターが乗り攻撃力上昇!!」
・力士マン 関脇 攻3100→攻3300
・力士マン 小結 攻2000→攻2200
鋸太郎「さらに『小結』による特殊召喚扱いの『関脇』が相手モンスターを戦闘破壊した時、デッキから力士マン1体を手札に加えることが出来る。俺は『力士マン 大関』を手札に加える!」
鋸太郎「まあ『大関』を使うまでも無いだろうがな。」
3年部員1「流石だ鋸太郎!!」
3年部員2「これで新入部員は確実だな!!」
3年部員1、2「「ふはははは!!!!」」
鋸太郎「見ていてくれ先輩方! これで相撲部も安泰だ!! 」
鋸太郎「決めの一手!『小結』で直接攻撃!!」
遊飛「まだだ! リバースカードオープン! 『復活のzi-コア』」
遊飛「相手フィールドにモンスターが存在する時、墓地の機動獣1体を特殊召喚する! 再び大地に立て!『ギガ・レックス!!』」
腕を広げ、遊飛に向かって突進する『小結』を遮るかのように『ギガ・レックス』が出現、咆哮を浴びせて突進を躊躇わせる。
鋸太郎「む…攻撃は止めだ。カードを1枚伏せる。そしてターン終了時に『関脇』の効果発動! 」
鋸太郎「相手に戦闘ダメージを与えたターン終了時に『関脇』を墓地に送り、手札から『力士マン 大関』を特殊召喚する!!」
・力士マン 大関 ☆8 地 2800/2800
鋸太郎「そして『ちゃんこ祭り』で攻撃力上昇だ。」
・力士マン 大関 攻2800→攻3400
遊飛「また強くなって出てくるのか…そろそろ参ってくるぜ。でも次のターンで決めてやる!」
●伴 遊飛 LP1400 手札1
モンスター1 『機動獣-ギガ・レックス』
魔法、罠0
●八卦 鋸太郎 LP1400 手札1
モンスター2 『力士マン 大関』『力士マン 小結』
魔法、罠1 セットカード×1
遊飛「ドロー! 『ギガ・レックス』で『小結』に攻撃! これで終わらせる!!」
景介「よし! これが通れば遊飛くんの勝ちだ!!」
3年部員1「ふ、果たして
上手くいくかな?」
鋸太郎「速攻魔法『取り直し』発動! 戦闘を行う力士マン1体と相手モンスター1体を守備表示にする。」
2体のモンスターの間に行司が現れ、行動を制止させる。
遊飛「通らねーか…俺は『機動獣-プテラス』を守備表示で召喚。」
・機動獣-プテラス ☆4 風 1400/1000
遊飛「そして魔法カード『アイアンドロー』発動! 自分フィールドに機械族が2体以上いる時デッキから2枚ドローする。」
遊飛「っドロー! ……よし、カードを1枚伏せてターンエンド!」
鋸太郎「俺のターン、ドロー!…む!?」
鋸太郎(ここでお前がくるとは……なるほど、俺にそうしろと言うのか。)
鋸太郎「そうだな……この相撲部に入部していただくわけだ。それ相応の姿勢で臨まなければ失礼というもの!!」
遊飛「この気迫……何かある!!」
景介「あ、ああ…」
鋸太郎「『大関』の効果発動! 自分のスタンバイフェイズに『力士マン 大関』とフィールドの力士マン1体、『小結』を墓地に送ることで手札から最強の力士マンを特殊召喚する! 現れろ! 『力士マン 大横綱っ!!』」
・力士マン 大横綱 ☆10 地 3500/3500
一切の乱れもなく引き締まった髷、厳つい顔には赤い模様が刻まれておりまるで歌舞伎役者のよう。腰にはまわしの他白く太い縄が背部に蝶結びになっており他の力士マンとは一線を画す存在であることは遊飛にも瞬時に理解ができた。
景介「攻撃力3500!?」
遊飛「ついに横綱がお出ましか……」
3年部員1「おお! 横綱だ!」
3年部員2「鋸太郎がアレを出すとは…」
3年部員1、2「「この勝負、鋸太郎の勝利は確実だな! フハハハハ!!!」」
鋸太郎「そう、これが力士マン最強の戦士『大横綱!!』 戦闘する相手モンスターの効果を無効にする効果を持つ、小細工なしの取り組みを信条としているのだ。入部を賭ける以上はこいつで迎えなければ力士の名が廃る! 行くぞ!!」
鋸太郎「『大横綱』で『ギガ・レックス』に攻撃! 『アトミック張り手ぇ!!!』」
遊飛「罠発動! 『ドレインシールド!』攻撃を無効にして攻撃力分のライフを回復させてもらうぜ!」
鋸太郎「効かぬわぁ!!!」
両手を構えて突進する『大横綱』。右手を振りかぶって飛び上がり、出現したシールドごと強烈な張り手を自身の倍以上の巨体を誇る『ギガ・レックス』の顔面に食らわせる。食らったと同時に目にも止まらぬ速さで遊飛の横を通過して後方に吹っ飛び、壁に衝突、爆散してしまう。
遊飛「ぐああ!? 」
鋸太郎「『大関』の効果で特殊召喚された『大横綱』は魔法、罠の効果を受けないのだ! 俺はこれでターン終了!!」
遊飛「そのパワーで魔法と罠が効かないのかよ…とんでもねえな…」
●伴 遊飛 LP1400 手札1
モンスター1 『機動獣-プテラス』
魔法、罠0
●八卦 鋸太郎 LP1400 手札1
モンスター1 『力士マン 大横綱』
魔法、罠0
景介「手札もライフも…場のカードの数も同じ…」
3年部員「しかしかたやレベル10上級、かたやレベル4の下級…質が違う。」
3年部員「やはり鋸太郎が圧倒的だな。」
景介「く…ここは耐えるんだ!遊飛くん! それでチャンスを見つけるんだ!!」
遊飛「ああ…悔しいが今はそれしかねえな。ドロー! 『機動獣-トータス』を守備表示で召喚。」
・機動獣-トータス ☆3 地 500/1800
遊飛「『トータス』の効果、1ターンに1度相手に500ダメージを与える!」
発射された砲弾が弧を描いて鋸太郎に直撃し爆発する。しかし勝利を確信している鋸太郎は怯むことなく、爆煙の中顔色一つ変えずに仁王立ちである。
鋸太郎「いまさらそれだけのダメージを与えても俺の優位は揺るがんぞ。」
鋸太郎 LP1400→LP900
遊飛「……ターンエンドだ。」
鋸太郎「俺のターン、ドロー。『大横綱』よ!『機動獣-トータス』に攻撃! 『アトミック張り手!!』」
再び横綱の張り手が見舞われ、『トータス』が先ほど『ギガ・レックス』のようにすっ飛ばされて爆散する。まるでデジャブのような光景となった。
遊飛「ぐ……」
鋸太郎「これでちまちまとダメージを与えることも出来んだろう。カードを1枚伏せてターン終了だ。」
●伴 遊飛 LP1400 手札1
モンスター1 『機動獣-プテラス』
魔法、罠0
●八卦 鋸太郎 LP900
モンスター1 『力士マン 大横綱』
魔法、罠1 セットカード×1
遊飛「俺のターン、ドロー!」
遊飛(フィールドに『プテラス』手札に『ライガー』と『O・ジーク』か。うまく『ライジング・ライガー』を呼べれば……いやダメだ。あいつは戦闘する相手モンスターの効果を無効にする…『ライジング・ライガー』じゃ勝てない。………待てよ?)
遊飛「そうか…あいつがいたじゃんか!」
鋸太郎(この状況でまだ何か策があるというのか…?)
遊飛「行くぜ鋸太郎! 俺は『機動獣-O・ジーク』を召喚!」
・機動獣-O・ジーク ☆3 地 500/500
鋸太郎「何かと思えば随分と小さなモンスターではないか。」
遊飛「小さくてもすごい力を秘めてるんだぜ。力士だって大きさが全てじゃないだろ?」
鋸太郎「む…確かに。」
遊飛「『O・ジーク』の効果発動!ライフを1000払い、自身とフィールドの機動獣1体で融合召喚を行う! 『オーガノイド・エヴォリューション!!』」
遊飛 LP1400→LP400
光球となって飛び上がった『O・ジーク』が『プテラス』に向かって垂直に落下、衝突して眩い光を放ち鋸太郎はたまらず目を守るために手をかざしてそれを遮る。そして光が弱まった先に1体のモンスターを確認した。
鋸太郎「……鳥か?」
遊飛「誇り高き嵐の刃! 『機動獣-ストーム・エッジ』召喚!!」
・機動獣-ストーム・エッジ ☆6 風 2300/1200
頭から脚まで銀色に輝くボディを持つ翼竜が出現する。その翼を折りたたんだ前傾姿勢はまるで出撃前の戦闘機のような印象を与える。
鋸太郎「攻撃力2300…どうやって『大横綱』を突破するつもりだ?」
出て来たモンスターは一般的な上級モンスターレベル。レベル10で攻撃力も高い『大横綱』の前に出すには役不足が否めず、鋸太郎は首を傾げる。しかし遊飛の顔は自信に満ちているといった感じの笑顔である。
今の『大横綱』は魔法、罠カードの効果を受けず、戦闘する相手モンスターの効果も無効となる。この状況での主な突破方法となると攻撃力で上回るか、モンスター効果で除去することが考えられるが遊飛に残る手札は1枚のみ。この手札だけで攻撃力3500を超えるというのは難しいだろう。だとするとモンスター自体に除去効果があるという方が自然である。そこまで考えて鋸太郎は不敵に笑う。
鋸太郎「はっはっは! おおかたそのモンスターの効果はカードを破壊する効果だろう! 今ここで出すならそれしかあるまい!」
遊飛「………」
鋸太郎「俺の伏せカードは『猫騙し』。さっきは攻撃を無効にしたがこれはモンスター効果の発動も無効に出来る。策は崩れたな!」
遊飛「……バトルだ! 発進しろ!『ストーム・エッジ!!』」
『ストーム・エッジ』の足元に唐突にカタパルトが出現し、脚部を固定する。徐々にせり上がり斜め40度ほどで動きを止め、一気に発射される。しかし物凄い勢いで空に放たれた『ストーム・エッジ』は翼を広げることなくゆっくりと回転しながら落下を始めてしまう。このまま墜落かと思われた刹那、翼を展開し背部のブースターから火を噴いて飛翔する。そのスピードは凄まじく、衝撃波がまるで嵐のようであった。
遊飛「『ストーム・エッジ』の攻撃宣言時、相手は魔法、罠を発動出来ないぜ!」
鋸太郎「ぐぅ……なんて風だ!! だが『大横綱』の方が攻撃力は上、自爆特攻でもするつもりか!?」
遊飛「へっ! 誰がモンスターに攻撃するって言ったよ?」
鋸太郎「何だと?……まさか!?」
遊飛「そうだ! 『ストーム・エッジ』は直接攻撃が出来る機動獣! 与えるダメージは元々の攻撃力の半分になるけどな!」
遊飛「『ストーム・エッジ』の攻撃! 『スカイダイブスライサー!!』」
上空から鋸太郎めがけて急降下すると同時に翼に装備された漆黒の刃が展開される。ライフル弾のように回転しながらすれ違いざまに鋸太郎を切り裂いて再び上昇する。
鋸太郎「ぐ……」
鋸太郎 LP900→LP0
3年部員1「ば、馬鹿な……」
3年部員2「鋸太郎が1年坊に負けただと…!?」
景介「よし! よくやってくれたよ遊飛くん!!」
立ち上がって歓声をあげる景介に対して口をあんぐり開けて硬直する3年の相撲部員たち。その1人と2人の間の温度差といったらそれは大きなものだった。
遊飛「約束通り! 俺らを相撲部に無理やり入れるのは無しだぜ?」
鋸太郎「……仕方ないな。」
遊飛「でも鋸太郎、お前めっちゃ強いな。 俺はあの横綱をまともに倒せなかった……直接対決を避けちまった…」
鋸太郎「……なんで顔をしている! この俺に勝ったんだ。シャキッとしろ!!」
直接攻撃で決めたことを対決を避けたと認識し、うしろめたさから項垂れる遊飛の背中を鋸太郎はバシンと思い切り叩く。その強さに耐えきれずよろけてしまう。
鋸太郎「遊飛、お前は正当にデュエルで勝っただけだ。それとも全力を出さずして負けた方が良かったか?」
遊飛「……いや、悪かったよ。」
鋸太郎「それでいいんだ。だが次は負けん。アカデミアカップでリベンジさせてもらうぞ。」
遊飛、景介「「アカデミアカップ??」」
鋸太郎「なんだ?お前ら知らないのか?」
遊飛「ああ…なんだ?そのアカデミアカップってのは?」
鋸太郎「7月の半ばにこのアカデミアで開かれる大規模なデュエル大会だ。1年から3年、レッドからブルーまで入り乱れ、アカデミアのNO.1を決める。」
遊飛「マジかよ!? そんなスゲーことやるなんて最高じゃん!」
景介「大体1ヶ月半後か……うん、楽しそうだ。」
遊飛「くぅ〜! 待ちきれないぜ!!」
鋸太郎「まあ焦るな。もうすぐエントリーも始まるだろう。」
鋸太郎「……さて、俺は稽古に戻るか。お前らももう一度どうだ?」
景介「え゛?」
3年部員1「そうだな。入部しないのは残念だが…」
3年部員2「部員でなくとも稽古は大歓迎だぞ。」
鋸太郎、3年部員1、2「「さあ! さあ!! さあ!!!」」
暑苦しい顔を3つ並べて迫ってくるほぼ裸の相撲部員たち。その異様な迫力に気圧され、遊飛と景介は顔をひきつらせて後ずさる。ついに入り口の扉まで追い詰められてしまう。
遊飛、景介「「勘弁してくれーーっ!!!」」
続く
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次回予告
繭「最近はちよとお話ししたり、お昼食べたりすることが多くて嬉しい。色んなことしてあげたい……けどあの男はことごとく邪魔をしてくる……ちよのため…絶対倒さなきゃ!」
繭「次回予告 『繭奮闘、愛ゆえに!!』デュエル…スタンバイ。」
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始まったばかりのシリーズなのに別の主人公のストーリーや舞台設定、使用カードを考えてしまうという……
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前回のあらすじ
フリーデュエルスペースで海馬瀬人の甥、海馬継馬のデュエルを目撃した遊飛と景介。そこで出くわしたクロノス校長の勧めで部活見学に乗り出すがひょんなことから相撲部に強引に勧誘される。遊飛は入部拒否をかけて2年生、八卦鋸太郎とデュエルすることとなった。
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鋸太郎「『雲龍の型』の効果でこのターン『小結』は攻撃出来ない。俺はカードを2枚伏せてターンを終了。」
●伴 遊飛 手札3 LP3500
モンスター0
魔法、罠1 セットカード
●八卦 鋸太郎 手札1 LP4000
モンスター1 『力士マン 小結』
魔法、罠2 『ちゃんこ祭り』、セットカード×2
遊飛「俺のターン、ドロー! 『機動獣-ヘビーホーン』召喚。」
・機動獣-ヘビーホーン ☆4 地 1700/1400
赤く力強さを感じさせる体躯の角竜のような機動獣が現れる。背中にはライフル、鼻先には貫通力のありそうなツノ、頭部には砲塔がフリルのよう揃っている。
鋸太郎「遊飛、こちらの『ちゃんこ祭り』の事を忘れていないだろうな?そいつでは攻撃力の上がった『小結』に届かんぞ。」
遊飛「分かってるさ! 『ヘビーホーン』はモンスターと戦闘する場合、攻撃力と守備力が400アップする。攻撃した後は守備表示になるけどな。」
鋸太郎「ほう…」
遊飛「バトル! 『ヘビーホーン』で『力士マン 小結』を攻撃!」
・機動獣-ヘビーホーン 攻1700→攻2100
鋸太郎「だが甘い! 罠カード『猫騙し!』」
ツノを振りかざして突進するヘビーホーン。それに臆する事なくどっしりと構えて向かう力士マン小結。その2体が合間見えようとした瞬間、小結はヘビーホーンの眼前で手を打ち鳴らす。その音と衝撃に戸惑い急停止してしまう。
遊飛「なに!?」
鋸太郎「『猫騙し』は力士マンが場に存在する時、相手モンスターの攻撃または効果を無効にし表示形式を変更する! ただ攻めるだけじゃ取り組みを制することは出来んのだ。」
遊飛「く…ターンエンド。」
鋸太郎「俺のターン! ドロー!! 2体目の『力士マン 小結』を召喚する。こいつも『ちゃんこ祭り』の効果で攻撃力が上昇だ!」
・力士マン 小結 攻1600→攻1800
鋸太郎「いくぞ! 1体目の『力士マン 小結』で『機動獣-ヘビーホーン』に攻撃!」
遊飛「おっと『ヘビーホーン』の効果はモンスターとバトルする時は攻撃力、守備力が400アップだ。」
・機動獣-ヘビーホーン 守1400→守1800
遊飛「攻撃力1800の『小結』じゃ倒せないぜ?」
鋸太郎「こちらとてそれは百も承知! 無策で突っ込むわけではないわ!!」
鋸太郎「『小結』は『前頭』の効果で特殊召喚されている場合【モンスターに攻撃する時、ダメージステップ終了時まで攻撃力が500アップする】効果を得る!」
・力士マン 小結 攻1800→攻2300
遊飛「マジ!?」
鋸太郎「続行だ! 行け『小結!』『前頭』」
『小結』が相当な重量のありそうな『ヘビーホーン』を軽々投げ飛ばし、遊飛は目の前に落下した巨体から生じた衝撃波にたまらず顔を覆う。
遊飛「『ヘビーホーン!!』」
鋸太郎「この瞬間『ちゃんこ祭り』にカウンターが乗り、攻撃力はさらに上がる!」
・力士マン 小結×2 攻1800→攻2000
再び鍋の上から具材が出現し、投下される。
鋸太郎「2体目の『小結』で直接攻撃だ!」
遊飛「ぐあっ!?」
遊飛 LP3500→LP1500
鋸太郎「さらに相手モンスターを戦闘で破壊した1体目の『小結』をメインフェイズに墓地に送りデッキから『力士マン 関脇』を特殊召喚する!!」
・力士マン 関脇 ☆6 地 2200/2200
鋸太郎「そして『ちゃんこ祭り』の効果で攻撃力上昇!」
・力士マン 関脇 攻2200→攻2600
遊飛「次から次に…力士ってのは凄えんだな。」
鋸太郎「はっはっは! その通り。どうだ?相撲部に入りたくなっただろう?」
遊飛「それとこれとは別だっての!」
鋸太郎「なあに…じきに入部届けを書くこととなる。カードを1枚伏せてターン終了だ。」
景介「ちょっと遊飛くんしっかりしてくれよ! このままじゃ入部まっしぐらだよ!」
遊飛「平気平気! まあ見てなって!」
景介(ホントその自信はどこから湧いてくるんだろう……)
●伴 遊飛 LP1500 手札3
モンスター0
魔法、罠1 セットカード×1
●八卦 鋸太郎 LP4000 手札1
モンスター2 『力士マン 関脇』『力士マン 小結』
魔法、罠2 『ちゃんこ祭り』 セットカード×1
遊飛「俺のターン、ドロー! ……やっと来たか。」
遊飛「俺は魔法カード『融合』を発動! 手札の『機動獣-レックス』2体を融合する!! 来い!『機動獣-ギガ・レックス!』」
・機動獣-ギガ・レックス ☆10 地 3000/2600
景介「出た! 遊飛くんの暴力的モンスター!!」
鋸太郎「融合使いか! 面白い!」
遊飛「こいつは罠カードの効果を受けないぜ! バトルだ! 『ギガ・レックス』で『力士マン 関脇』を攻撃。『ギガクラッシャーバイト!!』」
『ギガ・レックス』は巨大な顎を開け、『力士マン 関脇』の体を完全に飲み込んでしまう。
鋸太郎「ぬう!?」
鋸太郎 LP4000→LP3600
遊飛「さらに破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える! 『ギガクラッシャーテイル!!』」
太い鋼鉄の尾を思い切り振り抜く『ギガ・レックス』。鋸太郎はとっさに腕を交差させて衝撃から身を守るがその勢いは凄まじく、立ったまま数メートル後退させられる。
鋸太郎「ぐぅ……強い! ますます相撲部に欲しくなるわ!!」
鋸太郎 LP3600→LP1400
鋸太郎「だが伏せカード『土俵際の意地』 発動。 戦闘で破壊された力士マンを攻撃力を500上昇させて復活! さらに指定されている力士マンの効果での特殊召喚扱いにもなる!!」
・力士マン 関脇 攻2600→攻3100
今しがた倒された『関脇』が蘇る。体は傷だらけだがその顔つきは険しく、気を抜いたら逆に一瞬で倒されるのではないかと言うほどの雰囲気が漂っている。
鋸太郎「力士とは最後の最後まで意地を見せるもの! 次のターンの終わりには除外されてしまうがな。」
遊飛「最後の最後まで……それはデュエリストと同じってわけだ。」
鋸太郎「分かってくれるか!」
遊飛「でも入部するかどうかは別問題だぜ! ターンエンドだ。」
鋸太郎「ドロー! 攻撃力の上がった『関脇』で『機動獣-ギガ・レックス』に攻撃!!」
組み合う2体のモンスター、大きさでは『ギガ・レックス』に分があるが『関脇』の闘志は半端ではなく、やがて意地で『ギガ・レックス』を投げ飛ばす。
遊飛「ぐっ!」
遊飛 LP1500→LP1400
鋸太郎「モンスターを戦闘破壊したため『ちゃんこ祭り』にカウンターが乗り攻撃力上昇!!」
・力士マン 関脇 攻3100→攻3300
・力士マン 小結 攻2000→攻2200
鋸太郎「さらに『小結』による特殊召喚扱いの『関脇』が相手モンスターを戦闘破壊した時、デッキから力士マン1体を手札に加えることが出来る。俺は『力士マン 大関』を手札に加える!」
鋸太郎「まあ『大関』を使うまでも無いだろうがな。」
3年部員1「流石だ鋸太郎!!」
3年部員2「これで新入部員は確実だな!!」
3年部員1、2「「ふはははは!!!!」」
鋸太郎「見ていてくれ先輩方! これで相撲部も安泰だ!! 」
鋸太郎「決めの一手!『小結』で直接攻撃!!」
遊飛「まだだ! リバースカードオープン! 『復活のzi-コア』」
遊飛「相手フィールドにモンスターが存在する時、墓地の機動獣1体を特殊召喚する! 再び大地に立て!『ギガ・レックス!!』」
腕を広げ、遊飛に向かって突進する『小結』を遮るかのように『ギガ・レックス』が出現、咆哮を浴びせて突進を躊躇わせる。
鋸太郎「む…攻撃は止めだ。カードを1枚伏せる。そしてターン終了時に『関脇』の効果発動! 」
鋸太郎「相手に戦闘ダメージを与えたターン終了時に『関脇』を墓地に送り、手札から『力士マン 大関』を特殊召喚する!!」
・力士マン 大関 ☆8 地 2800/2800
鋸太郎「そして『ちゃんこ祭り』で攻撃力上昇だ。」
・力士マン 大関 攻2800→攻3400
遊飛「また強くなって出てくるのか…そろそろ参ってくるぜ。でも次のターンで決めてやる!」
●伴 遊飛 LP1400 手札1
モンスター1 『機動獣-ギガ・レックス』
魔法、罠0
●八卦 鋸太郎 LP1400 手札1
モンスター2 『力士マン 大関』『力士マン 小結』
魔法、罠1 セットカード×1
遊飛「ドロー! 『ギガ・レックス』で『小結』に攻撃! これで終わらせる!!」
景介「よし! これが通れば遊飛くんの勝ちだ!!」
3年部員1「ふ、果たして
上手くいくかな?」
鋸太郎「速攻魔法『取り直し』発動! 戦闘を行う力士マン1体と相手モンスター1体を守備表示にする。」
2体のモンスターの間に行司が現れ、行動を制止させる。
遊飛「通らねーか…俺は『機動獣-プテラス』を守備表示で召喚。」
・機動獣-プテラス ☆4 風 1400/1000
遊飛「そして魔法カード『アイアンドロー』発動! 自分フィールドに機械族が2体以上いる時デッキから2枚ドローする。」
遊飛「っドロー! ……よし、カードを1枚伏せてターンエンド!」
鋸太郎「俺のターン、ドロー!…む!?」
鋸太郎(ここでお前がくるとは……なるほど、俺にそうしろと言うのか。)
鋸太郎「そうだな……この相撲部に入部していただくわけだ。それ相応の姿勢で臨まなければ失礼というもの!!」
遊飛「この気迫……何かある!!」
景介「あ、ああ…」
鋸太郎「『大関』の効果発動! 自分のスタンバイフェイズに『力士マン 大関』とフィールドの力士マン1体、『小結』を墓地に送ることで手札から最強の力士マンを特殊召喚する! 現れろ! 『力士マン 大横綱っ!!』」
・力士マン 大横綱 ☆10 地 3500/3500
一切の乱れもなく引き締まった髷、厳つい顔には赤い模様が刻まれておりまるで歌舞伎役者のよう。腰にはまわしの他白く太い縄が背部に蝶結びになっており他の力士マンとは一線を画す存在であることは遊飛にも瞬時に理解ができた。
景介「攻撃力3500!?」
遊飛「ついに横綱がお出ましか……」
3年部員1「おお! 横綱だ!」
3年部員2「鋸太郎がアレを出すとは…」
3年部員1、2「「この勝負、鋸太郎の勝利は確実だな! フハハハハ!!!」」
鋸太郎「そう、これが力士マン最強の戦士『大横綱!!』 戦闘する相手モンスターの効果を無効にする効果を持つ、小細工なしの取り組みを信条としているのだ。入部を賭ける以上はこいつで迎えなければ力士の名が廃る! 行くぞ!!」
鋸太郎「『大横綱』で『ギガ・レックス』に攻撃! 『アトミック張り手ぇ!!!』」
遊飛「罠発動! 『ドレインシールド!』攻撃を無効にして攻撃力分のライフを回復させてもらうぜ!」
鋸太郎「効かぬわぁ!!!」
両手を構えて突進する『大横綱』。右手を振りかぶって飛び上がり、出現したシールドごと強烈な張り手を自身の倍以上の巨体を誇る『ギガ・レックス』の顔面に食らわせる。食らったと同時に目にも止まらぬ速さで遊飛の横を通過して後方に吹っ飛び、壁に衝突、爆散してしまう。
遊飛「ぐああ!? 」
鋸太郎「『大関』の効果で特殊召喚された『大横綱』は魔法、罠の効果を受けないのだ! 俺はこれでターン終了!!」
遊飛「そのパワーで魔法と罠が効かないのかよ…とんでもねえな…」
●伴 遊飛 LP1400 手札1
モンスター1 『機動獣-プテラス』
魔法、罠0
●八卦 鋸太郎 LP1400 手札1
モンスター1 『力士マン 大横綱』
魔法、罠0
景介「手札もライフも…場のカードの数も同じ…」
3年部員「しかしかたやレベル10上級、かたやレベル4の下級…質が違う。」
3年部員「やはり鋸太郎が圧倒的だな。」
景介「く…ここは耐えるんだ!遊飛くん! それでチャンスを見つけるんだ!!」
遊飛「ああ…悔しいが今はそれしかねえな。ドロー! 『機動獣-トータス』を守備表示で召喚。」
・機動獣-トータス ☆3 地 500/1800
遊飛「『トータス』の効果、1ターンに1度相手に500ダメージを与える!」
発射された砲弾が弧を描いて鋸太郎に直撃し爆発する。しかし勝利を確信している鋸太郎は怯むことなく、爆煙の中顔色一つ変えずに仁王立ちである。
鋸太郎「いまさらそれだけのダメージを与えても俺の優位は揺るがんぞ。」
鋸太郎 LP1400→LP900
遊飛「……ターンエンドだ。」
鋸太郎「俺のターン、ドロー。『大横綱』よ!『機動獣-トータス』に攻撃! 『アトミック張り手!!』」
再び横綱の張り手が見舞われ、『トータス』が先ほど『ギガ・レックス』のようにすっ飛ばされて爆散する。まるでデジャブのような光景となった。
遊飛「ぐ……」
鋸太郎「これでちまちまとダメージを与えることも出来んだろう。カードを1枚伏せてターン終了だ。」
●伴 遊飛 LP1400 手札1
モンスター1 『機動獣-プテラス』
魔法、罠0
●八卦 鋸太郎 LP900
モンスター1 『力士マン 大横綱』
魔法、罠1 セットカード×1
遊飛「俺のターン、ドロー!」
遊飛(フィールドに『プテラス』手札に『ライガー』と『O・ジーク』か。うまく『ライジング・ライガー』を呼べれば……いやダメだ。あいつは戦闘する相手モンスターの効果を無効にする…『ライジング・ライガー』じゃ勝てない。………待てよ?)
遊飛「そうか…あいつがいたじゃんか!」
鋸太郎(この状況でまだ何か策があるというのか…?)
遊飛「行くぜ鋸太郎! 俺は『機動獣-O・ジーク』を召喚!」
・機動獣-O・ジーク ☆3 地 500/500
鋸太郎「何かと思えば随分と小さなモンスターではないか。」
遊飛「小さくてもすごい力を秘めてるんだぜ。力士だって大きさが全てじゃないだろ?」
鋸太郎「む…確かに。」
遊飛「『O・ジーク』の効果発動!ライフを1000払い、自身とフィールドの機動獣1体で融合召喚を行う! 『オーガノイド・エヴォリューション!!』」
遊飛 LP1400→LP400
光球となって飛び上がった『O・ジーク』が『プテラス』に向かって垂直に落下、衝突して眩い光を放ち鋸太郎はたまらず目を守るために手をかざしてそれを遮る。そして光が弱まった先に1体のモンスターを確認した。
鋸太郎「……鳥か?」
遊飛「誇り高き嵐の刃! 『機動獣-ストーム・エッジ』召喚!!」
・機動獣-ストーム・エッジ ☆6 風 2300/1200
頭から脚まで銀色に輝くボディを持つ翼竜が出現する。その翼を折りたたんだ前傾姿勢はまるで出撃前の戦闘機のような印象を与える。
鋸太郎「攻撃力2300…どうやって『大横綱』を突破するつもりだ?」
出て来たモンスターは一般的な上級モンスターレベル。レベル10で攻撃力も高い『大横綱』の前に出すには役不足が否めず、鋸太郎は首を傾げる。しかし遊飛の顔は自信に満ちているといった感じの笑顔である。
今の『大横綱』は魔法、罠カードの効果を受けず、戦闘する相手モンスターの効果も無効となる。この状況での主な突破方法となると攻撃力で上回るか、モンスター効果で除去することが考えられるが遊飛に残る手札は1枚のみ。この手札だけで攻撃力3500を超えるというのは難しいだろう。だとするとモンスター自体に除去効果があるという方が自然である。そこまで考えて鋸太郎は不敵に笑う。
鋸太郎「はっはっは! おおかたそのモンスターの効果はカードを破壊する効果だろう! 今ここで出すならそれしかあるまい!」
遊飛「………」
鋸太郎「俺の伏せカードは『猫騙し』。さっきは攻撃を無効にしたがこれはモンスター効果の発動も無効に出来る。策は崩れたな!」
遊飛「……バトルだ! 発進しろ!『ストーム・エッジ!!』」
『ストーム・エッジ』の足元に唐突にカタパルトが出現し、脚部を固定する。徐々にせり上がり斜め40度ほどで動きを止め、一気に発射される。しかし物凄い勢いで空に放たれた『ストーム・エッジ』は翼を広げることなくゆっくりと回転しながら落下を始めてしまう。このまま墜落かと思われた刹那、翼を展開し背部のブースターから火を噴いて飛翔する。そのスピードは凄まじく、衝撃波がまるで嵐のようであった。
遊飛「『ストーム・エッジ』の攻撃宣言時、相手は魔法、罠を発動出来ないぜ!」
鋸太郎「ぐぅ……なんて風だ!! だが『大横綱』の方が攻撃力は上、自爆特攻でもするつもりか!?」
遊飛「へっ! 誰がモンスターに攻撃するって言ったよ?」
鋸太郎「何だと?……まさか!?」
遊飛「そうだ! 『ストーム・エッジ』は直接攻撃が出来る機動獣! 与えるダメージは元々の攻撃力の半分になるけどな!」
遊飛「『ストーム・エッジ』の攻撃! 『スカイダイブスライサー!!』」
上空から鋸太郎めがけて急降下すると同時に翼に装備された漆黒の刃が展開される。ライフル弾のように回転しながらすれ違いざまに鋸太郎を切り裂いて再び上昇する。
鋸太郎「ぐ……」
鋸太郎 LP900→LP0
3年部員1「ば、馬鹿な……」
3年部員2「鋸太郎が1年坊に負けただと…!?」
景介「よし! よくやってくれたよ遊飛くん!!」
立ち上がって歓声をあげる景介に対して口をあんぐり開けて硬直する3年の相撲部員たち。その1人と2人の間の温度差といったらそれは大きなものだった。
遊飛「約束通り! 俺らを相撲部に無理やり入れるのは無しだぜ?」
鋸太郎「……仕方ないな。」
遊飛「でも鋸太郎、お前めっちゃ強いな。 俺はあの横綱をまともに倒せなかった……直接対決を避けちまった…」
鋸太郎「……なんで顔をしている! この俺に勝ったんだ。シャキッとしろ!!」
直接攻撃で決めたことを対決を避けたと認識し、うしろめたさから項垂れる遊飛の背中を鋸太郎はバシンと思い切り叩く。その強さに耐えきれずよろけてしまう。
鋸太郎「遊飛、お前は正当にデュエルで勝っただけだ。それとも全力を出さずして負けた方が良かったか?」
遊飛「……いや、悪かったよ。」
鋸太郎「それでいいんだ。だが次は負けん。アカデミアカップでリベンジさせてもらうぞ。」
遊飛、景介「「アカデミアカップ??」」
鋸太郎「なんだ?お前ら知らないのか?」
遊飛「ああ…なんだ?そのアカデミアカップってのは?」
鋸太郎「7月の半ばにこのアカデミアで開かれる大規模なデュエル大会だ。1年から3年、レッドからブルーまで入り乱れ、アカデミアのNO.1を決める。」
遊飛「マジかよ!? そんなスゲーことやるなんて最高じゃん!」
景介「大体1ヶ月半後か……うん、楽しそうだ。」
遊飛「くぅ〜! 待ちきれないぜ!!」
鋸太郎「まあ焦るな。もうすぐエントリーも始まるだろう。」
鋸太郎「……さて、俺は稽古に戻るか。お前らももう一度どうだ?」
景介「え゛?」
3年部員1「そうだな。入部しないのは残念だが…」
3年部員2「部員でなくとも稽古は大歓迎だぞ。」
鋸太郎、3年部員1、2「「さあ! さあ!! さあ!!!」」
暑苦しい顔を3つ並べて迫ってくるほぼ裸の相撲部員たち。その異様な迫力に気圧され、遊飛と景介は顔をひきつらせて後ずさる。ついに入り口の扉まで追い詰められてしまう。
遊飛、景介「「勘弁してくれーーっ!!!」」
続く
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次回予告
繭「最近はちよとお話ししたり、お昼食べたりすることが多くて嬉しい。色んなことしてあげたい……けどあの男はことごとく邪魔をしてくる……ちよのため…絶対倒さなきゃ!」
繭「次回予告 『繭奮闘、愛ゆえに!!』デュエル…スタンバイ。」
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始まったばかりのシリーズなのに別の主人公のストーリーや舞台設定、使用カードを考えてしまうという……
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Amazonのアソシエイトとして、管理人は適格販売により収入を得ています。
さらっと言ってるけど中々にカオスな発言w
ダイレクトフィニッシュとはまた珍しい。そしてちょこちょこ出てくるアニメオリカ。私もつい出したくなっちゃいます。 (2017-02-09 09:10)
まさかのガン無視ダイレクトで決めた相撲対決。確かにモンスター同士のバトルで決めたかったけど戦略上仕方ない。
そして物語で面白そうな山場アカデミアカップの存在が判明して遊飛君のワクワクも止まりませんな。
次回は…愛ゆえに戦う人多いなこの学園。 (2017-02-09 11:11)
素の攻撃力は低めですが、古代の機械効果+ダイレクトアタック可能というのはかなり強力だと思います。オーガノ……O-ジークはチューナーモンスターとして出るのかと思いましたが、融合無しで融合できるということだったんですね。他のモンスターを素材にしてストーム・エッジのようなオーガ○イドシステムが搭載されたものが元ネタのモンスターも今後も出てきそうで楽しみです。
>一切の乱れもなく引き締まった髷、厳つい顔には赤い模様が刻まれておりまるで歌舞伎役者のよう。腰にはまわしの他白く太い縄が背部に蝶結びになっており
大横綱……なんかCAPC○Mの格闘ゲームに出てきそう
そしてター坊さんも触れられていますが、この学園の女子たちはみんな愛が深いですね(ハイライトオフ
(2017-02-09 11:53)
そのセリフのアホらしさが遊戯王っぽいなとは思いましたね笑
DMのビッグファイブ戦でアテムがダイレクトアタックでのフィニッシュをしていてそれで「いいのか?」とは思いましたがまあアリにしました。
ター坊さん、コメントありがとうございます。
遊飛は強いけど手放しで強くしたくないんですよね。だから今回真っ向勝負では勝てていないというポイントを作ることとなりました。アカデミアとはいえ戦うまでの流れを上手く考えられなくて○○のため〜ばかりになりがちで…
光芒さん、コメントありがとうございます。
いやはや懐かしいですね。アーラバローネという厨二じみた自称とその勇姿は忘れられません。今思えばチューナーとして出すのも良かったですね〜あの子のやってることってチューンナップな訳ですし。
大横綱のイメージはまさにそいつですね。横っ飛びはしませんが笑
女は愛に生き愛に死ぬ生き物だそうですからね笑 (2017-02-09 21:58)