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#2 暗闇のチケット 作:3月
「あー、今日もよく勉強したなー!」
「お前大半寝てたじゃねーか…」
そんな他愛もない会話は、唐突に打ち切られる。
「…もしもし、お兄さん方…」
「…え?俺ら?」
声に振り向くと、そこには小さめの女の子が立っていた。
見たところ、小6かそこら辺り。何処を見ても、不審なところはない。
「私と、デュエルしてくれませんか?」
女の子はそう言って、自分のデュエルディスクにデッキをセットした。
「お、いいよいいよー!いい勝負しようぜ!」
「俺はパスだわ。デッキ持ってきてねーし。」
友人はそう言って、デッキを懐から取り出す。
そして、
「「デュエル!」」
・
・
・
「な、何だと・・・!?」
勝負は呆気なかった。見たところ、どうやら彼女は闇属性を使うようだ。
「…ダーク・アームド・ドラゴンでダイレクトアタックします。」
「うわあああぁっ!」
その時だった。
友人はビジョンの影響で前がよく見えていなかったかもしれないが、俺はしっかりと見た。
その女の子が、嬉しそうに顔を歪めて、化け物のような笑顔を浮かべるのを。
「いやー、負けちまったよ。強いね君!」
声が出ない。いや、友人にこのことを伝えてどうするというのか?
そうだ。ただ女の子が笑っただけだ。その顔が多少怖かったからといって…
そう巡る思考とは裏腹に、俺の感じる嫌な予感は、猛烈な勢いで膨れ上がっていく。
「それじゃあ、勝ったので、私のお願いを聞いて欲しいです。」
「ん、なんだい?パックなら5袋までなら買ってあげるよー、なんちゃっ…」
「あなたのこころをください」
「あ…あぁ…!?」
声が上手く出せない。
今の一瞬、友人が女の子から出る「黒い何か」に包み込まれた。
その直後、まるで糸の切れた操り人形のように、友人が地面に倒れ伏した。
俺にはそれくらいしか分からない。理解もできない。
逃げなければ。どうやって?足が言うことを聞かない。情けない。
「貴方は、デッキを持っていなかったですよね。」
「え…あ…」
「じゃあ、『私のを1つ貸してあげますから、デュエルしましょう』?」
なぜか、NOが口から出てこない。『嫌です』と、たった4文字を口にすればいいのに。
「…はい、やりま…」
「そこまでだ。」
「!?」
背後から、突然声がした。
男の声。低く、腹を突き抜けるように響く、凛とした声。
「…何だ、『旧式』の方ですかぁ…貴方に構ってる暇は無いんですけど…」
女の子の方も、あからさまに声色が変わっている。敵意に満ち、ドス黒い感覚すら覚える。
「お前になくても、俺にはある。お前らを皆殺しにするまでは、暇はないんでな。」
そう言いながら、男はデュエルディスクを展開する。
「じゃあいいですよ。もう一度あの研究施設に叩き返してさしあげます。」
「奇遇だな。俺もお前をあの世に叩きこもうと思っていた。」
「「デュエル!」」
「お前大半寝てたじゃねーか…」
そんな他愛もない会話は、唐突に打ち切られる。
「…もしもし、お兄さん方…」
「…え?俺ら?」
声に振り向くと、そこには小さめの女の子が立っていた。
見たところ、小6かそこら辺り。何処を見ても、不審なところはない。
「私と、デュエルしてくれませんか?」
女の子はそう言って、自分のデュエルディスクにデッキをセットした。
「お、いいよいいよー!いい勝負しようぜ!」
「俺はパスだわ。デッキ持ってきてねーし。」
友人はそう言って、デッキを懐から取り出す。
そして、
「「デュエル!」」
・
・
・
「な、何だと・・・!?」
勝負は呆気なかった。見たところ、どうやら彼女は闇属性を使うようだ。
「…ダーク・アームド・ドラゴンでダイレクトアタックします。」
「うわあああぁっ!」
その時だった。
友人はビジョンの影響で前がよく見えていなかったかもしれないが、俺はしっかりと見た。
その女の子が、嬉しそうに顔を歪めて、化け物のような笑顔を浮かべるのを。
「いやー、負けちまったよ。強いね君!」
声が出ない。いや、友人にこのことを伝えてどうするというのか?
そうだ。ただ女の子が笑っただけだ。その顔が多少怖かったからといって…
そう巡る思考とは裏腹に、俺の感じる嫌な予感は、猛烈な勢いで膨れ上がっていく。
「それじゃあ、勝ったので、私のお願いを聞いて欲しいです。」
「ん、なんだい?パックなら5袋までなら買ってあげるよー、なんちゃっ…」
「あなたのこころをください」
「あ…あぁ…!?」
声が上手く出せない。
今の一瞬、友人が女の子から出る「黒い何か」に包み込まれた。
その直後、まるで糸の切れた操り人形のように、友人が地面に倒れ伏した。
俺にはそれくらいしか分からない。理解もできない。
逃げなければ。どうやって?足が言うことを聞かない。情けない。
「貴方は、デッキを持っていなかったですよね。」
「え…あ…」
「じゃあ、『私のを1つ貸してあげますから、デュエルしましょう』?」
なぜか、NOが口から出てこない。『嫌です』と、たった4文字を口にすればいいのに。
「…はい、やりま…」
「そこまでだ。」
「!?」
背後から、突然声がした。
男の声。低く、腹を突き抜けるように響く、凛とした声。
「…何だ、『旧式』の方ですかぁ…貴方に構ってる暇は無いんですけど…」
女の子の方も、あからさまに声色が変わっている。敵意に満ち、ドス黒い感覚すら覚える。
「お前になくても、俺にはある。お前らを皆殺しにするまでは、暇はないんでな。」
そう言いながら、男はデュエルディスクを展開する。
「じゃあいいですよ。もう一度あの研究施設に叩き返してさしあげます。」
「奇遇だな。俺もお前をあの世に叩きこもうと思っていた。」
「「デュエル!」」
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