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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第8話 逆転のビッグバン

第8話 逆転のビッグバン 作:いちごT

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前回のあらすじ!

デュエルアカデミアに通う1年生、伴遊飛は成績が成績が悪いことで毎日の補習が決まりかける。それを回避するために教師、久城甚平の用意した相手とデュエルに挑むがその相手は遊飛を勉強漬けにした暑苦しいガリ勉こと浦木桃李であった。

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桃李「こんなもんじゃないだろう?」


遊飛「当然! 勝負はこっからだぜ!!」


桃李「そうでなくてはな!カードを1枚伏せてターン終了だ。」



●伴 遊飛 LP2800 手札3枚
モンスター0
魔法、罠1 セットカード

●浦木桃李 LP3500 手札4枚
モンスター2 『I・HEROピーチソードマン』『イマジンドッグ』
魔法、罠2 『きびだんご』、セットカード


遊飛「俺のターン、ドロー! 俺は手札から『融合』を発動! 手札の『機動獣-ウルフ』と『機動獣-プテラス』を融合する。来い!『機動獣-ライトニング・ファング!』」
・機動獣-ライトニング・ファング ☆6 攻2400守1200


遊飛「『ライトニング・ファング』で『ピーチソードマン』に攻撃!『ライトニングスラッシュ!!』」


桃李「早速返しの融合! しかし『イマジンドッグ』の効果!『ピーチソードマン』が破壊される代わりに自身を墓地に送る。」


戦士を襲う鉄の爪の前に子犬は飛び出し代わりに引き裂かれてしまう。


遊飛「でもダメージは受けてもらうぜ。」


桃李「ああ、すまない…『イマジンドッグ』」

桃李 LP3500→LP3300


遊飛「な、なんか後味悪いな…ターンエンド。」


悲痛な鳴き声を上げて散る子犬を見て遊飛は罪悪感に襲われ頭をかく。


桃李「僕のターン、ドロー! 『きびだんご』の効果発動。デッキから『イマジンモンキー』召喚。」
・イマジンモンキー ☆3 攻1000守500

またもや桃マークのハチマキをつけた可愛らしい猿のモンスター。


桃李「『イマジンモンキー』がいることで『ピーチソードマン』は相手の魔法効果の対象にされない。そして魔法カード『奇跡のイマジネーション』発動!!」


桃李「このカードは場にI・HERO及びイマジンモンスターが存在する時、墓地のイマジンモンスターを1体特殊召喚出来る。僕は墓地の『イマジンドッグ』を特殊召喚。!」


再び子犬が姿を現し、猿とともに剣士の両隣に並び立つ。


桃李「これで『ピーチソードマン』の攻撃力は400×2の800ポイント上昇するぞ。」
・I・HEROピーチソードマン 攻1800→攻2600


ちよ「伴くんのモンスターの攻撃力超えちゃった…」


桃李「では『ピーチソードマン』で『機動獣-ライトニング・ファング』を攻撃ぃ!!」


遊飛「ぐっ!」

遊飛 LP2800→LP2600


桃李「そして『イマジンドッグ』と『イマジンモンキー』ダイレクトアタァック!!」


遊飛「だあっ!?」

遊飛 LP2600→LP1400→LP400


遊飛「くぅ〜!強えじゃん!久城先生もいい相手用意してくれるぜ!」


桃李「はっはっは!役不足でなくて何よりだ!! 僕はこれでターン終了だ。」



●伴 遊飛 LP400 手札1枚
モンスター0
魔法、罠1 セットカード

●浦木 桃李 LP3300 手札4枚
モンスター3 『I・HEROピーチソードマン』『イマジンドッグ』『イマジンモンキー』
魔法、罠2 『きびだんご』セットカード



一果「遊飛のやつほとんどやられっぱなしじゃん。大丈夫かよ…」


愛華「心配ですねぇ…」


一果「うぇ!?」


突然隣から聞こえた声に一果は驚いて後ずさりし、ちよと景介も目を見開いている。


ちよ「と、遠丹…さん。」


愛華「こんにちは。こうして顔を合わせるのは入学式の朝以来ですね。」


ちよ「は、はぃ。」


優しく微笑む黒髪の少女、遠丹愛華の気品を感じさせる雰囲気にちよはくらっときて声が小さくなる。


一果「(なあ景介、この人って遠丹愛華さんだよな? いや〜子供ん頃テレビで見てた人が目の前にいるってなんか凄いなあ。)」


景介「(一果さん興奮しすぎでしょ…まあ気持ちは分かるけどさ。)」


一果「(だって女の子でチャンピオンだぜ? アタシらの世代で憧れなかった女子デュエリストなんていないって。感激だな〜。)」


傍らで話している2人を見て微笑む愛華。


愛華「面白そうなデュエルをしているので見に来たのです。今はお友達の彼が少々劣勢ですね。」


ちよ「はい……でも…きっと勝てると思うんです。」


愛華「ふふっ、信頼なさってるんですね。」


信頼という言葉がなんだか強い絆のようなものを暗示させ、ちよは気恥ずかしくなり赤面する。


ちよ「し、信頼!? そんなんじゃなくて…あっ!伴くんを信じてないわけじゃないですけど…えっと伴くん強いですしピンチでも諦めないですし…」


ちよ「………今も楽しそうだから。」


そちらに目を向けるとライフも場も明らかに向こうが上であるにも関わらず遊びを楽しむ子供のような顔で遊飛は笑っていた。愛華はそれをまじまじと見つめる。


愛華「そう…ですね。」



遊飛「俺のターン、ドロー! …よし、フィールド魔法『zi-コロシアム』発動!」


地面から白い鉄壁がせり上がりデュエルコートはそれに円形に囲まれる。


遊飛「『zi-コロシアム』の効果、相手の場にモンスターが存在し、自分の場にモンスターがいない時手札からレベル4以下の機動獣1体を特殊召喚する。『機動獣-バグキャリー』を守備表示で特殊召喚!」
・機動獣-バグキャリー ☆4 攻0守2000


遊飛「そして場の機動獣の攻撃力は300アップする。俺はこれでターンエンドだ。」
・機動獣-バグキャリー 攻0→攻300


桃李「では僕のターン、ドロー! 」



景介「守備力2000でも足りない…このままじゃ遊飛くん押し切られて負けちゃうよ。」


ちよ「大丈夫。あのモンスターは…」


愛華「1ターンに1度だけ、戦闘での破壊をされない…ですね。」


ちよ「あ、はい。」


ちよ(なんで知ってるんだろう…伴くんのデュエル見たことあるのかなあ…)



桃李「『きびだんご』の効果! デッキより『イマジンバード』を特殊召喚するっ!」
・イマジンバード ☆3 攻400守1100

やはり桃マークのハチマキをまいたキジが現れる。


桃李「これにて『きびだんご』は打ち止め、墓地に送られる。だが『ピーチソードマン』の攻撃力はさらに400上昇だ!」
・I・HEROピーチソードマン 攻2600→攻3000


桃李「さらに『イマジンバード』の存在により『ピーチソードマン』は相手の罠カードの対象にならない。」


一果「攻撃力が3000までいっちゃったよ…」


遊飛「けど『バグキャリー』は1ターンに1度戦闘で破壊されないぜ?」


桃李「……なるほど、それは厄介極まるな。このターンの突破は困難…仕方ない、僕は手札から装備魔法『レアゴールド・アーマー』を『ピーチソードマン』に装備する。」

『ピーチソードマン』の鎧が白と金を基調とした騎士のような鎧に変わる。


桃李「これで装備モンスター以外に攻撃は出来ないぞ。ターン終了だ。」


愛華「攻撃力3000に加えて効果の対象にとれず、さらに擬似的な戦闘破壊耐性…これを破るのは骨が折れるでしょうねぇ…」


景介「確かに…ちょっと癪だけど強い…」


一果「遊飛ぃ! きついけど負けんなよー!」


ちよ「が、頑張って!」



●伴 遊飛 LP400 手札0枚
モンスター1 『機動獣-バグキャリー』
魔法、罠2 『zi-コロシアム』、セットカード

●浦木桃李 LP3300 手札4枚
モンスター4 『I・HEROピーチソードマン』『イマジンドッグ』『イマジンモンキー』『イマジンバード』
魔法、罠2 『レアゴールド・アーマー』、セットカード


遊飛「おう! 俺のターン、ドロー!…ターンエンドだ。」


桃李「ドロー! おっと…早くも打開の手が来たようだ! 魔法カード『ダブルアタック』発動!」


桃李「手札からモンスター1体を墓地に捨て、そのモンスターよりレベルの低い場のモンスター1体の連続攻撃を可能にする! 僕は手札からレベル6『I・HEROゴールド・マッシブ』を捨て、『ピーチソードマン』に効果を与える!」


遊飛「ぐ……」


桃李「バトル! 『ピーチソードマン』で『機動獣-バグキャリー』に攻撃!」

『バグキャリー』の装甲に刀が突き刺さるがその硬さに途中で刃の動きは止まる。


桃李「そして2度目の攻撃だ!」

刺した刀を抜き、勢いよく同じ箇所に突き立てる。奥の方まで刃が届いたことで『バグキャリー』は沈黙する。


遊飛「『バグキャリー』が戦闘破壊されたことでデッキから機動獣1体を手札に加えるぜ。俺は『機動獣-バイパー』を手札に加える。」


桃李「サーチも出来るのか! だが次のターンは与えない!! 『イマジンドッグ』でダイレクトアタックだ!」


遊飛「リバースカードオープン! 『カウンターゲート』」


桃李「っ!? 直接攻撃を無効にしてドローする罠か!」


遊飛「それだけじゃないぜ? ドローしたカードがモンスターなら通常召喚出来る!」


一果「って…これでモンスター引かなかったら負けじゃん…」

景介「ほとんどギャンブルだね…モンスターの比率にもよるけど。」

愛華「そのうえ通常召喚ですから上級モンスターを引いても場に出すことはかないませんね。でも…」

ちよ「伴くんなら…」


遊飛「ドロー! 俺の引いたカードは……『機動獣-ライガー!』」
・機動獣-ライガー ☆3 攻1800守800


遊飛「行けっ! 『ライガー!』」

白い機械の獅子が唸りを上げ剣士と3匹と対峙する。


桃李(この場面でなんという引き……1800となると残り2体で攻撃するわけにはいかないな。)


桃李「仕方がない、カードを1枚伏せてターン終了だ!」



●伴遊飛 LP400 手札2
モンスター1 『機動獣-ライガー』
魔法、罠1 『zi-コロシアム』

●浦木桃李 LP3300 手札3
モンスター4 『I・HEROピーチソードマン』『イマジンドッグ』『イマジンモンキー』『イマジンバード』
魔法、罠3 『レアゴールド・アーマー』セットカード×2


遊飛「ドロー。『機動獣-バイパー』を攻撃表示で召喚す!」


桃李「罠発動! 『キックバック!』召喚を無効にして手札に戻す。」


遊飛「げ…」

遊飛は頭をかきながらフィールドに置いたカードを手札に戻す。


遊飛「しゃーない! だったらここはあいつに行ってもらうぜ! 魔法カード『死者蘇生』よみがえれ!『機動獣-ライトニング・ファング』」

ライフルを背負う黒いボディの豹が遊飛の場に再び立つ。


遊飛「そしてフィールド魔法『zi-コロシアム』の第3の効果を発動! 1ターンに1度、自分の場のモンスターを素材に『機動獣』融合モンスターを融合召喚できる!」


桃李「このフィールドは融合を内蔵しているのか!?」


遊飛「そういうことさ! 行くぜ! 場の『機動獣-ライガー』と『機動獣-ライトニング・ファング』を融合!来い!『機動獣-ライジング・ライガー!!』」
・機動獣-ライジング・ライガー ☆7 攻2500守2000

2振りのブレードを装備した青い機械の獅子が咆哮を放つ。


ちよ「来た!伴くんのエースモンスター!」


遊飛「『zi-コロシアム』の効果で攻撃力は300アップだ。」
・機動獣-ライジング・ライガー 攻2500→攻2800


桃李「残念だが 『ピーチソードマン』の3000にはいま一歩届かない!」


遊飛「バトルだ! 『ライジング・ライガー』で『ピーチソードマン』に攻撃! 『レーザーブレードアタック!!』」


桃李「む!? 数値はこちらが勝っているはず!?」


遊飛「『ライジング・ライガー』は自分の元々の攻撃力より攻撃力の高いモンスターに攻撃する時、攻撃力が墓地の機動獣の数×300アップする!」
・機動獣-ライジング・ライガー 攻2800→攻4600


桃李「なんだと!? 」



一果「いいぞー!」

景介「身代わり効果を使っても攻撃力は遊飛君のモンスターが上になる。ナイスだ!」

愛華「攻撃を通していただければ…ですが…」



遊飛「いっけえ!!」


飛びかかる『ライジング・ライガー』と刀に手を置き臨戦態勢をとる『ピーチソードマン』。両者はすれ違いざまに刃を切り結び、互いを背にして静止する。


遊飛「………」


桃李「………」


しばらく沈黙が続く中ライガーが間接部からスパークを放ち崩れ落ちてしまう。

遊飛 LP400→LP100

桃李 LP3300→LP1700


遊飛「な!?」


ちよ「な、なんで…」


桃李「…焦らされたよ遊飛くん。しかしダメージステップの瞬間、伏せカードを発動させてもらった。」


桃李の場に表示されたカードを見て愛華は確認をとるように呟く。


愛華「『プライドの咆哮』…ですか。」


桃李『プライドの咆哮』は戦闘時、相手モンスターの方が攻撃力が高い場合その数値の差だけライフを払い、自分のモンスターの攻撃力はその数値プラス300上昇する。」


桃李「攻撃力の差は1600、加えて300の上昇で『ピーチソードマン』の攻撃力は戦闘時のみ4900だったということだ!」


遊飛「見事に返り討ちにあったってわけか……『zi-コロシアム』の効果で『バイパー』を特殊召喚。『zi-コロシアム』の効果で攻撃力300アップ。」
・機動獣-バイパー ☆3 攻1000守300

・機動獣-バイパー 攻1000→攻1300


遊飛「『バイパー』は召喚された時モンスター1体の効果と攻撃を封じるぜ!『ピーチソードマン』……は対象に出来ないから『イマジンドッグ』だ。カードを1枚伏せてターンエンド。」


桃李「厄介な効果だな……僕のターン、ドロー!」


桃李(伏せカードは気になるがブラフという可能性も捨てきれない。……しかし長引かせてしまえばいずれこの優位も崩される。何故だかそう思えてならないな…)


桃李「ふ………バトルッ!!」


桃李「『ピーチソードマン』で『機動獣-バイパー』に攻撃!!」


遊飛「『攻撃の無力化』発動! 攻撃を無効にしバトルフェイズを終了する。」


桃李「防がれたか…だがこちらに影響が無かっただけ良しとしよう。ターン終了だ!!」


景介「ライフは100で伏せカード0…モンスターは下級1体っていよいよもってヤバくない?」

一果「やっぱラーイエロー上位は伊達じゃないって感じだね…」

愛華「ええ…」

愛華(しかしあの方の目はまだ……)

ちよ(伴くん……楽しいんだろうなぁ。)



●伴 遊飛 LP100 手札2
モンスター0
魔法、罠1 『zi-コロシアム』

●浦木 桃李 LP1700 手札4
モンスター4 『I・HEROピーチソードマン』『イマジンドッグ』『イマジンモンキー』『イマジンバード』
魔法、罠1 『レアゴールド・アーマー』


遊飛「ドロー! ………やっばいなあこれ…マジでヤベェよ。」


遊飛「これで勝ったら俺ってカッコ良すぎじゃん?」


桃李「キーカードでも引いたのかな? しかし勝たせるつもりは毛頭ない! この状況…突破できるものならしてみたまえ!!」


遊飛「そうさせてもらうぜ! まずは魔法カード『融合回収』発動。墓地の『機動獣-ウルフ』と『融合』を手札に戻す!」


遊飛「さらに魔法カード『アイアンコール』。場に機械族がいる時、墓地から四つ星以下の機械族を特殊召喚する。来い!『機動獣-ライガー』」


遊飛「そして『融合』発動!!場の『ライガー』『バイパー』と手札の『ウルフ』を融合する!!」


桃李「3体融合!? 面白い!」


遊飛「撃ち砕け!『機動獣-バスター・ライガー』!!!」

淡いグリーンの重装甲をまとい、2門のキャノン砲を背部に装備したライガーが現れる。ソリッドビジョンではあるが踏みしめた足場に亀裂が走り隆起していく様でその重量が伝わって来る。

・機動獣-バスター・ライガー ☆8 攻3000守3000


遊飛「『zi-コロシアム』により攻撃力アップ!」
・機動獣-バスター・ライガー 攻3000→攻3300


桃李「『ピーチソードマン』の攻撃力を上回ったか!」


桃李(しかしまだだ。身代わり効果を使えばまだまだ耐えられる…その間にいくらでもやりようはあるっ!!)


遊飛「バトルと行きたいところだけど……ここはいっちょド派手に決めてやるか!!」


桃李「ド派手……?」


遊飛「『バスター・ライガー』の効果発動! このカードの攻撃力より低い守備力を持つ相手モンスターを全て破壊するぜ!!」


桃李「何!?」


ちよ「やった! 伴くん凄い…」

一果「全体破壊って…反則級の効果じゃん…」

景介「守備力が3000に届くモンスターはそうはいない。実質相手モンスターの完全破壊じゃないか……」

愛華「それに全体破壊であれば対象に取られないようにする3匹のお供の効果も意味をなしません。まさに派手な大逆転…ですね。」


遊飛「行くぜ。『バスター・ライガー』の効果、『バーニング・ビッグバン!!!』」

装甲の数カ所が一斉に開き、その中にはいくつものミサイルが顔を覗かせている。そして間髪入れずに全てが火を吹いて発射される。それは空高く上昇してから4体のモンスター目掛け雨のように降り注ぐ。


桃李「ぬうぅおおぉぉぉ!!?」

鳴り止まぬ着弾時の爆音と爆炎に思わず両手で顔を覆う桃李。やがて爆薬の雨が止みもうもうと立つ煙の中顔を上げる。


桃李「僕のモンスターが全滅させられた……」


しかしその『バスター・ライガー』の間接部は赤熱化し、ところどころから蒸気を発して苦しそうにうめき声をあげている。


ちよ「あ、あれ?どうしちゃったんだろ…あの子。」


遊飛「『バーニング・ビッグバン』は負担が大きいんだ。使うと『バスター・ライガー』の体はオーバーヒートしちまうのさ。だからこうするんだ!」

遊飛が叫ぶや否やライガーのグリーンの装甲やキャノン砲がブシュウッと音と煙を立ててパージされて行く。それらはガラガラと地面に落ち、中から枷が外れたかのように伸びのポーズをとり吠える白いボディの『機動獣-ライガー』が姿を見せる。


遊飛「効果を使った『バスター・ライガー』は墓地に行き、代わりに『機動獣-ライガー』を墓地から特殊召喚するんだぜ!」
・機動獣-ライガー ☆4 攻1800守800



桃李「なるほどな……」


桃李(僕の行く末にはこんなに楽しませてくれるデュエリストがたくさんいるのだろうか……面白い…面白いじゃあないか!!)


桃李「さあ! 来たまえ!!」


遊飛「ああ! バトルだ! 『ライガー』でダイレクトアタック。『ストライクレーザークロー!!!』」


両手を広げ大の字になって立ちはだかる桃李に向かって熱を帯びた鉄爪が振り下ろされる。

桃李 LP1700→LP0



一果「ぃやったー!!」

景介「流石、やってくれるね!」

ちよ「やっぱり…伴くんは凄いな…」


「「うおおおぉぉぉ!!!!」」


ちよ「わっ!?」


背後から突然こだまする歓声に驚くちよ。見るといつの間にか生徒たちがたくさん集まっていた。


「凄えぞオシリスレッド!!」
「浦木もよくやったぜ!!」
「いいデュエルだったぞー!」


2人に向かって歓声と拍手が送られる。遊飛と桃李はそれをきょとんと眺めていたが次第に笑い出し歩み寄る。


桃李「負けたよ…強いんだな。」


遊飛「ああ! 言ったろ?俺はデュエリストキングを超える男だって。負けるわけがないぜ!」


桃李「そこは『お前もな』とか言うべきじゃないか?」


遊飛「いいじゃねーか。…とにかく楽しかったぜ!」


桃李「うむ! 次やる時は勝たせてもらう! ライバルとして!!」


桃李は遊飛の差し出した手をガッと強く握り再戦と勝利を誓う。


遊飛「痛いって! ライバル?……ま、いいか! 俺だって負けねーぞ!」


久城「2人とも良いデュエルであった!! 伴、補習の権は楽しみにしていろ。」


桃李「ありがとうございましたっ!!」


遊飛「よっしゃ! サンキューな!」


久城「んん!?」


遊飛「あっ!ありがとうございます!!」


拍手鳴りやまぬその場から1人の生徒が去っていく。


愛華(いいデュエルでしたね……私も….あんな…)



ー数日後ー

遊飛「なんで!? なんでなんだ!!」


放課後、机に向かってカリカリとペンを動かし叫ぶ遊飛。


遊飛「久城先生! 補習なくなったんじゃないのかよ! なんで俺だけテストやらされなきゃいけないんだ!?」


久城「俺は一言も免除してやると言っていないぞ? お前が勝手に勘違いしていただけだ。」


遊飛「そんなぁ……しかも100点とるまで続くってある意味普通に補習の方がマシじゃんか!!」


久城「ゴールが見えるだけ楽になっただろう。口じゃなくて手を動かせ手を!!」


遊飛「誰が助けてくれエェェ!!」


続く

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次回予告

香夜「一果お姉様との学園ライフを満喫…したいのだけどお姉様ったら最近落ち着かないみたいなの。え!?ちよさんを守るためにデュエル? 癪だけどお姉様のデュエルは見逃せないわ! 一果お姉様親衛隊出動!!」

「次回!『秘めた想い、牙向く闘犬!!』デュエルスタンバイよ!!」

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機動獣の正規融合素材ってすごく分かりにくいと思うのですがこうなっています。


『ライジング・ライガー』
機動獣-ライガー + 機動獣融合モンスター

『ライトニング・ファング』
機動獣-ウルフ + 機動獣モンスター

『ギガ・レックス』
機動獣-レックス×2

『バスター・ライガー』
機動獣-ライガー + 機動獣モンスター2体

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カズ
遊飛がデュエルで大逆転勝利を収めてハッピーエンド...なんてことはなかった。桃李もライバルキャラとして最後まで熱い漢でしたね(モンスター達はかわいいけど)。

さて、次回はちよを巡って修羅場な予感。どうなるのか楽しみです。 (2016-12-20 19:44)
青き眼の凡人
大事な補習をカードゲームでチャラにするのは補習者のためにならないからね。むしろ終わりを見せてくれる先生は教師の鑑だと思います。なんだか久城先生を見てると高校時代の先生を思い出して毎度泣きそうになります。 (2016-12-20 19:59)
青き眼の凡人
連投な上超細かい小姑みたいな指摘で申し訳ありませんが、タイトルの所、『第8話』が抜けてます… (2016-12-20 20:03)
ター坊
さらば金太郎(ゴールド・マッシブ)…。ということはいつか浦ちゃんも?
全破壊した後に蘇生でフィニッシュとは綺麗に決めましたね。そしてGXらしく勉強漬けオチという要素も忘れません。
そして次回は暴走乙女・香夜ちゃんの回か!?
(2016-12-20 20:12)
いちごT
カズさん、コメントありがとうございます。
実技がよければ許されるなんてこたあ無いんです。桃李も今後新しいモンスター使わせてやりたいですね。

青き眼の凡人さん、コメントありがとうございます。
そうなんですよ!甘やかしちゃあいけません。学生の時はこんな先生1人はいますよね。学生じゃなくなってからありがたさに気づくのです。タイトルの第○話って実は毎回忘れて気づくたびに修正してるんですよ笑。今回先に気づかれてしまいました。ありがとうございます。

ター坊さん、コメントありがとうございます。
金太郎はコストだけで終わりにならないようにしたいですね〜。全破壊→蘇生はゾイドの設定と遊戯王での展開がうまく合いました。
香夜回になりますかね〜。ある意味活躍はするかもです。 (2016-12-20 22:05)
遊戯王大好き
場に何もいないはずなのにバイパーどっから出てきたのですか? (2016-12-21 00:10)
遊戯王大好き
あ、いるけどフィールド0って書いてあるのか笑
すいません汗
バイパーいるのにフィールド0って書いてあって、けいすけくんがモンスター0って言ってますよ (2016-12-21 00:12)
いちごT
遊戯王大好きさん、コメントありがとうございます。
しまった!? 景介のセリフを書いた時点では展開が違ってて場にモンスターいなかったんですよ…書き直すの忘れてました。ご指摘ありがとうございます。 (2016-12-21 00:20)
ギガプラント
桃太郎が金の甲冑を着ている図は中々にシュールかも…。
オーバーヒートってのは面白いですね。効果にも見合ってると思います。 (2016-12-21 01:01)
いちごT
ギガプラントさん、コメントありがとうございます。
アニメとかだと似合わないもの着せられてちょっと戸惑う演出もありそうですよね。
全弾発射はロマンですがやはり熱を十分逃がせないのでこれですね。ステータスも高いのに無条件でこんな破壊効果持ってるのもやり過ぎだと思ったのでほんと上手く効果と噛み合いました。 (2016-12-21 21:28)

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