第16話：要塞VS要塞　作：青き眼の凡人

「…くっ！また読みを外しただと！？」

チームエンターブレインの二番手が奥歯を噛む。

麟「悪いけどね！常識では測れないのがうちのチームなのよ！」

それに対し自身満々にデュエルディスクを構える麟。

飛車鳥「さあ！そんなわけでチームエンターブレインの二番手はガジェル！そして！チームダークロードの二番手は才刄 麟！」
チェック「麟選手が二番手ですか。一回戦と同じですね。」

ガジェル(一番手は出順を変えてきたから、二番手も同じように変えてくると思っていたのに…！まあいい、俺のデッキならある程度『サイバー』に対抗できる！)

ガジェル「なるようにしかならない…というわけだな！デュエルモード！」
麟「今回も絶対勝つ！そして、竜泉お兄ちゃんとデュエルする！デュエルモード！」

飛車鳥「非常にいいテンポだ！大会運営としては喜ばしい！デュエル開始イイ！」

「「デュエル！」」

麟「げっ、先攻はあたい…？うーん、まあいいわ！このカードがあるからね！」
麟「あたいは『サイバー・ヴァリー』を攻撃表示で召喚！」

サイバー・ヴァリー
ATK0

麟「…あたいはこれでターンエンド！」

プレア「竜泉！アレ、竜泉も使ってたカードだヨー！」
竜泉「…あれくらい、サイバー流なら当然だ。」
プレア「エー？そうですカー？」


竜泉(俺と戦うには、せめて『あのカード』を使えるようになってもらわねば困る。)


ガジェル(サイバー・ヴァリーは確か攻撃対象に選択された時、自身を除外してワンドローし、バトルフェイズを強制終了させる効果を持っていたな。キングダムクラッシャーズのあの男と同じデッキか？)
ガジェル「俺のターン！まずは『マシンナーズ・ソルジャー』召喚！」

マシンナーズ・ソルジャー
ATK1600

ガジェル「自分フィールド上にモンスターが存在しない時に召喚に成功したため、ソルジャーの効果発動！」
ガジェル「手札から『マシンナーズ』を特殊召喚する！」
ガジェル「来い！『マシンナーズ・エレメント』！」

マシンナーズ・エレメント
ATK1400

ガジェル「エレメントが『マシンナーズ』カードの効果で特殊召喚された場合、属性を一つ宣言し、発動！宣言するのは、光属性！」
ガジェル「このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いに宣言した属性のモンスターを特殊召喚できない！」
麟「んー。ちょっと困るわね…。」

マシンナーズ・エレメント ※オリカ
星4/地属性/機械族/攻1400/守1300
(1)このカードが『マシンナーズ』カードの効果によって特殊召喚された場合、属性を一つ宣言して発動する。このカードがモンスターゾーンに存在する限りお互いに宣言した属性のモンスターを特殊召喚できない。

アマンダ「アルフレッドさん、ちょっとまずいんじゃないですか！？」
アルフレッド「ああ。麟の『サイバー』デッキは光属性で構成されている。」
ゴードン「その光属性の特殊召喚を封じられるとなると…」
ユーリ(よろしくない状況かもしれません。ですが…)

－－－ああ。麟のデッキにはまだ奥の手がある。

ユーリ(…やっぱりそう思いますか？スターヴ・ヴェノム。)

ガジェル「バトル！『マシンナーズ・ソルジャー』で『サイバー・ヴァリー』に攻撃！」
ガジェル(まあ、『サイバー・ヴァリー』の対策ができたわけではないが…居座られると何かと厄介だ。消費してもらう！)
麟「『サイバー・ヴァリー』効果発動！このカードを除外して、デッキから一枚ドローし、バトルフェイズを終了！」
ガジェル「…ターンエンド！」

プレア「まずいヨー！？サイバーって確か光属性中心だからそれを封じられたらインフィニティどころかエンドも出せないヨー！」
竜泉「…静かに見ていろ。周りの迷惑になる。」
良経「随分と余裕じゃねーか？もっと慌てるかと思ったのに。」
竜泉「当たり前だ。サイバー流はこの程度では崩れん。」

竜泉はそう言い放つと、デュエルコートの麟に視線を移す。


竜泉「お前も…打開策は知っているはずだ、麟。」


麟「あたいのターン！ドロー！」
麟(うーん、『サイバー・ドラゴン・コア』かあ…『融合』『融合呪印生物－光』があるけど、あのカードがあるんじゃ…)

そう思った麟はエクストラデッキを確認する。この行動が、デュエルの決め手となった。

麟(…やっぱり光属性。うーん、どうしようかしら…ん？)

麟はあるカードに目がいく。

麟(このカードの属性…召喚条件となるモンスター…もしかして！)
ガジェル「どうした？サレンダーか？」
麟「…いいえ！」


麟「ここからが、サイバー流の真髄よ！」

麟「あたいは手札から、『サイバー・ドラゴン・コア』を召喚！召喚に成功した時、デッキから、『サイバー』または、『サイバネティック』と名のついた魔法・罠カードを手札に加えられるわ！」
麟「あたいは『サイバー・リペア・プラント』を手札に加えるわ！」

プレア「なるほどー！今サーチしたカードが逆転のカギになる予感がするヨー！」
竜泉「…いや、あのカードは少なくとも墓地に一体『サイバー・ドラゴン』が存在しなければ発動できない。」
プレア「ズコー！」
竜泉「肝心なのは…ここからだ！」

麟「そして『サイバー・ドラゴン・コア』はフィールド・墓地に存在する限り、『サイバー・ドラゴン』として扱う！」
麟「そしてエクストラデッキのこのカードは、自分・相手フィールドの『サイバー・ドラゴン』と一体以上の機械族モンスターを墓地に送って特殊召喚できるわ！」
麟「ちなみにこのモンスターの属性は闇よ！」
ガジェル「バカな！？そんなモンスター、『サイバー』に存在するのか！？」

竜泉「…存在するんだよ、サイバー流にはな。見せてやれ、麟！」

麟「『サイバー・ドラゴン・コア』と『マシンナーズ・ソルジャー』と『マシンナーズ・エレメント』を墓地に送り、融合！」

麟「機械の竜達よ、誰にも想像できない進化を遂げて、あたいに力を貸して！」

融合召喚！

竜泉「これぞサイバー流の可能性！」
麟「『キメラテック・フォートレス・ドラゴン』！」

キメラテック・フォートレス・ドラゴン
ATK？



ガジェル「攻撃力不明…？」
麟「この子の元々の攻撃力は、融合素材の数×1000になるわ！」

キメラテック・フォートレス・ドラゴン
ATK？→3000

麟「バトル！『キメラテック・フォートレス・ドラゴン』で、ダイレクトアタック！『エヴォリューション・レザルト・アーティレリー』！！」

機械竜の容赦無い攻撃がガジェルに襲いかかる。

ガジェル「ぐぅ…！」

ガジェル
LP4000→1000

麟「あたいはカードを一枚セット！ターンエンド！」
ガジェル「くっ…！俺のターン！」
ガジェル(このカードは！よし、もう複雑に考えるのはやめだ！)
ガジェル「俺は手札から『マシンナーズ・ソルジャー』と『マシンナーズ・スナイパー』を墓地に送り！」
ガジェル「来い！『マシンナーズ・フォートレス』！特殊召喚！」

マシンナーズ・フォートレス
ATK2500

ガジェル「バトル！『マシンナーズ・フォートレス』で、『キメラテック・フォートレス・ドラゴン』を攻撃！」

飛車鳥「何と！？『キメラテック・フォートレス・ドラゴン』より攻撃力が低いのに何故！？」

ガジェル「もちろん、考えあっての事さ！手札から速攻魔法『リミッター解除』！」

アルフレッド「『リミッター解除』…！機械族専用のサポートカード！」

ミドラ「…コノママダトフォートレスハセントウハカイサレルネ。」

マシンナーズ・フォートレス
ATK2500→5000

プレア「せっかくだした麟ちゃんの切り札が倒されちゃうヨー！？」

ゴードン「だが次のターンでうまくやれば勝てるか…？」

羅刹「…いや」

ユーリ「…いいえ」




羅刹・ユーリ( (あの伏せカードはおそらく…！) )



麟「…リバースカードオープン！」

羅刹(…速攻)

ユーリ(魔法！)







麟「『リミッター解除』！」








キメラテック・フォートレス・ドラゴン
ATK3000→6000







勢いを増した機甲部隊の要塞が機械竜の要塞に突進する。しかし、機械竜の要塞はその突進を上回る勢いのレーザー砲を放った。









ガジェル
LP1000→0



飛車鳥「…き、」




飛車鳥「決まった〜！！激しい機械の激闘を制したのは才刄 麟！チームダークロード、二勝目です！」



プレア「すごーい！勝ったヨー！竜泉！」
竜泉「…ああ。」



竜泉「…『キメラテック・フォートレス・ドラゴン』も扱えるとはな。決勝で戦うのがますます楽しみだ、麟。」












－－－次回予告

「…チームエンターブレインリーダーとして、何としてでも一勝を勝ち取ってみせる！」

アルフレッド「…さて、俺の出番か。種族、属性ときて今度は何のメタカードだ…？」

「聞いて驚くがいい、これはどんなデッキにも刺さるメタだ！」


次回、煉獄のデュエル

アルフレッド「…なるほど、これは確かにどんなデッキにも刺さる…！」