第115話 命を懸けたラストデュエ　作：こんにゃく

一騎・トウセン「デュエル！！！」
LP4000

一騎は思った、鏡の前で自分と戦っているようだと

自分とそっくりな顔をもつ男トウセン

しかしそのただならぬ雰囲気はやはり自分とは違う存在なのだと思い知らされる

一騎「先行は貰った！俺のターン！」

手札5

一騎「俺はスケール1の『C・(チェンジ) アイズ・フリーススネーク』とスケール8の『C・(チェンジ) アイズ・レインボータイガー』でペンデュラムスケールをセッティング！！」

トウセン「！」

一騎「これでレベル2から7のモンスターが同時に召喚可能となった…異世界の扉を開く力…今…降臨せよ！！ペンデュラム召喚！！」

一騎「『ハーデストアイズ・スカイ・ドラゴン』！！！」


ハーデストアイズ・スカイ・ドラゴン
レベル7/闇属性/ドラゴン族/スケール4
攻撃力2500/守備力2000


全身が赤く長い体を持ち、紫の目をもつ冥界の竜がここに出現する

一騎「カードを１枚セット！ターンエンド」
手札1

トウセン「…そのモンスター達…やはり貴様は『成長』しているな…危険だ…やはり貴様はここで倒すべきか」

トウセン「なんにせよ…やることは変わらんというわけ…か」

トウセン「ならば…行くぞ一騎…俺のターン！」
手札6

…

遊姫「裏切られた…？」

スピカ「…はい」

トラクリボー『裏切り…本当に何があったのよスピカ』

スピカ「…あれは…シリウス達の訃報を聞いてすぐのことでした」

…

スピカ『なっ…その話は本当ですか？タカキ』

タカキ『はい…シリウス様、アルフレド様、シャウロン様、ミラ様は…既に…』

スピカ『そんな…みんな…一体何があったの…？』

タカキ『いずれにせよこの国も危険です…一刻も早く脱出を…』

スピカ『っ…！！』

トウセン『タカキ！いるか！！』ﾊﾞﾝｯ

タカキ『セン！』

トウセン『街の状況はどうなっている！』

タカキ『精霊憑きが数千人を越えている…このままでは…』

トウセン『…』

タカキ『セン…あんたはがんばった良く戦ったよ…だがもう無理だ…逃げるべきだ』

トウセン『くっ…！』

スピカ『…セン…タカキの言うとおりよ…私達にはあの子達もいるのよ？』

トウセン『…ああ…そう…だな…』

兵士『トウセン様！！』ﾊﾞｯ

トウセン『今度はどうした？』

兵士『暴徒がっ！暴徒が王宮に押し寄せています！！！』

トウセン『暴徒だと…？』


暴徒『王を出しやがれ！！！』

暴徒『やつを逃がすなぁ！！！』


トウセンが外を見るとそこには大量の暴徒化した人々が押し寄せていた

トウセン『…精霊憑きか？』

兵士『いえ…違います…どうやらトウセン様達のあらぬ噂でこのような…』

スピカ『噂ですって！？それで民衆達は動かされているというのですか！？』

トウセン『…』

兵士『…なんでも…精霊の女神の助言…だと言う人物もおりまして…』

スピカ『精霊の女神…？』

トウセン『バカな…彼女は…』

スピカ『…でも…あの子とは…最近では会話をできていません…もしかすると…』

トウセン『スピカ…精霊と会話できる君が彼女を信用しなくてどうする』

スピカ『それは…いえ…すみません…』

トウセン『…状況は分かった…お前達も準備しろ』

兵士『え？』

トウセン『…この城を捨てる…逃げる準備をするんだ』

兵士『わ、わかりましたぁ！！』

トウセン『タカキお前もだ』

タカキ『分かった…二人共…これを』ｻｯ

それは黒いフードだった

タカキ『貴方達二人の正体がバレては移動も困難になる…せめて姿だけでも…』

トウセン『…ありがとう』

トウセンは黒いフードを受けとる

トウセン『スピカ…』ｻｯ

トウセンがスピカの方を向きこれからのことを話始める

それは必然的にトウセンがタカキから背を向ける形となっていた

タカキ『…』ｽｯ

トウセン『…ああ、そうだ…これからは……っ！！』ﾊﾞｯ

トウセンが殺気に気づき振り向く

ﾄﾞｽｯ!! タカキの持っていたナイフがトウセンの腕に突き刺さる

トウセン『ぐうっ！！』

タカキ『あひゃひゃひゃ！！やるじゃあねぇか！！！流石はトウセンだなぁ！！！』ﾊﾞｯ

タカキはトウセンから距離をとる

トウセン『タカキ…貴様…一体何を…！！』

スピカ『タカキ！！貴方っ！！』

タカキ『悪いなぁトウセン…俺はあるお方からお前達を始末するように頼まれていてなぁ…』

トウセン『ある…お方だと？』

タカキ『ああ…ソイツはお前達も良く知っているはずだぜ？』

スピカ『まさか…』

タカキ『そう！！精霊の女神！！アルスマグナよ！！！』

トウセン『なっ！？』

スピカ『なんです…って…』

タカキ『いやぁ…驚いたぜ、突然俺の前に現れて…お前達を始末するように頼んできたんだからなぁ…』

トウセン『…タカキ…お前は俺が唯一信用できる友の一人…そんなお前がどうして俺達を…』ﾎﾟﾀﾎﾟﾀ

タカキ『何でかって…？そりゃあてめぇらが悪の元凶だからだよぉ！！！』ﾋﾞｼｯ!!

トウセン『な、なんだと！！？』

タカキ『この精霊憑きはてめぇらの仕業なんだろぉ！？俺は見せてもらったぜ！アルスマグナによぉ！てめぇらが精霊達を封じている所をなぁ！！』

スピカ『そんなっ！！バカなことを！！』

タカキ『おかしいと思っていたぜ…てめぇには協力な瞳の力っつうもんがあって…スピカ…てめぇには精霊を認識できる力が有る…』

タカキ『それを使ってこの地位にまで登り詰めてきたんだもんなぁ！？』

トウセン『タカキ…貴様っ！！』

スピカ『タカキ！！それは嘘です！！私達がそんなことをするはずがありません！！』

タカキ『…寝言は寝て言うんだな』

トウセン『…スピカ…逃げろ』

スピカ『え？』

トウセン『ここは俺に任せて逃げろと言っているんだ』

スピカ『そんなっ！！嫌です！！』

トウセン『ならっ！！せめてあの子達だけでも逃がしてくれ！！』

スピカ『っ！！』

トウセン『あの子達だけでも安全が確認できたのなら…ここに戻ってきてくれ…それまでにコイツは俺が何とかする』

スピカ『…わかりました…』

トウセン『それと…』ｺﾞｿｯ

トウセンがポケットから石の欠片を取り出す

スピカ『それは…』

トウセン『ミラから貰った石の欠片…俺には分かる…この欠片には強大な力が有ることを…これをスピカ…君に渡しておく』

スピカ『…分かりました…受けとります』

トウセン『…一緒に逃げよう…スピカ』

スピカ『っっはい！！』ﾀﾞｯ

タカキ『けっ…スピカには逃げられちまったが…まぁいい…トウセン…てめぇはここで倒させてもらうぜ』

トウセン『…俺を倒すと言うことは倒されるかくごがあると言うことだな…なら…後悔するなよ！！タカキ！！！』

タカキ・トウセン『デュエル！！！』
LP4000

…

トラクリボー『…』

スピカ「…私達は信頼していた友に裏切られました…」

遊姫「そんな…」

リアン「友達に裏切られるなんて…悲しすぎるよ…」

スピカ「センは戦いました…友だった男と…必死に」

…

タカキ『行くぞ！！トウセン！！！俺のターン！』

手札5

タカキ『俺は！手札から永続魔法『多次元回路』を発動！』

ﾄﾞｶﾞｶﾞｯ!! 宇宙を模した扉が出現する。

タカキ『これにより俺は『デッキから深淵と名前の付くモンスターをデッキからリリース無しで召喚できる』！』

トウセン『なに！？』

タカキ『漆黒を司る万物の闇よ、表裏の理から外れ仇なす混沌の悪夢よその大いなる力で光を喰らえ！！現れよ！』

タカキ『深淵暗黒神ダークネス！！！』


ダークネス
レベル12/闇属性/悪魔族
攻撃力3000/守備力2000


トウセン『なんだ…そのモンスターは…！』

タカキ『くくく…これが…俺が手に入れた力…お前を倒すための力さ… 』

トウセン『それは…闇の力だぞっ！！』

タカキ『闇の力…闇の力か…くくくっ…』

トウセン『お前…俺達を殺すようアルスマグナに唆されただけではないな』

タカキ『その通りよ！！お前らを殺すと決めたのは俺自身の意思！！てめぇらを殺して俺が世界の頂点に立つ！！！』

トウセン『…』

タカキ『俺はカードを１枚セット！これでターンエンドだぜ』
手札3

タカキ『どうした？まさか裏切られてショックなのかぁ？』

トウセン『…いいやその逆だ』

タカキ『…なに？』

トウセン『これで心置きなくお前と戦える！！』

トウセン『俺のターン！！』

手札6

トウセン『俺はスケール1の『魔眼の魔術師』とスケール8の『真眼の魔術師』でペンデュラムスケールをセッティング！』

トウセン『これでレベル2から7のモンスターが同時に召喚可能！！ペンデュラム召喚！！』

トウセン『現れよ！我が魂！生命を司る始まりの竜！！『アンファングアイズ・リザレクション・ドラゴン』！！』


アンファングアイズ・リザレクション・ドラゴン
レベル7/光属性/ドラゴン族/スケール8
攻撃力2500/守備力2000


白の固い鎧のような鱗に無色透明なクリスタルのような瞳

巨大な2枚の翼に長い尾をもつ祖の竜が出現した。

アンファングアイズ『ｸﾞﾙﾙｯ…』

タカキ『出たな…トウセン…貴様の切り札…』

トウセン『バトルだ、アンファングアイズ・リザレクション・ドラゴンでダークネスを攻撃！！』

トウセン『この瞬間、アンファングアイズの効果発動！『このモンスターが相手モンスターとバトルする時、その攻撃を無効にしデッキからこのモンスター以下のレベルの『アイズ』モンスター1体をフィールドに特殊召喚する』！！』

トウセン『俺はアンファングアイズの攻撃を無効にしデッキから『真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)』を特殊召喚する！』


真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)
レベル7/闇属性/ドラゴン族
攻撃力2400/守備力2000


紅き瞳に漆黒の体をもつ上級のドラゴン

トウセン『そして！魔眼の魔術師のペンデュラム効果を発動！『自分フィールドの『アイズ』モンスターの攻撃が無効になった時、そのモンスターの攻撃力を1000ポイントアップしもう一度攻撃できる』！！』


アンファングアイズ
攻撃力2500→3500


トウセン『再び攻撃！！アンファングアイズ・リザレクション・ドラゴンでダークネスを攻撃！！』

トウセン『輪廻のリザレクション・フォース！！！』


アンファングアイズ・リザレクション・ドラゴン
攻撃力3500

⬇

ダークネス
攻撃力3000


タカキ『それは読み通りだぜ！！トウセン！！永続トラップ！『深淵呪縛』！！』

タカキ『このカードは相手が俺のフィールドの深淵と名の付くモンスターを攻撃、効果の対象にした時！相手フィールドのモンスター1体を選択しこのカードが表側表示で存在する限り攻撃できず効果は無効化される！！』

ｷﾞｭﾙﾙﾙｯ深淵より現れた無数の手がアンファングアイズを掴む

しかし

トウセン『…真眼の魔術師のペンデュラム効果発動！『１ターンに1度、自分フィールドのアイズと名の付くペンデュラムモンスター以外のモンスター1体を手札に戻しアイズモンスターに対するマジック、トラップ、モンスター効果を無効にして破壊する』！！』

タカキ『何っ！？』

真紅眼の黒竜『ｺﾞｧｧｯ!!』

ﾊﾞｷｯ!! 真紅眼の黒竜が闇の手を食いちぎり破壊する

トウセン『…』ﾊﾟｼｯ
手札4

タカキ『ぐぉぉっ！！』ﾄﾞｶﾞｶﾞｶﾞｯ!!
LP4000→3500

トウセン『俺はカードを１枚セット、ターンエンド』

アンファングアイズ・リザレクション・ドラゴン
攻撃力2500

手札3

タカキ『くっくっ…くく…やはり侮れない…瞳の一族と言うのは…』

タカキ『貴様達を葬りさえすれば…この俺がこの世界の頂点となる…その為に！！貴様を越えてやろう！！トウセン！！！』

トウセン『…』

タカキ『俺のターン！！』

手札4

タカキ『墓地のトラップ深淵呪縛の効果を発動！！墓地のこのカードを除外する！！そして墓地の深淵と名の付くレベル12以下のモンスターをフィールドに特殊召喚する！！』


ダークネス
攻撃力3000

タカキ『永続魔法多次元回路の効果によりデッキから『深淵運命神ヴォルガマ』を召喚！！』


ヴォルガマ
レベル12/闇属性/悪魔族
攻撃力3300/守備力2500


タカキ『そして…手札よりマジックカード…『深淵共鳴(アビス・シンクロ)』を発動！』

タカキ『自分フィールドに深淵モンスターが存在する時、手札から深淵モンスターを任意の数特殊召喚し全てのモンスターをレベル1にしシンクロ召喚を行う！』

トウセン『何っ！？』

タカキ『現れよ！深淵暗黒神官ダゴン！深淵暗黒神官ヒュドラ！そして…深淵暴神 ベヒーモス！！』


ダゴン
レベル12→1/闇属性/悪魔族
攻撃力3000/守備力2500

ヒュドラ
レベル12→1/闇属性/悪魔族
攻撃力2800/守備力1500

ベヒーモス
レベル12→1/闇属性/悪魔族/チューナー
攻撃力2500/守備力3000


トウセン『これは…！』

タカキ『くっくっく…』ｽﾞｽﾞｽﾞｯ

タカキの背後から何か闇が出現する

トウセン『成る程な…貴様が正体か』

アビス『…我の邪魔をするものは全て消し去る…』

トウセン『何が目的か知らないが…俺の友人を唆したことを後悔させてやるっ！！』

タカキ『何を勘違いしてやがるトウセン！俺は望んでこの身を落とした！！お前をぶっ殺す為になぁ！！』

タカキ『いくぜぇ！！俺はフィールドの深淵の神をチューニング！！！』

タカキ『闇を抱く神をも超えし偶像よ、上方より下方へと変換し、絶えず世界を破壊せよ…万物の者共よ…この者に膝まずけ！！』

タカキ『シンクロ召喚！！深淵祖体神 コラジン！！』


コラジン
レベル0/闇属性/悪魔族/シンクロ
攻撃力0/守備力0


ｺﾞｸﾞｼﾞｬｯ!!肉の塊が降ってくるそれは蠢き這いずり辺りを破壊する

タカキ『あっひゃっひゃっひゃっ！！これが！神の力かっ！！素晴らしいぞ！！』

アビス『さぁ…我を邪魔する者共…闇へと還すが良い』

トウセン『…』


スピカ『ハァ…ハァ…』ﾀｯﾀｯﾀｯ

スピカ『エナ！リナ！！』ﾊﾞｯ

リナ『？』

エナ『ｱｳ－』ｷｬｯｷｬｯ

スピカ『二人共！こっちへ来なさい！ここは危ないわ！』

兵士B『そうですよぉ…ここは危ないですよぉ』

スピカ『っ！！』

兵士C『くっくっく…』ｿﾞﾛｿﾞﾛ

スピカ『貴方達…タカキに…』

兵士B『貴方の命…貰いますぜ！！スピカ！！！』

スピカ『そうはいきません！！』ﾊﾞﾝｯ


ｽﾞｶﾞｧｧｧﾝｯ!!!

兵士達『ぎゃぁぁぁっ！！』ﾄﾞｻｯ

スピカ『っ！！！』ﾀﾞｯ

兵士『まてっ！！逃がすな！！』

スピカは数人の兵士達を打ち破りその隙に逃げ出す

しかしまだ後ろには何人も兵士が残っていた

スピカ『くっ…！！』

赤ん坊のエナにまだ幼いリナを抱えながらとてまスピカは逃げることなんて出来ない…どうすれば…

スピカ『え？』

ｶｧｰ!!

兵士『なんだっ！？？』

突如としてスピカの懐が光輝く

スピカ『こ、これは…！！』


タカキ『行け！！コラジンよ！！アンファングアイズ・リザレクション・ドラゴンを攻撃！！！』

ｷﾞｭｵﾝｯ!肉の触手がアンファングアイズ・リザレクション・ドラゴンを掴む

タカキ『コラジンが戦闘を行う場合、コラジンは戦闘、カードの効果で破壊されず、俺へのダメージは0になりそのダメージは全て相手に与える！！』

タカキ『そして…コラジンが攻撃を行う間…相手はモンスター効果を発動できない』

コラジン
攻撃力0

⬇

アンファングアイズ・リザレクション・ドラゴン
攻撃力2500


ｶﾞｸﾝｯ‼

トウセン『っ！？』

ﾄﾞﾄﾞﾄﾞｯ!!!

破壊の一撃が周りの壁や床を破壊し尽くす

トウセン『なっ！！？』ﾌﾜｯ

トウセンの体が重力から解き放たれたように浮く

タカキ『吹きとべぇ！！！』

ｶﾞｯ!! 巨大なビームが王宮の一部を吹き飛ばす

ﾄﾞｶﾞｧｧﾝｯ!!!

トウセン『ぐぁっ！！？』
LP4000→1500

ﾊﾟﾗﾊﾟﾗﾊﾟﾗ…

トウセン『ぐっ…』

タカキ『素晴らしい！！素晴らしい力だ！！あのトウセンさえも寄せ付けないとは！！！』

トウセン『…つぅ…この力…そうか…深淵の力…古代の闇に封印されたとされる力…』

トウセン『タカキ…貴様に取り付いているのは…その…闇の正体…！！』

タカキ『ふん…だからどうした…俺はお前を殺す、間違いなくな…俺はこれでターンエンド』

手札0

スピカ『セン！！！』ﾊﾞｯ

その時、トウセンの後ろからスピカが舞い戻ってきた

スピカ『大きい爆発音が聞こえたから…何かと思って…』

ばぁや『セン坊っちゃん！』

トウセン『スピカ…それにばぁやまで！？子供達は…！？』

スピカ『…エナならここに…』

スピカの手元には赤ん坊が…

トウセン『リナはどうした！？』

スピカ『実は…』


スピカ『え？』ﾋﾟｶｧ

スピカが輝きに包まれる、そしてその手には

スピカ『これは！？ミラさんから貰った石の欠片…！？なぜ！！？』

リナ『…？』ﾋﾟｶｧ

スピカ『リナと…共鳴している…？一体どういう…っ！？』

そして更なる輝きが増すと

スピカ『っ…り、リナ！？リナ！！！？』


トウセン『リナが…消えた…だと…？』

スピカ『残ったのは…このエナだけ…』

トウセン『ミラから貰った石の欠片…あの時、スピカに渡さなければと無意識に思った…これは何かの…暗示なのか…？』

トウセンはしばらく考えると

トウセン『ばぁや！スピカ！！やはりお前たちだけでも逃げろ！！』

スピカ『なっ！？』

ばぁや『何を仰いますか！？』

トウセン『コイツはヤバイ…俺が何とかしなくてはならない程な…だから…』

トウセン『スピカ！！エナをばぁやに！！』

スピカ『セン……エナを…』

ばぁや『スピカ…あんた…』

スピカ『万が一私にも何かあった時、その子を守れるのは…お母さんだけ』

ばぁや『スピカ…』

トウセン『ばぁやよ！必ず…この世界には俺の血を引くその子達が必要となる！！だから…ばぁや…ばぁやはエナを…頼んだ！！』

ばぁや『っ！！』

スピカ『セン…必ず…勝って…』

トウセン『…当たり前だ』

そしてスピカとばぁやはその場から去った

タカキ『ふっ別れの挨拶は済んだか？』

トウセン『遅くなって悪かったな…貴様ごとその闇を打ち払う！！』

手札4

トウセン『このデュエル…必ず勝つ』

タカキ『勝つだとぉ？それは無理な話だな！！コラジンの効果発動！！ 相手ターンに1度1000ポイントのダメージを与える！』

トウセン『なっ！？』

ｷﾞｭﾙﾙﾙｯ‼

トウセン『ぐぉぉぉっ！！？』

コラジンの闇がトウセンの体をズタズタに引き裂く

トウセン『くっ…』
LP1500→500

トウセン『がは…くっ…うぐ…凄まじい…力だ…』ﾎﾟﾀｯ

トウセンの身体中から血が溢れでる

トウセン『このデュエルで…この破壊力に…力が分かった…だからこそ…ここで、打ち倒すっ！！』

タカキ『諦めの悪い男だ…』

トウセン『俺はっ！！』

タカキ『おぉっと！待ってもらおうか！！コラジンの更なる効果だよ！！相手ターンにこのモンスターが表側表示で存在する時！！相手がこのターンにこのモンスターと戦闘を行わなかった時！エンドフェイズ時！相手はこのデュエルに敗北する！！』

トウセン『何！？』

タカキ『このデュエル！このモンスターが場に出た瞬間から貴様のデュエルに負けていたのだよ！！』

トウセン『デュエルと言うのは…己の魂が死んだときそれこそがデュエルの敗北を意味する』

タカキ『…何が言いたい』

トウセン『つまり…俺はまだ負けていないと言うことだ！！俺は！！セッティング済みのスケールで再びペンデュラム召喚を行い！エクストラデッキからアンファングアイズ・リザレクション・ドラゴンをペンデュラム召喚する！！』


アンファングアイズ・リザレクション・ドラゴン
攻撃力2500


トウセン『更に手札から真紅眼の黒竜（レッドアイズ・ブラックドラゴン）を特殊召喚！！』


レッドアイズ・ブラックドラゴン
攻撃力2400


トウセン『そして永続魔法『アイズ・オブ・サンクチュアリ』を発動！』

トウセン『このカードは１ターンに1度、フィールドに存在するアイズと名の付くモンスターが存在する時、手札に存在するアイズと名の付くモンスター1体を効果を無効にしてフィールドに特殊召喚できる』

トウセン『現れろ！！『青眼の白龍（ブルーアイズ・ホワイトドラゴン）』！！』


ブルーアイズ・ホワイトドラゴン
レベル8/光属性/ドラゴン族
攻撃力3000/守備力2500


レッドアイズ・ブラックドラゴンとは対をなすかのように佇む白の竜が今現れる

タカキ『モンスターを召喚した所で！無敵のコラジンを攻撃することなどできまい！！』

トウセン『それは…どうかな…』

タカキ『なに？』

トウセン『俺は！！アンファングアイズ・リザレクション・ドラゴンでコラジンを攻撃する！！』

タカキ『なんだと！？』

トウセン『この瞬間！アンファングアイズの効果により自身の攻撃を無効にし！デッキから『紫眼の偉大な灰竜（パープルアイズ・グレイトドラゴン）』を特殊召喚する！！』


レベル7/闇属性/ドラゴン族
攻撃力2800/守備力2500


灰色の体に紫の瞳、青と紅が混ざりあったようなそんな竜がここに現れる

タカキ『ドラゴンが…4体…っ！！！』

トウセン『そして！魔眼の魔術師のペンデュラム効果により無効となったアンファングアイズの攻撃力を1000アップさせ再び攻撃する！！』


アンファングアイズ・リザレクション・ドラゴン
攻撃力2500→3500

タカキ『しかし！！コラジンと戦闘を行えば全てトウセン！貴様にダメージが行くことを忘れたか！？』

トウセン『トラップ発動！『アイズ・スピリット』！！』

トウセン『自分フィールドのアイズモンスター1体を選択しそのモンスターの攻撃力を3000ポイントダウンさせる…そして自分フィールドの選択したモンスター以外のアイズモンスターの数だけ攻撃力を1000ポイントアップさせる！』


アンファングアイズ・リザレクション・ドラゴン
攻撃力3500→500→3500

全ての竜がアンファングアイズ・リザレクション・ドラゴンに力を与える

タカキ『？一体何を…』

トウセン『そして選択したアイズモンスターはこのターン相手にダイレクトアタックができる！』

タカキ『な、なんだと！！！？』

アビス『まさかっ！？戦闘を行わないで我達を！？』

トウセン『悪を滅する！！！アンファングアイズ・リザレクション・ドラゴン！闇を打ち払え！！！』

トウセン『輪廻のリザレクション・フォース！！！』

ｷﾞｭｫｫｫｯ!!! 光の柱がタカキを包む

タカキ『うぐぉぉぉっ！！！』

タカキ『い、いやだぁぁぁ！！！こんなところでぇぇ俺はぁぁぁ！！！』

トウセン『…深淵に堕ちるんだな…我が友よ』

タカキ『がぁぁぁっ！！！』

タカキの体が光に溶けていく

しかし

アビス『貴様達人間ごときに…我が滅ぼせると思うなよ』

ｶﾞｶﾞｶﾞｯ!!!

闇の触手がタカキがいた場所から無数に延びる

それが街…いや世界全体に広がるように伸びていく

トウセン『くっ！！悪あがき…ぐぅっ！！』ｶﾞｸﾝｯ

トウセン『だ…ダメージが…さ…きのデュエルの…ダメージが…でかい…がはっ』

トウセンが口から血を吐いてしまう

トウセンは地面を這うように闇の触手の出現点へと向かっていく

トウセン『ぐっ…くそ…ここで…』

アビス『くっ…予想外の力よ…瞳の一族…』

アビスの体に『光』が突き刺さっている

アビス『強行手段よ…全てを…闇へと還す時よ』


ばぁや『こ、これは一体…』

スピカ『何が起こっているのっ！？』

その時だった

ばぁやとスピカの周辺に人が集まってくる

スピカ『あ、あなた達は…』

男『そうだ…お前達が悪の元凶…』

スピカ『何を言って…はっ！？』

そして人々の後ろから現れる光

そこから

アルスマグナ『…そうです、彼女達こそ元凶…悪の権化です』

スピカ『アルスマグナ…っ！！』

…

続く

次回

トウセン『運命は動き出した…深淵に続く運命は…』

トウセン『俺たちの手でそれを変える…例えそれがこの世界を滅ぼすとしても！！』

一騎「次回 『偽りの記憶』一気に駆け上がれ！！」