第113話 竜の記憶　作：こんにゃく

アリーシャ「ジェイドが…コスモアイズですって！？」

ミラ「ああ、その通りだよ、どう？思い出したかい？ジェイド」

ジェイド「何を…言っている…俺は…俺は…ジェイドだ…」

ミラ「…」

ジェイド「妹の…レイナと共に…ずっと…暮らし…て…」

…


時空の裂け目 地下宇宙

ｺﾞｫｫｫｯ 裂け目から風のような不思議な感覚のある物が噴出している

男『おぉ…今日もまた神の言葉が聞こえるぞ』

おぉ…周りにいる数十人の人間がその穴『地下宇宙』を崇めていた

男『ありがたい…ありがたい…』

ミラ『これは…なぁに？』

そこに見た目が更に幼く、外見は4歳程度の姿をしたミラが母親と思わしき人物と共にいた

その母親もまたミラと同じく角、そして銀色に輝く尾をもっていた

男『おぉ！セレイン様にミラ様！貴女方もここに参られたのですね！』

セレイン『はい…ここはこの世界の始まりを教えてくれるかもしれない…原初の場所ですから』

ミラ『…』ﾄﾃﾃｯ

ミラが地下宇宙へと近づいていく

男『！！！ミラ様！！それ以上は危険です！！！』

ｽﾞｧﾝｯ!!!その時、地下宇宙から光が吹き出た

男『なっ！？なんだぁ！？』

セレイン『こ、これは…！』

そして

ミラ『う…うぅ？あっ！！』

ミラの目の前には小さな、とても小さな竜が降り立った

小さいと言ってもミラと同じくらいの大きさはある

男『こ…コイツは一体…！！』

人々はその得体の知れない物に恐怖をした

しかし

ミラは逆にその竜と触れあう

ミラ『お前はなぁに？…うん…へぇ…『コスモアイズ』っていうのかぁ』

男『ミラ様！？』

セレイン『…この子は…ドラゴン…それも子供です…何故この時空の裂け目から…』

セレイン『…ミラ…この子の言葉が分かるのですね？』

ミラ『？うん！』

セレイン『そうですか…では貴方が育てなさい』

ミラ『いいの？』

男『ドラゴンという生物を育てるというのですか！？そんなっ』

セレイン『元々私達竜人族は竜と共にありました…遥か昔に竜は姿を消したと言われていましたがこうして現れたのは何かの縁でしょう』

ミラ『よろしくな！コスモアイズ』

コスモアイズ『ｷｨｯ』


…

ジェイド「はっ！！？」

アリーシャ「じ、ジェイド？」

ジェイド「お、俺は…」

ミラ「…ジェイドよ記憶が…」

ジェイド「違う！！俺は…ジェイドだ！消してコスモアイズ等ではない！！そしてコスモアイズは…俺の魂のモンスターだ！！！」

ミラ「…」

ジェイド「貴様の妄言などもう聞く必要などない！！ここで終わらせる！！俺のターン！！」

手札2

ジェイド
手札2
LP3500

コスモアイズ
攻撃力3000

永続罠
宇宙嵐


ミラ
手札4
LP4000

天体竜 マーキュリアス・ドラグーン
攻撃力5400

天体竜 ハーシェル・ドラゴン
攻撃力2400


永続魔法
偉大なる太陽系


ジェイド「俺は！墓地に存在する『超空間昆虫（テラスペースビートル）ヘルヘラクレス』の効果発動！！」

ミラ「そのモンスター…なる程…空間（スペース）セントピーでエクストラデッキから墓地へ送ったのはそのモンスターか…」

ジェイド「『墓地のこのカード及び昆虫族を全て除外しデッキから光属性モンスター1体を手札に加える』！！」

ジェイド「墓地のヘルヘラクレス、ジェネラル・スパイダー、デボレ・ローコスト、セントピーを除外し…デッキから『空間（スペース） バック・ワーム』を手札に加え…召喚！！」


バック・ワーム
レベル3/光属性/昆虫族/チューナー
攻撃力100/守備力500


ワームと言うから気持ち悪いようだがその体は光輝き美しささえ感じられる

ジェイド「バック・ワームは『フィールドにレベル8以上の空間（スペース）または宇宙（コスモ）と名の付く光属性モンスターが存在する時、１ターンに1度、除外されている光属性、昆虫族モンスター1体を効果を無効にして特殊召喚できる』」

ジェイド「俺が特殊召喚するのはレベル5！ジェネラル・スパイダー！！」


ジェネラル・スパイダー
攻撃力2300


アリーシャ「これは…一体…ジェイドは何をしようと…」

ジェイド「ミラ！貴様がそんな戯言を言おうがこのデッキは！コスモアイズは！！俺とレイナの絆が生んだ力だ！！」

ジェイド「断じて！貴様が望んだそんな妄言などではない！！！」

ジェイド「俺は！レベル5のジェネラル・スパイダーにレベル3のバック・ワームをチューニング！！！」

ジェイド「宇宙（そら）よ！！！我が魂の声を訊け！！響くその鎮静歌は他が為に捧ぐ戒めとならん！！！シンクロ召喚！！！我が声に答えよ！！レベル8！！『宇宙眼の鎮静飛竜（コスモアイズ・レクイエム・ワイバーン）』！！！」


コスモアイズ・レクイエム・ワイバーン
レベル8/光属性/ドラゴン族/シンクロ
攻撃力2800/守備力2500


ｸﾞｵﾝｯ!! コスモアイズに似た飛竜、角が２本はえており更に翼膜は光でできている

アリーシャ「新しい…コスモアイズ…ですの…！？」

ミラ「な…」

ジェイド「俺とレイナの絆…これは紛れもない事実であり力だ！！」

ジェイド「ミラ！このデュエルで貴様に勝ち！そして始まりのソロモンズを回収させてもらう！！」

ジェイド「宇宙嵐（コスモテンペスト）は効果対象のモンスターはダイレクトアタックこそできないが…モンスターに攻撃することは可能！！」

ジェイド「バトルだ！！宇宙眼の煌角竜（コスモアイズ・グリッター・ドラゴン）でマーキュリアス・ドラグーンを攻撃！！」

アリーシャ「なっ！？で、ですがジェイドのコスモアイズは攻撃力3000…マーキュリアス・ドラグーンは自身のその効果によりフィールドの天体竜の攻撃力分攻撃力がアップしていますの…これでは…」


コスモアイズ
攻撃力3000

⬇

マーキュリアス・ドラグーン
攻撃力5400


ジェイド「この瞬間！宇宙眼の鎮静飛竜（コスモアイズ・レクイエム・ワイバーン）の効果発動！！『自分フィールドの光属性ドラゴン族モンスターが相手モンスターとバトルする時、その間の相手モンスターの効果を無効にし攻撃力を半分にする』！！」

ミラ「なっにぃ！？」

ジェイド「これで貴様のマーキュリアス・ドラグーンの効果は無効となり攻撃力は元の数値の半分となる」


マーキュリアス・ドラグーン
攻撃力5400→3000→1500


アリーシャ「ミラが発動している偉大なる太陽系（シュステーママグナス）は相手のマジックトラップカードの影響を天体竜が受け付けなくする効果…モンスター効果はその範疇ではないのですのよ！！流石はジェイドですわ！！」

ジェイド「食らえ！ミラ！！」

ｽﾞｷﾞｬﾝｯ!!

ミラ「くぅっ！！！」ﾌﾞｵﾝｯ!!
LP4000→2500

ジェイド「まだ終わりではない！！」

ミラ「っ！！」

ジェイド「コスモアイズの効果発動！！『相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを破壊した時！そのモンスターをもう1度相手フィールドに特殊召喚しこのターンもう1度攻撃できる！！』」


マーキュリアス・ドラグーン
攻撃力3000


ジェイド「続けてマーキュリアス・ドラグーンを攻撃！！そして！！宇宙眼の鎮静飛竜（コスモアイズ・レクイエム・ワイバーン）の効果により！攻撃力を半分にする！！！」


マーキュリアス・ドラグーン
攻撃力1500


ジェイド「殲滅の…トゥインクル・ブラストォォォ！！！」

ｷﾞｭｶﾞﾝｯ!!! 放たれた光線はマーキュリアス・ドラグーンを焼き尽くす

ミラ「ぐっ！！うわぁぁぁぅ！！」ﾌﾞﾜｯ

ミラ「あうっ！！ぐっ…！」ﾄﾞｻｯ
LP2500→1000

ジェイド「…これで…止めだ…宇宙眼の鎮静飛竜（コスモアイズ・レクイエム・ワイバーン）でハーシェル・ドラゴンを攻撃！！」

ジェイド「殲滅のレクイエム・バーストォォォ！！！」

ﾄﾞﾝｯ!!!ﾄﾞﾝｯ!!! レクイエム・ワイバーンが放つ光線は発射途中で更に加速する

アリーシャ「ハーシェル・ドラゴンもまたレクイエム・ワイバーンの効果により攻撃力が半分に…！これなら！」


レクイエム・ワイバーン
攻撃力2800

↓

ハーシェル・ドラゴン
攻撃力2400→1200


ミラ「…永続魔法っ！偉大なる太陽系（シュステーママグナス）の効果発動！！」

ミラ「『自分フィールドの天体竜モンスターが破壊され墓地に送られた場合に発動する！！１ターンに1度、このターンに破壊された天体竜以外の墓地に存在する天体竜モンスター1体を選択し！フィールドに召喚条件を無視して特殊召喚する！！』」

アリーシャ「なっ！？またっ！！！？」

ミラ「私が特殊召喚するのは…『天体竜 ジュピテル・ドラコーン』！！」


ジュピテル・ドラコーン
レベル9/地属性/ドラゴン族/特殊召喚
攻撃力2200/守備力4000


ﾄﾞﾝｯ!!!丸々と大きな岩石のような竜 まるで要塞といった風格が備わっている

ジェイド「っ！！新たなドラゴンを召喚した所で何になる！！このままレクイエム・ワイバーンでハーシェル・ドラゴンを攻撃することに変わりはない！！」

ジェイド「そして！ミラ！！貴様のライフは1000！この攻撃を耐えられるライフでは無い！！」

ミラ「天体竜にはそれぞれ特殊な召喚方法が存在する…それ以外では召喚することはできん…そしてその召喚に成功した時、必ず強力な恩師を受ける…が」

ミラ「マーキュリアス・ドラグーンのように天体竜には『特定の特殊召喚に成功した時に発動できる』効果以外に通常で発動できる固有の効果が存在する！！」

ジェイド「なんだと！？」

ミラ「ジュピテル・ドラコーンのモンスター効果を発動！『自分フィールドのこのモンスター以外の天体竜モンスターが戦闘及びカードの効果の対象となった時、それを無効にしその対象をジュピテル・ドラコーンに移しかえる』！！」

ジェイド「何！？」

ミラ「そして…これに対してのジェイド…君に拒否権はない強制効果さ」

ジェイド「っ！！」

アリーシャ「レクイエム・ワイバーンは効果で攻撃力を下げることはできても守備力は下げられないっ！！」

ミラ「さぁ！レクイエム・ワイバーン！！私のジュピテル・ドラコーンを攻撃するのだ！！」

ジェイド「俺は！手札の速攻魔法！『ソニック・オーバレイ』を発動！」

ジェイド「このカードは『自分フィールドの同じレベル、同じ属性、同じ種族のモンスターが2体以上存在する時、そのモンスターを使用しエクシーズ召喚を行う』！！」

ジェイド「フィールドのレベル8宇宙眼の煌角竜（コスモアイズ・グリッター・ドラゴン）と同じくレベル8の宇宙眼の鎮静飛竜（コスモアイズ・レクイエム・ワイバーン）でオーバレイ！！！」

ミラ「コスモアイズを使用してオーバレイ…！？」

アリーシャ「バトルフェイズ時にエクシーズだなんて…！」

ジェイド「うぉぉぉっ！！！」ﾄﾞﾝｯ!!!

ジェイドの瞳が紅く輝き全身が紅く光る

ジェイド「空間の流れに抗い！！怒濤の光を貫く聖なる希望！！！エクシーズ召喚！！！ランク8！！！『宇宙眼の超煌角竜（コスモアイズ・ネオ・グリッター・ドラゴン）』！！」


宇宙眼の超煌角竜（コスモアイズ・ネオ・グリッター・ドラゴン）
ランク8/光属性/ドラゴン族/エクシーズ
攻撃力4000/守備力3000


ﾄﾞｯﾄﾞｯﾄﾞ!! 光る角に光る翼、まさに宇宙の光を集結させたような神秘の竜

ミラ「…コスモアイズに…まさかこんな姿がっ」

ジェイド「そして！ネオ・グリッター・ドラゴンが『エクシーズ召喚に成功した時、エンドフェイズまでこのカード以外の表側表示のカードの効果を全て無効にする』！！」

ｶﾞﾊﾞｯ!! ネオ・グリッター・ドラゴンの翼が大きく開かれるそしてそこからまばゆい光が照らし

全ての効果を無効にした

ジェイド「これで貴様のジュピテル・ドラコーンの効果は無効となった」

アリーシャ「効果を無効にしたことによりハーシェル・ドラゴンの攻撃力は元の数値に戻ってしまったけれど…ネオ・グリッター・ドラゴンの攻撃力の前では関係ありませんわ！」


ハーシェル
攻撃力1200→2400


ミラ「くっ…まさか…そのような隠し球を持っているとはね…」

ジェイド「そしてまだ…俺のバトルフェイズだ！！俺は！宇宙眼の超煌角竜（コスモアイズ・ネオ・グリッター・ドラゴン）でハーシェル・ドラゴンを攻撃！！！」


ネオ・グリッター・ドラゴン
攻撃力4000

⬇

ハーシェル・ドラゴン
攻撃力2400


ジェイド「殲滅の！！！フォトン・トゥインクル・バーストォ！！！」


ﾄﾞﾝｯ!!! 放たれた巨大な光線は一直線にハーシェル・ドラゴンを貫く

ｽﾞｧｧｧｯ!!! 辺りが爆炎と轟音に包まれ煙で周りが見えなくなる


アリーシャ「ど…どうなりました…の？」

ジェイド「…っ！！？」

ジェイドは目を見開いた

ジェイド「な…なんだと！？」

ミラ「いやぁ…危なかった…流石はジェイドって所だね」
LP200

ジェイド「な…何故貴様は…攻撃は通ったはず…」

ミラ「よく見るんだジェイド…君の攻撃は通ってなどいない」

ジェイド「っ！！？なっ！！！？」

ジェイドは見上げる、そこには超巨大なドラゴンの頭が空間から飛び出していた

ドラゴン「ｶﾞｧｧｯ!!!」

アリーシャ「な！？なんですの！！！？」

ミラ「このモンスターは『天体竜 ヘルフレイム・ヘリオス・ドラゴン』と言ってね…」

ミラ「通常召喚も特殊召喚もできないかわりに『自分フィールドの天体竜モンスターを任意の数だけリリースすることでのみ手札から特殊召喚できるモンスター』」

ミラ「そしてその攻撃力、守備力は『リリースした天体竜の合計レベル×200ポイントアップする』」


ヘルフレイム・ヘリオス・ドラゴン
レベル12/炎属性/ドラゴン族/特殊召喚
攻撃力？→3200/守備力？→3200


アリーシャ「ですがっ！！それではネオ・グリッター・ドラゴンの攻撃は止められませんのよ！！？」

ミラ「攻撃力だけで判断するのは良くないじゃないアリーシャちゃん」

アリーシャ「っ！！」

ミラ「ヘルフレイム・ヘリオス・ドラゴンは『リリースした天体竜のレベルによって別々の効果を得る』」

ジェイド「なに？」

ミラ「ヘルフレイム・ヘリオス・ドラゴンが『レベル9、10の天体竜をリリースして特殊召喚した場合、戦闘及びカードの効果で破壊されない』」

アリーシャ「なっ！？」

ミラ「よってヘルフレイム・ヘリオス・ドラゴンは破壊されない」

ジェイド「っちぃ！」

アリーシャ「ネオ・グリッター・ドラゴンは戦闘で相手モンスターを破壊した時発動する効果…！」

ジェイド「それにネオ・グリッター・ドラゴンの効果を無効にする効果はエクシーズ召喚に成功した時に存在する表側表示のカードの効果のみ…手札や墓地からの効果は無効にできない盲点を突いてきたか…！」

ミラ「…ふふっ」

ジェイド「俺は…カードを１枚セット…これでターンエンドだ」
手札0

ミラ「…ジェイド…なぜ君は…あんな事をしたんだい？」

ジェイド「！」

ミラ「教えてくれ…あの日何があったんだい…？」

ジェイド「…あの日…？」


…


コスモアイズ『ｶﾞｧｧｯ!!!』

闇を纏いそして狂ったように空を駆け回る一匹の竜は徐々にその姿を変えていく

ジェイド『…俺は…この記憶は…俺なのか…？』

ジェイドの視点はまさにコスモアイズそのものだった

苦しい、思考が薄れていく…しかしその中にたった１つの『意志』が存在した

『全てを破壊しろ』 その言葉が頭から離れない、離さない

何かが自分を操っているようにも思える

コスモアイズ『ｸﾞﾙｫｫｫｯ!!!』

そしてコスモアイズは眼下に広がる１つの街に降り立つ

そこは『忍術』を扱う里と交流の深い街の１つである

男『なっ！？なんだ！！？』

男B『こ、これは！！コスモアイズではないかっ！？い、いやだが姿が…』

男Ｃ『な、なんだか様子が可笑しくないか…！？』

コスモアイズ『ｸﾞｫｫｫｯ!!』ﾄﾞﾝｯ!!!ﾄﾞﾝｯ!!!

男『ぐっ！？ぎゃぁぁぁっ！！！？』

コスモアイズが闇の炎が男供を焼き尽くす

しかしそれは『人を殺す』物ではない

男『…壊す…全てを…破壊するっ！！』

男B『なっ！？なんだ！！？皆！！避難をしろぉ！！』

コスモアイズ『ｸﾞﾙｫｫｫｯ!!!』ﾊﾞｻｧｯ!!

逃げ惑う人々、しかしコスモアイズの追撃は止まない

次々に人々は闇の炎に包まれる、しかしその炎で人は死なない

まるで目付きが変わったかのように生まれ変わっていく

そして、数時間もしない内にその街は廃墟と化した

コスモアイズ『ｶﾞｧ…ｸﾞﾙｩ…』

コスモアイズから闇のオーラが消えていく

しかしその体は闇に蝕まれたせいか力が失われつつあった

輝いていた角や翼は光が無く飛んでいることがやっとである

コスモアイズ『ｸﾞｫｫｫｯ!!』

しかしコスモアイズは飛ぶ、それは自分が一番信用している人物に会いに行く為だ

ジェイド『…そうだ…俺は…ミラに会いに行こうとしていたんだ…』

ジェイド『…だがっ！！』


ミラ『な、なんだ…お前達…』

男『ミラ様…一体どういうことですか…！！！』

ミラ『な、何の話…』

女『とぼけないで！！貴方の飼っているドラゴンがっ！！私の子をっ！！』

ミラ『えっ…』

男『それだけではない！！コスモアイズは他の町を襲っていると聞いた！』

男B『お、俺は見たぞ！コスモアイズが人々を焼き殺している所！！』

ミラ『そ、そんな…嘘だ…！』

男Ｃ『こんな悪魔を飼っている女だ…こいつが悪い…！！！』ｽﾞｽﾞｽﾞｯ

男から闇のオーラが飛び出てくる、それはコスモアイズが放った炎に焼かれた人間と同じものであった

そのオーラが辺りにいる人間さえも包んでいく

女『殺せ…殺せ！！！』ｼﾞﾘ…ｼﾞﾘ

男『殺せ…殺せ…殺せ！！！』ｼﾞﾘ…ｼﾞﾘ

ミラ『うっ…』

人々は手に武器を持ちミラに近づいていく

コスモアイズ『ｶﾞｧｧｯ!』ﾊﾞｻｧｯ!!

男『！！？』

その時

ミラ『コスモアイズ！！』

コスモアイズが降り立った、しかしその姿は既にボロボロである

ミラ『コスモアイズっ！一体…何があった！？』

コスモアイズ『ｷｭﾙｩ…』

ミラ『コスモアイズ…』

ﾌﾞﾝｯ!! ﾄﾞｽｯ!!

コスモアイズ『ｶﾞｧｯ!?』

一瞬だった、コスモアイズとミラの気がそれた瞬間、１つの槍がコスモアイズの胴体に突き刺さる

男Ｃ『は、ははっやったぞ！！どうやらコスモアイズは今力を無くしているようだ！！チャンスは今だぞ！！！』

コスモアイズ『ｸﾞﾙﾙﾙｯ!!』

男『ひっ』

コスモアイズが喉をならし人々を睨み付ける、力がなくとも人間ごとき容易いといった様子だった

女『や…やはり悪魔よ！！』

ミラ『だ…駄目だコスモアイズっ！攻撃しては！この人達はきっと誤解しているっ！コスモアイズお前はなにもしていないんだろう？』ｳﾙｯ

涙目になったミラを見てコスモアイズは困った表情になる

ジェイド『…そうだ…俺は『覚えて』いなかったんだ…記憶がなかった…だからミラが言っていることが『分からなかった』んだ』

その瞬間！

ﾄﾞｽｯ!!ﾄﾞｽｯ!!

コスモアイズ『ｸﾞｫｫｫｯ!!?』

再びコスモアイズに槍が突き刺さる

男『ドラゴンを殺るには今しかない！！攻撃するんだぁ！！』

ウォォッ！！

コスモアイズ『ｸﾞｩｯ!!』

コスモアイズがミラに槍が当たらないようにミラを全身で隠す

ﾄﾞｽｯ!!ﾄﾞｽｯ!!ﾄﾞｽｯ!!と次々に槍がコスモアイズに突き刺さり大量の血が流れる

ミラ『やめろぉ！！やめてくれぇ！！コスモアイズを傷つけないでくれぇ！！』

しかし、その声は届かない

逆にドラゴンを討ち取れるとあってか笑い声さえ木霊した

コスモアイズ『ｶﾞｧｯ…ｱｯ』

一瞬だった、一瞬コスモアイズの体が揺れる、そしてその隙を人々は逃さなかった

男『今だ！！』ﾋﾞｭｯ!!

ミラ『えっ？』

ﾄﾞｽｯ!!

１本の槍がミラを貫いた

ミラ『う…』ﾄﾞｻｯ

コスモアイズ『…！！！』

ﾄﾞｽｯ!ﾄﾞｽｯ!!ﾄﾞｽｯ!!!

コスモアイズ『ｸﾞｫｫｫｯ!!』

そして追撃するかのように次々とコスモアイズに槍が刺さる

ﾄﾞｼｰﾝｯ その巨体が地面に倒れる

男『やった！！やったぞ！！ドラゴンとその使いを倒したぞ！！！』

セレイン『一体何が…！！？ミラ！！？コスモアイズ！！！？』

そこにミラの母親であり竜人族の末裔であるセレインがやってきてしまった

女『こいつも生き残りよ！！』

うぉぉぉっ！！！

セレイン『貴方達！？一体何を！！？きやぁぁぁっ！！』

コスモアイズの目に薄らとその光景が目にはいる

そして何より

ミラ『コス…モアイズ…』ｽｯ

ミラが血を流しながらコスモアイズに手を伸ばす

ミラ『ｸﾞｽｯコスモ…アイ…ｽﾞ…』ﾄｻｯ

ﾌﾟﾂﾝｯ

コスモアイズの中で何かが切れた

男『はぁ…はぁ…これで…根絶やしにした…っ』

ﾄﾞﾝ!!! 激しい風が辺りに吹き荒れる

男B『なっ！？なんだ！！！？』

女『あ…あああ…ああ！！』ﾌﾞﾙﾌﾞﾙｯ

そこにはもはや光の竜の姿はない

邪悪の竜、激しい怒りと怨み

憤怒を象徴した覇王がそこに存在した

コスモアイズ『…ｺﾞｧｧｧｯ!!!』ﾄﾞﾝｯ!!!

今度の焔は人を闇に捕らえる物ではない正真正銘『人を焼くため』の物である

男『ぎゃぁぁぁっ！！！？』

そしてその焔はけして消えない

男が絶命し、魂となった後も

男魂『なっ！？なんだ！！？これはっ！？俺は死ん…ぎゃぁぁぁっ！！！？』

燃え続ける、その焔は魂さえも燃やし続ける混沌の炎

コスモアイズ『ｸﾞｫｫｫｯ!!』

そして地上は地獄の炎に包まれる

…

ジェイド「…ここから先は…覚えていない…」

アリーシャ「…ジェイド…」

ミラ「…そうか」

ジェイド「俺は…怒りに捕らわれていた…ミラを失った悲しみが…怒りに変わっていた…」

ミラ「…ジェイド…今すぐ私の元へこい」

アリーシャ「！！？」

ミラ「お前は私の物だ、私の愛したドラゴンだ…お前さえいれば私は他の事などどうでもいいのだ」

アリーシャ「ジェ…ジェイド…」

ジェイド「ミラ…ああ…俺もお前の事を愛していた」

ミラ「なら！」

ジェイド「…だが…それは『過去』の事だ！！過去のコスモアイズの時の事だ！！今の俺は『ジェイド』だ！！コスモアイズではない！！」

アリーシャ「…ジェイド…！！」ﾊﾟｧｯ!

ミラ「そうか…残念だ…ジェイド」

ミラは本当に悲しい顔していた、涙を押さえて口を噛み締めている

ジェイド「過去にどんな事があろうとも今何をすべきか…それが俺にとって一番大切な事だ…ファラリスがこの世界を破壊するというのであればこの世界にいる妹レイナを守るためにもお前達ファラリスを全力で叩き潰すまで！！」

ミラ「…分かった…なら…私も全力で戦わせてもらう！！！」

ﾄﾞﾝｯ!!! 更に気合いをいれるミラ、先程の比ではないオーラがミラから迸る

ミラ「私のターン！！」
手札3

ミラ「…私にもそれなりの覚悟というものがあるのだよジェイド…」

ミラ「私は天体竜 ヘルフレイム・ヘリオス・ドラゴンのモンスター効果を発動！『このモンスターがレベル7、8のモンスターをリリースして特殊召喚している場合、１ターンに1度相手フィールドのモンスター1体の効果を無効にし攻撃力を0にする』」

ジェイド「何っ！？」

ミラ「宇宙眼の超煌角竜（コスモアイズ・ネオ・グリッター・ドラゴン）を選択！効果を無効にし攻撃力は0になる！」

ジェイド「俺は！宇宙嵐（コスモテンペスト）の効果発動！！」

ジェイド「『フィールドに表側表示のこのカードが存在する時にこのカードの対象となったモンスターがフィールドに存在しない場合！この効果を発動できる！』」

ジェイド「『自分フィールドのコスモと名のつくモンスターが効果の対象となった時！このカードを破壊しその効果を無効にする！！その後！墓地からこのカード以外のコスモと名のつくカードを１枚手札に戻す！』」

ジェイド「これでネオ・グリッター・ドラゴンに対する効果を無効にする！！」

ミラ「いや！逃がさないぞ！」

ｷﾞｭｲｨﾝｯ!! ネオ・グリッター・ドラゴンに星の縄が絡み付く

ジェイド「なんだっ！？」

ミラ「偉大なる太陽系(シュステーママグナス)の効果！！『相手がマジック、トラップの効果を発動した時！自分フィールドに天体竜 ヘルフレイム・ヘリオス・ドラゴン が存在する場合、その発動を無効にし相手が発動したマジック、トラップカードとこのカードを破壊する！』」

ジェイド「くっ！！」

アリーシャ「カードの効果を無効にされてしまったですわ！！？」

ジェイド「だが…俺はそれを越えていく！！！トラップ発動！！『宇宙光の導き（コスモ・ライト・ロード）』！！ 」

ジェイド「『自分フィールドのコスモモンスター1体を対象とするカードの効果が発動した時、墓地のコスモまたは光属性モンスター1体を特殊召喚しその発動を無効にする』！！」

ミラ「セットされたカードを警戒しない人間なぞいないぞ！！手札のトラップカード！『墜ちる天体（ハーヴェニィ・フォール）』発動！」

アリーシャ「手札からトラップカード！！？」

ミラ「手札のこのカードは『フィールドに天体竜モンスターが存在する時、手札から発動できる！手札の天体竜１体を墓地に送り、相手が発動するマジック・トラップ・モンスター効果いずれかの効果の発動を無効にする、そして墓地に送った天体竜のレベルの数×200ポイントのダメージを相手に与える！！』」

ミラ「私が墓地に送るのはレベル5『天体竜 マーズ・ドラッヘ』！よって1000ポイントのダメージをジェイドに与える！！」

ジェイド「ぐぁぁぁっ！！！」ﾊﾞﾘﾊﾞﾘﾊﾞﾘｯ!!
LP3500→2500

ミラ「効果を続行！！アンチ・マター・フレア！！」

ﾎﾞｳ!!

ネオ・グリッター・ドラゴン
攻撃力4000→0

ミラ「バトルだ！！！ヘルフレイム・ヘリオス・ドラゴンでネオ・グリッター・ドラゴンを攻撃！！」

ミラ「スーパーノヴァ・エクスプロージョン！！」

ｷｭｨｨﾝｯ!! 膨大なエネルギーの塊がネオ・グリッター・ドラゴンの頭上に出現し

破裂する

ﾄﾞｶﾞｧｧｧﾝｯ!!!


ヘルフレイム・ヘリオス・ドラゴン
攻撃力3200

↓

ネオ・グリッター・ドラゴン
攻撃力0


ジェイド「ぐぁぁぁ！！！」ｶﾞｯ!!
LP2500→0

ジェイド「ｶﾞﾊｯ!!」ﾄﾞｻｯ

アリーシャ「ジェイド！！！」ﾀﾞｯ

ミラ「…頃合いか」

ｺﾞｺﾞｺﾞｯ!! 辺りが揺れ始める

アリーシャ「な、なんですの！？」

ミラ「この遺跡のシステムだろう…直にこの遺跡は無くなる…」

ミラ「アリーシャ、ジェイドに伝えておけまだ私は諦めていない…とな」

アリーシャ「…ジェイドは渡しませんわ」ｷﾞｭｯ

ミラ「…はっはっは！これはよきライバルが増えてしまったな…今度会うとき楽しみにしているよアリーシャ」ｻｯ

ジェイド「う…ぐ…」

アリーシャ「ジェイド…」

アリーシャ（ジェイドが負けるなんて…あのミラっていう人…ただ者じゃないですわ…）

…


アビス『みなぎってくる…力が…闇が…我に力を与える…』

アビス『我の復活の時が近い…頼んだぞシャウロン』

シャウロン「へいへい、任せてください」


…


続く


次回


スピカ「よく来てくれたわね、遊姫ちゃん、リアンちゃん」

遊姫「貴方は！」

スピカ「…貴方達から感じます…私達の力を…」

一騎「次回『運命の血筋』一気に駆け上がれ！！」