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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第1章第1幕 ~DTの世界へ~

第1章第1幕 ~DTの世界へ~ 作:白竜の忍者



リヒト(…何の変わり映えのない1日…牽制する人…
    これでいいんだ…これでいいんだ…)

彼を中心に半径2m以内には誰もいない。
人々は皆、まるで汚いものでも見たような目で彼をにらみ
そそくさと、あとを立ち去る。全く変わらないと思っていた彼の後ろから…

???「おら!!どきやがれ!」

???「待ちなさい!」
???「待って~!」
???「待てなのです!」

???「待てって言われて待つバカがどこにいんだよ!ば~か!」

複数の声が聞こえる。
ひとりは聞いてるものが不快になるような声を張り上げている。
三人同時でよく聞き取れなかったが女性であるようだ。

リヒト(…?)

最初は関係ないと無視していたリヒトだが
だんだん近づいてきているのに気づき、ふと振りむいた。
振りむいてみたら、巨大な何かがこちらに迫っていた。
危ない!と感じる前に目の前が真っ暗になっていた。




……

………

…湿った感触の中、リヒトは目を覚ました。

リヒト「ここは…どこ?」

どこかで見たことあるような気がするけど思い出せない。
怪我はしていないようだが
記憶が曖昧でどうしてここに来たのかわからない。

???「あっ!さっきの子だ~。だいじょうぶ?怪我していない?」

和装の姿をした黒髪ポニーテールの女性が親しげに話しかけてくる。

???「…初対面によく話しかけられるわね」

あとから、続くようにして現れた
全身鎧の金髪女性が呆れながらやってくる

???「えへへ、そう?」
???「褒めてないわよ…。大丈夫だった?名前は?」

リヒト「……」

初対面であるし、人から避けられるのに慣れてしまったリヒトは
人から声をかけられるのに慣れていなかったため、つい閉口してしまう。

???「…あぁ、まずは私からよね。私はクレア…ジャンヌ・クレアよ」
???「わたしは如月楓。カエデ姉ちゃんって読んでね」

リヒトの様子に気づいてか気づいてないかこの二人組は自己紹介をした。

クレア「…。…えっとあなたのお名前教えてくれないかしら?」

リヒト「…リヒト…です。リヒト・ブライトです…」

改めて面と向かって見られるとなんとも言い難いプレッシャーに
自分の名前を教えてしまった。

カエデ「なるほど、リヒト君か」
クレア「さっきはごめんなさい。あなたを巻き込んじゃって…。
    ここはさっきのゲーム機台の中らしいの」

リヒト「えっ……」

あまりに唐突に言われたので言葉が詰まってしまった。
色々と巡る頭の中でただ一つ明確な意志がひとつあった。

リヒト(……早くこの人たちから離れないと…!)

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