DRAW:６０ 豪炎の決闘　作：人喰い

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《WDCS予選・バトルロワイヤル》

◉大まかなルール

予選の時間は『３時間』。
参加者全員は、予選開始時に反亭アリーナの敷地内のどこかにランダムで転送される。そしてそれと共に反亭アリーナの館内と館外の一帯に散らばる“1〜16の数字が書かれた16種のパスカード”(1枚ずつではなくそれぞれ複数存在)のいずれかを手にし、『セントラルホール』前の受付に戻ってきた決闘者に本戦への出場資格与えられる。セントラルホール内にて予選終了まで待機。



＊決闘の申し込みは、DUEL GEARにより半径1メートル以内の一番近い距離にいる決闘者に申し込みコードを送る事で強制的に決闘となる。


◉決闘条件と勝敗による判定

・パスカードを持っていない決闘者同士
→勝者のDUEL GEARのマップに5分間、“全てのパスカードの位置が表示される”。
敗者は10分間、“決闘の申し込みができない“。

・同数字パスカード持ち決闘者同士(ゴールしていてもしていなくても)
→敗者の持っていたカードは運営によって“会場のどこかに飛ばされる”。

・異なる数字のパスカードを持つ決闘者同士
→勝者は10分間、“他の決闘者からの決闘申し込みを受けない”。敗者のカードは“会場のどこかに飛ばされる”。


◉禁止事項
・参加者及び観客・スタッフへの暴力・暴言
・参加者から直接パスカードを奪い取る行為
・パスカードの破壊
・パスカードの譲渡
・パスカードを2枚以上所持する事


◉持ち込める物
・40〜60枚のメインデッキ
・0〜15枚のエクストラデッキ
・支給されたDUEL GEAR
・支給された決闘盤

















遊戯王 Ph.X DRAW:６０
《豪炎の決闘》

















〜予選会場・森林エリア〜



マンティス「…さァおっ始めようぜぇ…ッ！ “闇のゲーム”をよぉ！！」



火群「…闇のゲーム……ッ！！」


辺りを薄気味悪い瘴気が覆う。
森の中とういこともあってか、その場にいるだけで不安で押しつぶされてしまうような気味の悪さだ。



雫「……っ（気持ち…わるい…っ)」


結維「…！ デュエルが成立してるってことは……あのマンティスって人もちゃんとパスカードを持ってるって事ね…！」



◉TURN:０１◉



マンティス「俺の先攻ォ！！ 俺は手札から、魔法カード『封印の黄金櫃』を発動！ 俺のデッキからカードを１枚選択し、除外する！」



マンティスの頭上に黄金櫃が出現し、その中にカードが１枚封じ込められる。



マンティス「…俺が黄金櫃に封じ込めたのは……魔法カード『真炎の爆発』！
このカードは2ターン後の俺のスタンバイフェイズに俺の手札に加わるぜェ…！」


火群「…封印の黄金櫃か……！ さっそくとんでもねえレアカードを使ってきたな……っ！」



マンティス「…これはテメェのライフが燃え尽きるまでのカウントダウンだァ…！」


火群「…へぇ…！ じゃあそれを耐えれば、俺の勝ち…って訳だ！ わかりやすいな！」


マンティス「…言ってやがれ…っ！ 俺は『カードカー・D』を召喚！」[ATK 800]



火群「…！」


マンティス「こいつの効果で、自身を墓地へ送り…２枚ドロー！！ そして強制的にこのターンのエンドフェイズとなる」[手札 5]



結維「ガラ空きのままターンを返した…！？」


火群「こいつは、封印の黄金櫃のカードが解放される前に勝負が付いちまうんじゃねえか…？」


マンティス「ハンッ！ 言ってろ…」



◉TURN:０２◉


火群「…俺のターン！ ドロー！！」[手札 6]


火群「…俺は手札から、フィールド魔法『炎王の孤島』を発動！」



マンティス「…炎王……だと…っ？」



火群「炎王の孤島の効果発動！ 自分の場にモンスターが存在しない場合、手札の鳥獣族・炎属性モンスター1体を特殊召喚できる！」




結維「…さっそく仕掛けるのね…！」



火群「ーーー現れろ！ 勝利へ導く紅蓮の翼！ 『炎王神獣 ガルドニクス』！！！」



掛け声とともに、煌びやかな真紅の翼を羽ばたかせ不死鳥は火群の場に舞い降りる。


ニクス『…奴のただならぬ余裕……油断はするなよ…っ！ 火群！』[ATK 2700]


火群「…わかってるって！ 行くぞ、ニクス！！」




マンティス「……っ！ テメェ！ どこでそのカードを…！！
（…しかもあのガキ……今あの不死鳥と会話してなかったか……？）」




火群「…こいつは俺が生まれる前から俺の家にあったらしいってこと以外、何も知らない。ただわかるのは、こいつはいつだって俺を支えてきてくれた大切な相棒だって事だ！」



マンティス「…くっはっは…っ！ こりゃあおもしれぇ事になって来やがった。いきなり“当たり”を引いちまうなんてなぁ」


結維「…やっぱりあなたたちは、カードの精霊が目的で…！！」


雫「…はわわ…っ！？ 火群さんのモンスターが……精霊…っ？」


マンティス「…知ってんなら話は早え、さっさとテメェを潰してその精霊を俺の物にする」


火群「……！ させない！ 絶対に！！ 俺は『暗炎星ーユウシ』を召喚！」[ATK 1600]



火群「ーーーバトルだ！ ガルドニクスでダイレクトアタック！ 焼き貫けッ！
ーﾊﾞ-ﾆﾝｸﾞ・ｲﾚｲｻﾞ-ー
《業火炎の抹焼熱線》！！



マンティス「……これだからガキは単純で困るッ！ 手札からバトルフェーダーの効果を発動！ このカードを特殊召喚し、バトルフェイズを終了させる！」


不死鳥の放った熱線は、バトルフェーダーの出現と共に生じた時空の歪みによってかき消されてしまった。



火群「…やっぱり簡単には届かないか…！
カードを１枚伏せてターンエンド！」[手札 2]




◉TURN:０３◉



マンティス「…俺のターンだッ！ ドロー！！」[手札 6]



封印の黄金櫃◉１



マンティス「俺は、魔法カード『炎熱伝導場』を発動！！ この効果で、デッキの『ラヴァル）モンスター2体を墓地へ送るぜ。俺が墓地へ送るのは……『ラヴァル炎火山の侍女』と『ラヴァル炎湖畔の淑女』の2体だッ！」


ラヴァル炎火山
えんかざん
の侍女
じじょ
/Laval Volcano Handmaiden》 †
チューナー（効果モンスター）
星１/炎属性/炎族/攻 100/守 200
自分の墓地に「ラヴァル炎火山の侍女」以外の
「ラヴァル」と名のついたモンスターが存在し、
このカードが墓地へ送られた時、
デッキから「ラヴァル」と名のついたモンスター１体を墓地へ送る事ができる。



《ラヴァル炎湖畔
えんこはん
の淑女
しゅくじょ
/Laval Lakeside Lady》 †
チューナー（効果モンスター）
星３/炎属性/炎族/攻 200/守 200
自分の墓地の「ラヴァル」と名のついたモンスターが３種類以上の場合、
自分の墓地のこのカードと「ラヴァル」と名のついた
モンスター１体をゲームから除外して発動できる。
相手フィールド上にセットされたカード１枚を選択して破壊する。





火群「…専用墓地肥やしカードか…！」



マンティス「更に、墓地へ送られた侍女の効果発動！ デッキの『ラヴァル』モンスター1体を墓地へ！ ２枚目の侍女を墓地へ！ 今墓地に送った侍女の効果で３枚目の侍女を墓地へ！」


火群「…！ すごい速度で墓地が増えていく！」


マンティス「…そしてもう一度侍女の効果が発動し、今度は『ラヴァル炎樹海の妖女』を墓地へ送るぜッ！」


《ラヴァル炎樹海
えんじゅかい
の妖女
ようじょ
/Laval Forest Sprite》 †
チューナー（効果モンスター）
星２/炎属性/炎族/攻 300/守 200
このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、
自分フィールド上の全ての
「ラヴァル」と名のついたモンスターの攻撃力はエンドフェイズ時まで、
自分の墓地の「ラヴァル」と名のついた
モンスターの数×２００ポイントアップする。



火群「一気に5枚のカードが墓地へ……っ！ （だがどれも攻撃力が低い小粒のモンスターばかり…！ 真炎の爆発で並べたところで大して怖くはない…！）」


マンティス「…墓地の淑女の効果を発動！ 墓地の淑女と妖女を除外する事で、相手のセットカードを1枚破壊する！」



火群「…くっ！ 神の警告が…っ！」


マンティス「…これで心置きなくモンスターを召喚できるぜ…ッ、『ラヴァル・キャノン』を召喚！！」[ATK 1600]


《ラヴァル・キャノン/Laval Cannon》 †
効果モンスター
星４/炎属性/戦士族/攻1600/守 900
このカードが召喚・反転召喚に成功した時、
ゲームから除外されている自分の「ラヴァル」と名のついた
モンスター１体を選択して特殊召喚できる。



マンティス「ラヴァル・キャノンが召喚に成功した時、効果発動だッ！ 除外されているチューナーモンスター、ラヴァル炎樹海の妖女を特殊召喚！！」[DEF 200]



火群「…チューナー！？ まさか…ッ！！」




マンティス「ーーー俺はレベル4のラヴァル・キャノンに、レベル2のラヴァル炎樹海の妖女をチューニング！！」



火群「樹海でキャノンに幼女をチューニングだと！？」


結維「字が違うし、危険すぎるわバカっ！」





マンティス『ーーー炎火山の底より現れろッ！ 『ラヴァルバル・ドラグーン』！！」[ATK 2500]


《ラヴァルバル・ドラグーン/Lavalval Dragun》 †
シンクロ・効果モンスター
星６/炎属性/ドラゴン族/攻2500/守1200
チューナー＋チューナー以外の炎属性モンスター１体以上
１ターンに１度、自分のメインフェイズ時に発動できる。
デッキから「ラヴァル」と名のついたモンスター１体を手札に加える。
その後、手札から「ラヴァル」と名のついたモンスター１体を墓地へ送る。



火群「…シンクロ．召喚……っ！！」



マンティス「…この瞬間、場から墓地へ送られた妖女の効果が発動！ 俺の墓地の『ラヴァル』モンスター1体につき200、俺の場の『ラヴァル』モンスターの攻撃力をアップする！！」


ラヴァルバル・ドラグーン[ATK 2500→3500]


火群「…！」


雫「…ガルドニクスの攻撃力を上回った…っ！」



マンティス「更に、ラヴァルバル・ドラグーンの効果発動ッ！ 俺はデッキからラヴァル・キャノンを手札に加え、手札の『ラヴァル・ランスロット』を墓地へ送る！」


火群「…手札入れ替え効果か…！（間違いなく奴は次のターンで勝負をかけてくる…っ。そのための準備って訳だな…！）」



マンティス「…まず不死鳥には御退場願おうか…ッ！ バトルだ！ ラヴァルバル・ドラグーンで炎王神獣 ガルドニクスを攻撃！！
ーーー〝マッシヴ・ヴォルケイノ〟！！」



『ラヴァルバル・ドラグーン』
[ATK 3500]
ーーーVSーーー
[ATK 2700]
『炎王神獣 ガルドニクス』


地響きと共に地中から噴き出す溶岩に、不死鳥は呑まれてしまう。




ニクス『…くぅううぅうう…っっぁああぁああっっ！！！』




マンティス「さァさァッ燃えて焼けて苦しめェ！ 豪炎の中で泣き叫べぇぇッ！！ ヒャーハハハッハハハァッ！！」



ニクス『…っ！！（…この痛みも、熱も、本物だ…ッッ！』


火群「…ニクスッッ！！」


不死鳥を襲う溶岩が今度は火群にも襲いかかる。
不意を突かれた形になった火群の体を、容赦のない豪炎が包む。




火群「…っああぁあああぁあっ！！」【LP 8000→7200】


激しい炎が火群の膝を地に付かせる。


結維「…っ！！」


雫「火群さんっっ！！」




火群「…ま……け、んな…っ……！ ニ…ク……ス…ッ！！」


ニクス『…タダでは墜ちんぞッッ！！』


火群「…ガルドニクスが戦闘で破壊された時…！ デッキからガルドニクス以外の『炎王』モンスター1体を特殊召喚できる…！！ 現れろっ！『炎王獣 バロン』！」[ATK 1800]



マンティス「チッ！ こざかしい！ カードを1枚伏せて、俺のターンはこれで終了だ」[手札 3]



火群「………」


火群を襲う炎が収まり、立ち込める煙の中で火群は未だ膝をついて俯いたまま動かない。




マンティス「…ハッ！ たかが800のダメージでもうギブアップかァ！？ 大したことねぇなぁッ！」



火群「…ちげぇよ」



マンティス「…っ！？」


結維「……あいつ…っ」


雫「…泣い、てる…？」



顔を上げた火群の頬には涙が伝っていた。
だがその涙は自分の痛みや苦しみから出たものではなく、どこか哀れみに満ちた涙だった。


火群「…ニクスも、和泉も、結維も、柏木さんだって……みんな辛い思いしてきてんだもんな…」



結維「……っ！（こんな時まで…っ）」


火群「…俺だけ楽してんじゃ割にあわねぇ…っ！ 次は俺が守る番だって決めたんだッ！」


マンティス「…カッコつけやがって……ガキが。なにがテメェをそこまで突き動かす？ ここで負けても死ぬわけじゃぁねえだろ」


火群「…俺にとって、俺に道を示してくれたニクスを奪われる事は死ぬよりも怖い。
そして何よりーーー」



火群「ーーー俺はあんたに負けたくないッ！ …ただ、それだけだッ！！」





マンティス「…へぇ、じゃあテメェの本気とやらで、俺を更に熱くさせてみやがれ…ッ！！ 市瀬火群ぁぁああッッ！！」










To Be Continued…






〜おまけ〜



. . 人人人.人人人.人人人.人人人.
＜教えて！ スッキーせんせー！＞
. . Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y



◉このコーナーは、読者のみんな(少数)から寄せられた質問(多分無い)に、『美 好先生(以下スッキー先生)』が一刀両断！ 快刀乱麻の回答をしていくコーナーだ！
質問が無い場合は、キャラ紹介や自問自答をしていく痛々しいコーナーになるから気をつけな！(ドン☆)
＊質問をいただいた時点で、本SSに載せる事を承諾したものと見做します。あらかじめご了承ください。
匿名希望の場合は言ってくださいね！



質問待ってるぜ！！(切実)









《次回予告》





次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:６１ 真炎の爆発



ーーー燃え滾る魂が、爆発する。