63話 神を討て　作：名無しのゴーレム

敦人 LP7000 手札4枚 魔法・罠ゾーン 冥界の宝札
強志 LP4000 手札3枚 モンスターゾーン オベリスクの巨神兵


「……俺のターンはまだ終わってない。手札から機密兵器08 チューンを召喚。チューンの効果発動！ 墓地のイグニスを特殊召喚する！ レベル4のイグニスにレベル2のチューンをチューニング！ 反逆の機械よ、次元を超えし力を得て同調せよ！ シンクロ召喚！ 現れよ、機密兵器ε ギャロップ！ ギャロップの効果発動。デッキの機密兵器05 クラッシュを除外して、次のお前のターンの終了時までこのカードの攻撃力を1300アップ！」

機密兵器ε ギャロップ 攻撃力2000→3300

「……俺はこれで、ターンエンドだ。この瞬間、オベリスクは墓地に送られる」


敦人 LP7000 手札4枚 魔法・罠ゾーン 冥界の宝札
強志 LP4000 手札2枚 モンスターゾーン 機密兵器ε ギャロップ


「僕のターン、ドロー。モンスターをセット、カードを1枚セットしてターンエンド」
「この瞬間、ギャロップの攻撃力は元に戻る」

機密兵器ε ギャロップ 攻撃力3300→2000

敦人 LP7000 手札3枚 モンスターゾーン 伏せモンスター 魔法・罠ゾーン 冥界の宝札 伏せカード1枚
強志 LP4000 手札2枚 モンスターゾーン 機密兵器ε ギャロップ


「……どうした、オシリスを失った瞬間に手詰まりか？」
「ハッ、黙って見てな。すぐに君のライフを焼き尽くしてやるよ」
「そうかい。それじゃあ……俺のターン、ドロー！ スタンバイフェイズにクラッシュを特殊召喚する。ギャロップの効果発動！ デッキからシーラーを除外して、攻撃力を500アップする！」

機密兵器ε ギャロップ 攻撃力2000→2500

……奴のデッキは【おジャマ】。ならばあの伏せモンスターの守備力も大したことはないはず……！



「バトルだ！ クラッシュで伏せモンスターを攻撃！」



伏せモンスターの正体は……？



「……伏せていたおジャマ・ブルーの守備力は1000。よって破壊されるけれど……同時におジャマ・ブルーの効果も発動する。デッキからおジャマ・カントリーとおジャマジックを手札に加えるよ」
「だが、これでお前の場にモンスターはいない。ギャロップでダイレクトアタック！」



これが通れば2500のダメージ。どうだ……



「……リバースカードオープン。通常罠、レインボー・ライフ。手札を1枚捨てて、このターン僕が受けるダメージを回復に変換する！」
「なっ……しまった！？」

敦人 LP7000→9500

ライフが、9500も……



「……ご馳走様。おっと、コストで捨てたおジャマジックの効果を発動するよ。デッキからおジャマ・イエロー、おジャマ・グリーン、おジャマブラックの3枚を手札に加える」
「手札増強までこなしやがったか。……カードを1枚セットしてターンエンドだ」


敦人 LP9500 手札7枚 魔法・罠ゾーン 冥界の宝札
強志 LP4000 手札2枚 モンスターゾーン 機密兵器ε ギャロップ、機密兵器05 クラッシュ 魔法・罠ゾーン 伏せカード1枚


「僕のターン、ドロー……手札から通常魔法、融合を発動。手札のおジャマ3枚を融合！ 1体では貧弱でも、集まれば王となる！ 融合召喚！ おジャマ・キング！」
「そのモンスターがいる限り、俺のモンスターゾーン3つが使用不能になる……だったか」
「ああ、だが今回は関係ない……通常魔法、トライワイトゾーン発動。墓地のおジャマ・イエロー、グリーン、ブラックの3体を特殊召喚！ さらにフィールド魔法、おジャマ・カントリーを発動！ このカードとおジャマモンスターが存在する場合、すべてのモンスターの攻撃力と守備力は入れ替わる！」
「！？」

機密兵器ε ギャロップ 攻撃力2500→1600

機密兵器05 クラッシュ 攻撃力1300→800

おジャマ・キング 攻撃力0→3000

おジャマ・イエロー、グリーン、ブラック 攻撃力0→1000

「さらにおジャマ・カントリーの効果発動。手札のおジャマッスルを捨てて墓地のおジャマ・ブルーを特殊召喚。……さて、このまま君に総攻撃すれば僕の勝ちだ。だが、それじゃあつまらない……」



あいつ、何をする気だ……！



「だから、君に見せてやるよ！ 3枚目の神のカード……太陽神、ラーの翼神竜を！」
「ラーの、翼神竜……」
「おジャマ・キング、おジャマ・グリーン、おジャマ・ブルーをリリース！ すべてを照らす日輪の支配者よ、その業火を以って逆らう愚者に鉄槌を下せ！ 来い、ラーの翼神竜！」



……灼熱の炎の中から現れたラーの翼神竜、その威圧感はオシリスのそれよりも、遥かに……



「！！？！？ ……ッ、ガ、アアァァァ！！！！」
「…………」
「……！！ グボ、ウゥッ、ギギガァァァァ！！！！ …………、ハァ、ハァ……」
「……神谷。お前、もう限界なんだろ？」



『何度も使用する気がないなら、肉体的な負傷は考えなくていい』……それは裏を返せば、神のカードを複数回使えば身体にも実際に被害が出ることを暗に認めている。それこそ、今のあいつのように……



「……余計な、お世話だっての……！！ 出来る出来ないの問題じゃない。僕がやらなくちゃ、いけないんだ……！！」
「……言ってんだろ。お前がやらなきゃいけない、お前にしか出来ないなんてことはねえんだ。……それに、今ここでお前に死なれたら困るんだよ」
「……それは、どうしてかな……？」
「決まってる。……お前には、全部終わったらもう一度郁哉と話してもらう。実の兄弟なんだろ、なら……きちんと向き合えよ」
「……ハンッ、君に何が分かる！？ 何にも知らない癖に、僕に口出し……」
「ああ、確かにお前のことは知らないさ。……だがな、例えどんなことがあっても……家族は、家族であるべきなんだよ……！！」
「！！」
「……だから、俺はお前を止めるぞ。神のカード？ それがどうした。俺には力がある。多くの人の思いを受け継いだ、このデッキが……さあ、かかってこいよ！」
「っ……そこまで言うなら、太陽神の力に抗ってみせろよ！ 冥界の宝札の効果でカードを2枚ドロー。そしてラーの攻撃力はリリースしたモンスターの攻撃力の合計となる。僕がリリースしたのは攻守が逆転したおジャマたち、つまり……攻撃力5000！！」

ラーの翼神竜 攻撃力0→5000

「攻撃力、5000……！？」
「でも、おジャマ・カントリーの効果でラーの攻守も逆転する……おジャマがいる限り、ね」
「……何をする気だ？」
「見てのお楽しみさ……僕はレベル2のおジャマ・イエローとおジャマ・ブラックでオーバーレイ！」
「オーバーレイ、だと！？ まさか、お前……！」
「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚！ 現れ出でよ！ ランク2、ガチガチガンテツ！」
「…………」
「おいおい、そう驚くなよ。僕だって、無意味にこの10年を過ごしちゃいなかったってだけの話だ……僕の場におジャマが存在しないことにより、おジャマ・カントリーの効果も消滅する！ これで再び、ラーの攻撃力も元に戻る！」
「……俺のモンスターも、だがな」
「その通り。だけど……ガチガチガンテツは、自身のオーバーレイユニット1つにつき200ポイント僕のフィールド上の全てのモンスターの攻守を上昇させる！」

ラーの翼神竜 攻撃力5000→5400

「……バトルだ！ ラーの翼神竜でクラッシュを攻撃！」



っ……クラッシュの攻撃力は1300。これを通してしまえば……！！



「まだ、終わらせねえぞ！！ リバースカードオープン！ 速攻魔法、機密技術ーテイクオーバーを発動！ ギャロップを除外することで、クラッシュの攻撃力をギャロップの元々の攻撃力分上昇させる！」

機密兵器05 クラッシュ 攻撃力1300→3300

「だが、それでもラーの攻撃力には及ばない！ 焼き尽くせ、ラーの翼神竜！」
「ぐうっ、うわああぁぁぁぁ！！」



ラーの放った炎は、モンスターだけでなく俺自身にまで伝わってきた。その凄まじい熱量に、全身が燃えていくような錯覚すら覚える。



「…………ぅ、うぅ……」

強志 LP4000→1900

「……これも凌いだ、か。僕はターンエンド。さあ、今度はどうやって神に抗ってみせるつもりだい？」
「……ギャロップの効果発動。このカードが除外されたターンの終了時、デッキから機密技術1枚を手札に加える」


敦人 LP9500 手札3枚 モンスターゾーン ラーの翼神竜、ガチガチガンテツ（表側守備表示）魔法・罠ゾーン おジャマ・カントリー、冥界の宝札
強志 LP1900 手札3枚


「俺のターン、ドロー……スタンバイフェイズにシーラーを特殊召喚！ 手札から通常魔法、機密技術ースワップ発動！ カードを2枚ドローして、手札の機密兵器1枚を捨てる。さらに通常魔法、機械複製術発動！ デッキから2体のシーラーを特殊召喚する！」
「レベル4のモンスターを3体……ようやくエクシーズ召喚かい？」
「ああ、その通りだよ。レベル4のシーラー2体でオーバーレイ！ 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築！ エクシーズ召喚！ 現れよ、機密兵器α デストロイ！ デストロイの効果発動！ オーバーレイユニットを1つ取り除きガチガチガンテツをこのカードの装備カードとして装備、そして装備したモンスターのレベル・ランク×200、攻撃力をアップする！」
「……ガチガチガンテツが場を離れたことにより、ラーの攻撃力は下がる」

機密兵器α デストロイ 攻撃力2000→2400

ラーの翼神竜 攻撃力5400→5000

「……バトルだ！ デストロイでラーを攻撃！」
「なんだって？ 自滅する気じゃあ……なさそうだね」
「当然だ！ この瞬間、手札から速攻魔法、機密技術ーブレイク発動！ 俺の機械族モンスターの攻撃力を墓地の機密兵器モンスターの数×400アップする！」
「！？ 今、お前の墓地には……」
「……俺の墓地には7体の機密兵器が存在する。よって……2800アップ！」

機密兵器α デストロイ 攻撃力2400→5200

機密兵器04 シーラー 攻撃力500→3300

「ラーの攻撃力を、上回ってくるのかよ……！！」
「行け、デストロイ！」
「うぐっ、うぅぅ……！！」

敦人 LP9500→9300

「シーラーでダイレクトアタック！」

敦人 LP9300→6000

「っ…………」
「どうだ。神に頼らなくたって、俺たちは闘える。それが分かったか……」
「ハッ、1度ラーを倒したくらいで調子に乗らないでほしいな……まさか、これでデュエルの決着がついたとでも？」



……確かに神谷は2枚の神を失ったはずだ。なら、あの余裕の正体は何だ？ 単なるブラフか、それとも……



「……バトル終了。手札から通常魔法、アイアンコール発動。墓地のイグニスを特殊召喚する。レベル4のシーラーとイグニスでオーバーレイネットワークを構築！ エクシーズ召喚！ 現れよ、機密兵器β フォートレス！ フォートレスの効果発動！ オーバーレイユニットを1つ取り除いて、墓地のイグニスとストリグスを除外。そしてこのカードの攻撃力を1000アップ！」

機密兵器β フォートレス 攻撃力800→1800

「……そうして次のターンには除外した2体が戻ってくるってことか。まったく、いくら蹴散らしても終わりが見えないね」
「ハッ。ならこのデッキはまさしくこの次元の最終兵器だな。……俺たちは諦めない。何度敗北を重ねても、どれだけ多くのものを失っても……最後には、必ずすべてを取り戻す！」
「……やれるものならやってみろ。君たちが立ち向かう敵はあまりにも大きい。勝ち目があるか怪しいレベルだろうさ……」
「それがどうした。……俺一人ならここまでは来れなかった。でも、俺には仲間がいる！ ここでお前を倒して、そして……俺たちの手で、全部終わらせてやる」
「……そうかい。まだ君のターンだろ、早く続けろよ」
「……そうだな。墓地の機密技術ーフュージョンの効果発動。墓地のこのカードとフューズを除外して、カードを1枚ドローする……速攻魔法、サイクロン発動。冥界の宝札を破壊する」



神谷の狙いが読めない以上、ここは手札補給の手段を潰していくしかない……手札が少ない今、オシリスは大した脅威にはならない。ラーだって、リリース無しで特殊召喚したところで……



「カードを1枚セットして、ターンエンドだ。このとき、フューズの効果発動。このカードが除外されたターンの終了時にデッキから機密兵器1枚を手札に加える。そしてブレイクの効果を受けたデストロイは破壊される」


敦人 LP6000 手札3枚 魔法・罠ゾーン おジャマ・カントリー
強志 LP1900 手札3枚 モンスターゾーン 機密兵器β フォートレス（表側守備表示） 魔法・罠ゾーン 伏せカード1枚


「僕のターン、ドロー。通常魔法、貪欲な壺発動。墓地のおジャマ5枚をデッキに戻して2枚ドローする。おジャマ・カントリーの効果発動。手札のおジャマ・デルタハリケーンを捨てて、墓地のおジャマ・キングを特殊召喚。……フィールドにおジャマが現れたことにより、再びおジャマ・カントリーの効果が適用される」

おジャマ・キング 攻撃力0→3000

「バトル。おジャマ・キングでフォートレスを攻撃」



強化されたおジャマ・キングの攻撃によって、フォートレスは成す術もなく破壊された。だが……



「フォートレスの効果発動！ このカードが相手によって場を離れたとき、除外されている機密兵器1体を特殊召喚する。帰還せよ、機密兵器ζ フューズ！」
「っ、倒しても倒しても……カードを1枚セットして、ターンエンド」


敦人 LP6000 手札3枚 モンスターゾーン おジャマ・キング 魔法・罠ゾーン おジャマ・カントリー 伏せカード1枚
強志 LP1900 手札3枚 モンスターゾーン 機密兵器ζ フューズ 魔法・罠ゾーン 伏せカード1枚


「俺のターン、ドロー！ スタンバイフェイズに、イグニスとストリグスを……」
「リバースカードオープン！ 永続罠、リビングデッドの呼び声！ 蘇れ、オシリスの天空竜！」
「！？ しまった……！」
「オシリスが存在する限り、相手が召喚・特殊召喚したモンスターの攻撃力は2000下がる。さらにこの効果で攻撃力が0になったモンスターは破壊される！」
「……イグニスとストリグスを特殊召喚、そのまま墓地に送る。フューズの効果発動！ 墓地のイグニス、ストリグスを除外して、おジャマ・キングの攻撃力を2000下げる！」

おジャマ・キング 攻撃力3000→1000

「……神を無視する、か」
「特殊召喚された神はそのターンの終了時に墓地に送られる……俺が忘れているとでも？ バトル！ フューズでおジャマ・キングを攻撃！」

敦人LP6000→4800

「……でも、まだライフは僕の方が上だ」
「そんなライフ、すぐに削りきってやるさ！ フューズの効果発動！ 相手モンスターを戦闘で破壊したとき、デッキから機密兵器1枚を手札に加えることができる。機密兵器06 ブリンガーを召喚！ ブリンガーの効果発動！ このカードを除外して、デッキから機密と名のついたカード1枚を手札に加える。カードを1枚セットして、ターンエンドだ。……この瞬間、オシリスも墓地に戻ってもらうぜ」


敦人 LP4800 手札3枚 魔法・罠ゾーン おジャマ・カントリー
強志 LP1900 手札3枚 モンスターゾーン 機密兵器ζ フューズ 魔法・罠ゾーン 伏せカード2枚


「……僕のターン、ドロー……っ！！？ グッ……まだだ。こんなところで、終わるわけには……」
「神谷……」



誰がどう見たって、今のあいつは満身創痍だ。押せば倒れてしまいそうな、何故立ち続けていられるのか不思議なほどボロボロの身体で、それでもあいつは闘志を切らしてはいない。……それだけの、覚悟ということなのだろう。



「……そこまでして闘うのは、全部郁哉のためなのか？」
「…………ああ、そうだ。僕には何も残っちゃいない、でも……あいつだけには、幸せな未来を与えてやりたいんだよ……」
「……認めるよ。お前の意志は、俺なんかとは比べ物にならないくらい強靭なものだ。……尊敬すると言ってもいいくらいにな」
「いきなり、何を……」
「思ったことを言っておきたかったんだよ。……俺たちは分かり合えないかもしれない、けど……お前の強さは、俺には眩しいんだ」



……そう。姉さんを妬みながらも、心のどこかでは憧れていたみたいに……



（……ああ、そういうことか。姉さん、ようやく分かったよ。姉さんがそこまで強くいられた理由が……）



「……続けるよ。通常魔法、シャッフル・リボーン発動。墓地のチューナーモンスター、キーマウスを特殊召喚。さらに墓地のシャッフル・リボーンを除外して、もう1つの効果発動。おジャマ・カントリーをデッキに戻して、1枚ドロー」



チューナーモンスター……来るのか？



「おジャマ・イエローを召喚。レベル2のおジャマ・イエローにレベル1のキーマウスをチューニング！ シンクロ召喚！ 現れ出でよ、霞鳥クラウソラス！」
「やっぱりシンクロモンスターか……」
「クラウソラスの効果発動！フューズの攻撃力を0にして、効果を無効にする！」

機密兵器ζ フューズ 攻撃力2200→0

「くっ……だが、クラウソラスの攻撃力も0。それじゃあ……」
「ああ、フューズは倒せない。でも……このデュエル、このターンで終わらせるよ」



この、ターンで……？



「……通常魔法、死者蘇生を発動。このカードで墓地から特殊召喚するのは……ラーの翼神竜！！」
「なっ……ラーの攻撃力はリリースしたモンスターの攻撃力の合計になるはずだ、それを特殊召喚だと……？」
「まあ、そう焦るなよ……ラーの翼神竜の効果発動！ 僕のライフを1になるまで支払うことで、支払ったライフ分ラーの攻撃力をアップする！ さあラーよ、僕のライフを力に変えろ！」

敦人 LP4800→1

ラーの翼神竜 攻撃力0→4799

「……攻撃力、4799……！！」
「君のライフは1900、この一撃で……すべてが終わる」
「……クラウソラス無しでも俺のライフは削りきれた。……どうしても、ここで決着をつけるつもりか」
「そうだ。……あいにく、もうそろそろ限界なんでね……バトルだ！ ラーの翼神竜で……フューズを攻撃！」



……この攻撃をくらえば、俺は負ける。



「……焼き尽くせ、ラーの翼神竜！！」
「……リバースカードオープン！ 永続罠、機密技術ーアルターレイト発動！ フューズを除外して、墓地のデストロイを特殊召喚する！」
「っ、モンスターを入れ替えて、攻撃力を元に戻した……しかも攻撃表示、何か仕掛けてるには違いない、か……ハァ。こりゃあ詰んだかな、僕」
「……なら、諦めてサレンダーするか？」
「ふざけんな。……やってやる。言ったろ、このターンで終わらせるって……行け、ラーの翼神竜！」



まるで太陽を思わせるラーの翼神竜が、今度こそこちらへと迫ってくる……



「これで終わり、か……」



……ここで、あいつの間違いを証明する。神すら上回る力、それは……






「……リバースカードオープン！ 永続罠、機密技術ーウィング！ 除外されているフューズ、ギャロップをデッキに戻すことで、デストロイの攻撃力をその2体の攻撃力の合計分、アップする！！」


機密兵器α デストロイ 攻撃力2000→6200


「……ハッ。融合・シンクロ・エクシーズ。3つの力を束ねたってことかよ……」
「覚えておけ。神の力なんてもの、結束の力の前には……何の意味も持たないんだよ！！」



デストロイの照準が、ラーに合わさる。太陽を、神を……




「撃ち落とせぇぇぇ！！！」






「…………チクショウ、郁哉…………」



敦人 LP1→0