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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第8話 有能メイド

第8話 有能メイド 作:イベリコ豚丼

「これはこれは、こんばんは綾崎さん」
「こんばんは氷上先生。…いったい何をなさってらしたんですか?」
「鶴岐さん…、何でこんな所にいるんですか…。まぁ大体想像付きますけど…。大方、女子の部屋に入ってテンパっている僕の反応を覗きに来たってとこでしょう?」
「おー、よく分かってんじゃねぇか!さすが宗介!頼むよ宗介、お前からも言ってやってくれ!俺は怪しい奴じゃないって」
「他人の部屋のドアに耳を張り付けている人間のどこが怪しくないというんだ!」
「そんなことしてたんですか…?」
宗介がドン引きした目でこちらを見てくる。
「えと、ちょっと待って、全然話が見えて来ないんだけど……。多田野、この使用人と知り合いなの?」
「そんな変態行為を働く人間を知り合いとは認めたくはないけどね…。まぁそうだよ。この人は鶴岐勇さん。普段は僕等の学園の清掃員で、今日から綾崎さん家でバイトしてるんだ」
「おいおい、俺がいつ変態行為を働いたってんだ!俺はただドアに張り付いて部屋の中の会話に聞き耳を立ててただけだ!!」
うん自分で言っといて何だが、これ捕まってもおかしくないな。
「綾崎さん、早くこの犯罪者をセキュリティに突き出しましょう!」
「ちょ、ちょっと待って下さい!今回だけは僕に免じて許してもらえませんか!?鶴岐さんも悪気は……まぁあったと思いますが、別に犯罪を働こうとした訳じゃないんです!」
「…と、言っているので先生、見逃していただけませんか?」
「………仕方ありませんね。この男は許しがたい屑人間ですが、君の誠意を立てて見なかった事にしてあげましょう」
「あ…!ありがとうございます!!」
宗介が深々と頭を下げる。ちょっとやり過ぎたか…。
「……すいませんでした。以後気をつけます」
俺も頭を下げておく。
「悪いな宗介。まさかここまでの事になるとは…」
「…ホントに大迷惑ですよ。せっかく楽しくデュエルしてたのに…」
「だから悪かったって!んじゃ、俺は仕事に…」
「え?綾崎さん、この少年とデュエルをしていたのですか?」
仕事に戻ろうとしたら、氷上とやらがそんな事を言った。
「あ、はい。一度だけ…」
「当然勝ったんですね?」
「そ、それはもちろん!」
「なら良いですが…。駄目ですよ綾崎さん。こんな低レベルの相手とデュエルしていては、貴女の腕まで落ちてしまいます」
「え……」
「あぁ?」
その言葉を聞いて、俺は立ち止まる。
「デュエルをする相手は、私程とは言いませんがせめて貴女と同等ぐらいの人間に限りなさい。1番になりたいのなら、弱小デュエリストを相手にしている暇なんて無いのですから」
「でも……!」
「口答えはさせません。私に言わせれば貴女もまだまだ素人なんですよ。弱い者は強い者の言うことに従っていれば良いのです」
「………はい」

「おい七三メガネ、黙って聞いてりゃ好き放題言ってくれんじゃねぇか。宗介が弱いだと?じゃあてめぇは相当強ぇんだろうな?」
宗介の頭に手を置く。
「安心しろ、お前の強さは俺が保証してやる」
「鶴岐さん…」
「な…!誰が七三メガネだ!プロデュエリストであるこの私に向かって使用人ごときがそんな口を利いて良いと思っているのですか!?」
「じゃあやってみるか?」
「何!?」
「弱い奴は強い奴の言う事を聞くんだろ?俺を従わせたいんならデュエルで勝ちゃあいい」
「………!!」
友達を馬鹿にされて黙ってられるか。
「…良いでしょう。受けてあげますよそのデュエル!この私に盾突いたこと後悔させてやる!!」
氷上が自分のアタッシュケースからD-パッドを取り出す。
「決まりだな。じゃあデッキとデュエルディスク貸してくれ」
「はぁ?」
「いや、俺自分のデッキ持ってないんだよ。あんたなら教材用とかで何個か持ってんじゃねぇのか?」
「ふざけるな!そんな奴が私に勝負を挑んだのですか!?どこまでも馬鹿にしおって…!!いいでしょう!貸してあげます!だがこれを負けた時の言い訳にするんじゃありませんよ!!」
「安心しろ。そもそも負けやしねぇよ」
放り投げられたD-パッドをキャッチする。
D-ゲイザーは……、今回は付けとかねぇとな。


「「デュエルディスク、セット!D-ゲイザー、セット!」」

宗介達も同様にそれぞれのD-ゲイザーを装着する。

『ARビジョン、リンク完了』

「「デュエル!!」」

ISAMI LP 4000
―――VS―――
LP 4000 HIGAMI


手札の5枚のカードを確認する。
『A・R』か……。あの野郎、わざと使いづらいデッキ渡しやがったな。
「フィールド魔法、レイカーズ・ネストを発動!」

レイカーズ・ネスト フィールド魔法

「1ターンに1度ライフを500ポイント支払い、デッキからA・Rモンスター1体を墓地に送ることができる!俺はA・R忘却のオーブルを墓地へ送るぜ!」

ISAMI  LP 3500
―――VS―――
LP 4000 HIGAMI

「そして、自分フィールド上にモンスターが存在しない時、手札のA・Rと名の付くモンスターを捨てることで、今墓地に送ったオーブルを特殊召喚する!」

A・R忘却のオーブル ☆4 DEF 1700

「さらにA・R無頼のラフィを召喚!」

A・R無頼のラフィ ☆4 ATK 1900

「先攻は最初のターン攻撃できない。俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド」


「あれ?レベル4のモンスターが2体いるのにエクシーズ召喚しないの?」
「『A・R』のモンスターには皆、『このモンスターは融合・シンクロ・エクシーズ召喚に使用できない』って決まりがあるの。だから同じレベルのモンスターが並んだところで、エクシーズ召喚したくてもできないのよ」
「へぇ……」
「まぁこの効果は普通に使えばデメリットにしかならないからね。あのデッキを使いこなすには相当の腕が必要になるわ」


「私のターン、ドロー」
さて、じゃあプロデュエリスト様の実力を見せてもらいますか。
「私は忘却のオーブルに氷結カウンターを1つ置き、手札から氷結兵ライダーを特殊召喚する!」

氷結兵ライダー ☆4 ATK 1500

A・R忘却のオーブル 氷結カウンター 1

オーブルの身体の一部が凍り付いた。
「続いて、手札から氷結兵ウィザードを召喚!」

氷結兵ウィザード ☆4 ATK 1600

「ウィザードが召喚に成功した時、デッキから「氷結」魔法・罠カードを手札に加える!そして氷結兵モンスターの召喚に成功したことで、手札からこのモンスターを特殊召喚できる!行け!氷結兵ファルコン!」

氷結兵ファルコン ☆4 ATK 900

「氷結兵か……。うっとおしいデッキ使いやがる」
「貴方に言われたくはありません。私はレベル4のライダー、ウィザード、ファルコンの3体でオーバーレイネットワークを構築!!」
3体のモンスターが重なり合い、小さな宇宙を作り上げる。

「冷たき翼持つ天馬羽ばたく時、世界の全てが静止する!エクシーズ召喚!飛び上がれ!氷結兵ダイアモンド・ペガサス!!」

氷結兵ダイアモンド・ペガサス ★4 ATK 2400 ORU 2

「バトルです!ダイアモンド・ペガサスで無頼のラフィにアタック!」

氷結兵ダイアモンド・ペガサス ATK 2400   VS   A・R無頼のラフィ ATK 1900

「だがレイカーズ・ネストが存在する限り、A・Rモンスターの攻撃力及び守備力は400ポイントアップしている!」

氷結兵ダイアモンド・ペガサス ATK 2400   VS   A・R無頼のラフィ ATK 2300

「くっ……」

ISAMI  LP 3400
―――VS―――
LP 4000 HIGAMI

「そして自分のA・Rモンスターが破壊された時、レイカーズ・ネストの効果により、デッキからA・Rモンスターを1体手札に加える!」
「さらに、オーバーレイユニットを1つ取り除き、ダイアモンド・ペガサスの効果発動!貴方の墓地のモンスター1体に氷結カウンターを1つ乗せて攻撃表示で特殊召喚する!」

氷結兵ダイアモンド・ペガサス ORU 1

「残念だったな!忘却のオーブルがフィールド上に存在する限り、お互いに墓地へと干渉するカードの効果を発動できないんだよ!」
「無駄です!氷結兵ダイアモンド・ペガサスがいる限り、氷結カウンターの乗ったモンスターは攻撃・リリース・表示形式の変更ができず、効果は無効化される!」
「だったら俺は今手札に加えたA・R沈黙のハイドを墓地に送り、効果を発動!エクストラデッキから特殊召喚されたモンスター1体の効果は無効になり、攻撃宣言できない!」
「やはりそのカードを…!」
その可能性に気付いていたのか。効果よりも先に攻撃を宣言したのは、恐らくこのモンスターを警戒してのことだったのだろう。プロデュエリストというのも伊達では無いらしい。

「貴方、『A・R』のデッキを使ったことがあるのですか?随分と戦い慣れているようですが…」
「いや、今回が初めてだ。使うのはな」
「成る程、情報として知っていたということですか…。ですが、知識と実戦は違うということを教えてあげましょう!私はカードを1枚伏せてターンエンド!」

「俺のターン!俺は罠カード、流れ者の矜持を発動!フィールド上のA・Rモンスター1体を手札に戻すことで、デッキからA・Rモンスター1体を手札に加えることができる!」

流れ者の矜持 通常罠

「俺は忘却のオーブルを手札へと戻し、A・R異端のラグエルを手札に加える!そして再びレイカーズ・ネストの効果を発動し、デッキからA・R異端のバロールを墓地に送る!」

ISAMI  LP 2900
―――VS―――
LP 4000 HIGAMI


「バロールとラグエル…、2人の異端が揃いましたか!」
「異端のバロールはフィールド上にモンスターが存在しない時、手札から忘却のオーブルを捨てて特殊召喚できる!蘇れ光の異端者、バロール!」

A・R異端のバロール ☆4 ATK 1400

「さらに俺は闇の異端者、ラグエルを召喚!」

A・R異端のラグエル ☆4 ATK 1600

「行くぜ!ラグエルでダイアモンド・ペガサスに効果!」

A・R異端のラグエル ATK 2000   VS氷結兵ダイアモンド・ペガサス ATK 2400

「光と闇、2つの異端が揃った時、互いが互いを高め合い新たな効果を生む!ラグエルが相手に攻撃した時、フィールド上の全てのA・Rモンスターの攻撃力を400ポイントアップし、相手の手札1枚捨てさせる!」

A・R異端のラグエル ATK 2400   VS氷結兵ダイアモンド・ペガサス ATK 2400

「モンスターの効果が発動した瞬間、手札の氷結兵フェアリーを特殊召喚し、ラグエルに氷結カウンターを1つ乗せます!」

氷結兵フェアリー ☆4 DEF 1900

A・R異端のラグエル 氷結カウンター 1

「これでラグエルの効果は無効になり、攻撃することも出来なくなりましたね」
「ちっ…!ならバロールでもう一度ダイアモンド・ペガサスに攻撃だ!」

A・R異端のバロール ATK 1800   VS氷結兵ダイアモンド・ペガサス ATK 2400

「同じくバロールが攻撃した時、相手モンスター1体の攻撃力を800ポイント下げ、俺はカードを1枚ドローする!」

A・R異端のバロール ATK 1800   VS氷結兵ダイアモンド・ペガサス ATK 1600

「むっ…!」

ISAMI  LP 2900
―――VS―――
LP 3800 HIGAMI

「カードを1枚セットするぜ」

「…ダイアモンド・ペガサスを破壊したことは褒めてあげましょう。ですが、私の真の実力はまだまだこれからですよ!私は氷結兵ウィッチを召喚!」

氷結兵ウィッチ ☆4 ATK 1300

「そしてフィールドの氷結兵フェアリーをリリースし、さらにライフを1500ポイント払うことで、手札から氷結兵デビルを特殊召喚します!」

氷結兵デビル  ☆9 ATK 2400

ISAMI  LP 2900
―――VS―――
LP 2300 HIGAMI


「氷結兵デビルは1ターンに1度墓地に存在する氷結兵モンスター1体を効果を無効にして特殊召喚し、さらにそのレベルを9へと変更できるのです!戻りなさい、氷結兵ライダー!」

氷結兵ライダー ☆9 ATK 1500

「その後相手モンスター1体に氷結カウンターを1つ置くのですが、ここで私は永続罠、感染氷結を発動!」

感染氷結 永続罠

「感染氷結がフィールド上に存在する限り、氷結兵モンスターの効果で置かれる氷結カウンターは1つ増えるのです!よって私は異端のラグエルに氷結カウンターを2つ乗せます!」

異端のラグエル 氷結カウンター 3

「これでフィールド上の氷結カウンターが3つになったことで、氷結兵ウィッチの効果により私はもう一体氷結兵モンスターを通常召喚することができるようになりました!行きなさい、氷結兵タイガー!」

氷結兵タイガー ☆4 ATK1700

「氷結兵タイガーが召喚に成功したので、デッキから氷結兵ゴーレムを手札に加えますよ!」
「これはまさか…!」
「氷結兵ゴーレムは攻撃力2000以上のモンスターに氷結カウンターが乗っている時、特殊召喚できるモンスター!貴方のフィールドには氷結カウンターの乗った攻撃力2000の異端のラグエルが存在する!よって氷結兵ゴーレムを特殊召喚しますよ!!」

氷結兵ゴーレム ☆9 DEF 2900

「まずはレベル4の氷結兵ウィッチとタイガーでオーバーレイネットワークを構築!凍てつく牙もつ暴君よ、氷河喰らいて目覚めなさい!エクシーズ召喚!怒れ!氷結兵タイラント・レックス!」
『グルルァァア!!』

氷結兵タイラント・レックス ★4 ATK 2500 ORU 2

「続けてレベル9の氷結兵デビル、ゴーレム、そしてライダーでオーバーレイ!冷徹なる鉄像が、凍った全てを踏み砕く!エクシーズ召喚!進撃せよ!氷結兵ルースレス・キャプチャーズ!」
『キュィィィン!!』

氷結兵ルースレス・キャプチャーズ ★9 ATK 3200 ORU 3


「凄い…!1ターンに2度もエクシーズ召喚するなんて…!!」
「流石は氷上先生。これはもう決まったんじゃないかしら?」
「んー…、でも鶴岐さんなら…」
「あんた、随分とあの使用人を買ってるのね。あいつそんなに強いの?」
「うん。1度しかデュエルしてるとこ見たことないけど、少なくとも僕より数段強いよ」
「ふぅん……。まぁ何にせよ、このターンが勝負の分かれ目になりそうね」


「私はタイラント・レックスのオーバーレイユニットを1つ取り除き、効果発動!相手フィールド上の氷結カウンターの乗ったモンスターを破壊し、このモンスターの攻撃力分のダメージを与える!!」

氷結兵タイラント・レックス ORU 1
「砕け散りなさい、異端のラグエル!」
「罠発動!分け合う精神!!」

分け合う精神 通常罠

「自分フィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスター1体を墓地に送り、互いのプレイヤーはそのモンスターの攻撃力の倍のライフを得る!俺は異端のラグエルを選択し、3200のライフを回復!!」

ISAMI  LP 6100
―――VS―――
LP 5500 HIGAMI

「その後、俺は1枚ドローできる!」
「上手く凌いだつもりのようですが、ドローしたことでルースレス・キャプチャーズの発動条件が満たされましたよ?」
「……っ!!」
「オーバーレイユニットを1つ取り除いて、ルースレス・キャプチャーズの効果を発動!相手の手札より、召喚可能なモンスター1体を氷結カウンターを1つ乗せて特殊召喚する!!」
「俺の手札は魔法カード1枚のみ…。だがその場合…!」
「えぇ、ルースレス・キャプチャーズのもう一つの効果が発動します!特殊召喚可能なモンスターがいなかった時は、代わりに2000ポイントのダメージを受けてもらいます!!」

ISAMI  LP 4100
―――VS―――
LP 5500 HIGAMI

「ぐぅぅ…!!」
「さぁバトルフェイズです!ルースレス・キャプチャーズで異端のバロールにアタック!」

氷結兵ルースレス・キャプチャーズ ATK 3200   VS   A・R異端のバロール ATK 1800

「がっ…!!」

ISAMI  LP 2700
―――VS―――
LP 5500 HIGAMI

「異端のバロールが破壊された時、レイカーズ・ネストの効果により俺はデッキからA・R例外のイクスを手札に加える!!」
「タイラント・レックスは効果を使用したターン攻撃できないので、私はこれでターンエンドです。さぁ!この絶望的な状況をどう返しますか!?」

「ふぅ……」
目を閉じて、一つ大きな深呼吸をする。
このドローが運命を分けるだろう。
「…俺のターン、ドロー!!」
ドローしたカードは…!
「………!!これは…」
引いたのは罠カードだったが……、これはどうなんだ?
この状況でこれを使うのは流石に無理があるんじゃないか…?
いや、だが確か最初に……。
………一か八か賭けてみるか。
「俺は手札から例外のイクスを召喚!」

A・R例外のイクス  ☆4 ATK 1900

「例外のイクスは1ターンに1度、デッキからA・Rモンスター1体を除外し、その効果を得ることができる!俺はA・R強欲のアヴァリスを除外し、アヴァリスの効果をコピーする!」
普段ならこっちの効果も有用なんだろうが、今の目的はそっちじゃない。
「魔法カード、流れ者の生還劇を発動!」

流れ者の生還劇 通常魔法

「除外されているA・Rモンスター1体を、自分フィールド上に特殊召喚する!来い、強欲のアヴァリス!」

強欲のアウ゛ァリス ☆4 DEF 2000

「そしてカードを1枚伏せて、ターンエンドだ」
「はっはっは!どうやら防戦一方のようですね!ですがそんな守りじゃあ私の氷結兵の勢いは止められませんよ!私のターン!」
来い……、来い……、来い……!!
「氷結兵ソードマンを召喚しますよ!」

氷結兵ソードマン ☆4 ATK 1600

「氷結兵ソードマンは召喚に成功した時、相手モンスターに氷結カウンターを2つ置くことができるのです!私は例外のイクスを氷結させる!」

A・R例外のイクス 氷結カウンター 2

「これで再びタイラント・レックスの効果が発動可能になりました!例外のイクスを破壊し、2500のダメージを受けてもらいましょうか!」

氷結兵タイラント・レックス ORU 1

「がはっ…!!」

ISAMI  LP 200
―――VS―――
LP 5500 HIGAMI

「貴方の手札が0枚の時ルースレス・キャプチャーズは効果を使用できないので、このままバトルに移らせてもらいますよ!ルースレス・キャプチャーズで強欲のアヴァリスに攻撃!!」

氷結兵ルースレス・キャプチャーズ ATK 3200   VS   A・R強欲のアウ゛ァリス DEF 2000

「これで終わりです!氷結兵ソードマンでダイレクトアタック!!」

氷結兵ソードマン ATK 1600

「まずい!これを食らったら鶴岐さんのライフは……」
「墓地の流れ者の生還劇の新たな効果を発動!」
「墓地から魔法カード!?」
「このカードを墓地から除外することで、相手の直接攻撃を1度だけ無効にする!!」
「くっ……!悪あがきを…。ですが貴方のライフはレイカーズ・ネストの効果も使えないたった200ポイント!これは勝負ありましたね!」
「あぁそうだな。―――だが負けるのはお前だ!」
「何っ!?」
「罠カード、レイカーズ・リベリオンを発動!」

レイカーズ・リベリオン 通常罠

「これは自分のライフが1000以下の時に発動できるカード!墓地のA・Rモンスターを任意の数だけ特殊召喚することができる!来い!A・R逆境のアドバー!!」

A・R逆境のアドバー ☆1 ATK 100

「レイカーズ・リベリオンの効果により、俺はこのターンの終わりに1000ポイントのダメージを受ける」
「いつの間に逆境のアドバーを…!!はっ…!まさかあの時既に!!」


『さらに、自分フィールド上にモンスターが存在しない時、手札のA・Rと名の付くモンスターを捨てることで、今墓地に送ったオーブルを特殊召喚する!』


「そういうことだ!そして、ここまで俺のライフが減った状態のアドバーの恐ろしさはお前もよく分かってるはずだよな?」
「逆境のアドバーは自分と相手のライフポイントの差分によって強力な効果を得るモンスター…!今私と貴方のライフの差は5300…!!」
「よって3つの効果が発動する!まずは1つ目!1000ポイント以上の差がある時、自分フィールド上のモンスターは攻守共に800ポイントアップ!」
「2つ目…。2000ポイント以上の差がある時、私のフィールド上のモンスターの攻撃力・守備力は800ポイントダウン…!」
「そして3つ目!!4000ポイント以上の差がある時、このモンスターの攻撃力は3000ポイントアップする!!」
『ギャオォォォン!!』

A・R逆境のアドバー ATK 4100

「ですがそれでもアドバーの攻撃力は4100!!一番攻撃力の低いソードマンを攻撃したとしても私が受けるダメージは3300!ライフを削り切れず、逆にレイカーズ・リベリオンの効果によって貴方のライフが0になるのがオチです!!」
「だからお前の負けだって言ってんだろが。速攻魔法発動!反逆の旗印!!」

反逆の旗印 速攻魔法

「フィールド上にA・Rモンスター1体しか存在しない場合、このターン逆境のアドバーの攻撃力はここからさらに倍になる!!」

A・R逆境のアドバー ATK 8200

「こ、攻撃力……8200だと!?」
「行け、逆境のアドバー!逆襲のリベンジャー・クロー!!」
「ぐわあぁぁぁ!!!」

A・R逆境のアドバー ATK 8200   VS   氷結兵ルースレス・キャプチャーズ ATK 2400

ISAMI  LP 200
―――VS―――
LP  0 HIGAMI

『WIN! NO ACOUNT』


「やった!」
「氷上先生が負けた…!?ちょ、ちょっと多田野!あいつ何者!?」
「僕を武雄君から助けてくれた人がいたって言ったでしょ?それがあの鶴岐さんなんだよ」
「………!!」

「……ありえない!この私がこんな使用人ごときに……!!」
「そうやって侮ってたのが敗因じゃねぇか?」
膝を付いて這いつくばっている氷上に近付いて言う。
「貴様…!!」
「まぁでも約束は約束だ。俺の言うことに従ってもらうぜ?」
「ぐっ……!」
「さっきの言葉を撤回しろ。それと、あの嬢ちゃんがするデュエルには二度と口を出さねぇと誓え」
「こ、断る!私は認めないぞ!こんな勝負は無効だ!!」
「てめぇいい加減に…!」
俺が今にも氷上に掴み掛かろうとしたその時、

コンコン!

「お嬢様、講義の時間でございます」
「東雲さん…!」
「申し訳ありません多田野様。これからお嬢様には御予定がございますので、本日はお帰りいただいてもよろしいでしょうか?」
「え?あ、はい。お邪魔しました」
「ありがとうございます」
宗介に頭を下げた後、東雲さんは俺の方に向き直る。
「鶴岐さん。貴方は班長からこの部屋に近付くな、と指示を受けているはずではありませんか?」
「それはそのー…、………はい」
「それから、たとえ短期間のバイトだとしても、ここの使用人である間はお嬢様のことはお嬢様とお呼びして下さい。いいですね?」
「すいません…」
続いて氷上の方を向いて言う。
「氷上様、19時になりましたのでお嬢様をお任せします………が、その前に一つだけ。氷上様がどのような御気分で講義に臨まれようと構いませんが、我々はしかるべき金額をお払いして貴方様に授業を依頼しているのです。少なくともそれ相応の働きはお願い致しますよ?」
「うっ…!分かっています……」
「それでは多田野様、正門までお送りさせていただきます。鶴岐さんはすぐに自分の持ち場に戻って下さい」
事を荒立てないように気を使った上で、あの場を完璧に治めるとは。
この人には全く逆らえる気がしないな。

「あ、ちょっと待って東雲さん!」
「はい、何でしょうかお嬢様?」
「えーと……」
お嬢ちゃ……お嬢様が東雲さんに耳元で何かを囁く。
「……承知致しました」



―――



再び車で正門まで送ってもらった。
「本日はお越しいただき誠にありがとうございました」
「その…、東雲さんにも色々と迷惑を掛けてすいませんでした」
「いえ、これも私の仕事の内ですので」
また深々と頭を下げられる。
「………先程のことですが」
言うかどうか少し迷ったようだったが、東雲さんは言葉を続けた。
「鶴岐さんにはあの様な言い方をしましたが、私は怒っている訳では無いのですよ?むしろ感謝しているくらいです。最近の氷上様の言動には目に余るものがありましたからね。多田野様にも不快な気分を味合わせてしまいました。申し訳ございません」
「いえそんな、東雲さんが気に病むことじゃないですよ」
「恐れ入ります。……それに、久しぶりにあんな表情のお嬢様を拝見しました。これも多田野様のお陰です」
どうやらあの婦警さんの言っていたことは本当らしい。
でも僕とデュエルしていた時でも、驚きこそすれ、笑顔を見せることは一度も無かったのだが…。
普段はそんな顔すらも滅多に見せないということか……
「……ってあれ?東雲さん、いつから僕等のこと見てたんですか?」
鶴岐さんと氷上さんのデュエルはまだしも、何で僕と綾崎さんのデュエルまで把握してるんだ?
「ふふふ。それは秘密です」
ずっと無表情だった東雲さんが、そこで初めていたずらっぽく微笑んだ。
「ははは……」
いったいどういう人なんだこの人は…?
「それと、お嬢様から言伝をお預かりしております」
「綾崎さんから?」
さっきのはそういう事だったのか。
「はい。『そ、その、あんたがどうしても来たいって言うんなら、別にまた来てもいいわよ?』だそうです」
…その声真似はものすごくそっくりだった。
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ター坊
お嬢様ちょロイン確定か。
自分が作ったカードがこういう動きするんだなと思って楽しく見させてもらいました。今後も何か提供して欲しいカテゴリがございましたらお訊ね下さい。 (2016-03-12 20:59)
名無しのゴーレム
す、すげぇ……最初に読んだときはそんな感想しか出てきませんでした。ピーキーな性能のA・Rを完璧に扱いこなしている鶴岐さん(とイベリコ豚丼さん)を尊敬します。私も他の方のオリカを借りたデュエルではこのくらいのデュエルが書けるようにならないと……ハードル高すぎますよぉ! (2016-03-12 21:34)
ギガプラント
いやぁあの縛りの中よくここまで書けるもんだなぁと尊敬しますよ。今後とも楽しみですね。
東雲さんが色々とすごい…でもある意味面白いw (2016-03-13 00:57)
イベリコ豚丼
皆さんコメントありがとうございます‼

》ター坊さん・名無しのゴーレムさん
今回はお二方のテーマをお借りしてのデュエルだったのですが、デュエルの構成を考えている間にある壁になんどもぶち当たりました。
それは「A・R」と「氷結兵」がものすごく相性が悪いということでした。
「あぁ!氷結カウンター乗ってたら戦闘破壊されなくてフィールドが空にならない!」とか「うぉぉぉ!デビルそこでライフ使うんじゃねぇぇぇ!」とか(笑)
その末に編み出した策が「分け合う精神」です。
ですが、「A・R」の絶対数が多かったのと、「氷結兵」に能動的に相手を破壊できるタイラント・レックスがいたのが本当に救いでした。
お二方、これらの素晴らしいオリカを作っていただき、本当にありがとうございました!


》ギガプラントさん
もともと寝る前とかに頭の中で今日のデュエルの復習とか、こんなデッキ作って環境勢とやったらこうなるかなぁ、とかを考えることが多かったので、それが功を奏しました。
東雲さんは次回も色々します! (2016-03-13 11:44)

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