第４５話　二日目　『相棒』ＶＳ『色物』③　作：白金　将

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現在の残り残機
女戦士　３
射手　　２
弩級隊隊長　１
ペット虎　３
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～夕方　死闘場～
聖戦士「三回戦は翌日に延期になることを伝えました」
聖戦士「死闘場内の松明にも火を点けました」
女王「ご苦労」

聖戦士「長いですね……片方は全く変わってませんけど」
女王「これくらいの試合がないと面白みがないじゃない」
女王「夜に酒を飲みながら試合を見るのも一興よ？」
聖戦士「それはそうですが……」
聖戦士（一番不安なのはトイレだ……一昼夜行かないとなると相当ストレスが溜まる）



女戦士「あう、あぅ……あたま、へんになるぅ……」
ペット虎「」ﾍﾟﾛ　ﾍﾟﾛ
女戦士（流石に虎さんもたまに休むようになったけど……腰が、動かない……）
女戦士（そして、トイレ、行きたい……！）ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

調教師（私は直接の選手じゃないから何回かトイレに行けたが……）
調教師（問題は女戦士だな。虎はそこら辺でやっても違和感はないが……）



射手（ついにあと一回まで追いつめたんだし……）
射手（ただ、松明があるといえ夜になるとこっちが不利なんだし……）
射手（夜は眠くなる上に、私は鳥目なんだし……）
射手（実戦経験も向こうが上だから……）

ｽﾊﾟｯ

射手（少し遠くに外れて飛んでいったんだし）
射手（向こうも疲労がたまってるのか……体力の消耗は避けたいんだし）
射手（……トイレも行きたいんだし）ﾓｼﾞﾓｼﾞ

ｼﾞｮﾛｼﾞｮﾛｼﾞｮﾛ

射手（！？）
射手（まさか隊長、草むらの中で済ませたんだし……！）
射手（音の方角はあっちだから狙うのは今……）ｶﾞﾀｶﾞﾀ
射手（だけど弓の狙いが全然定まらないんだし……トイレ行きたいんだし……！）ﾓｼﾞﾓｼﾞ



女戦士「あ……かぁ、んはぁっ……」ｶﾞｸｯ
ペット虎「」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ
女戦士「もう、無理、でる……」


ｼﾞｮﾛｼﾞｮﾛｼﾞｮﾛ


ペット虎「！？」ﾋﾞｼｬﾋﾞｼｬ
ペット虎「ｶﾞｳｵｵｵｵ」ﾜﾀﾜﾀ
女戦士（あ、やっちゃった……だけど、これ、いいのぉ……）ｼﾞｮﾛｼﾞｮﾛｼﾞｮﾛ

調教師（女戦士の奴漏らしやがった……！）
調教師（しかも虎にダイレクトアタックしてやがる……）

ペット虎「ガオオオーッ！」
女戦士（虎さんがのたうちまわってる……今なら、今のうちなら……）ｼﾞｮﾛ

女戦士「あ、でも、駄目、動いたら……はう、出るのぉぉぉぉ！」ｼﾞｮﾛｼﾞｮﾛｼﾞｮﾛ
女戦士（みんなに見られながらおもらししちゃう……！）ｼﾞｮﾛｼﾞｮﾛｼﾞｮﾛ



聖戦士「……」
女王「」ｸｲｸｲ
女王「なかなか絵になってるわね……戦いよりも己の欲望を優先させる姿……」
聖戦士「試合を中断するべきでは？　両者疲労がたまってるでしょう」
女王「それは駄目よ」
女王「見た目はふざけてるように見えるかもしれないけど、これは彼女たちの戦い」
女王「あくまでも傍観者である私たちが口出しできる物ではないのよ」
聖戦士「失礼しました」

聖戦士（戦いはアマゾネスの誇り……あれもまた、戦いの一つなのだろうか）
聖戦士（ぐ、頭痛がしてきた。こんな時に……）



射手（ここで負ければ女戦士さんの勝利は絶望的なんだし……！）
射手（ただ、暗くなってきたんだし……）



～夜　医療テント～
エアトス「治りましたよ」
訓練生「ありがとうございました。次の試合は気を付けます」
エアトス「どうぞ気を付けて」
エアトス「……スカウトたちは寝込んでみたいですね」
訓練生「ええ」
訓練生「今回の試合は彼女たちにはあまりよろしくないものですから……」



射手（夜になっちゃったんだし……）
射手（全く見えないんだし）

ｽﾊﾟｯ

射手（！？）
射手（音を聞くにすぐ真横を通って行ったんだし……）
射手（とすると、真正面……）
射手（これに賭けるしかないんだし！）

ｽﾊﾟｯ
ｽﾊﾟｯ

ｺﾝｯ

格闘戦士「一本！　弩級隊隊長の決まり手！」
射手（当たっちゃったんだし……これであとお互い一回ずつなんだし）



女戦士（な、なんとか、身体が動き始めた……）
女戦士「はぁ……はぁ……そいやぁっ！」ﾌﾞﾝｯ

ｶﾞﾝｯ

吹き矢兵「……一本！」
ペット虎「ガオオオ！」

女戦士「畳みかけて……こう、こう！」

ﾌﾞﾝｯ　ﾌﾞﾝｯ

ｶﾞﾝｯ　ｶﾞﾝｯ

吹き矢兵「虎、脱落！」
ペット虎「クルルル……」ﾊﾞﾀｯ
調教師（後で虎は慰めてやるか……いくらなんでもひっかけられるのは予想外だったろう）



射手（……女戦士さんが勝ったんだし！？）
射手（なおさら負けられないんだし……）

ｶﾞｻｯ

射手（……そこだ！）

ｽﾊﾟｯ

ｺﾝｯ

格闘戦士「一本！　弩級隊隊長、脱落！」
格闘戦士「勝利、女戦士＆射手！」
射手「やった……！」ｽﾀｯ
射手「あ」

ｼﾞｮﾛｼﾞｮﾛｼﾞｮﾛ

射手「ふぁぁぁぁ……」ｶｧｧ///



剣士「やっと終わったか」ｸｲｸｲ
賢者「どっちも漏らしちゃったわね……何だかかわいい」
剣士「勝って気が抜けたんだろうな。ま、女戦士の方は気の毒だが」



女王「終わりね」
聖戦士「そうですね……ふあぁ」
女王「まだ月は低いから外で飲み直すわよ」
聖戦士「……！」
聖戦士（私はどうなってしまうんだ……ああ、頭痛が……）