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HOME > 遊戯王SS一覧 > コラボ企画 第3話『例え無力でも』

コラボ企画 第3話『例え無力でも』 作:名無しのゴーレム

「ハア、ハア、……美羽、大丈夫ですか?」
「うん、なんとか……」


強志たちから離れ、美羽たちの仲間のところに向かっていた私と美羽だったが、思うように進めずにいた。なぜなら……


「……あれ、一体何なんだろう。」
「分かりません。けれど、確実に私たちを狙っています。」


強志たちが引きつけているはずの『それ』が、私たちの方に向かってきていたからだ。ずっと走り続けていたが、このままでは持たないということで一度短い休憩を挟んでいたのだが……


「ユイたち、大丈夫かなぁ……」
「……信じましょう。強志たちは、きっと持ち堪えてくれます。だから私たちも、先を急ぎましょう。」
「……うん!」



『逃がすとでも思ったかァ? 無力な愚者共よ!』
「!!」



ーーその瞬間、私たちの目の前に人型をした『それ』が現れた。そしてその周りを囲むように別の『それ』が群がる。


「どうしよう、これじゃあ……」
「……まだです。お願い、銀河眼の光子竜皇!」


これで少しでも道を開ければ……


『そんなものが効くかよォ! 忘れたか、ついさっきお前たちを叩き落としたのを!』


銀河眼の光子竜皇から放たれた光を『それ』が呑み込んでしまった。


「そ、そんな……」
『もォいいか? 諦めて世界から消えろよ、愚かな異物共。』
「……あれは!?」


人型の『それ』の腕らしき部分にデュエルディスク、のようなものが現れた。まさか、私たちとデュエルを……?


「……いいでしょう。その勝負、引き受けます。」
「凉花!?」
「……私があれの気を引きます。美羽は隙をついてここから逃げてください。」


ここで2人ともが足止めされてしまっては強志たちを助けに行けなくなる。それなら……


「……嫌だよ。凉花、自分が犠牲になるつもりだよね?」
「っ……」


……その言葉を否定することは出来なかった。知らないうちに、そんな風に考えていた部分もあるのかもしれない。


「私も戦う。2人で勝って、2人で先に進もう。」
「美羽……分かりました。」
『作戦会議は終わったかァ? そろそろ時間切れだ、修正に入らせてもらうぜェ?』
「奇遇ですね。こちらも急いでるんです、早くあなたを倒して私たちは前に進みます。」
『ヒャハハ、出来るもんならなァ!』


ディスクを構え、準備を整える。……一筋縄ではいかないだろう。けれどやることは変わらない。



「「デュエル!!」」



【ターン順は???→凉花→美羽】



??? LP4000
凉花 LP4000
美羽 LP4000


『我のターン! まずはフィールド魔法、Sin Worldを発動! さらに永続魔法、君臨者の権限発動! そしてデッキの邪神アバターを除外して、Sin ワイズ・アバターを特殊召喚! 我のターンはこれで終了だ!』


攻撃力0のモンスターを攻撃表示……? 間違いなく何かある。


??? LP4000 モンスターゾーン Sin ワイズ・アバター 魔法・罠ゾーン 君臨者の権限 フィールド魔法 Sin World
凉花 LP4000
美羽 LP4000


「私のターン、ドロー。」
『ワイズ・アバターが存在する限り、相手は自分のターン中に魔法・罠カードを発動出来ない。さらに君臨者の権限が存在する限り、我のSin Worldは他のカード効果を受けない。さあ、どうする?』
「……ギャラクシー・ワームを召喚。効果でデッキから銀河魔鏡士を特殊召喚。私の場に光属性モンスターが2体以上存在することにより、手札からガーディアン・オブ・オーダーを特殊召喚。」
『ワイズ・アバターの攻撃力はフィールドの最も高い攻撃力に100プラスしたものとなる。よってワイズ・アバターの攻撃力は2600!』


常に最高の攻撃力になるということか。ならば……


「レベル3のギャラクシー・ワームと銀河魔鏡士でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚! No.17 リバイス・ドラゴン! この2体をリリース。来て、銀河眼の光子竜! カードを1枚セットしてターンエンド。」


銀河眼の光子竜ならワイズ・アバターの攻撃をかわすことが出来る。それに……

Sin ワイズ・アバター 攻撃力2600→3100

??? LP4000 モンスターゾーン Sin ワイズ・アバター 魔法・罠ゾーン 君臨者の権限 フィールド魔法 Sin World
凉花 LP4000 モンスターゾーン 銀河眼の光子竜 魔法・罠ゾーン 伏せカード1枚
美羽 LP4000


「わ、私のターン、ドロー。」
「……美羽。相手の手が読めません、ですから気を付けて。何があっても次のターンには持ち直せるようにしてください。」
「え……? う、うん。」
『おいおい、何言ってんだよ。お前らがいくら気を張ったところで、越えられないもんはあるんだよ。つまり、無駄な努力ってことだなァ!』
「……モンスターをセット。カードを2枚伏せてターンエンド。」


??? LP4000 モンスターゾーン Sin ワイズ・アバター 魔法・罠ゾーン 君臨者の権限 フィールド魔法 Sin World
凉花 LP4000 モンスターゾーン 銀河眼の光子竜 魔法・罠ゾーン 伏せカード1枚
美羽 LP4000 モンスターゾーン 伏せモンスター1枚 魔法・罠ゾーン 伏せカード2枚


『我のターン、ドローの代わりにSin Worldの効果発動! デッキからSin ワイズ・ドレッド・ルート、Sin ワイズ・イレイザー、Sin パラレルギアを選択、お前に我が手札に加えるカードをランダムに選んでもらう。』


……どれを選んでも私たちを苦しめるに違いない。


「……なら、真ん中のカードを。」
『ほぅ、さてさて……デッキの邪神 ドレッド・ルートを除外して、Sin ワイズ・ドレッド・ルートを特殊召喚! ワイズ・ドレッド・ルートが存在する限り、相手モンスターの攻撃力は半分になる!』

銀河眼の光子竜 攻撃力3000→1500

『さらにアバターの攻撃力はドレッド・ルートの4000に100を加えた、4100となる!』

Sin ワイズ・アバター 攻撃力3100→4100

「攻撃力4000以上のモンスターが、2体……」
『本来ならSinモンスターはフィールド上に1体しか存在出来ず、他のモンスターは攻撃出来くなる。だが君臨者の権限があることにより、その制限はなくなる! バトルだ! ワイズ・ドレッド・ルートで銀河眼の光子竜を攻撃!』
「くっ……手札の銀河暴竜の効果発動! このカードを特殊召喚して、エクシーズ召喚を行います!」
『相手ターンにエクシーズ召喚、か……』
「レベル8の銀河眼の光子竜、銀河暴竜でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚! No.62 銀河眼の光子竜皇!」


2体の邪神の前に、光り輝く竜が現れる。

銀河眼の光子竜皇 攻撃力4000→2000

『それがどうした? その程度のモンスター、我のモンスターには敵わない!バトル続行だ!』
「銀河眼の光子竜皇の効果発動! オーバーレイユニット1つを取り除いて、攻撃力を1600ポイントアップする!」
『正確にはその半分、800ポイントだがなァ!』

銀河眼の光子竜皇 攻撃力2000→2800

「くうっ……」

凉花 LP4000→2800

『これで終わりだ。ワイズ・アバターで……』
「リバースカードオープン! 通常罠、時空混沌渦! 私のギャラクシーと名のついたエクシーズモンスターが破壊されたとき、相手の表側表示のカードすべてを破壊、そして除外する!」
『なっ、んだとォ!?』


銀河眼の光子竜皇が引き起こした渦に邪神たちが飲み込まれていく。


『君臨者の権限の効果で、Sin Worldは破壊されない。……貴様、これが狙いだったのか。』
「ええ。アバターを攻略するにはモンスター効果、もしくは相手のターンに罠カードを使うしかないですから。」
「あ……もしかして、さっきのも……?」


美羽も気付いてくれたようだ。時空混沌渦は美羽のフィールドのカードも破壊してしまう。それを防ぐため、なおかつ相手にこちらの狙いを悟らせないためにはこうするしかなかった。賭けでもあったけれど……


『……ハハァ! この程度で勝ち誇るんじゃねぇよ! 君臨者の権限が破壊されたことにより、我はデッキからSin ワイズ・イレイザー、Sin パラレルギアを手札に加える!チューナーモンスター、Sin パラレルギアを召喚!』


チューナーモンスター? まさか……


『パラレルギアを素材としてシンクロ召喚を行うとき、手札のSinモンスター1枚をシンクロ素材に出来る! レベル10のSin ワイズ・イレイザーにレベル2のSin パラレルギアをチューニング! 人の罪はその無力! なればそれを清算し、万物の根源たる虚無へと還るがいい! シンクロ召喚! Sin ワイズ・フォース・ドラゴン!』


レベル、12……あれが切り札?


『ワイズ・フォース・ドラゴンの攻撃力は除外されている我のモンスター1枚につき1000ポイントアップする! さらにこのモンスターは自身以外のモンスター・魔法・罠カードの効果を受けない!』

Sin ワイズ・フォース・ドラゴン 攻撃力0→4000

『ワイズ・フォース・ドラゴンがいる限り、お前たちは自身のターン終了時に自身のモンスターすべてを破壊し、その攻撃力の合計のダメージを受ける!』


モンスターの維持すら許されないのか。さらにあの攻撃力、どうすれば……


『カードを2枚セットしてターン終了。さあ、己の無力に絶望しろ!』


??? LP4000 モンスターゾーン Sin ワイズ・フォース・ドラゴン 魔法・罠ゾーン 伏せカード2枚 フィールド魔法 Sin World
凉花 LP2800
美羽 LP4000 モンスターゾーン 伏せモンスター1枚 魔法・罠ゾーン 伏せカード2枚


「私のターン! ドローの代わりに墓地の時空混沌渦の効果発動! このカードを除外して、墓地の銀河眼の光子竜皇を特殊召喚します!」


攻撃力4000の光子竜皇なら、あのモンスターを……


『甘いんだよォ! リバースカードオープン! 永続罠、愚者の煉獄! これで銀河眼の光子竜皇の効果は無効、攻撃も行えない!さらに銀河眼の光子竜皇が存在する限り、そのレベル以下のレベル・ランクを持つすべてのモンスターも同様だァ!』
「!?」


……なんてこと。このままでは、私のせいで美羽にまで影響が……


「…………」
「凉花……」
『ヒャハハ、どうだァ? 力を尽くしたはずがさらなる窮地に陥った、その気分は。まさに絶望だよなァ? そうだよ、お前たちはそうやって己の非力を、愚かさを本当の絶望の瞬間にやっと思い知るんだ。だからお前たちは間違い続ける。……だから、我らが生まれたんだよォ! 』
「わ、私は……」


思わず地に膝を着いてしまう。自分が無力なのは何度も痛感してきた。けれど、それでも私は戦い続けた。こんな私でも何か出来ることがあるはずだと。でも、もしそれが間違いだったなら……?



「……それは違う!」



……美羽?


『貴様、何が違うと?』
「……確かに私たちは弱いし、間違いを犯したりもする。……現に私は、取り返しのつかないことをした。それでも、皆はそれを許してくれた! こんな私を仲間だって、友達だって言ってくれた! だから私は進みたい! 間違えたってやり直せばいい! そうしたら、いつかは私たちの望む未来に辿り着けるはずだから!」


……そう、だった。私には理由がある。絶対に諦められない理由が……



ーー破壊された故郷。私を逃がすためにその身を犠牲にしたお父様にお母様。最高の友達だった『あの子』。……そして、今も私たちを信じて戦ってくれている強志たち。彼らの思いに応えるまでは、何があっても途中で投げ出したりしてはいけないんだ。


『……チッ。何だよその目は。まさかこの後に及んで諦めないなんて言うんじゃねえだろうなァ!』
「……残念ながら、あなたの想像通りですよ。……美羽、ありがとう。おかげで大切なことを思い出せました。」
「……良かった。凉花、頑張ろう? 私たちで、あいつを倒さなきゃ。」
「……はい!」
『寝言言ってんじゃねえぞ! いくら足掻こうが結果は変わらねェ。お前たちはこの世界から跡形もなく消えてなくなるんだよォ!』
「いえ、そうはなりません。私は手札から……」


ーー私は進む。過去の自分を乗り越えて、未来を掴みとるんだ。


「通常魔法、エクシーズ・シフトを発動! 銀河眼の光子竜皇をリリース!」
『何ィ!?』
「そして、銀河眼の光子竜皇と同じランク・属性・種族を持つエクシーズモンスターを特殊召喚して、このカードをオーバーレイユニットにします! 私が呼び出すのはこのカード!」


お願い、力を貸して。これは強さを求めて手に入れた過ちの力だけれど、今は私の大切なものを守るために……


「遥かなる時を司りし化身よ! 今こそ我が場に顕現せよ! No.107 銀河眼の時空竜!」
『……ヒャハハ! おいおい、攻撃力が下がってるぜェ! それじゃあ我のワイズ・フォース・ドラゴンは……』
「バトル! まずは銀河眼の時空竜の効果発動! オーバーレイユニットを1つ取り除いて、このカード以外のフィールドの表側表示のすべてのカード効果を無効にします!」
『Sin Worldがやられたか。だがワイズ・フォース・ドラゴンは無傷。どうする気だァ?』
「……美羽!何でも構いません、カードを発動してください!」
「え……分かった! 速攻魔法、突進発動! 銀河眼の時空竜の攻撃力を700ポイントアップする!」

銀河眼の時空竜 攻撃力3000→3700

「よし! ありがとうございます!」
『アアン? たかが攻撃力3700、それじゃあワイズ・フォース・ドラゴンには……』
「銀河眼の時空竜の効果発動! 相手がカードを発動したとき、攻撃力を1000ポイントアップし、2回攻撃を可能とします!」

銀河眼の時空竜 攻撃力3700→4700

「お願い、銀河眼の時空竜!」


辺りを眩く照らすその光が、さらに強さを増していく。その一撃が、異形の竜を砕いた。

??? LP4000→3300

『くっ……貴様らァ!!』
「これで終わりです! 闇を照らせ、銀河眼の時空竜!」


これで、ようやく……


『……まだだァ! ワイズ・フォース・ドラゴンの効果発動! 除外されている邪神を任意の枚数召喚条件を無視して特殊召喚する! さあ来い! 邪神アバター、邪神ドレッド・ルート!』
「……そ、そんなぁ!?」
「ようやく倒したと思ったのに……」
『ドレッド・ルートの効果で銀河眼の時空竜の攻撃力を半分に、アバターの攻撃力をドレッド・ルートの攻撃力に100を加えた数値にする!』

銀河眼の時空竜 攻撃力4700→2350

邪神アバター 攻撃力0→4100

……これでは銀河眼の時空竜が攻撃出来ない。


「……私は、これでターンエンド。エクシーズ・シフトの効果で特殊召喚された銀河眼の時空竜は墓地に送られます。」


??? LP3300 モンスターゾーン 邪神アバター、邪神ドレッド・ルート 魔法・罠ゾーン 伏せカード1枚 フィールド魔法 Sin World
凉花 LP2800
美羽 LP4000 モンスターゾーン 伏せモンスター1枚 魔法・罠ゾーン 伏せカード1枚


「……私のターン、ドロー。通常魔法、幻想開演を発動! デッキの上から4枚をめくり、その中の幻想麗団モンスターをエクストラデッキに送る。……めくったカードは『幻想麗団-マジカル・キッド』、『幻想麗団-カード・ウィッチ』、『秘術演目-フラワーシャワー』、『幻想麗団-テイマー・ボーイ』。よって3枚をエクストラデッキに。チューナーモンスター、幻想麗団-アシスタント・バニーを召喚! さらにセットモンスター、幻想麗団-チェーンソー・ヴァンパイアを反転召喚!」
『チューナーモンスター……シンクロ召喚するつもりかァ?』
「もちろん。私はレベル3のチェーンソー・ヴァンパイアにレベル3のアシスタント・バニーをチューニング! 世界に弄ばれた可憐な人形師よ、今は舞台を彩る華となれ! シンクロ召喚! レベル6、幻想麗団-ドールマスター・レミィ!」
『何を出そうが無駄だァ! ドレッド・ルートが存在する限り、お前たちのモンスターが我のモンスターに届くことはない!』

ドールマスター・レミィ 攻撃力700→350

「その通りだけど、だからといって勝つ手段がない訳じゃない! ドールマスター・レミィの効果発動! エクストラデッキのアシスタント・バニーをデッキに戻して、邪神アバターのコントロールを得る!」


レミィが放った糸がアバターを絡め取り、そのまま美羽の場へと引き寄せた。


『邪神を……傀儡にするつもりか!?』
「この効果でコントロールを得たモンスターの攻撃力・守備力は500ポイント下がる。けれどアバターの攻撃力は常にすべてのモンスターを上回る、だよね?」

邪神アバター 攻撃力4100→3600→4100

「……すごい。一瞬で形成を逆転した!」
「バトル! アバターでドレッド・ルートを攻撃!」
『おのれェ……許さんぞォ!』

??? LP3300→3200

「これでレミィの攻撃力も元に戻る。レミィでダイレクトアタック!」
『させるかァ! リバースカードオープン! 永続罠、罪過滅殺! 我の場にモンスターが存在しない場合、墓地のモンスター1枚を除外して発動出来る! 除外したモンスターの攻撃力以下の戦闘ダメージは0になり、このカードが場を離れたときに除外したモンスターの攻撃力分のダメージをすべてのプレイヤーに与える! 我は邪神ドレッド・ルートを除外!』
「そんな!?」
『それだけじゃねェ! このカードは我のターンのスタンバイフェイズ時に自壊する! つまり……』


……どうやっても、全員が4000のダメージを受けて……


「私たちを道連れにするつもりですか!?」
『我々の使命は世界の修正。故に、貴様らだけでも我の手で消し去らねばならねぇんだよォ!』
「っ……リバースカードオープン! 秘術演目-カレイドスコープ・シンクロ! エクストラデッキのアシスタント・バニーとテイマー・ボーイを効果を無効にして特殊召喚、さらにこの2体でシンクロ召喚を行う! かつては敵を貫いた銃撃、今では舞台を彩る祝砲へ! シンクロ召喚! レベル5、幻想麗団-ガンサリュート・レベッカ!」
『なるほど、まだ諦めない、と。精々足掻いてみなァ!』
「レベッカの効果発動! デッキの幻想麗団-フレイム・キマイラをエクストラデッキに送り、その攻撃力に500を加えた数値、つまり2100ポイントのダメージを与える!」

??? LP3200→1100

『うっ……さあ、どうした? これで手詰まりかァ?』
「…………ターン、エンド。」
『……ヒャハハ、ヒャハハハハ!! 見ろよ、結局お前たちは無力だ! 自分の身すら守れない者に、どうして世界が守れるってんだァ!?』


……これで、終わるのか。


「……強志、ごめんなさい。」
「ごめんね、ユイ……せめて、ユイだけでも……」
『お祈りはもういいかァ? 行くぜェ? 我の……』





「俺の……ターンッ!!」




突如、一台のバイクと共に1人の男が現れた。


『……ッ!? 貴様、何者だァ!?』
「ハッ、悪いが知らない奴に簡単に名乗ってやるほど俺もバカじゃあないぜ!」
「……恭治!! あなたもここに来ていたんですね!」
「……おい。人がこう言ってんのに名前を明かしてるんじゃあ……はあ、もういいや。俺は手札から速攻魔法、駆けつけ一発を発動! 俺の場に他のカードがないとき、相手に1000ポイントのダメージを与える!」

??? LP1100→100

『ああっ!?』
「さらにM・G アクセルを召喚! 効果で600ポイントのダメージだ!」
『くうっ……愚者共がァ!!』

??? LP100→0



『……お、前ら……弱者のくせに、この我、を……』
「何言ってんだ? ……どんな経緯があったにしろ、勝った方が強いに決まってるじゃねえか。」
『この……愚か者、が……』


最後まで私たちを睨みつけたまま、『それ』は姿を消した。



「フウ、思ったよりあっけなかったな。……なあ凉花、エクシーズ次元にはあんなやつがうようよいるのか?」
「え? ……恭治、ここはエクシーズ次元ではないですよ?」
「……はぁ!? ……まあ、そりゃそうか。それで? ここはどこなんだよ。」
「えっと、それは……」
「……!! ねえ凉花、あれって……」


美羽が私の背後を指差す。その先には……



「凉花! 無事か!?」
「美羽! ……良かった、なんとか追いついた。」
「強志!」
「ユイ!」
「おお、強志もいたのか! ……それで、その2人は誰なんだよ?」
「ん? ……あ、恭治もいたんだ。」
「この人も強志の仲間か? 俺はユイ、そっちは……」




『……どうやら、他の我らはすでに倒されたようだな。』
「「「「!!」」」」
「……? なんだ、さっきのやつの仲間か?」


私たち全員ーーいや、正確には恭治以外の全員がーーその衝撃に身を凍らせた。ようやく終わらせたと思った『それ』との戦いが、まだ続くの……?


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ター坊
美羽かっこよくなってる。美羽の成長っぷりをよく見てくれてたなと思える描写、ありがとうございました。コラボ企画は次で最終回の予定ですが『それ』とのエンドレスの戦いを感じさせる終わり方…見逃せません。 (2015-10-13 07:10)
名無しのゴーレム
ター坊さん、コメントありがとうございます。
こちらは反省点山盛りですが(これは最終話が終わってからの反省会で話すとして)、喜んでいただけたならよかったです。
最終話にして新たな敵の登場。さて、強志たちの運命は……?(予告風) (2015-10-13 15:36)

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39 54話 次への一手? 882 2 2015-06-22 -
57 side風音:行け! ブラスト・レディ 923 2 2015-06-29 -
50 side郁哉:神との対峙 884 2 2015-07-03 -
88 side月詠:進む彼ら、止まった私 940 2 2015-07-06 -
66 番外編(記念企画):でゅえるぶ!! 前編 989 2 2015-07-07 -
86 番外編(記念企画):でゅえるぶ!!後編 1104 2 2015-07-14 -
48 side凉花:Let’s 拷問タイム♪ 907 2 2015-07-21 -
91 side郁哉;2体目の神 1070 2 2015-08-08 -
70 55話 『守護者』 979 2 2015-08-16 -
86 side月詠:不死の大英雄VS蘇る太陽神 1065 2 2015-08-23 -
102 side京子:絆の力、結束の力(前編) 1002 4 2015-09-13 -
101 side京子:絆の力、結束の力(後編) 874 2 2015-09-21 -
70 side郁哉:立ち上がれ、何度でも 1025 2 2015-09-22 -
98 side月詠:最後の戦いへ 954 4 2015-09-27 -
107 解説コーナー1 1162 2 2015-09-28 -
35 コラボ企画 第1話『異世界での再会』 876 2 2015-09-29 -
114 コラボ企画 第2話 『反逆者と救世者』 1081 2 2015-10-03 -
70 コラボ企画 第3話『例え無力でも』 1053 2 2015-10-12 -
84 コラボ企画 最終話『またいつか』 995 4 2015-10-17 -
89 コラボ企画 解説……? 898 4 2015-10-19 -
96 side凉花:地獄への帰還 993 4 2015-11-03 -
51 56話 進化する最終兵器 942 4 2015-11-04 -
103 57話 戦場の流儀 972 4 2015-11-07 -
73 58話 抗う者たち 875 4 2015-11-10 -
79 side杏:それぞれの思惑 877 4 2015-11-12 -
88 side恭治:思い出クッキング 798 2 2015-11-23 -
79 side郁哉:『仲間』 883 2 2015-11-26 -
55 side月詠:決別 943 4 2015-11-28 -
108 side敦人:過去と現在、『彼ら』の変化 942 2 2015-12-02 -
45 side風音:速見 風音と『彼女』の関係 820 4 2015-12-19 -
55 side月詠:天宮 月詠と『彼女』の関係 957 2 2015-12-20 -
92 side凉花:薙野 凉花と『彼女』の関係 739 4 2016-03-03 -
51 59話 突然の再会 847 4 2016-03-04 -
123 side恭治:駆け抜ける旋風 912 4 2016-03-08 -
95 side涼花:交わる光と闇 883 2 2016-03-09 -
42 60話 襲い来る巨悪、託された未来 800 2 2016-03-13 -
76 side恭治:スピードの向こうへ 890 4 2016-03-14 -
107 side風音:最強の兄妹 892 4 2016-03-17 -
116 side美愛:黒き野望の胎動 896 2 2016-03-19 -
116 side美愛:造られた存在 906 4 2016-03-23 -
68 side京子:守り抜くために 895 2 2016-03-26 -
92 61話 次元を超えた力 826 4 2016-03-28 -
63 side敦人:すべては彼のために 716 4 2016-03-29 -
107 62話 未来への希望 911 5 2016-03-31 -
48 63話 神を討て 873 0 2016-04-09 -
138 64話 すべてを砕く闇 1024 2 2016-04-13 -
75 65話 残された光 728 4 2016-04-21 -
101 66話 終焉を齎す者 913 4 2016-04-25 -
41 67話 破滅へ導く四騎士 898 4 2016-04-27 -
107 side京子:いろんな想い、一つの願い 975 4 2016-05-31 -
173 68話 闇を祓う希望の光 1655 4 2016-08-12 -

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