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HOME > 遊戯王SS一覧 > 24:開幕!チャリティーデュエル大会

24:開幕!チャリティーデュエル大会 作:ほーがん

第24話「開幕!チャリティーデュエル大会」



—大会当日。

「二人とも準備は出来たか?」
屋敷の扉の前。遊牙は振り向き言った。
「もう、遊牙は早すぎるの!女の子は色々準備が必要なんだから!」
部屋のドアから顔を出し、凛香はムスッとした顔をした。
「そうか、すまない。だが、早くしないと開会式が始まってしまう。」
遊牙は部屋に戻った凛香に言う。
「分かってるわよ!」
部屋の中から凛香の声が響く。遊牙は腕を組み、壁にもたれ掛かった。
しばらくして部屋のドアが開く。凛香は顔を出し、遊牙に声を掛けた。
「お待たせ、遊牙。ほら、ルナ!」
凛香に背中を押され部屋を出たルナ。その姿は普段のワンピースとは違い、髪をポニーテールに纏め、白いスカートと半袖のデニムジャケットを身につけた姿だった。
「あの・・・ど、どうかな、遊牙。」
照れたようにルナは下を向く。遊牙は微笑んだ。
「似合ってるよ、ルナ。デッキの準備は大丈夫か?」
ルナはショルダーバッグの中からD・ディスクを取り出し確認する。
「えっと・・・うん、大丈夫!」
凛香が横から口を開く。
「それじゃ、行きましょ。」
遊牙は頷いた。
「ああ。向こうでカケルも待ってる。」


パンフレットに記載された地図を見ながら遊牙達は歩く。周りを見渡しながら凛香は言った。
「この一週間で随分変わったわね・・・。建物も直り始めてるし、瓦礫も少なくなってる。」
遊牙は言った。
「それだけ、カケル達や街のみんなが頑張っている証拠だ。今度からは俺達も手伝うようにしよう。」
凛香は頷く。
「ええ、そうね。カケルばっかりに任せちゃ悪いもんね。」
隣を歩くルナは、遊牙の袖を引っ張り言った。
「ねぇ、遊牙。」
遊牙はルナの方を向く。
「どうした、ルナ?」
不安そうな顔でルナは言う。
「私、ちゃんとデュエルできるかな・・・。」
遊牙は笑って言った。
「大丈夫。この一週間の特訓でルナは随分上達した。むしろ、俺がルナにやられないか心配するくらいだ。」
その言葉にルナも笑った。
「本当に・・・?ありがとう遊牙。私、頑張る!」
二人の様子を後ろから見つめる凛香は、笑って溜め息をつく。
「全く本当に仲が良いわね、あんた達は。」


会場に着いた三人。すでに多くの人々が集まり賑わっていた。
「へぇ〜ちゃんと集まってるのね。やるじゃないカケル。」
関心するように凛香は呟く。
「当たり前だろ!告知の為に、ここ一週間街中を歩きに歩いたからな!」
三人の後ろから聞き慣れた声が聞こえる。振り向いたそこにはカケルの姿があった。
「カケル、お前も参加するのか?」
遊牙の問いに、カケルは得意げに笑う。
「もちろん!なんてったって、街の住人の全員参加がコンセプトだからな!スタッフも例外じゃないぜ!」
その時、カケルはD・ディスクの画面に表示された時計を見て言った。
「おっと、そろそろ開会式だ!じゃあ三人とも、また後でな!」
そう言うと、カケルはステージの裏へと走って行った。

それから数分後、開会を合図するブザーが鳴り、集まった人々のざわつきが静まる。
スポットライトが当てられ、二つの人影がステージに上がった。
「さぁ、大変長らくお待たせしました!これより、リチャード・ベン代表の実行委員会による、チャリティーデュエル大会を開催いたします!」
ステージの上、マイクを持ってそう言ったのは木嶋。その言葉に、人々から拍手と歓声が上がる。
「まずはルール説明をするわよ!このワタクシが一から教えてあげるんだから、心して聞きなさい!」
もう一人、ステージ上でマイクを持つのはマーナ。
「これから三日間、この街全域を舞台にバトルロイヤルデュエルを行うわ!」
それに続いて木嶋が口を開く。
「皆さんがあらかじめ登録されたデッキデータを元に、デュエリストIDを製作しました!相手を見つけデュエルして勝利すれば、そのIDに『D・ポイント』が加算されます!バトルロイヤル開始時に1人につき50ポイントが与えられます!」

「デュエルする時に、自分のD・ポイントを10ポイント区切りでいくつ賭けるかを宣言するの!賭けるポイントの数は自由だけど、なるべく相手の賭けたポイントと同じがいいわね。賭けるポイントをお互いが把握できたらデュエルスタートよ!」

「なお、一度対戦した相手とはもうデュエルできません!ただ、人数の制限はありませんので違う相手となら何回でもデュエルできます!D・ポイントが0になってしまった方は、残念ながらそこでリタイアとなります。」

「三日の内に沢山デュエルして、D・ポイントを集めるのよ!そうすれば、D・ポイントの多い上位16名が本選トーナメントに出場できるわ!」

木嶋は高らかに言った。
「さらに!今回はスペシャルゲストとして今話題のプロデュエリト、その甘いマスクで世の女性を魅了する、通称”雷撃の貴公子”『レイジ・ライラック』さんにお越し頂きました!!では、レイジさんステージへどうぞ!!」
その紹介と共に、白いスーツに身を包んだ金髪の男がステージへと上がる。その姿が見えた瞬間、観客の女性達の表情が変わる。
「やぁ、皆さん。紹介に預かりましたレイジ・ライラックです。この街の復興を願っての大切な大会に呼んで頂き、光栄です。」
女性陣から黄色い声が上がる。その声に応えるようにレイジはウインクを送った。
「きゃー!!レイジ様!!」
「かっこいいー!!」
その様子を横目で見ていた凛香は白けたような顔をする。
「これまた、ずいぶんキザな奴を呼んだわね・・・。」
遊牙の横で、ルナはムスッとした顔で呟く。
「・・・あんなのより、遊牙の方がかっこいいもん・・・。」
遊牙はルナの方を向き口を開いた。
「何か言ったか、ルナ?」
ルナは顔を赤くし、首をぶんぶん振った。
「はえっ!?ななな、何も言ってないよ!?」
遊牙は不思議そうに首をかしげる。ステージ上のレイジは言葉を続けた。
「僕は今から始まるバトルロイヤルに参加することはできませんが、本選トーナメントで皆さんを待っています。ぜひ勝ち上がって来てください。そして、僕と楽しいデュエルをしましょう!」
一礼するレイジ。黄色い声と拍手に送られ、レイジはステージを降りた。
「さぁ、いよいよチャリティーデュエル大会、第一幕『バトルロイヤル』の開幕よ!」
マーナの言葉に合わせ、木嶋は会場の外を指差す。
「フィールドは私達の街全て!デュエリストの皆さん、思いっきり楽しみましょう!それでは、バトルロイヤルスタート!!」

ファンファーレと共に、クラッカーが鳴る。人々は一斉に街へと飛び出した。
「さぁ、行こう。ルナ、凛香。」
遊牙の声に二人は頷く。
「ええ!」
「うん!」

スタッフの仕事を終え、カケルはステージ裏から顔を出した。
沢山の人々が街へと走り行く中、見覚えのある顔を見つけた。
「あ!ケンジ!やっぱり大会来てたんだな!」
走り寄るカケル。しかしその少年ケンジは下を向いたまま、カケルを無視するように人波の中へ紛れて行った。
「お、おい!・・・どうしたんだ、あいつ。なんかあったのかな?」
カケルは怪訝な顔で呟いた。


街へ出た遊牙と凛香、そしてルナ。周りでは早速多くの人々がデュエルを始めていた。

「俺は、《可変機獣 ガンナードラゴン》を召喚!」

「僕はこのカードを発動だ!」

「私は魔法カード《治療の神 ディアン・ケト》を発動!」

その様子を見たルナは感嘆を漏らす。
「お〜・・・。みんなデュエルしてる・・・。」
遊牙は足を止め、二人に言った。
「ここからは別々に行動した方がいい。固まっているより、散らばったほうが多くのデュエリストと会えるだろう。」
凛香も同調する。
「そうね。バトルロイヤルな以上、私達は敵同士ってことだし。」
その言葉に、ルナは不安そうに遊牙を見つめる。
「遊牙、敵になっちゃうの・・・?」
遊牙は微笑み言った。
「俺はいつでもルナの味方だ。」
すかさず凛香は遊牙の肩を叩く。
「いや、そういう意味じゃないから。三人で居るより、バラバラになった方が沢山デュエルできるってことでしょ。」
遊牙は頷いた。
「ああ。ルナ、一人で大丈夫か?」
ルナは大きく頷いた。
「大丈夫!私いっぱいデュエルして、いっぱい勝って来るから!」
遊牙はルナの両肩に手を置く。
「何かあったら、すぐ連絡してくれ。カケルが付けてくれたD・ディスクの連絡機能の使い方は分かるか?」
ルナはバックからD・ディスクを取り出し左腕にはめ込んだ。
「分かる!平気だよ、遊牙!」
心配そうに遊牙は言う。
「暗くなったら、ちゃんと屋敷に帰るんだぞ。」
横で凛香は呟く。
「もう、まるで保護者ね・・・。」
ルナはD・ディスクを構えて言った。
「もう大丈夫だよ!私頑張るから!」
遊牙も同じようにD・ディスクを構える。
「それじゃ、また屋敷で。お互い頑張ろう。」
目を合わせ、頷く三人。そしてそれぞれ別の方向へ歩き出した。


しばらく歩いた遊牙。周りを見渡すが、誰もがデュエルの最中でなかなか相手が見つからない。
「出遅れたか・・・。」
しかし、その時。
「待たれよ、少年。」
その声に遊牙が振り向く。そこには見覚えのある人物が立っていた。
「お前は、カゲロウ。」
その人物、カゲロウは笑って言った。
「先のノーンとの戦い、見事であったぞ少年。まさにあっぱれだな。」
遊牙は訊ねる。
「お前も参加するのか。」
カゲロウはニヤリと笑う。
「当然。某もこの街の住人だからな。しかし、この街の若者は手応えが無くて困った。」
そう言うとカゲロウは左腕のD・ディスクを見せた。
「150ポイント・・・。もう、そんなに倒したのか。」
カゲロウは口を大きく開けて笑う。
「はっは!全く、強すぎるのも困ったものだな!だが、某は一つ気にかかってな。」
カゲロウは、そのD・ディスクを構えて言った。
「少年。貴様との決着は引き分けに終わった・・・。改めて、ここで白黒つけようではないか。」
遊牙はフッと笑い、同じようにD・ディスクを構える。
「・・・そうだな。本当の決着をつけよう、カゲロウ!」
カゲロウは小さく呟く。
「やはりいい目をしている、少年。」
デュエルの前に遊牙は言う。
「ポイントはいくつ賭ける?」
カゲロウは笑った。
「某は100ポイントを賭けよう!」
遊牙は驚く。
「な、何!だが、俺はまだ50しかポイントを持っていない。」
焦る遊牙にカゲロウは言った。
「そうだな。では少年は10だけ賭けてくれ。」
その言葉に遊牙は困惑する。
「いいのか、そんな不公平な賭け方で。」
カゲロウはニヤリと笑い、静かに言う。
「このデュエルにはそれだけの価値がある。それに、この街に青空を取り戻してくれた礼もあるからな。」
遊牙は笑う。
「わかった・・・。全力で行かせてもらう!」
カゲロウも同じように笑う。
「楽しませてもらうぞ、少年!」


『デュエル!(LP4000 VS LP4000)』


先に動いたのはカゲロウ。

「では!某は手札から《剣激武者 カラタチ(☆4/風/戦士/1500・100)》を召喚!」

カゲロウの場に、炎に燃える刀を持つ武士が出現する。

「そして、装備魔法《剣激刀ーシジマ》を発動!《剣激武者 カラタチ》に装備する!」

炎の武士の手に新たな刀が与えられる。

「このカードを装備した「剣激武者」の攻撃力は600アップする!(ATK1500→2100)」

さらにカゲロウは手札のカードを取り出す。

「某はカードを1枚伏せ、ターンエンド!」



遊牙はデッキに手を伸ばした。

「得意のエクシーズ召喚は無しか・・・。俺のターン、ドロー!」

引いたカードを確認し、遊牙は頷く。

「俺は手札から《コープスナイト・ウェイス(☆4/闇/アンデット/1700・0)》を召喚!」

銀に輝く剣を携え、騎士がフィールドに現れる。

「さらに《コープスナイト・アリエル(☆2/闇/アンデット/チューナー/900・0)》を特殊召喚!このモンスターは自分のフィールドに「コープスナイト」が存在する場合、手札から特殊召喚できる!」

幼い少女の風貌をした騎士が、『ウェイス』の隣に並ぶ。

「俺はレベル4の《コープスナイト・ウェイス》にレベル2の《コープスナイト・アリエル》をチューニング!!」

光の輪となった『アリエル』は『ウェイス』の甲冑を包んで行く。


「闇の甲冑よ!勝利の剣をその手に抱きて、憚る敵を打ち払え!シンクロ召喚!現れろ!《コープスナイト・デッドシェリー(☆6/闇/アンデット/シンクロ/2200・1900)》!!」


鋭い長剣を振るい、姫騎士はフィールドに降り立った。

「ほう、早速のシンクロ召喚。いや、見事!」

カゲロウは関心して言う。遊牙は言葉を続けた。

「《コープスナイト・デッドシェリー》の効果発動!シンクロ召喚に成功した時、墓地の「コープスナイト」を手札に戻す!俺は《コープスナイト・アリエル》を手札に戻す!」

そして炎の武士を指差し、遊牙は言い放った。

「バトルだ!《コープスナイト・デッドシェリー》で《剣激武者 カラタチ》を攻撃!!」

姫騎士はフェンシングのように長剣を構え、武士に向かって飛び出した。長剣は武士の刀を砕き、その身を貫いた。

「ぐっ!!(LP4000→3900)この瞬間!《剣激武者 カラタチ》の効果発動!このモンスターが破壊された場合、デッキから新たな《剣激武者 カラタチ》を特殊召喚する!」

カゲロウの場に新たな炎の武士が出現した。

「さらに、《剣激刀ーシジマ》の効果も発動する!このカードが破壊された場合、手札・墓地から「剣激武者」1体を特殊召喚する!某は手札から《剣激武者 キッサキ(☆4/風/戦士/1100・1300)》を特殊召喚!」

鍔のない短刀を持ち唐笠を被った武士が、足を揃えてカゲロウの前に降り立つ。

「このターンのエンドフェイズに《コープスナイト・ウェイス》の効果を発動!デッキから《コープスナイト・メディ(☆4/闇/アンデット/1200・0)》を手札に加え、ターンエンド!」



「某のターン!いざ、ドロー!」

カゲロウは勢いよくカードを引いた。

「某は手札から《剣激武者 ゴコウ(☆4/風/戦士/1500・1500))》を特殊召喚!このカードは自分の場に「剣激武者」が2体以上存在する場合、手札から特殊召喚できる!」

矛を携えた大柄の武士が並び立つ。

「これでレベル4のモンスターが3体・・・。」

遊牙は身構える。カゲロウは高らかに言い放った。

「さて、参ろうか!某はレベル4の《剣激武者 カラタチ》《剣激武者 キッサキ》《剣激武者 ゴコウ》でオーバーレイ!!」

3体の武士は手を重ね、光の渦に包まれて行く。


「千の刃携えし鬼神よ!天下を治め、乱れし悪世に平安を齎さん!エクシーズ召喚!いざ出陣!《剣激鬼神 オニガミ(★4/風/戦士/エクシーズ/3000・3000)》!!」


長い角を持った赤い肌の鬼神は、何本もの刀を無数の腕に携え疾風を纏いながら大地を踏みしめた。

「攻撃力、3000・・・!!」

遊牙はたじろぐ。カゲロウは言った。

「これぞ、某の新たな切り札!さぁ、早速バトルと行こうか!《剣激鬼神 オニガミ》で《コープスナイト・デッドシェリー》を攻撃!!」

鬼神は大きく腕を振り、いくつもの刀を投げ飛ばした。

「くっ、《コープスナイト・デッドシェリー》の効果発動!1ターンに1度、自分フィールドの「コープスナイト」を攻撃した相手モンスター1体を除外できる!」

しかし、遊牙の声に合わせるようにカゲロウの場のカードが開く。

「ならば罠カード《見切り》を発動!このターン、自分の「剣激武者」は相手のモンスター効果を受けない!」

姫騎士の眼前に刀が迫り、その甲冑を砕いた。

「ぐっ・・・!!(LP4000→3200)」

カゲロウは言葉を続ける。

「《剣激鬼神 オニガミ》は攻撃後に、オーバーレイユニットを1つ取り除かなければならない。そして相手に戦闘ダメージを与えた場合、その攻撃力は500アップする!(ATK3000→3500)」

遊牙は鬼神に警戒の目を向ける。

「攻撃する度に攻撃力が上がって行くのか・・・厄介だな。」

カゲロウは笑って言う。

「某はカードを1枚伏せ、ターンエンド!さぁ、鬼神を超えられるか、少年よ!」



遊牙も笑って言った。

「超えられるかどうか、試してみようか!俺のターン!」

引いたカードを確認し、遊牙は笑う。そしてそのカードをそのまま、D・ディスクにセッティングした。

「俺は《コープスナイト・エリー(☆3/闇/アンデット/1000・0)》を召喚!この瞬間《コープスナイト・エリー》の効果発動!墓地から《コープスナイト・ウェイス》を特殊召喚する!」

遊牙の場に現れた少女の騎士は、短剣を投げ地面に穴を開けた。そして、その穴から仲間の騎士がつり上げられ復活する。

「さらに俺は《コープスナイト・アリエル》を特殊召喚!」

再び、遊牙の前に幼い騎士が現れる。

「行くぞ!俺はレベル4の《コープスナイト・ウェイス》にレベル3の《コープスナイト・エリー》をチューニング!」

飛び上がり光の輪となった『エリー』へ『ウェイス』が飛び込む。


「闇の甲冑よ!鋼の闘志をその身に宿し、敵を切り裂く騎士となれ!シンクロ召喚!現れろ!《コープスナイト・デッドジャック(☆7/闇/アンデット/シンクロ/2500・2000)》!!」


光を切り裂くように剣を振るい、闇の騎士はフィールドに舞い降りた。

「来たか、《コープスナイト・デッドジャック》よ!だが、攻撃力はこちらが上!どう対処する!?」

カゲロウの言葉に答えるように遊牙は言った。

「バトルだ!《コープスナイト・デッドジャック》で《剣激鬼神 オニガミ》を攻撃!そして、この瞬間手札の《コープスナイト・メディ》の効果発動!このカードを手札から墓地へ捨てる事で、攻撃する「コープスナイト」1体の攻撃をダメージステップ終了時まで1000アップする!!(ATK2500→3500)」

仲間の力を受けた闇の騎士の剣に、黒いオーラが宿る。しかしそれと同時にカゲロウの場にカードが表示された。

「相打ち覚悟か!しかし、某にも手はある!罠カード《鎌鼬殺法》を発動!」

罠カードが表示され、闇の騎士の動きが止まる。

「このカードは、自分の「剣激武者」が攻撃を受けた時に発動できる罠カード!その攻撃モンスター1体を破壊し、互いは元々の攻撃力分のダメージを受ける!そして、《剣激鬼神 オニガミ》は「剣激武者」として扱うことができる!」

闇の騎士は凄まじい竜巻に閉じ込められ、鎌鼬の斬撃に砕け散った。

「ぐぁああっ!!(LP3200→700)」

「ぬぅうう!!(LP3900→1400)」

両者は竜巻の余波にダメージを受ける。

「少年、これで貴様の目論見は崩れたようだな!」

カゲロウは笑う。しかし、遊牙もまた笑っていた。

「それはどうだろうな・・・!自分フィールドの「コープスナイト」が破壊されたターン、《コープスナイト・メディ》は墓地から守備表示で特殊召喚できる!」

遊牙の墓地からモンスターが膝を付き、復活する。

「壁を作ったつもりか!その程度では《剣激鬼神 オニガミ》の敵ではないぞ!」

だが、遊牙の目的は違った。

「俺は手札から《コープスナイト・ペルペッタ(☆7/闇/アンデット/0・2800)》の効果発動!このカードを手札から墓地に送ることで、バトルフェイズ中に自分フィールドの「コープスナイト」でシンクロ召喚を行う!」

カゲロウは驚愕する。

「な、なんだと!!」

遊牙は笑って言った。

「これが、俺が手に入れた新たな力だ!!レベル4の《コープスナイト・メディ》にレベル2の《コープスナイト・アリエル》をチューニング!!」

『アリエル』は2つの輪となり、『メディ』の体を包み込んで行く。


「闇の甲冑よ!その魂に炎を宿し、煌めく剣を掲げん!!信じる仲間よ、新たな姿へ進化せよ!!シンクロ召喚!!燃え滾れ!!《コープスナイトプライム・フレアウェイス(☆6/炎/アンデット/シンクロ/2100・0)》」


熱き魂は剣に炎を宿す。進化した仲間の姿はフィールドを照らし、新たな勝利を呼ぶ。

カゲロウは大口を開けて笑った。

「はっはっは!面白いではないか!!」

遊牙は言い放つ。

「《コープスナイトプライム・フレアウェイス》の効果!相手フィールドにエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターが存在する場合、このカードは相手に直接攻撃できる!!」

その言葉にカゲロウは驚く。

「ほほう!!少年、これが貴様の新たな力か!!」

遊牙は笑う。

「ああ、そうだ!これが俺の進化の証!!バトル!!《コープスナイトプライム・フレアウェイス》でダイレクトアタック!!」

炎の剣を持つ騎士は鬼神を飛び越え、その剣を構えた。


「『紅炎のプロミネンス・スライサー』!!!」


一気に加速する騎士。その炎は敵を断ち切る刃であり、味方を照らす光でもあった。

「はっはっは!!やはり貴様とのデュエルは面白いのう、少年!!(LP1400→0)」



『勝者:霧野遊牙』



ソリッドビジョンが消え、遊牙は倒れ込んだカゲロウに歩み寄った。カゲロウは笑って言う。
「はっはっは!某の負けだ!少年、潔く貴様の力を認めるとしよう!」
遊牙は言った。
「ありがとう。楽しいデュエルだった。だが、本当に100ポイントも貰っていいのか?」
カゲロウは立ち上がる。
「男に二言は許されん。ほれ。」
互いのD・ディスクのリーダーを合わせ、カゲロウは遊牙へ自らのポイントを送った。
「では、また会おうではないか少年!!はっはっは!!」
カゲロウは高笑いしながら、遊牙の前から去って行った。

遊牙は自分のD・ディスクの画面を見る。
「これで俺のD・ポイントは150・・・。他のみんなはどうしてるだろうか。」
新たな相手を探しに遊牙は歩き出した。




一方、同じ頃。ルナは。

「あの〜、えと、その、デュエル・・・してくれますか?」

突然後ろから声を掛けられたルナは、ビクッとして振り向いた。

「あっ、えと・・・デュエルできます・・・よね?」

そのか細い声の主は、髪の長い小さな女の子だった。

「う、うん出来るよ!」

戸惑いながらもルナは返答する。その答えに女の子は小さく笑った。

「じ、じゃあ、デュエルしましょう。ふ、ふふふ・・・。」





次回第25話「ルナ、デュエルします!」

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ギガプラント
カゲロウさん格好良いなぁ…。
レイジさんは超強敵か超かませかの2択の未来しか見えない今日この頃…。

次回のサブタイトルがなんだかとってもかわいい。 (2015-06-24 15:01)
ター坊
あーもう。ルナちゃんの動作がイチイチ可愛いなぁ。
…バトル中にシンクロ召喚、格好いい演出ですよね(急に真面目なトーンで)。カゲロウとの決着も燃えましたぞ。 (2015-06-24 15:55)
ほーがん
コメントありがとうございます。
>ギガプラントさん
レイジさんはどうでしょうね・・・。活躍するんでしょうか?レイジと言えば、書いた後に赤馬社長と名前が被ってることに気づきました。
次回はルナが頑張ります。読んでいただけたら嬉しいです。

>ター坊さん
今までちゃんと出て来なかった分、ルナは出番を増やすつもりです。ルナは基本、遊牙スキーなので、そこ絡みの話で1話書きたいなーとは思ってます。バトル中にシンクロして追撃、現実でも緊急同調などで決めると気持ちいいコンボですよね。

お二方コメントありがとうございました。 (2015-06-25 06:21)

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