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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第二幕 成り損ないのヒーロー

第二幕 成り損ないのヒーロー 作:名無しのゴーレム


「……もしもし、姉さんか。どうかした?」
『どうかしたか? じゃないわよ! 彩葉ちゃん、もう寝ちゃったわよ!』
「ごめん。今、少し話をしてて……」
『そんなことどうでもいいの! 彩葉ちゃん、あんたにお疲れ様って言いたいからって、今まで起きてたのよ!』
「……そう、だったのか。」
『……いい? 今日はここに泊めてもらうから。帰ってきたら説教の続きだからね!』
「……分かった。それじゃあ。」


「……よろしかったので? ご家族からの電話なのでは?」
「気にしないでください。……それでは、話の続きを。」
「はい、承知しました。……これが、貴方に使って頂きたいカードになります。」


男性が差し出したカード、そこには今までになかった、2色で描かれた枠を持ったものだった。


「……これは?」
「我々はペンデュラムカードと呼んでいます。新たな召喚法、ペンデュラム召喚に必要なカードとなります。」
「ペンデュラム召喚?」
「はい。詳しい説明はこちらを。」


「…………なるほど、一度に複数のモンスターを展開できる、それがペンデュラム召喚ですか。」
「さすが、理解が早くて助かります。では、実際に使って見てくれませんか? 対戦相手はこちらで用意いたしますので。」
「分かりました。」




「それではテストを始めます。何か質問は?」
「ありません。始めましょう。」
「はい、それではさっそく……」


「「デュエル!!」」


研究員A LP4000 手札5枚
拓人 LP4000 手札5枚


「それでは私のターン。私は手札からメンタルプロテクターを召喚。手札から速攻魔法、緊急テレポートを発動。デッキからクレボンスを特殊召喚。私はレベル3のメンタルプロテクターにレベル2のクレボンスをチューニング! シンクロ召喚! レベル5、マジカル・アンドロイド。カードを2枚セットして、ターンエンド。マジカル・アンドロイドの効果でライフを600ポイント回復します。」

研究員A LP4000→4600



研究員A LP4600 手札1枚 マジカル・アンドロイド 伏せカード2枚
拓人 LP4000 手札5枚


「俺のターン、ドロー。」

(……えっと、ペンデュラム召喚にはペンデュラムカードが2枚必要なんだよな……)


今の手札なら……これか。


「俺はスケール8の時詠みの魔術師とスケール3の慧眼の魔術師で、ペンデュラムスケールをセッティング。」


これでレベル4から7のモンスターのペンデュラム召喚が可能。だが……


「慧眼の魔術師のペンデュラム効果発動。このカードを破壊して、デッキからスケール1の星詠みの魔術師をペンデュラムスケールにセット。破壊されたペンデュラムカードは墓地ではなくエクストラデッキに送られる……ですよね?」
「ええ。そしてペンデュラム召喚の際に手札のモンスターと共に特殊召喚することが出来ます。」
「……ペンデュラム召喚! 来い、慧眼の魔術師、閃光の騎士!」


「……召喚エネルギー安定。成功です!」
「よし! さあ、続けてください。」

(……おいおい、まだ試作品なのかよ。)

「俺はカード1枚セット。これでターンエンド。」


研究員A LP4600 手札1枚 マジカル・アンドロイド 伏せカード2枚
拓人 LP4000 手札2枚 ペンデュラムゾーン 星詠みの魔術師、時詠みの魔術師 モンスターゾーン 慧眼の魔術師(表側守備表示)、閃光の騎士(表側守備表示) 伏せカード1枚


「私のターン、ドロー。私は手札からサイコ・コマンダーを召喚。私は……」
「リバースカードオープン! 通常罠、激流葬! 場のモンスターすべてを破壊する。」


激流に押し流され、すべてのモンスターが消えていく。


「これで場のモンスターは全滅。でも……」
「ペンデュラムカードはエクストラデッキに送られ、次のターンになれば再びペンデュラム召喚できる。なかなか便利なカードですね。」
「まさか、いきなりここまでペンデュラムカードを使いこなすとは……リバースカードオープン。通常罠、サイコ・チャージ発動。墓地のクレボンス、サイコ・コマンダー、メンタルプロテクターをデッキに戻してカードを2枚ドローします。カードを1枚セットして、ターンエンド。」


研究員A LP4600 手札2枚 伏せカード2枚
拓人 LP4000 手札2枚 ペンデュラムゾーン 星詠みの魔術師、時詠みの魔術師


「俺のターン、ドロー。再びペンデュラム召喚! 来い、慧眼の魔術師、閃光の騎士! そのまま2体でダイレクトアタック! 」
「リバースカードオープン。永続罠、サイコ・チューン。墓地のマジカル・アンドロイドをチューナーとして特殊召喚。」
「……バトル中止。カードを1枚セットして、ターンエンド。」


研究員A LP4600 手札2枚 マジカル・アンドロイド サイコ・チューン(マジカル・アンドロイド指定) 伏せカード1枚
拓人 LP4000 手札2枚 ペンデュラムゾーン 星詠みの魔術師、時詠みの魔術師 モンスターゾーン 慧眼の魔術師、閃光の騎士 伏せカード1枚


「私のターン、ドロー。手札からテレキアタッカーを召喚。私はレベル4のテレキアタッカーにレベル5のマジカル・アンドロイドをチューニング! シンクロ召喚! レベル9、ハイパーサイコガンナー。マジカル・アンドロイドが場を離れたことにより、サイコ・チューンの効果で2000ポイントのダメージを受けます。ぐうっ……」

研究員A LP4600→2600

「そして手札から装備魔法、サイコ・ソードをハイパーサイコガンナーに装備。サイコ・ソードを装備したサイキック族モンスターの攻撃力は、私と貴方のライフの差だけアップする。ライフの差は1400。よってハイパーサイコガンナーの攻撃力を1400ポイントアップ。」

ハイパーサイコガンナー 攻撃力3000→4400

「さらにリバースカードオープン。通常罠、バトル・テレポーテーション発動。私の場にサイキック族モンスター1体のみの場合発動でき、そのモンスターはこのターン、ダイレクトアタック出来ます。」


攻撃力4400のハイパーサイコガンナーのダイレクトアタック……このターンで決める気か。


「バトル! ハイパーサイコガンナーでダイレクトアタック!」
「リバースカードオープン! 速攻魔法、収縮! ハイパーサイコガンナーの元々の攻撃力を半分にする!」

ハイパーサイコガンナー 攻撃力4400→2900

拓人 LP4000→1100

「……私のライフが上回ったことにより、サイコ・ソードによって上昇していたハイパーサイコガンナーの攻撃力は元に戻ります。」

ハイパーサイコガンナー 攻撃力2900→1500

「サイコ・チューンの効果を受けたモンスターはターン終了時にコントロールが相手に移ります。しかし、場を離れてしまえば関係ない。手札から速攻魔法、神秘の中華なべ発動。ハイパーサイコガンナーをリリースして、ライフを3000ポイント回復します。私はこれでターンエンド。」

研究員A LP2600→5600


研究員A LP5600 手札0枚
拓人 LP4000 手札2枚 ペンデュラムゾーン 星詠みの魔術師、時詠みの魔術師 モンスターゾーン 慧眼の魔術師、閃光の騎士


……相手の場、手札、共に0。すでに大勢は決しているが……


「俺のターン、ドロー。俺は慧眼の魔術師、閃光の騎士をリリースして、エンジェルO7をアドバンス召喚! そして再びペンデュラム召喚! 来い、慧眼の魔術師、閃光の騎士! 手札から装備魔法、団結の力をエンジェルO7に装備! エンジェルO7の攻撃力を2400ポイントアップ!」

エンジェルO7 攻撃力2500→4900

「バトル! 3体のモンスターでダイレクトアタック!」
「うわぁぁぁ!!」

研究員A LP5600→0




「……さすがですね。我々の見込みを遥かに超えた結果でした。本当に、貴方に依頼して良かった。」
「そう言って頂けると幸いです。……ところで、どうして俺に? 折角の未知の召喚法ならば、チャンピオンの竜見 義暁に頼めば良かったのでは?」
「それは……少々、失礼な話になりますが……」
「構いません。続けてください。」
「……なら。我々としては、チャンピオンがこのカードたちを使って勝っても、それは順当なもので大きな宣伝効果にはならないと判断しました。だから……」
「なるほど。俺がペンデュラム召喚を使いチャンピオンを倒すことで、最高の宣伝になる……そう考えた訳ですか。」
「……はい。どうでしょう、引き受けて頂けますか?」
「……質問ですが、このデッキ、少し弄っても?」
「もちろん。我々は貴方にペンデュラム召喚の更なる可能性を見つけてもらいたい。今後のペンデュラムカードの普及のために、出来るだけ多くの、様々なデュエルデータを送って頂きたい。そして定期的に我々のところに意見を送ってもらう。これが依頼内容です。」
「分かりました。その依頼、引き受けましょう。」
「はい、ありがとうございます!」



(……はぁ。デッキの調整に手間取ったな。こんな時間じゃどこの店も閉まってるか。彩葉にお土産をと思ったんだが……)


仕方ない、今度遊園地にでも連れていってやるか。そんなことを考えながら歩いていると、いつの間にか家の前まで辿り着いていた。……ん? あそこに居るのは……?


「君、家に何か用かい?」


うちの家の前に1人の少女が立っていた。年は……彩葉と同じくらいだろうか。


「……ああ、あなたの家でしたか。すみません、ここに女の子が居ますよね?」
「彩葉のことかい? もう寝てると思うけど……こんな時間に用事でも?」


もう日付もとっくに変わっている。こんな時間に訪ねてくるのはあまりにも怪しい。それに……


(……なんだ? この、言い様の無い違和感は? 目の前のコイツは、一体何者だ?)


「ふぅん、彩葉ちゃんって言うんだ……彩葉ちゃんをここに連れてきてくれませんか?」
「それは出来ないな。……お前、誰だ?」
「……もうバレちゃったかぁ。じゃあ、力尽くで行くしかないかな。」
「させると、思ってんのか。」
「はぁ、分かったよ。ならデュエルしよう。あなたが勝ったら私は帰るよ。それでいい?」
「……お前が勝っても、ここを通すつもりはないぞ。」
「だろうね。時間も時間だし、さっそく始めようよ。」
「……いいだろう。」


この得体の知れない少女とのデュエルに、正直不安もあったが……


(間違いない。コイツはヤバイ。絶対に、こんな奴を彩葉に近づける訳にはいかない。)


その思いが、この時の俺を強く動かしていた。



「「デュエル!!」」


拓人 LP4000 手札5枚
少女 LP4000 手札5枚


「俺のターン! 俺は手札からスケール1の星詠みの魔術師とスケール8の時詠みの魔術師でペンデュラムスケールをセッティング! ペンデュラム召喚! 来い、マンドラゴン!」
「……ペンデュラム召喚。もう完成していたんだ。」
「何? お前、ペンデュラム召喚を知っているのか?」
「知ってるも何も、ねぇ……続けてよ。」
「……これでターンエンド。」


拓人 LP4000 手札2枚 ペンデュラムゾーン 星詠みの魔術師、時詠みの魔術師 モンスターゾーン マンドラゴン
少女 LP4000 手札5枚


「私のターン、ドロー。手札からペンデュラムモンスター、DD魔導賢者ケプラーを召喚。ケプラーの効果発動。デッキから魔神王の契約書を手札に加えるね。永続魔法、魔神王の契約書発動。効果発動。手札のDDリリスとフィールドのケプラーを融合。異次元の悪魔たちよ、今時空の渦で王へと至れ! 融合召喚! DDD神託王ダルク!」
「攻撃力……2800。」


さらに、ペンデュラムモンスターを使った融合まで……


「バトル! ダルクでマンドラゴンを攻撃!」

拓人 LP4000→3700

「くっ……これは、実際の衝撃、だと?」


プロ同士のデュエルなら、たまにそういった設備を使用したデュエルもあるが……そんなもの、ここにあるはずがない。これも、コイツの仕業か。


「カードを1枚セットして、ターンエンド。」


拓人 LP3700 手札2枚 ペンデュラムゾーン 星詠みの魔術師、時詠みの魔術師
少女 LP4000 手札3枚 DDD神託王ダルク 魔神王の契約書 伏せカード1枚


「俺のターン、ドロー! 再びペンデュラム召喚! 来い、マンドラゴン、ダーク・リゾネーター! 俺はレベル5のマンドラゴンにレベル3のダーク・リゾネーターをチューニング! 正義を貫く鉄拳よ、邪悪を粉砕せよ! シンクロ召喚! ギガンテック・ファイター!」
「へぇ……もうペンデュラムシンクロを使えるんだ。やるじゃん。」
「何様のつもりだ。バトル! ギガンテック・ファイターでダルクを攻撃!」


ギガンテック・ファイターの拳とダルクの剣が交わり、両者が破壊された。


「この瞬間、ギガンテック・ファイターの効果発動! 墓地のギガンテック・ファイターを特殊召喚する。行け、ギガンテック・ファイター!」

少女 LP4000→1200

「ぐうっ、これはキツイかな……」
「カードを1枚セットして、ターンエンドだ。」


拓人 LP3700 手札1枚 ペンデュラムゾーン 星詠みの魔術師、時詠みの魔術師 モンスターゾーン ギガンテック・ファイター 伏せカード1枚
少女 LP1200 手札3枚 魔神王の契約書 伏せカード1枚


「私のターン、ドロー。魔神王の契約書の効果発動。1000ポイントのダメージを受ける。」

少女 LP1200→200

「手札から永続魔法、地獄門の契約書発動。効果発動。デッキからDD魔導賢者ガリレイを手札に加える。魔神王の契約書の効果発動。手札のDDD壊薙王アビス・ラグナロクとDDケルベロスを融合! 炎を宿す異次元の王よ、我が前に姿を見せよ! 融合召喚! DDD烈火王テムジン! リバースカードオープン。通常罠、契約洗浄。私の場の契約書を破壊して、その枚数×1000ポイント回復して、カードを2枚ドローする。2000ポイント回復して、カードを2枚ドロー。」

少女 LP200→2200

「手札からDDナイト・ハウリングを召喚。ナイト・ハウリングの効果発動。墓地のDDリリスを特殊召喚。DDリリスの効果発動。エクストラデッキのケプラーを手札に加える。私はレベル4のDDリリスにレベル3のDDナイト・ハウリングをチューニング! 風を宿す異次元の王よ、我が前に姿を見せよ! シンクロ召喚! DDD疾風王アレクサンダー!」


融合召喚に続けてシンクロ召喚まで……だが、2体ともギガンテック・ファイターの攻撃力には及ばない。


「テムジンの効果発動! 私の場にDDが特殊召喚されたことにより、墓地のDDリリスを特殊召喚。アレクサンダーの効果発動。私の場にDDが特殊召喚されたことにより、墓地のDDケルベロスを特殊召喚。私はレベル4のDDリリスとDDケルベロスでオーバーレイネットワークを構築。水流を宿す異次元の王よ、我が前に姿を見せよ! エクシーズ召喚! DDD怒濤王シーザー!」
「おいおい、エクシーズ召喚までかよ……」
「まだ終わらないよ。私はDDD怒濤王シーザーでオーバーレイネットワークを再構築! 至高の射手よ、我が前に姿を見せよ! エクシーズ召喚! DDD狙撃王テル! テルの効果発動。オーバーレイユニットを1つ取り除いて、ギガンテック・ファイターの攻撃力を1000ポイントダウンさせて、相手に1000ポイントのダメージを与える。私はギガンテック・ファイターを選択。」

ギガンテック・ファイター 攻撃力2800→1800

拓人 LP3700→2700

「バトル。アレクサンダーでギガンテック・ファイターを攻撃。」

拓人 LP2700→2000

「ギガンテック・ファイターの効果発動! ギガンテック・ファイターを特殊召喚する!」
「私はカードを1枚セットしてターンエンド。」


拓人 LP3700 手札1枚 ペンデュラムゾーン 星詠みの魔術師、時詠みの魔術師 モンスターゾーン ギガンテック・ファイター 伏せカード1枚
少女 LP1200 手札2枚 DDD烈火王テムジン(表側守備表示)、DDD疾風王アレクサンダー、DDD狙撃王テル(表側守備表示) 伏せカード1枚


……キツイな。いくらギガンテック・ファイターが戦闘破壊に強いと言っても、効果で破壊されればひとたまりもない。早く、より強力な布陣を整えなければ……


「俺のターン、ドロー! リバースカードオープン! 永続罠、練成する振動! 効果でペンデュラムゾーンの星詠みの魔術師を破壊して1枚ドローする。俺はスケール2の法眼の魔術師をペンデュラムスケールにセット。ペンデュラム召喚!来い、マンドラゴン、星詠みの魔術師!」
「一気に2体のモンスターを……」
「それだけじゃない。さっきペンデュラムシンクロとか言ってたな。なら今度はペンデュラムエクシーズだ! 俺はレベル5のマンドラゴンと星詠みの魔術師でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築! 最古の守護者よ、今こそその力を解き放て! エクシーズ召喚! 始祖の守護者ティラス!」
「……」
「バトルだ! ティラスでテムジンを攻撃! さらにギガンテック・ファイターでアレクサンダーを攻撃!」

少女 LP2200→1900

「バトル終了。ティラスの効果発動! テルを破壊する!」


俺の猛攻で、ようやく相手のモンスターを全滅させることが出来た。


「テルの効果発動。デッキからDDD死偉王ヘル・アーマゲドンを墓地に送る。」
「俺はこれでターンエンド。ティラスのオーバーレイユニットを1つ取り除く。」


拓人 LP3700 手札1枚 ペンデュラムゾーン 法眼の魔術師、時詠みの魔術師 モンスターゾーン ギガンテック・ファイター、始祖の守護者ティラス 練成する振動
少女 LP1900 手札2枚 伏せカード1枚


「私のターン……の前にリバースカードオープン。通常罠、DDDの人事権。墓地のDDナイト・ハウリング、DDD烈火王テムジン、DDD疾風王アレクサンダーをデッキに戻し、デッキからDDナイト・ハウリング、DDD死偉王ヘル・アーマゲドンを手札に加える。……さぁて、見せてあげるよ。本当のペンデュラム召喚を。」
「本当の……ペンデュラム召喚だと?」


少女が発する違和感が強くなっていく。だんだんと、今まで経験したことがないものにまで。


「改めて、私のターン、ドロー。手札からDDナイト・ハウリングを召喚。ナイト・ハウリングの効果で墓地のDDリリスを特殊召喚。リリスの効果で墓地のDDD壊薙王アビス・ラグナロクを手札に加える。レベル4のDDリリスにレベル3のDDナイト・ハウリングをチューニング! 風を宿す異次元の王よ、再び我が前に姿を見せよ! シンクロ召喚! DDD疾風王アレクサンダー!」
「……再びシンクロ召喚か。」
「……行くよ。私はスケール1のDD魔導賢者ガリレイとスケール10のDD魔導賢者ケプラーでペンデュラムスケールをセッティング。ペンデュラム召喚! 現れろ、DDD死偉王ヘル・アーマゲドン、DDD壊薙王アビス・ラグナロク!」


レベル8のモンスターを2体も……これが、本来のペンデュラム召喚なのか……?


「アビス・ラグナロクの効果発動! このモンスターの特殊召喚に成功したとき、墓地のDDD1体を特殊召喚できる。私はDDD死偉王ヘル・アーマゲドンを特殊召喚! さらにアレクサンダーの効果発動! 墓地のDDD神託王ダルクを特殊召喚!」
「う、嘘だろ……?」


あっという間に場には最上級モンスターが5体。こんなの、プロのデュエルでも見たことがない。


「そろそろ終わりにしようか。アビス・ラグナロクの効果発動! アレクサンダーをリリースして、ギガンテック・ファイターを除外する! バトル! ヘル・アーマゲドンでティラスを攻撃!」

拓人 LP3700→3300

「ううっ、クソッ……」


……これで、俺を守るカードは無くなった。


「……さようなら。神託王ダルク、死偉王ヘル・アーマゲドンでダイレクトアタック!」
「うわぁぁぁ!!」

拓人 LP3300→0



最後の攻撃で、俺は近くの家の塀にまで吹き飛ばされた。そんな俺を一瞥して、少女は歩みを進める。


「ぐ、ま、待て……」
「待たないよ。全く、少しは期待してたんだけどなぁ……」


少女は心底失望したような目を向ける。……ぐっ、ダメだ。まだ倒れるわけには……


「まあ、確認とちょっとした暇潰しにはなったかな。バイバイ、おじさん。」
「あ、あや、は……」



――その言葉を最後に、俺の意識は完全に途絶えた。
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ター坊
ペンデュラム召喚開発の裏側と謎のDDD使いの少女。赤馬社長より使いこなしてるような? (2015-06-23 22:08)
ギガプラント
方やDD方や魔術師(ちょっとだけ)…ARC-Vを彷彿とさせる戦いですね (2015-06-23 23:00)
名無しのゴーレム
ター坊さん、コメントありがとうございます。
この物語ではペンデュラム召喚は最近見つけられ、未だに研究中のものとなっています。そのテスターとして選ばれたのが拓人です。
そしてその拓人を完膚なきまでにボコボコにした少女。彼女の謎はいずれ明らかに……できるといいのですが(笑)。 (2015-06-23 23:20)
名無しのゴーレム
ギガプラントさん、コメントありがとうございます。
一番ベーシックなペンデュラムデッキはなんだろうと思った結果魔術師に、敵役っぽいペンデュラムデッキと言えば……という風に決まりました。拓人の魔術師デッキは未完成。これからさらに進化していきます。 (2015-06-23 23:25)

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