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HOME > 遊戯王SS一覧 > 23:意地の張り合い!昆虫レース開幕?

23:意地の張り合い!昆虫レース開幕? 作:ほーがん

第23話「意地の張り合い!昆虫レース開幕?」



チャリティーデュエル大会を前に、リチャードを代表とする実行委員会はその大会の為に準備を行っていた。

「・・・っし。これでオッケーだな。」
大会のプログラムを示したパネルのボルトを締め終わり、木嶋は額の汗を拭った。
「おーい、リチャード。パネルの設置終わったぞ。」
機材を運んでいたリチャードは木嶋の方へ向く。
「おお、木嶋ご苦労だったな・・・っておい!!」
機材を地面に置き、リチャードは木嶋に詰め寄った。
「お前!どこにパネル置いてんだよ!!」
リチャードの剣幕に木嶋は怪訝な顔をする。
「なんだよ。言われた通りやってんだろうが。」
木嶋の言葉に、リチャードは呆れた顔をする。
「あのなぁ、メインステージの前にこんなデカいパネル置いたらステージが見えねぇだろうが!」
ムッとした顔で木嶋は言い返す。
「こういうのは目立つ場所に設置するのがセオリーなんだよ。」
透かさずリチャードも言葉を返す。
「ステージより目立ってどうするんだよ!!」
木嶋はボソッと呟く。
「なんだよ。大体、お前が手伝ってくれって頼んで来たんだろ。パネルの位置ぐらい好きにさせろよな。」
とうとう頭に来たのか、リチャードは怒鳴った。
「好きにするにも限度があんだろうが!!いいから、さっさとこれを退けろ!!」
リチャードの声量に負けない声で木嶋も言う。
「ここが一番いいんだよ!!お前こそ分かってねぇな!!」
そのやり取りに気づいたカケルが二人に近づく。
「おーい、二人で何言い合ってんだよ?」
リチャードは声を荒げた。
「だーかーら!!そのパネルはこっちに置くって言ってんだろ!!」
木嶋も同じように怒鳴る。
「いいんだよこれで!ババーンと前に置いた方がかっこいいだろ!?」
カケルは二人の間に割って入る。
「お、おいおい。二人とも、これじゃあ作業が進まないぜ。」
リチャードはD・ディスクを構え言い放つ。
「こうなったら、デュエルで決めようか!!それだったら文句ねぇだろ!!」
それに応えるように木嶋もD・ディスクを構えた。
「ああ、良いぜ!叩きのめしてやるよ!!」
その様子にカケルは溜め息を付く。
「はぁ〜。なんでこうなるんだよ・・・。」

パネルの前に立つ二人。リチャードは言った。
「俺が勝ったら、このパネルは退かしてもらうからな。」
木嶋も対抗するように言う。
「じゃあ、俺が勝ったらパネルはこのままだぞ!」
睨み合う二人。それを見つめるカケル。
「本当にデュエルで決めんのかよ・・・。」


『デュエル!!(LP4000 VS LP4000)』


先に口を開いたのはリチャードだった。

「目にもの見せてやるぜ!俺はスケール1の《スピードレーサー・ロケットエース(☆4/炎/機械/ペンデュラム/2000・0)》とスケール6の《スピードレーサー・ストリートドリフター(☆4/地/機械/ペンデュラム/1200・0)》でペンデュラムスケールをセッティング!」

ジェットエンジンを積んだ速度記録車両と、暴走族のような改造の施されたスポーツカーがリチャードのフィールドを挟むように浮かび上がる。

「これでレベル2から5までのモンスターが同時に召喚可能!ペンデュラム召喚!まずはスタートダッシュだ!《スピードレーサー・トラックブースター(☆4/地/機械/1800・0)》」

レース用の改造が施されたトレーラーヘッドが、白煙を上げリチャードの前に出現する。

「へっ、お得意のペンデュラム召喚か・・・。」

木嶋は呟き、浮かぶ2体のモンスターを見上げた。

「この瞬間《スピードレーサー・トラックブースター》の効果発動!このカードがペンデュラム召喚に成功した時、デッキからレベル4の「スピードレーサー」を効果を無効にして特殊召喚できる!俺はデッキから《スピードレーサー・バーニングプロトタイプ(☆4/炎/機械/1600・0)》を特殊召喚!!」

炎に燃えるホイールを付けたレースカーが、爆音と共に現れる。

「言ってとくが、俺は容赦しねぇからな!レベル4の《スピードレーサー・トラックブースター》と《スピードレーサー・バーニングプロトタイプ》でオーバーレイ!」

2台のレースカーは光の渦へ飛び込む。

「速度の限界に挑む孤高の王者よ!追う者を振り切り、頂点へ駆け抜けろ!エクシーズ召喚!」

そして、リチャードのD・ディスクのエクストラデッキからカードが迫り出した。

「突っ走れ!《スピードレーサー・ターボストラトス(★4/地/機械/エクシーズ/2600・0)》!!」

白いボディに緑と赤のライン。そのレースカーは凄まじいスピードでフィールドを駆け巡った。

「《スピードレーサー・ターボストラトス》の効果発動!1ターンに1度オーバーレイユニットを1つ使う事で、デッキから「スピードレーサー」と名の付く魔法・罠カードを1枚手札に加える!この効果で、俺は魔法カード《スピードレーサーズ・ライトニングサーキット》を手札に加えるぜ!」

デッキから迫り出したカードをリチャードは手札に加えた。

「ただし、この効果で手札に加えたカードはこのターン発動できない。カードを1枚セットして、ターンエンドだ!」



ターンが木嶋へ回る。木嶋は真剣な顔で言った。

「あのパネルは絶対退けさせねぇ・・・!!俺のターン!」

カケルは心の中で思う。

「(そんなに大事なのか、パネルの位置が・・・?)」


カード引いた木嶋はニヤリと笑う。

「フッ、良い引きだ・・・!!俺のフィールドにカードが無い場合、手札から《ネオバグ・2(☆5/地/昆虫/2000・1900)》を特殊召喚できる!」

4つの大アゴを備えた昆虫型生命体が、大きな頭を振るいながら現れた。

「そして特殊召喚に成功した《ネオバグ・2》の効果発動!デッキから《ネオバグ(☆4/地/昆虫/1800・1700)》を特殊召喚するぜ!」

羽音をたて、木嶋の前に《ネオバグ》が降り立った。

「さらに!自分のフィールドに昆虫族モンスターが2体以上存在する場合、手札から《クローラークローラー(☆2/地/昆虫/チューナー/500・500)》を特殊召喚できる!」

無限軌道の体を持つ幼虫が、地を這い他の昆虫に並ぶ。

「まだまだ!俺は2体目の《ネオバグ》を通常召喚だ!」

そして、木嶋は高らかに言い放つ。

「エクシーズはお前だけの物じゃねぇ!俺はレベル4の《ネオバグ》2体でオーバーレイ!」

同じ姿をした2体の昆虫型生命体は、光の渦へ飛び込んだ。


「森林のハンターよ!照準を引き絞り、獲物を撃ち抜け!エクシーズ召喚!現れろ!《アサルトショット・マンティス(★4/炎/昆虫/エクシーズ/2200・1300)》!!」


両前足の鎌に機銃を備えた巨大なカマキリは、その銃身を輝かせながら地面を震わせた。

「まだ終わらねぇぞ!続いてレベル5の《ネオバグ・2》にレベル2の《クローラークローラー》をチューニング!!」

光の輪となった幼虫は、巨大な昆虫型生命体を包み込んで行く。


「高高度より放たれし炎の鉄槌よ!蔓延る敵を焼き尽くせ!シンクロ召喚!飛び立て!《重爆撃蜻蛉虫 メガネウランカスター(☆7/炎/昆虫/シンクロ/2100・2600)》!!」


爆撃機のような姿をした巨大な蜻蛉。2対のプロペラを回し、轟音と共に木嶋の前へ舞い降りた。

「エクシーズの次はシンクロ・・・さすがと言った所だな木嶋ぁ!!」

リチャードは笑いながら言う。

「ふん!《重爆撃蜻蛉虫 メガネウランカスター》の効果発動!このカードのシンクロ召喚に成功した時、相手フィールドのモンスター全ての攻撃力を400ダウンする!!」

蜻蛉は高く飛び上がると、レースカーに向かって機銃を掃射した。

「くっ!俺のターボストラトスが・・・!(ATK2600→2200)」

木嶋は得意げに言い放つ。

「さらに俺は《アサルトショット・マンティス》の効果も発動!オーバーレイユニットを1つ使う事で、自分フィールドの昆虫族モンスターの攻撃力は800アップする!!」

《重爆撃蜻蛉虫 メガネウランカスター》(ATK2100→2900)
《アサルトショット・マンティス》(ATK2200→3000)

仲間の力を受け昆虫達の攻撃力が上昇する。

「さぁ、バトルだぁ!!《重爆撃蜻蛉虫 メガネウランカスター》で《スピードレーサー・ターボストラトス》を攻撃!!『バスター・フレイム・カーペット』!!」

蜻蛉はその身に格納された無数の爆弾を投下する。それに反応しリチャードは口を開いた。

「俺はリバースカードを発動!罠カード《スピードレーサーズ・イエローフラッグ》!自分フィールドの「スピードレーサー」はこのターン1度だけ戦闘では破壊されない!」

しかし、木嶋は食い気味に言った。

「だが、ダメージは受けてもらう!!」

投下された爆弾による爆風で、リチャードはダメージを受けた。

「ちっ!!(LP4000→3300)」

木嶋は畳み掛けるように言う。

「この瞬間、《重爆撃蜻蛉虫 メガネウランカスター》の効果発動!相手に戦闘ダメージを与えた場合、相手フィールドのカード2枚と対象とし、そのカードを破壊する!!」

リチャードはわずかな笑みを浮かべて言う。

「へっ、オーバーレイユニットを持つ《スピードレーサー・ターボストラトス》は効果の対象にならない!」

だが、木嶋の狙いはそこではなかった。

「俺が破壊するのは、お前のペンデュラムスケールの2枚だぁ!!」

蜻蛉は狙いを定め、ミサイルを発射する。そのミサイルが命中し、2枚のペンデュラムカードは破壊された。

「ぐっ!だが、《スピードレーサーズ・イエローフラッグ》を発動したターン、自分が戦闘ダメージを受ける度に、俺はデッキから1枚ドローできる!」

カードを引くリチャード。そして木嶋に向かって言う。

「お前が攻撃すれば俺はまたドローできる!さぁ、どうする木嶋!!」

木嶋は笑う。

「構わねぇ!《アサルトショット・マンティス》で《スピードレーサー・ターボストラトス》を攻撃!!『ロックオン・フルバースト』!!」

機関銃を乱射するカマキリ。その銃弾はレースカーを撃ち抜き、蜂の巣にした。

「くっ!(LP3300→2500)《スピードレーサーズ・イエローフラッグ》の効果で、俺は1枚ドローだ!」

木嶋は声を上げる。

「さぁ、ドローしたその2枚でこの状況をひっくり返してみろ!!それができるならな!!」

リチャードは笑って言った。

「ああ、やってやるよ・・・!!奇跡の追い抜き大逆転をな!!」


そのデュエルを見ていた周りの人々が集まってくる。

「なんだ?デュエルしてるのか?」

「どっちが優勢なんだ?」

「私も見たーい!」

デュエルを見ていたカケルの隣に一人の男性が現れる。

「おいおい、楽しそうなことやってんじゃねえか!」

その男性は笑って言った。

「ジルのおっさん・・・。いや、なんかパネルの位置がどうとかで揉めててさ。それをデュエルで解決しようってやってるんだ。」

カケルはその男性、電気屋のジルに説明する。ジルはなるほど、という顔をした。

「は〜そういうことか!まぁ、パネルの位置なんて好きにすりゃいいと思うけどな!なぁ、カケル!お前はどっちが勝つと思う?」

その言葉にカケルは二人のフィールドを見つめる。

「う〜ん、モンスターの数は木嶋が有利だけど、ドローしたカードでリチャードが逆転するかもしれねぇしなぁ・・・。」

ジルは大声で笑った。

「ははは!!まぁ、そうだよな!俺もどっちが勝つかわかんねぇ!でもよ、それがデュエルの楽しいところだろ?」

ハッとした顔でカケルは頷く。

「そうだな・・・そうだよな!おーい!二人とも!」

その声に反応し、二人は首をカケルの方へ向ける。

「どうせやるなら、楽しいデュエルにしようぜ!」

リチャードと木嶋は周りを見渡す。いつの間にか人集りができ、二人のデュエルを観戦していた。

「楽しいデュエルか・・・。そういや、『DWA』に居た頃は楽しいデュエルなんて、あんまりなかったな。」

木嶋の呟きにリチャードが頷く。

「確かにな・・・。おい、木嶋!こんなに人が集まってんだ!大会前の予行演習ってことで、皆を盛り上げるのはどうだ?」

リチャードの言葉に木嶋は笑う。

「へっ、格好付けだなお前は!だが、悪くねぇ提案だ・・・!俺はカードを1枚セットしてターンエンド!さぁ、俺の強力昆虫軍団を倒してみやがれ、レース野郎!!」

ノリ良く叫ぶ木嶋。リチャードもそれに乗っかる。

「言われなくてもやってやるさ!俺のターン!!」


集まった皆はデュエルに注目する。

「なぁ、どっちが勝つと思う?」

「俺は木嶋さんだな!」

「私はリチャード!」


リチャードは得意げに言った。

「さぁて、昆虫レースの開幕だぁ!ドロー!」

引いたカードを確認し、リチャードはニヤリと笑った。

「まずは、ここを俺専用の会場に変えてやる!フィールド魔法《スピードレーサーズ・ライトニングサーキット》発動!!」

フィールド魔法により、周りの景色は煌めかしいレースサーキットへ姿を変えた。

「おお!レース場だ!」

「まるで本物みたい!」

周りの反応に木嶋はフッと笑う。

「(どうせやるならしっかり逆転しろよな、リチャード。)」

リチャードは得意げに言った。

「このフィールド魔法は1ターンに1度、手札を1枚捨てる事でデッキから「スピードレーサー」と名の付く魔法カード1枚を手札に加える事ができる!俺は手札を1枚捨てて、デッキからこのカードを手札に加えるぜ!」

デッキから迫り出したカードを木嶋へ向けた。

「魔法カード《RUM—スピードレーサー・リニューアル》!!」

そのカードを見た木嶋は驚いた顔をする。

「お前、まさか!」

リチャードは不敵に笑った。

「さぁ、行こうか!まずはドローしたこのカード《スピードレーサーズ・テクニカルピットクルー》を発動!自分の墓地に存在する「スピードレーサー」1体を効果を無効にして特殊召喚する!再び駆け抜けろ!《スピードレーサー・ターボストラトス》!!」

リチャードの墓地より白いレースカーが復活する。

「そして、《RUM―スピードレーサー・リニューアル》を発動!!自分フィールドの「スピードレーサー」エクシーズモンスターを1つ上のランクにランクアップさせる!!俺は《スピードレーサー・ターボストラトス》でオーバーレイネットワークを再構築だ!!」

天空に出現した光の渦。レースカーは白煙を上げ、その光の中へ飛び込んだ。


「伝説のレッドボディ、その1台は世界を変える!速度のその先へ突き進め!ランクアップ・エクシーズチェンジ!!」


艶めかしい真紅のボディ。その美しきテールライトは決して追い抜くことのできない王者の象徴。

「走り抜けろ!!《L・スピードレーサー・330P4(★5/風/機械/2700・0)》!!」

サーキットのコースを、残像を引きながら走り抜ける真紅のレースカー。リチャードの前でブレーキを掛け、タイヤ跡をコースに焼き付けた。

「ランクアップか・・・。だが、その攻撃力じゃ俺のモンスターは倒せないぜ!?」

木嶋の言葉にリチャードは言い返した。

「どうだろうな!墓地の《スピードレーサー・バーニングプロトタイプ》の効果発動!このカードを除外する事で、自分フィールドの「スピードレーサー」1体の攻撃力は次の相手ターン終了時まで400アップする!(ATK2700→3100)」

真紅のレースカーは、炎の力を受け攻撃力を上げた。

「くっ、攻撃力3100!やるじゃねぇか!」

リチャードは手札のカードを取り出す。

「俺は魔法カード《スピードレーサーズ・モンスターチューン》を発動!このターン、自分フィールドの「スピードレーサー」エクシーズモンスター1体が相手モンスターを戦闘で破壊した場合、破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手に与える!!」

木嶋は焦った。

「な、なんだと!?」

リチャードは木嶋のモンスターを指差す。

「さぁ、バトルだ!《L・スピードレーサー・330P4》で《アサルトショット・マンティス》を攻撃!!」

コース上に立つ《アサルトショット・マンティス》。真紅のレースカーはサーキットを猛スピードで一周し、《アサルトショット・マンティス》の背後から突撃した。

「ぐあっ!!(LP4000→3900)」

リチャードはすかさず言い放つ。

「相手モンスターを破壊した事により、《スピードレーサーズ・モンスターチューン》の効果発動!3000の半分、1500のダメージを喰らえ!!」

表示された魔法カードから放たれた衝撃が木嶋へ向かった。

「ぐっ!!(LP3900→2400)だが、俺もカードを使わせてもらう!罠カード《熱暴走》!!自分フィールドのモンスターが戦闘で破壊された場合、攻撃した相手モンスター1体を破壊し、その攻撃力分のダメージを相手に与える!!」

発動される木嶋の罠カード。しかし、リチャードは笑って言った。

「《L・スピードレーサー・330P4》はエクシーズモンスターを素材にしている場合、罠カードの効果を受けない!よって破壊とダメージは無効だ!!」


周りの観客がざわつく。

「ダメージをかわした!こいつは本当にどっちが勝つかわかんないぜ!」

「俺、どっちが勝ってもいい!」

「がんばれー!二人とも!」

その声援を受け、二人は笑った。


「なぁ木嶋。俺達が目指してたものって、こういうものだったのかもな。」

木嶋は頷く。

「ああ。勝ち負けなんて関係ねぇ。心の底から楽しいと思えるデュエル。それを皆にして欲しかった・・・。」

リチャードは言った。

「そうだな・・・。だが、このデュエルには決着を付けさせてもらうぜ!」

木嶋は笑って言う。

「来い!俺の《重爆撃蜻蛉虫 メガネウランカスター》が相手だ!!」

リチャードは手札のカードを木嶋へ向けた。

「俺は速攻魔法《スピードレーサーズ・ヘアピンカーブ》を発動!「スピードレーサー」モンスターが相手モンスターを戦闘で破壊した時、そのモンスターはもう一度攻撃できる!」

再び真紅のレースカーはサーキットを駆け抜ける。そして、猛スピードで爆撃機型の蜻蛉に激突した。

「ぐぉっ!(LP2400→2200)」

リチャードの場に魔法カードが表示される。

「そして、《スピードレーサーズ・モンスターチューン》の効果で2900の半分、1450のダメージだ!!」

魔法の効力を受け、木嶋はダメージを受けた。

「うぅっ!!(LP2200→750)だが、これでお前のモンスターの攻撃は終わった!次のターンがくれば・・・」

木嶋の言葉を遮るように、リチャードは言った。

「いいや!次のターンは来ねぇ!《L・スピードレーサー・330P4》の効果発動!このカードが相手モンスターを戦闘で破壊した時、オーバーレイユニットを1つ使うことでエクストラデッキから「スピードレーサー」ペンデュラムモンスター1体を特殊召喚できる!来い、《スピードレーサー・ストリートドリフター》!!」

改造車がサーキットへ入場する。竹槍状のマフラーを唸らせ、木嶋の目の前に止まった。

「なるほどな、やるじゃねぇか。」

木嶋は目を閉じ笑う。

「これで終わりだ!《スピードレーサー・ストリートドリフター》でダイレクトアタック!!『一騎加速・爆走上等』!!」

サーキットを突き抜ける暴走車。木嶋はその場に倒れた。

「へっ、負けちまったか・・・。(LP750→0)」


『勝者:リチャード・ベン』



リチャードは仰向けに倒れた木嶋に歩み寄った。木嶋は笑って呟く。
「・・・いいもんだな。楽しいデュエルってのも。」
木嶋の手を掴み起き上がらせると、リチャードは言った。
「ああ。そんな大会にしよう。みんなが笑って、楽しめるデュエル大会に。」
周りの人々は二人に喝采を浴びせた。
「よかったぞ!」
「面白かったぜ!」
「また見せてね!」
二人は笑顔で皆に手を振った。しばらくして、リチャードが口を開いた。
「しかし、なんか忘れてるような・・・あっ!!パネル!!」
そこで、すかさずカケルが入り込む。
「なぁ、俺に提案があるんだけどさ・・・。」



—夕方になって。

改めてパネルの設置を終えた木嶋。完成したそれを見てリチャードは言った。
「ステージの後ろに設置か・・・。なるほど、これならステージに立つ人を邪魔しないで、みんなの注目も集められるか。」
カケルは得意げな顔をする。
「へへっ、いいアイデアだったろ?」
木嶋は汗を拭いながら、リチャードに言った。
「ま、俺の提案あってこそだけどな。」
リチャードはムッとした顔で言い返す。
「元はと言えば、お前があんな場所に設置するのが悪かったんだぞ!」
その言葉に木嶋も声を荒げる。
「なんだと!!だったら最初からお前がやりゃ良かったろ!?」
再びにらみ合う二人。カケルは呆れた様子で呟く。

「あ〜あ、また始まったよ。まぁ、喧嘩するほど仲が良いってか?」

そんな呟きに、二人は声を合わせて言った。

「「仲良くなんかねぇ!!」」


次回第24話「開幕!チャリティーデュエル大会」
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ター坊
リチャードのレーサーデッキカッコいいなぁ。
さて、チャリティーデュエル大会がいよいよ開幕!笑顔溢れる大会になると良いですね (2015-06-22 09:56)
ギガプラント
パネルの位置でホントにデュエルしちまった…なんというデュエル脳…!
…いやいつもの遊戯王か。
シンクロエクシーズ両刀は格好良いですね。1話あたりではただのやられ役のチョイ役だと思ってたのはナイショ…。 (2015-06-22 14:26)
ほーがん
コメントありがとうございます。
>ター坊さん
リチャードの使用モンスターについて纏めましたので、そちらも見ていただけるとありがたいです。次回からは大会編となります。楽しい話にできればと思います。
>ギガプラントさん
なんでもデュエルで解決!それが遊戯王の定番ですね(笑)
木嶋さんは気づいたら準レギュラーになってました。これからも活躍すると思われます(笑)

お二方、コメントありがとうございました。 (2015-06-22 20:06)

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