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HOME > 遊戯王SS一覧 > 13話 ランクアップマジック

13話 ランクアップマジック 作:19

青年 LP2100 手札3
  場
GNW(ガーディナイトウィング)・ゼピュロアース 風属性/天使族 攻撃力2600 ▲×2


ディン LP8000 手札4
  場
ヴェルズ・オピオン 闇属性/ドラゴン族 ランク4 攻撃力2550 ▲×1
ヴェルズ・ナイトメア 闇属性/悪魔族 ランク4 攻撃力950
ヴェルズ・マンドラゴ 闇属性/植物族 ☆4 攻撃力1550
セット魔法罠カード×1


 青年「攻撃は続いている。バトルだ『GNW・ゼピュロアース』で、『ヴェルズ・オピオン』を攻撃。《ゴッド・ブラスト》」

風の力を纏ったボウガンが両腕から一発ずつ発射される。どんどん速度が上がり、音速でオピオンを打ち抜いた。ディンが、初めてライフを削られたのだ。

ディン LP8000 → 7950

 ディン「こ…コイツ…!ぶっ殺してやる!」
 青年「…手札に存在する『GN・シューター』の効果発動。俺の『GN』が相手モンスターを戦闘で破壊した場合、このモンスターを特殊召喚する」

GN・シューター 光属性/天使族 ☆4 攻撃力1300

巨大な弓を持った戦士が召喚される。他のガーディナイトモンスターと同じく、白い鎧に身を包み、神聖な気を放っている。その気は、ヴェルズモンスターの邪悪な瘴気を退けていた。

 青年「バトルだ。『GN・シューター』で『ヴェルズ・ナイトメア』を攻撃」
 ディン「う…ぐうぅ!」

ディン LP7950 → 7600

 青年「『GN・シューター』が相手モンスターを戦闘で破壊し、相手に戦闘ダメージを与えた場合、俺の場に他の『GN』モンスターが存在すれば、デッキからカードを1枚ドローする。それだけじゃない。このモンスターをリリースすることで、自分はデッキからカードをさらに1枚ドローする。カードを2枚伏せてターンエンドだ」

青年 LP2100 手札2
  場
GNW・ゼピュロアース 風属性/天使族 ランク5 攻撃力2600 ▲×2
セット魔法罠カード×2


 ディン「お、おれのライフを削りやがって…!ドロー!」

怒りに身を任せ、青年を叩き潰す為だけに戦術を振るう。そのデュエルは、ヤマトの時に見せた余裕な物ではなかった。

 ディン「俺は手札から『ヴェルズ・カストル』を召喚!」

ヴェルズ・カストル 闇属性/戦士族 ☆4 攻撃力1750

最初に召喚されたモンスターが再び召喚される。効果は召喚権を一つ増やす効果で、それによってヤマトも苦しめられたのだ。

 ディン「コイツが召喚に成功したターン、俺はもう一度『ヴェルズ』モンスターを召喚できる。『ヴェルズ・ケルキオン』を召喚!」

ヴェルズ・ケルキオン 闇属性/魔法使い族 ☆4 攻撃力1600

人型のモンスターが召喚される。角を生やし、両手に一本ずつ杖を持った神秘的なモンスター。ヴェルズなのかと一瞬疑ってしまうが、その目から放たれる威圧感がそうだと言い張っている。

 ディン「コイツは1ターンに一度、墓地の『ヴェルズ』モンスターを除外することでもう1体の『ヴェルズ』モンスターを墓地から手札に加える効果を持っている。しかもだ、その効果を使ったターン、俺はもう一度『ヴェルズ』モンスターを召喚できる!」

ディンは墓地から『ヴェルズ・ヘリオロープ』を除外し、破壊されてしまった『ヴェルズ・オピオン』を回収し、エクストラデッキに戻した。

 青年「今だ。『GNW・ゼピュロアース』の効果発動。オーバーレイユニットを一つ取り除くことで、相手モンスター1体を選択して発動する。次の俺のターンの終わりまで、お前は選択したモンスター以上の攻撃力を持つモンスターを召喚・特殊召喚できない。俺は『ヴェルズ・マンドラゴ』を選択」

ゼピュロアースが放ったボウガンの弓はマンドラゴを打ち抜き、光となってディンの周りに降り注ぐ。その光一粒一粒が、ディンがカードと共に放つ瘴気を吸収しているようだった。

 ディン「特殊召喚封じだと…?!俺のエクシーズを邪魔する気か!」
 青年「お前だってコイツにしてたことだろ。どうする?もう一度召喚するのか?」
 ディン「く…、『ヴェルズ・マンドラゴ』を守備表示にしてターンエンドだ…」

ディン LP7600 手札3
ヴェルズ・マンドラゴ 闇属性/悪魔族 ☆4 守備力1450
ヴェルズ・カストル 闇属性/戦士族 ☆4 攻撃力1750
ヴェルズ・ケルキオン 闇属性/魔法使い族 攻撃力1600

 青年「俺のターン、ドローだ」

ディンの場のモンスターは減ることを知らない。鉄壁に思われる布陣だが…その壁には今、徐々に亀裂が入っているのだ。

 青年「リバースカードオープン。永続罠『聖天使(せいてんし)の報酬』を発動。『GN』モンスターが戦闘で相手モンスターを合計2体以上破壊した場合、俺はデッキからカードを1枚ドローする。そして手札から『GN・ジェネラル』を召喚」

GN・ジェネラル 光属性/天使族 ☆6 攻撃力2300

 青年「このモンスターは俺の場に『GN』モンスターが存在する場合、リリース無しで召喚できる。そしてこのモンスターが召喚された場合、俺の墓地に存在する『RUM』魔法カード1枚または『GN』モンスター1体を手札に加える。『RUM-セイクレッド・フォース』を手札に加え…バトルだ。『GN・ジェネラル』で『ヴェルズ・ケルキオン』を攻撃」

巨大な剣を振りかざし、ジェネラルはケルキオンに飛びかかる。ケルキオンも両手の杖を持って対抗するが、大剣の前には無力で、一刀両断されてしまった。

ディンLP7600 → 6900

 ディン「ちぃ…!」
 青年「次だ、『GNW・ゼピュロアース』で『ヴェルズ・カストル』を攻撃…!《ゴッド・ブラスト》!」

ゼピュロアースが放ったボウガンの矢はカストルの腹部を貫き爆破させた。徐々にではあるが、ディンを押している。

ディンLP6900 →6050

 青年「ここで、さっき発動した『聖天使の報酬』の効果によって、俺はカードを1枚ドローする。そして手札に加えた速攻魔法『RUM-セイクレッド・フォース』を発動。『GNW・ゼピュロアース』をランクアップ…!」

ゼピュロアースがRUMから放たれた光に飲み込まれる。ランク5から6になり、さらなる姿へと変化するというのだ。

 青年「清き力よ。流れ、漂い、受け入れ、全てを浄化せよ…!ランクアップ『GNA(ガーディナイトアクア)・アクエギル』!」

GNA・アクエギル 水属性/天使族 ランク6 守備力2700

水色の鎧を着た、白髭の大柄な戦士が出現し、辺りを水色の結界で覆う。その神秘的な空間に、悪魔であるディンは寒気を覚えた。

 ディン「な、なんだコイツ…!」
 青年「アクエギルがエクシーズ召喚に成功した場合、俺のライフを2000ポイント回復する。そして、相手には相手の場のモンスターの数×600ポイントのダメージを与える」
 ディン「何…!? うぐぅ!」
アクエギルが手を高く上げると水を生み出して弾き飛ばし、青年には清き力で回復させ、ディンには怒りの力を持ってダメージを与えた。

青年 LP2100 → 4100
ディン LP6050 → 5450

 青年「まだだ、アクエギルがエクシーズモンスターを素材としている場合、、オーバーレイユニットを一つ取り除いて発動できる。相手モンスター1体を墓地へ送り、そのモンスターのレベル、またはランク一つにつき400ポイントライフを回復する。素材の『GNW・ゼピュロアース』を取り除き『ヴェルズ・マンドラゴ』を墓地へ送る」

アクエギルがもう一度右手から水を撃ち放つと、それにあたったマンドラゴは音もなく消滅した。そしてマンドラゴのレベル分、4で1600のライフを青年は回復する。ついに、青年のライフがディンを上回った。

青年 LP4100 → 5700

 青年「ターンエンドだ」

青年 LP5700 手札1
  場
GNA・アクエギル 水属性/天使族 ランク6 守備力2700
GN・ジェネラル 光属性/天使族 ☆6 攻撃力2300
罠 聖天使の報酬
セット魔法罠カード×1


 ディン「てめぇ…!もう許さねえぜ…ブチギレちまったよぉ!ドロオオォ!」

怒りに身を任せて強引にカードを引く。

 ディン「手札から『死者蘇生』を発動!俺の墓地に存在する『ヴェルズ・ケルキオン』を特殊召喚だ!」

ヴェルズ・ケルキオン 闇属性/魔法使い族 ☆4 攻撃力1600

 青年「悪いが、これ以上デュエルを長引かせるつもりはない。リバースカードオープン、罠カード『ガーディナイト・タクティクス』を発動。俺の場に存在する『GN』エクシーズモンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターを墓地へ送り、墓地に存在するそのモンスター以外の『GN』エクシーズモンスター1体を特殊召喚する。そして、発動したこのカードをオーバーレイユニットとする」

青年はアクエギルを墓地へ送り、墓地から『GNW(ガーディナイトウィング)・ゼピュロアース』を特殊召喚した。

GNF・ゼピュロアース 風属性/天使族 ランク5 攻撃力2600 ▲×1

 青年「そして、ゼピュロアースの効果発動。オーバーレイユニットを一つ使い、相手モンスター1体を選択する。次の俺のターン終了時まで、お前は選択したモンスターより高い攻撃力を持つモンスターを特殊召喚できない」
 ディン「ちくしょう!またかよぉ!」

頭に血管を浮き上がらせながら叫ぶディンは今にも殴りかかる勢いだ。しかし、青年はじっとディンを見据える。

 ディン「ちくしょう…!『ヴェルズ・ケルキオン』の効果発動!墓地に存在する『ヴェルズ・マンドラゴ』を除外して、『ヴェルズ・カストル』を手札に加える。そしてこの効果を使った場合、俺はもう一度『ヴェルズ』モンスターを召喚できる。こい!『ヴェルズ・カストル』!」

ヴェルズ・カストル 闇属性/戦士族 ☆4 攻撃力1750

 ディン「カードを2枚伏せて、ターンエンドだ!」

ディン LP5450 手札1
  場
ヴェルズ・ケルキオン ☆4 攻撃力1600
ヴェルズ・カストル ☆4 攻撃力1750
セット魔法罠カード×2


 青年「俺のターン、ドロー…」
 ディン「(俺を散々イラつかせやがった事を後悔させてやるぜ…。俺のセットカードは2枚目の『聖なるバリア-ミラーフォース』。そして『次元幽閉』…。お前がいくら攻撃してこようと全部叩き潰してやるぜ…!さぁ、攻撃してこい!)」
 青年「………丸聞こえだ…」
 ディン「な、何…!?」
 青年「リバースカードオープン。魔法カード『RUM-パージ・フォース』発動。ライフを1000ポイント払うことで、俺の場のエクシーズモンスターを、ダブルランクアップ」

青年 LP5700 → 4700

 ディン「ダブルランクアップだと…!」
 青年「宣告しよう。お前はこのターンで終わりだ。残りの時を、懺悔に使うがいい…!」

ゼピュロアースは光に包まれる。ランクは5から一気に7となり、今までにない程の力強さを持って輝く。

 青年「母なる大地よ、支え、揺るがし、命を廻(まわ)せ…! エクシーズ召喚…ランク7『GNG(ガーディナイトグランド)・ガイヴァティー』」

GNG・ガイヴァティー 地属性/天使族 ランク7 攻撃力2900 ▲×1

茶色の鎧を纏った聖母のような戦士が召喚される。純白のマントをひるがえしながら両手に剣を持ち、攻撃力の高さを体現していた。

 青年「パージ・フォースは発動後、特殊召喚したエクシーズモンスターのオーバーレイユニットにできる」

GNG・ガイヴァティー ▲×1 → 2

 ディン「エクシーズ素材が二つ…。一体何をする気だ…」
 青年「さっき言っただろ、このターンで終わらせると…。手札から『GN・バスター』を召喚」

GN・バスター 光属性/天使族 ☆3 攻撃力1500

ライフルを構えた小柄な戦士が召喚され、青年の場にジェネラルとガイヴァティーと共に並ぶ。

 青年「このモンスターは1ターンに一度、俺の場に存在する『GN』モンスター1体につき400ポイントのダメージを相手に与えることができる。このモンスターも含めて3体が存在することで、お前に1200ポイントのダメージだ」
 ディン「くぅ…!この雑魚が…俺にダメージを…!」

ディン LP5450 → 4250

 青年「バトルだ。『GN・ジェネラル』で『ヴェルズ・ケルキオン』を攻撃。『GNG・ガイヴァティー』で『ヴェルズ・カストル』を攻撃」
 ディン「かかったな!今だ、リバースカードオープン!『聖なるバリア-ミラーフォース』発動!お前の攻撃表示のモンスターを全て破壊だ!」
 ヤマト「み、ミラーフォース!?そんな、デッキに2枚も入れてるなんて…」
 ディン「ミラーフォースは制限カードじゃねえんだよ!制限だったとしても俺達カードリーパーには関係ねえ!くたばれもう一人の天使ぃ!!」
 青年「…『GNG・ガイヴァティー』の効果発動。オーバーレイユニットを一つ取り除くことで、相手が発動した魔法・罠カードの効果を無効にする。そして、相手に500ポイントのダメージを与える。《クエイクレーター》…!」

ディン LP4250 → 3750

ガイヴァティーが手に持つ二つの剣を地面に突き刺すと、地面が一直線に割れていき、発動されたミラーフォースを弾き飛ばした。効果が無効になり、青年の場のモンスターは無傷である。

まずはじめに突撃したジェネラルがケルキオンを切り裂いた。ディンにダメージが届く。

ディン LP3750 → 3050

 ディン「ちぃ!だがそっちのウザぇエクシーズモンスターには今度こそ消えてもらうぜ!もう一枚のリバースカードオープン!『次元幽閉』!攻撃してきた相手モンスター1体を除外する!」
 青年「俺は一度も、コイツの効果が『1ターンに一度』とは言っていない…!《GNG・ガイヴァティー》の効果発動…」
 ディン「な、なんだと!?うぐぅ!」

ディン LP3050 → 2550

発動された次元幽閉は消滅し、ディンにダメージが与えられ、そしてガイヴァティーの攻撃もカストルを破壊する。

ディン LP2650 → 1500

 青年「最後だ『GN・バスター』でダイレクトアタック」
 ディン「うがああぁ!」

ディン LP1500 → 0 


  青年:勝利!


倒れ込むディンを後に青年はヤマトに目を向ける。

 青年「…情けない」
 ヤマト「え」
 青年「こんな奴相手に負けそうになるお前が、天使として情けないって言ってるんだよ」
 ヤマト「そ、そんな。僕だって必死に闘ったさ」
 青年「たった1体のモンスターに弱点をつかれ、防戦一方だった奴が必死にデュエルしただと?ふざけるな。突破する方法ならいくらでもあった筈だ」

ポケットに手を突っ込んでため息を吐く青年の言葉に、ヤマトはショックを受ける。しかし、青年は続けた。

 青年「…もう一人デュエルしてる奴が居るな…。お前の仲間か」
 ヤマト「そうだ。アオヒサさんやクレアがデュエルしてる…、行かなきゃ!」

ヤマトは天使の翼を広げ、悪魔のカードの気配を探る。一つの建物に目をつけ、そこに向かって真っすぐに飛んで行き、青年もその後を追う。


・・・。


 アオヒサ「っく!うわああぁぁ!」

アオヒサ LP2000 → 1000

 リュート「こんなモノか…悪魔のカードを持たないデュエリストの力は…。自分も昔がそうだったのかと思うと、少々笑えてくるよ」

リュート LP5700

デュエルは進展し、アオヒサが完全な劣性に陥ってた。場にカードは残されておらず、リュートの場はモンスターがアオヒサに襲いかかろうと構えている。

 アオヒサ「くそっ…。コイツ…、メチャクチャ強えじゃないか…」
 リュート「残りのモンスターで追撃するのが妥当…だが、1ターン待ってやろう。僕の考えでは君が次のドローで逆転のカードを引ける確率はたったの6%…。その数字にかけてみるんだな。カードを1枚伏せて、ターンエンド」

アオヒサ LP5700 手札1
  場
罠 ワイズ・ウーマン 闇属性/悪魔族 ☆5 守備力1600
罠 ワイズ・アドゥル 闇属性/悪魔族 ☆6 攻撃力2000 ×2
セット魔法罠カード×1


 アオヒサ「俺のターン…ドロー!」

引いたカードは…「ハント・カリスリヴ」。場にモンスターの居ないアオヒサでは召喚不可能のモンスターだった。

 アオヒサ「…!」
 リュート「その反応。どうやら逆転はできそうにないらしいな。諦めろ」
 アオヒサ「く………。ターンエンドだ…」
 リュート「僕のターンだ。ドローフェイズ時、『ワイズ・ウーマン』の効果発動。ドローするカードを予測し、当たった場合は相手に1000ポイントのダメージだ。宣言するカードは…『ワイズ・ポールマン』」

リュートはカードを引き、確認する…。そしてアオヒサに見せつけた。

 リュート「『ワイズ・ポールマン』だ。当たったことにより、君に1000ポイントのダメージを与える…!」
 アオヒサ「ダメか…」

アオヒサが目を瞑る。その瞬間、室内に二人のどちらでもない声が響いた

 ヤマト「速攻魔法『転生の加護』を発動!デッキから『メドロウ・グリフォニス』を墓地へ送ることで、その攻撃力分ライフを回復させる!」

アオヒサ LP1000 → 2600 → 1600

ワイズ・ウーマンが放った波動。本当ならそのダメージでアオヒサは負けていた筈だが、ヤマトが咄嗟に発動した速攻魔法のおかげでなんとか耐えることができた。

 ヤマト「間に合った…。アオヒサさん、大丈夫?」
 アオヒサ「ああ。なんとかな…だが、手出し無用だぜ。コイツは俺が倒さなきゃ…」
 リュート「増援か………。サレンダーだ」

突然のサレンダーに二人は驚く、優勢である筈が何故…。

 アオヒサ「なっ。サレンダーだと?!お前、どういうつもりだ」
 リュート「僕は天使の退治を頼まれているだけだし、その天使である君がここへ来たってことはディンはもう負けているということ…。僕の役目は天使以外の敵の足止め…、これ以上デュエルする必要はない。何より3体1は分が悪いからな」

リュートが振り向くと後ろには青年が立っている。

 リュート「僕はこれで帰らせてもらうよ」

そう言うと腕にはめているブレスレットのボタンを押す。するとリュートの足元に穴が開き、その中に落ちていった。

 アオヒサ「ま、待ちやがれ!」

追いかけようとしたが、すぐに穴は閉じてしまった。残された2人は、敵の居なくなった空間に安堵する。

 アオヒサ「ところでヤマト、コイツは…?」
 ヤマト「僕を助けてくれたんだ。えっと名前は…」
 エリル「…エリルだ。お前と同じ……天使だ」
 アオヒサ「て、天使!?ヤマト以外にも地上に来てる天使がいたのか」
 エリル「最初に送られたヤマトが情けなさすぎると聞いてな。俺が着たんだよ。実際に実力も大したことがない、優しさだけの、実力もないただの天使だ」

エリルのハッキリとした厳しい口調にヤマトは落ち込み、アオヒサもそれに対しては怒りをあらわにする。

 ヤマト「…」
 アオヒサ「おいお前、そんなに言うことないだろ!ヤマトだって人を救うために頑張って悪魔のカードと戦ってきてるんだぞ!」
 エリル「今回のデュエルを見てハッキリと言ってやる。『ヤマトも人間も』力無きデュエリストだと…!」
 アオヒサ「お前…!………?」

今にも殴りかかりそうなアオヒサをヤマトは止める。

 ヤマト「エリルが言うことは正しいよ。僕は弱い…。けど、人間を見下すことを言うような奴は天使として許せない!」
 エリル「やるか?」
 ヤマト「臨む所だよ…!」

睨む二人は向かい合う。互いにデュエルディスクを装着し、いざ、デュエル開始。

 エリル「……」

の筈だが、エリルはデッキをセットしようとはしない。

 ヤマト「?…どうしたの?」
 エリル「悪魔のカードの反応だ。すごく微弱だが、悪魔とあれば放っておけない。お前とデュエルしている暇はない」

そう言うとエリルは翼を広げて飛び立ち、真上にある通気口から抜け出していってしまった。

 ヤマト「行っちゃった…。確かに悪魔の反応はするけど…かなり小さい。遠く…?」
 アオヒサ「そういえばよヤマト。クレアちゃんはどうなってる?」
 ヤマト「そうだ。クレアの所も…。というより、ここに来る時は悪魔のカードの反応が一つしかなかったんだ。だからもしかしたら向こうはもう終わってるのかもしれないね」
 アオヒサ「そうだな。探してみるか」



・・・。


 クレア「……」

俯き、片腕を掴んで落ち込んでいるクレアを見つけた。彼女は街路樹の下でじっとしていた。服は所々破れ、嫌な予感がした。

 ヤマト「クレア!」
 クレア「…っ!? や、ヤマト。アオヒサも…」

ビクッと反応した彼女は弱々しかった。声も小さく、何時もの元気な彼女の姿はみられない。

 アオヒサ「心配したぜクレアちゃん。その怪我、FT(ファングトルーパー)にやられたのか?」
 クレア「う、うん…」
 ヤマト「でも、ここまで来れてるし、悪魔の気配ももうないってことは、勝ったんでしょ?」
 クレア「………」
 ヤマト「?」
 クレア「ヤマト、アオヒサ。言い難いんだけどね……、ゴメン。負けちゃった。それに、エクスカリバーのカードも…」

彼女は静かに涙を流す。か弱い彼女をアオヒサは慌ててフォローする。

 アオヒサ「えっ、いやいや。大丈夫だってクレアちゃん!そんな泣かなくてもいいって。俺だって負けそうになってたところをヤマトに助けられたんだし、奪われたカードはまた取り戻せばいいって! ねっ!?」

ヤマトに目で合図を送るが、ヤマトはクレアを見つめていて気づいてくれていない。

 ヤマト「クレア…。そうなんだ」
 クレア「本当にゴメン。私がもっと強ければ。相手のプレッシャーに慌てなければ…もっと勝ててたかもしれないのに…」
 アオヒサ「……。まぁ、なんだ。3人揃ってまたこうして会えたんだ。…一旦帰ろうか」
 クレア「うん……」

浮かない表情の三人は肩を並べ、敗北という重荷を背負って街に姿を消す…。
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名無しのゴーレム
個人的に、ランクアップを多用すると強そうに見えるんですよね。
助っ人の登場で何とか危機を切り抜けましたが、3人全員がほとんど敗北状態…リベンジなるか!? (2015-06-15 00:33)

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