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蠱毒の宿命

黒壱(クロイツ)さん の作成したオリジナルカードです。


蠱毒の宿命
種類・種族 カテゴリー名
- 夜会
属性 レベル 攻撃力 守備力
- - - -
このカードはルール上「夜会」カードとしても扱われる。「夜会の女王ミツバ」の降臨に必要。①:レベルの合計が9になるように、自分の手札・フィールドのモンスターをリリース、またはリリースの代わりに自分の墓地の「夜会」モンスターを除外し、手札から「夜会の女王ミツバ」を儀式召喚する。この時、リリース・除外するモンスターの合計は2体以上でなければならない。②:自分フィールドにモンスターが存在しない場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。除外されている自分の「夜会の給仕娘ミツバ」1体を特殊召喚する。
作者 作成日時
黒壱(クロイツ)さん 2016/07/29 23:28



黒壱(クロイツ)
「イラストは、瀕死のコチョウを抱き締めて号泣するミツバ。
そろそろ終わりが近づいて来ました。
次は何のカテゴリを投稿しようか……割と投稿者さんの間で流行ってた恋愛ゲームっぽいノリのカテゴリを作ろうかな?



地に伏したコチョウに近づく。
ミツバの頬は知らぬ間に濡れていた。
「コチョウ姐……」
「どきな、シャオミィ。まだ終わってない」
アリサがミツバを制して前に出る。
コチョウは喘鳴を漏らしながら芒と虚空を見つめていた。
「姐々……言い残すことはあるかい?」
「シャオミィ……? 私の姫様は、どこ……?」
もう目が見えていないのか、弱々しく呟くコチョウに、ミツバは駆け寄った。
「コチョウ姐っ」
「あぁ……姫様、そこにいたのね……。真っ暗で、何も見えやしないわ……」
縋るように伸ばされた震える手を握る。どれだけ異形に変化しても、その細く柔らかな指先はコチョウのものだった。
「こうしていると、昔のことを、思い出す、わ……。姫様、ったら、暗くて怖いからと、一晩中私の、手を握って。私が、いつも
、歌を歌って……」
「うん。うん……っ」
泣きじゃくりながら、頷きを返す。
「まるでつい昨日のよう……。戦争なんて、夢の中のことみたい……けほっ」
微笑む唇の端から血が溢れる。蟲喰い特有の、蒼い血が。
「姫様……シャオミィ。ごめん、なさいね。弱い、お姉ちゃんで、本当に、ごめんなさ、い」
「良いよっ、そんなこと、良いんだよコチョウ姐っ! ミツバこそ、気付いてあげられなくて、ごめんね……っ」
「……アリサ」
「っ!」
俯いていたアリサは呼びかけられて、はっと顔を上げた。
「何だい、姐々」
「貴女にも、辛いこと、させたわ……」
「アタシの仕事さ。別に……、いや、何てこと無いわけじゃ、ないけど」
「お願い……止めを」
コチョウの言葉に、2人は息を呑む。
「こんな風に、永らえては、いけない命なのよ……。お願い……」
「っ……あ、あぁ。わかったよ」
剣を構える。だが、切っ先は震えて思うように定まらない。
「あ、あれ? おかしいね。ちゃんとやらなくちゃ、ならないのに。アタシの、仕事なのに……」
ミツバが見上げると、アリサの顔はくしゃくしゃに崩れていた。
「うぅ、チクショウ、チクショウ。何でなんだよ、何でなんだ……っ」
それは何に対して向けられた慟哭だったのか。
アリサが震える剣をどうにか振りかぶり、叫びを上げ振り下ろす。
しかしその手は、骨ばった男の指先で止められた。
「し、師匠!?」
「儂にやらせて貰えんか」
いつの間に到着したのか、そこにいたのはマキリだった。アリサから剣をもぎ取り、ミツバに抱えられたコチョウの許に膝をつく。
「すまぬ、遅れた」
「もう、来ないのかと、思いました」
弱々しく微笑むコチョウ。
「弟子にばかり仕事をさせるのは、些か不精に過ぎると思うてな。……それに、愛する者を看取ることが出来るのは、贅沢なことよ。儂も、偶にはそんな贅沢がしたいのだ」
「ふふ……相変わらず、ですね。私、そんな貴女のこと、実は、嫌いだったんですよ……」
「左様か」
「はい……うふふ。凄く、嫌いだったんです。こんな私を、大事にしてくれるから。汚い私に、優しくしてくれるから。だから……嫌いです」
マキリが指先を動かして、コチョウの顔にかかった前髪を払った。その仕草は、やはり変わらず愛おしげだ。
「不器用な性分でな。お主のことも、もっと別の道があったように思う」
「構いません……。きっと、いつかは、こうなっていたでしょう。望外に、幸せな幕切れですわ」
「……うむ」
そこでマキリはミツバを見た。
「小娘。何か歌ってくれぬか」
「えっ?」
「此奴は夢に命を捧げた女よ。最期もまた夢に還るのが似合いと、儂は思う」
「……わかり、ました」
ミツバは息を吸うと、涙で枯れた喉を辛うじて開いた。

〈ーー遠く夜空の果ての果て〉

歌うのは、『星の在処』。
今や歌姫ミツバの代表作であるそれは、本当は、コチョウが幼いミツバに歌った歌なのだった。
コチョウが夢見るように目を閉じた。

〈ーー旅人よ道に迷う時は〉
〈ーー星の在処を、探すがいい〉
〈ーー昔、私と見上げた星を〉
〈ーー雲間に灯る、北天の星が〉
〈ーー私の代わりに、貴方を守るから〉
〈ーー今は故郷を、振り向かなくていい〉
〈ーーいつも、今でも、貴方を想うから〉

歌の終わりに休符を置くような静かさで、刃が差し挟まれた。

厚い雲の切れ間から、珍しく、誰かを導くように星が覗く、そんな夜のことだった。」(2016-07-29 23:28)

名無しのゴーレム
「イイハナシダッタナー(現実逃避)……もうすぐ終わるということは、やはりこの闇を拭い去ることは出来ないということなのか……
融合・S・Xの次は儀式とは……OCGでその4種を揃えているのなんてオッドアイズくらいのものですよね。あっちも全部盛りは難しそうではありますが……
名前指定なので準備で2枚サーチ可能。しかし、女王とは一体……?」(2016-07-30 21:41)

黒壱(クロイツ)
「名無しのゴーレムさん>
星9の夜会モンスターはどれもかなりタフな性能なのですが、そもそも全部出す前にデュエルが終わるって言うね……。
除去の逃亡者、攻撃の歌姫、防御の女王みたいな感じです。」(2016-07-30 22:09)


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