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カサンドラの永久機関

黒壱(クロイツ)さん の作成したオリジナルカードです。


カサンドラの永久機関
種類・種族 カテゴリー名
- カサンドラ
属性 レベル 攻撃力 守備力
- - - -
「カサンドラの永久機関」の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:自分フィールド上の「カサンドラ」モンスターが戦闘で破壊された場合に発動できる。カードを1枚ドローし、破壊されたモンスターをデッキの一番上か下に戻す。その後自分LPを1000ポイント回復する。②:このカードが相手によって墓地に送られた場合に発動できる。お互いのフィールド上に存在する全てのカードを、持ち主のデッキの上に好きな順番で戻す。この時、相手のカードの順番も自分が決める。この効果を発動したターン、自分はバトルフェイズを行えない。
作者 作成日時
黒壱(クロイツ)さん 2015/10/16 13:40



黒壱(クロイツ)
「何だか最近忙しい日が続きます。
カサンドラももうすぐ終わりですかね。




「ご主人。ようやくエンジンが完成したよ」
「そうか。もうそんな時期なんだな」
カサンドラ機関が占拠した砦の地下深く、ヘレノスとマクスウェルは眼下に鎮座する巨大な内燃機関を、思い思いの表情で見下ろした。
「……ご主人が承知しているかどうかは忘れたけど」マクスウェルは機関の唸りに紛れそうな声で言った。「ボクからはもう、これ以上の時間遡行はお勧め出来ないよ」
「知ってるさ」ヘレノスは静かに笑った。「前にも聞いたし、自分でももう限界が近いのはわかる。気を抜けば自分の心が砂のように端から崩れていくような感覚がしている」
「……っ」
人間の自我を過去の自分に転写する技術は、未だ克服すべき点が多い。
イメージを現実に変えるカサンドラ機関の技術を利用し、マクスウェルの第2種永久機関を人為的に暴走状態に持っていくことによって、かなり危ういバランスでヘレノスの時間遡行は成立している。
これによって何度もこの時代を繰り返しながら、ヘレノスは計画達成の為に邁進してきた。文字通り全てを賭けて。
「……いいかい、ご主人。過去の自分に現在の記憶を上書きしても、それまでの自分が消えるわけじゃない。ペンで同じ箇所をなぞってもインクが滲んで線がぶれるように、自我境界線は揺らぎ、魂は散逸する。ボクらのような『悪魔』とは違うんだよ。ご主人が過去に自分を飛ばす度に、ご主人の精神は擦り切れていく。次に遡行した時、ご主人はもうご主人でいられないかも知れないんだ。わかるかい? わかるよね? わかると言えよ!」
長々と言い含めるように話しながら最後には激し始めたマクスウェルを見て、ヘレノスは微笑んだ。
「今日は随分と優しいね、マックス? 何かあったのかい」
「何かあったかじゃなくてっ……嗚呼、もう良い。ご主人が世界で一番鈍感極まりない唐変木のスカポンタンだってのは覚えている。くそっ、どれだけループしてもそこだけは変わらないな!」
「良く分からないんだが、私は馬鹿にされているのかな」
「何泣きそうな顔してるんだ、泣きたいのはこっちだ!」がおっと叫び、一拍の後に溜め息を吐く。「ーーご主人には感謝しているんだよ? このボクに、忘れられない気持ちを、自我をくれた。現象以下の仮想概念だったボクに、身体と心を与えてくれた。だからこそ、もう二度とやり直して欲しくない」
「マックス、君は」
「予知なんて出来もしない癖に嘘八百並べて、ずっと世界相手に詐欺師をしてきた。もう充分じゃないか。ご主人が壊れてしまうのは、ボクにはもう耐えられそうにないよ」
マクスウェルはヘレノスに背を向けた。震える細い肩を見て、ヘレノスはそっとその頭に手を置いた。
「……マックスには、最初の周回から随分と世話になったね。覚えているかい?」
「忘れられないよ。他の何を忘れても、ご主人とのことを忘れられるわけがない。……この悪魔マクスウェル様が、随分と人間らしくなってしまったものだよ」
「大丈夫。何があっても、この周回でケリをつけるよ。約束する」
ヘレノスがそう言うと、くるりとマクスウェルが振り向く。
「言質は取ったよ。悪魔相手に『約束』を持ち出すなんてね。ふふん。破らせないから、絶対」
笑顔、しかしその瞳の端には確かに光るものがあった。
ヘレノスは苦笑で答えながら、しかし内心で唇を噛んだ。
(ーーすまない、マックス。きっと私は何度でも繰り返すだろう。自分が何者でも無くなったとしても、この悲願だけは捨てられない)

唸る機関の胎動の中でヘレノスは、未来が欲しいと望んだ。それが世界にとって破滅しかもたらさない未来だったとしても、自分の夢はそこにしか無いのだ。

(姉さんーー愚かな私を責めてくれ)


(2015-10-16 13:40)

妄想野郎
「これはまた強烈な効果ですね。
戦闘破壊のみとは言え、アドの回復さが半端ないです。事故になりそうなカードをボトムに置けば事故を防ぎ、今手札に欲しいカードをトップに置けば疑似的なサルベージになります。
何よりきついのは②の効果ですね。展開した後でこのカードを出されたら、このカードを破壊したくてもできないです。ブラロなどで全て壊すかカステルなどのバウンスで除去するかしかできません。相手の場のモンスターが0の時に自分のターンにサイクロンなどで破壊しても任意効果なのでしなければ良いだけです。」(2015-10-16 13:59)

夏将軍
「2がAF魔法罠と違って壊れているんですが…。
1もターン1制限が無い上自爆特攻でも発動するので、下級モンスターを展開して殴るだけでアドが取れそう。戦闘破壊時効果もたぶんあったと思うから(忘れた」(2015-10-16 14:29)

黒壱(クロイツ)
「妄想野郎さん>
夏将軍さん>


うーん、やはり壊れか……。(ー ー;)
調整するとなるとどこを直した方が良いですかね?
(2015-10-16 17:52)

妄想野郎
「②の効果を任意ではなく強制にし、バトルフェイズスキップを次のバトルフェイズ固定にすれば、一応は破壊する意義も出てきます。
ところで、相手のカードの順番もこちらが好きにできますが、相手はその順番を確認できるんでしょうか?」(2015-10-16 19:08)

黒壱(クロイツ)
「妄想野郎さん>
ふむふむ、なるほど。ストックを消費したらエラッタ版を出してみることにします。

自分の場合の「好きな順番」が公開を必要としないので、これも一度積まれると確認できない裁定とします。」(2015-10-16 19:19)

名無しのゴーレム
「もっとドライな感じだと思っていたマクスウェル。主人思いのいい悪魔ですね。時間遡行と言うといろいろ連想するものがありますが、目的が世界の破滅というのは……彼も最後には救われるといいのですが。
とりあえず②は悪用し甲斐がありそうです。カサンドラじゃなくても入るんじゃね?と思うくらいには。」(2015-10-16 22:27)

黒壱(クロイツ)
「名無しのゴーレムさん>
もうちょっとドライな筈でしたが、残り話数が少ないのでこんな感じに。どうしてこうなった!
ヘレノスは姉の記憶を読んで予言書を書き上げましたが、自身は予言者ではありませんでした。未来から来たから先のことを知ってる、ということです。
ヘレノスがプレイヤーのデッキトップに干渉する効果を持たないのは、そのためですね。」(2015-10-16 23:10)


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