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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第二話 門上中の騒動

第二話 門上中の騒動 作:海馬マジック

学校についたとき、妙に慌ただしいことに気付いた。
校門の周りにパトカーが数台停まっている。

「ねぇ、何の騒ぎ?」
「さあ...」

すると向こうから数学教師の南馬(なんば)がやって来た。
そして、まだ学校に入っていない生徒たちにこう言った。
「おーい、みんな!校長先生のお話があるからグラウンドに集合!教室にカバンは置かなくていい。校舎に入らず、そのまま集合だ!」
なんだなんだと生徒たちがざわつく。

「何が起きたの?」
舞嘉が俺に訊いた。
と、言われても俺だって分からない。
「...とりあえず、グラウンドに行こう」


  *

グラウンドで校長先生の口から出た言葉は予想以上のものだった。
うちの学校の生徒 門上中3年2組の 伊藤(いとう)誠也(せいや)が校内で死亡していたのだ。
当然、生徒たちの動揺は大きかった。殺されたのかと喚くヤツもいた。
第一発見者の学校の職員は現在取り調べを受けているらしい。

死んだ伊藤誠也は、数々の大会に出場し優勝を勝ち取ってきた天才デュエリストだった。
俺と同様、機械族デッキを使い、「サイバー・ドラゴン」での融合プレイで対戦相手を圧倒してきた。

 
「もし、伊藤が殺されたとしたら、それは大会で伊藤に負けた恨みの可能性が高いな」
クラスのリーダー格 棚田(たなだ)慎吾(しんご)がまず考えられない仮説を立てる。
まだ殺されたかどうかも分からないのに...。

「いやいやそれはない。いくらなんでもそのくらいで人殺すわけないでしょ」
クラスのお調子者 角端(かどばた)英輔(えいすけ)がすかさず反論する。当然だ。
「分かんねぇだろ。世界は広いんだし」
「バカ、何の話だ」
緊張感がねぇ...。


  *

学校側の指示で、俺たちは家に帰ることになった。
伊藤の死亡は殺されたものなのか。
だとしたら、なぜなんだ...。

俺は自分のデッキを見ながら葛藤していた。
俺はそのとき、この門上町で恐ろしい事件が起こることに気付かなかった...。
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