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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第1話・決闘姫

第1話・決闘姫 作:MTGからの刺客



「あたしは手札から《姫騎士ハルカディア》を召喚!手札から《姫騎士ヴァニラ》を墓地に送り効果を発動、フィールド上のカードを1枚破壊する!『ペイン・ライトニング』!」


満員のスタジアムでは2人のデュエリストが白熱の試合を展開していた。

片方は眼鏡をかけた理知的な容姿の男性で、扱うデッキはそんな彼には似合わないとも言える、パワフルなドラゴン族のデッキだった。

彼の従えるドラゴンはフィールドに3体。

他のドラゴンを特殊召喚するドラゴン族の中核《レッドアイズ・ダークネスメタル・ドラゴン》にカオスドラゴンの一角《ライトパルサー・ドラゴン》

そして今、彼に対峙するもう1人のデュエリストの操るカードによって破壊された融合召喚ドラゴン《F・G・D》
戦闘では絶対的なパワーを誇るドラゴン族の切り札中の切り札だが、カード効果には耐性は無い。

そもそも《F・G・D》は融合召喚されたら、相手に次のターンは無い。
圧倒的な5000と言う攻撃力はライフポイントを消し飛ばすに十分であり、その下地の為に入念に対戦相手のセットカードを除去するか対策を打ってから融合召喚されるので、《F・G・D》の融合召喚は事実上の勝利宣言に等しい。

なのだが、彼の対戦相手はその《F・G・D》を含む3体のドラゴンの猛攻を凌ぎきったのだ。

赤毛の長髪をポニーテールにした勝ち気な目が印象に残る、ボーイッシュながら可憐さも併せ持つ少女は、2枚のカードで窮地を脱した。

1枚目は反撃の芽を刈り取らんとして放たれた《サイクロン》に対してチェーンされたフリーチェーンの罠カード《姫騎士の防衛戦》。
効果は自分の場の全ての『姫騎士』と名の付くモンスターを守備表示にし、発動ターンのみ守備力を1500ポイントアップするというもの。

これにより彼女の場に1体だけ居た守備力2000のモンスターは守備力3500を手に入れ、守備モンスターを攻撃しても戦闘ダメージを与えられないにも関わらず、《F・G・D》で攻撃しなければならない状況を作ったのだ。

そしてもう1枚は彼女の場に居た唯一のモンスター《姫騎士マグダレナ》



《姫騎士マグダレナ》
レベル4・光・戦士族
ATK600 DEF2000
①このカードが破壊され墓地に送られた時、デッキから「姫騎士」と名のついたモンスターを特殊召喚する。



そして《F・G・D》の攻撃で破壊された《姫騎士マグダレナ》の効果で別の『姫騎士』を特殊召喚、彼女が受けたダメージは結局最後の《レッドアイズ・ダークネスメタル・ドラゴン》のダイレクトアタック2800だけであった。


彼女の名を灰村遊華。
この奇妙で不思議な物語の主人公である。





遊華 LP200
対戦相手 LP 3600

窮地は脱したが、以前相手の場には《レッドアイズ・ダークネスメタル・ドラゴン》と《ライトパルサー・ドラゴン》の2体の巨大ドラゴンが立ちはだかっている。

対して遊華の場には《姫騎士ハルカディア》の1体のみ。残りライフも200と、もう先程の防御策は到底使えない。残る手札は2枚、その2枚でこの状況を変えない限り、勝機は無い。

《姫騎士ハルカディア》はその起動効果で《F・G・D》を破壊するという重大な役割を果たしたが、単体では攻撃力1700の下級モンスターでしかなく、その破壊効果も1ターンに1度の制限がある。


それでも、遊華は怯まなかった。

自分の力を、自分のカードを信じているから。

「初代キングも言ってたもんね…カード1枚には1つの可能性があるって。」

追い続ける、偉大なキングの言葉が勇気を与える。


「あたしは墓地に存在する《姫騎士ヴァニラ》の効果を発動、1ターンに1度だけ墓地のこのカードをゲームから除外することで、墓地から《姫騎士》と名の付いたモンスターを特殊召喚する!出でよ《姫騎士チルル》!」


《姫騎士チルル》
レベル2・光・天使族
チューナーモンスター
ATK800 DEF800
①このカードを手札から捨てて発動できる。フィールド上の姫騎士と名の付いたモンスターを1体選択し、そのモンスターの攻撃力はエンドフェイズまで1000ポイントアップする。この効果は相手ターンでも発動できる。


それは先程、《姫騎士マグダレナ》から呼び出され、遊華へのドラゴンの猛攻から身を盾にして守ったモンスターだった。

「チューナーモンスターに場には他に1体…まさか『シンクロ召喚』か!?」

「その通り、あたしはレベル4の《姫騎士ハルカディア》にレベル2の《姫騎士チルル》をチューニング!
烈火を瞳に宿し戦乙女よ、その業火で我が敵を薙ぎ払え!!
シンクロ召喚、燃え上がれ!《聖姫騎士アライブ》っ!」

業炎の中から姿を現したのは、燃える闘志を宿した戦乙女だった。

『出たっ!遊華の切り札《聖姫騎士アライブ》っ!』


《聖姫騎士アライブ》
レベル6・炎・戦士族
ATK2500 DEF1000
効果…



「《聖姫騎士アライブ》の効果発動!1ターンに1度、手札から『姫騎士』と名の付いたカードを1枚捨て、デッキの上から3枚を墓地に送り、この効果で墓地に送られた『姫騎士』と名の付いたモンスター1体につき500のダメージを相手プレイヤーに与える!」

《聖姫騎士アライブ》の効果の1つ、それはデッキの上から3枚を墓地に送り相手にダメージを与える不確定なバーン効果。

それ自体は本来自分の墓地肥やしに使う為の効果であり、不確定で最大1500のバーンをメインに据えたりはしない。

が、遊華はこの場面でバーンを狙った。

それが賭けなのだ。



「あたしはこの効果で手札の《姫騎士リルニカ》を墓地に送り《暁の都市ラメール》《姫騎士パトリシア》《姫騎士ラフェンサ》を墓地に送り、合計1000ポイントのダメージを与える!『ファイアーフェザー』!」

「ぐっ…!だが、それでもライフはまだ2600!そして《聖姫騎士アライブ》では《ライトパルサー・ドラゴン》と相討ちが精一杯で僕のライフは削りきれず、返しのターンで《レッドアイズ・ダークネスメタル・ドラゴン》の攻撃で君のライフは0になる!」

遊華 LP200
対戦相手 LP2600

更新されたライフポイントがスタジアムの大モニターに表示される。

このままでは例え《聖姫騎士アライブ》がダイレクトアタックに成功したとしても、相手のライフは0にはならない。
そして、返しのターンで《レッドアイズ・ダークネスメタル・ドラゴン》に《聖姫騎士アライブ》を戦闘破壊されれば、遊華のライフは0になり負ける。


「大丈夫、負けない…バトル、あたしは《聖姫騎士アライブ》で《レッドアイズ・ダークネスメタル・ドラゴン》を攻撃!『オフェンティック・ファイア』!」

「バカな!レッドアイズ、返り討ちだ!!反撃の『ダークネス・フレア』!」

《聖姫騎士アライブ》
ATK2500
《レッドアイズ・ダークネスメタル・ドラゴン》
ATK2800


「あたしは手札の…最後の1枚《姫騎士ユーチャリス》の効果を発動!!このカードを捨てることで、エンドフェイズまで場の姫騎士1体の攻撃力と守備力を500ポイントアップする!」

「この場面で手札からモンスター効果だと!?」

《聖姫騎士アライブ》
ATK3000
《レッドアイズ・ダークネスメタル・ドラゴン》
ATK2800


「これで最後だ!《聖姫騎士アライブ》のもう1つの効果を発動!このカードが戦闘でモンスターを破壊した時、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手プレイヤーに与える!『チェイン・フレイム』!」

「逆転…逆転の必殺コンボか!」

ソリッドヴィジョンが与える迫力はこけおどしではなく、デュエリストに直接ダメージを与える。
紅蓮の業火が舞い躍り、対戦相手の彼は片膝を付き倒れた。

遊華 LP200
対戦相手 LP0


同時にそれは、遊華の勝利を意味する。

『決まった!遊華が劇的な逆転勝利!』

割れんばかりの拍手と歓声、実況の声でスタジアムはごった返す。



しかし、だ。

「おつかれ…みんな。」

周囲のエキサイティング具合に反して、当の遊華はホッとしたような様子で謎の労いの言葉を呟いていただけだった。
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