51.白と黒　記憶と忘却　作：くちなし

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≪琰魔に交わる小さな光！その光を得て、真紅の炎を墳散させよ！！≫


【S召喚！現れよ！レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント！！】


レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント　☆10　ATK3500


「これが⋯⋯チューナー2体のS召喚⋯⋯」

レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント、、☆10のSモンスター。
レッド・デーモンス・ドラゴンより身体や、周囲の温度が高く。姿も大きい。

「⋯⋯バトル、不知火の武士をレッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラントを攻撃⋯⋯！」

不知火の武士　ATK2800

「でも、武士の効果で戦闘を行ったモンスターは除外されるわ⋯⋯」

少女　LP6300→5600

しかし、戦闘後も、レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラントは場に留まっていた。

「⋯⋯なぜ⋯？」
「罠カード、王宮の鉄壁を発動した」

ピン差ししといてよかったぜ。これでこのターンはしのげそうだな、、

「⋯⋯1枚伏せてターンエンド」

あれ？戦神－不知火で攻撃しないのか、、？
攻撃力も勝っているというのに、、

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「瑞穂っち～！！」
「氏家さん！」
「みんな、やっほー！、、と言っても、もう夕方だけどねっ！」
「まさか、今から行くん？」
「そうよ？」
「明日の朝でいいじゃない。なんで今からなのよ。寝床とかどうするのよ」
「大丈夫っさ！宿は取ってあるよ！」

この人、用意周到、、、侮れないわね。。
氏家さん、、のお知り合いか誰かが運転する車に乗り込む。
車は大きめで、キャンピングカーとワゴンを足して2で割ったような感じの雰囲気だ。

「私、白鳥美海(しらとり みなみ)と申します。よろしくお願いします」

バスガイド風な口調で自己紹介をする運転手。

「さて、行くわよ！」

「了解しました」と一言の返答ののち、車は走り出すと、アカデミアから遠ざかっていく。

「。。。悠里くん。。」
「、、心配、、？」
「それは。。もう。。」
「そう、、(きっと、、好いてる、、)」

何かしんみりしているメンバー。
数十分後、みんな連日の部活で疲れたのか、香織と瑞穂、海清を除いて寝てしまった。
海清は耳にイヤホンを付けて何やら考え事をしている様子。

「。。」

有希はデッキケースの中から1枚のカードを差し出す。

「。。！このカード、、」

ーーー回想①始

瑞穂と悠里がデュエルをした後、2人の帰路の途中にまで遡る。
有希と悠里が最後に部室を出た時のことである。

「有希、、」
「、、なに」
「、、渡しておきたいものがある」
「、、？」

悠里がデッキケースから取り出して、1枚のカードを有希に渡した。

「、、何故私に」
「、、何だ、少しの間、預かっていてくれないか？瑞穂だと返してくれなさそうだしな。
香織はなんか使いこなせなさそうだし」
「、、私にも使いこなせる確定要素はない」
「大丈夫さ。信じてるから」
「、、、そう」

悠里は頬のあたりを指で掻く。

「、、分かった。預かっておく」
「デッキに入れといてくれよな。ボクがいるっていう証明カードだからな」
「、、、」

ーーー回想①終

「、、(あの時渡したこれは、そういうことだったのね、、)」
「。。悠里くんの。。」
「、、大きな声、ダメ、、」
「ゆきりん、香織、何話してるの？」

助手席に乗っていた瑞穂が振り向いて声をかける。

「え。。？いや。。べつに。。なんでもないです」
「怪しいわね」
「別に、、本番緊張するって話、、」
「なんだ。隠す必要ないじゃない。緊張少しでもほぐしておくのよ！」

そう言って瑞穂は目線を正面に戻す。

「ゆきりん。。ありがと、、」
「、、気にしないで」
「。。」
「、、私は悠里のカードを使う。悠里も一緒にいる、という意味合いで」
「。。ならわたしが、、わたしのほうがS召喚しやすいですし」
「、、否。悠里は私に託した」
「。。なんでわたしじゃダメなんですか。。？」
「、、、きっと使いこなせないだろうし、もっと強いモンスターがいるからって」
「。。」

少し追加要素を入れておいたけど。。

「わかりました。ならわたしは先鋒として、そのやくめをはたします。。」


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「レアー、、それは何味なのね？」
「パイナップル。。ポケットにはイチゴとメロンとレモンと、、」
「レモン味を頂戴してもいいかね？」

レモン味の棒付きキャンディーを出して渡すと、コルノスは袋を剥いて口に含む。

「WRGPまであと数時間。。時は刻一刻と迫ってるのね」
「コルノス、デッキは大丈夫なの？」
「多分。今頃、僕のデッキを解析しているところなのね、、だけど、そう簡単には、、ね」
「大丈夫よ。これがあるじゃない」

オプスは左腕を指さす。青白く光っている。コルノスは右腕の袖を捲る。そこには、
霧の天気記号に上向きに矢印のついたような形の刻印があった。

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Turn06　TP 悠里　LP5000　手札3→4

(このターンで、、決める！！)

「死者蘇生を発動し、甦れ！レッド・デーモンズ・ドラゴン！」

レッド・デーモンズ・ドラゴン　ATK3000

「ジャンク・シンクロンを召喚し、その効果でジェット・シンクロンを特殊召喚！」

ジャンク・シンクロン　☆3　ATK1200
ジェット・シンクロン　☆1　DEF0

「ボクは、☆8のレッド・デーモンズ・ドラゴンに☆3のジャンク・シンクロンと、☆1の
ジェット・シンクロンを、Wチューニング！！」
「⋯⋯またもチューナー2体⋯⋯！」


≪琰魔に響く鋼の囁き、！真紅の炎を纏い咆哮せよ！≫


【S召喚！スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン！】


スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン　ATK3500

「⋯⋯攻撃力3500が2体⋯⋯！」
「スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンは、墓地のチューナー×500、攻撃力が上がる！」
「⋯⋯！？」

今存在する墓地のチューナーは。。レッド・リゾネーター、シンクローン・リゾネーター、
ジャンク・シンクロンは2枚存在し、フルール・シンクロン、ジェット・シンクロン、
スチーム・シンクロン、アクセル・シンクロンの8体。

「⋯⋯攻撃力⋯⋯7500⋯⋯！」

スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン　ATK3500→7500

「バトル！スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンで、不知火の武士を攻撃！」

不知火の武士　ATK1800

「⋯⋯うっ、！」　少女LP6700→1000
「レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラントで戦神－不知火を攻撃！」

レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント　ATK3500
戦神－不知火　ATK3000

「⋯⋯リバース発動、ピンポイント・ガード⋯⋯墓地の☆4以下のモンスターを特殊召喚⋯」
「レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラントはバトルフェイズ中に発動した魔法・罠カード
の効果を無効にできる！」
「⋯⋯！？」
「そして、攻撃力が500上昇する！」

レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント　ATK3500→4000

「⋯⋯」

デュエルって、、こんなに楽しいことだったんだ、、
なんで思い出せないんだろう、、忘れていたんだろう、、
たくさんのデュエルを見てきたのに、、
デュエルって⋯⋯敗けても楽しいんだね⋯⋯。


少女LP1000→0


少女が衝撃で後ろへと飛ばされる。

「終わった、、いま何時だ、、？ここはどこなんだ、、」

辺りに目線をちらつかせると、悠里の脳内に、何かが走る。

「、、！？なんだ、、これは、、！」

悠里の脳内に移る映像。その中にはあの少女の姿が。

「もしかして、、少女の記憶、、！」

ーーー回想②

「遊びに行ってくる」
「気を付けるのよ」

少女とその母親の仲睦まじい会話。そして出歩く少女。

「なー、デュエルのあいてしてよー強いんだろ？」
「え？私は、、良いよ、、」

小さな山。近くには川が流れていて、その下では、トンネルを掘る工事が行われている。

「じゃあ、デュエルしよ！」
「いーよー！」

周りのはしゃぐ声が聞こえる。

「⋯⋯(ホントはわたしもやりたいのに⋯⋯)」

はしゃぐ子供たちは丘の頂上にいた。

「えと⋯⋯えーっと。私も⋯⋯その⋯⋯混ざってもいいかな⋯⋯なんて⋯⋯」
「なんだよ、さっきいいっていったじゃん」
「⋯⋯やっぱり⋯⋯みんなとあそびたい⋯⋯！」
「もうおそいよ。みんな、したおりよーよ」
「ちょっと⋯⋯わたしもまぜてっ⋯！」
「もう、！おそいって！」

少女をドン、と突き飛ばした時である。

「え、、？」

少女のからだが宙へ浮かび、頭から転がり落ちたのだ。
しかも、落ちた先は、、トンネルの工事現場。

「わたし、、なんで宙に浮いているの、、？」

その少女は頭から真っ逆さまに落ちた。
ふと頭をなでると、手が真っ赤に染まっている。

「あれ？なんで赤いの、、？」

意識がもうろうとする。眠い。なんか急に眠くなってきた⋯⋯

「おやすみなさい⋯⋯お天道さん」

そのまま少女は目を閉じた。

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次回(自壊？)予告⋯⋯！
少女とのデュエルに終止符が打たれ、少女の記憶を目の当たりにすることとなった悠里。
少女の内に秘めた小さな願いと、悠里の願い。その思いの行く先は⋯⋯？

次回⋯⋯第52話　「交錯する想い」

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