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第二話 降臨 作:ぬる
リュウガ「……」
クリボー「……クリー」
少女は並々ならぬ空気を漂わせながら、しかし穏やかともいえる口調で静かに語りかけた。
少女「……よくぞここまでたどり着きました、デュエリストよ。――私とデュエルしなさい」
リュウガ「……なぜ?」
少女「……ここは神聖な決闘の場。貴方には、ここでデュエルをするだけの資格がある」
リュウガ(……まるで話が通じないな)
少女「……貴方の求める答えが、ここにはある」
リュウガ「……思わせぶりなことを言う」
少女「いいえ。私にはわかるのですよ。貴方の全てが」
リュウガ「……!」
リュウガ(千年アイテム……!?)
少女は実物こそ手にしていなかったが、リュウガはその力の片鱗を感じ取った。記録の中でだけ触れた、その力の一端を。
リュウガ(……どちらにせよ、戦わないという選択肢はないか。ここから進むも退くも、目の前の敵と戦った後に決めればいい)
リュウガ「わかった。その勝負、受けて立つ」
少女「……それでこそ、です」
その直後、少女の右腕に光が集まったかと思うと、瞬く間にデュエルディスクが形成された。
リュウガ「……てっきり、石版かなにかでやるのかと思ったぞ」
少女「形式は貴方に合わせます」
クリボー「……クリクリ」
リュウガ「ああ、わかってる。お前も一緒に戦ってくれ」
クリボー「クリ!」
少女「…………」
目の前に対峙する少女の異常ともいえる雰囲気に、リュウガは心臓を鷲掴みにされているような恐怖を感じていた。
その姿は、まさにピラミッドが存在していた時代そのもののようで、その態度は少女のそれとは異なり、まるで尊大な神であるかのようだった。
あらゆるデュエリストを相手にしてきたリュウガをもって、
リュウガ(……次元が違う)
そう思わせるに相応しい気配を纏っていた。
「「……決闘!」」
薄暗い空間に光が灯る。決闘の場の裁定者によって、先攻が示された。
先攻:リュウガ 後攻:???
リュウガ「……来てくれたんだな」
クリボー「クリクリ―!」
リュウガは視線を手札から眼前の少女へと移す。
リュウガ「俺のターン」
TURN01
リュウガ「俺は手札から、『トゥーンのもくじ』を発動。その効果により、デッキから『トゥーン・キングダム』を手札に。そして発動する。適用処理により、デッキの上からカード3枚を裏側表示で除外。これにより、俺のフィールドは『トゥーン・ワールド』となった」
周りの風景が徐々に変わっていく。舞台は町の広場。その背後には、見守るように城が佇む。
リュウガ「そして俺は、『トゥーン・エルフの剣士』を攻撃表示で召喚。カードを1枚セットして、ターンエンド」
トゥーン・エルフの剣士 ATK1900
TURN02
少女「私のターン」手札:5→6
少女はドローしたカードを静かに一瞥した後、
少女「……ターンエンド」
リュウガ(……どういうことだ?)
リュウガ LP4000 デッキ:31
手札:2 モンスター:『トゥーンエルフの剣士』 魔法・罠:『トゥーン・キングダム』・(セットカード) 墓地:1 除外:3
??? LP4000 デッキ:34
手札:6
TURN03
リュウガ「俺のターン」手札:2→3
リュウガ「俺は『トゥーン・エルフの剣士』の効果を発動! このターンの召喚権を放棄することで、手札からレベル4以下のトゥーンモンスター1体を特殊召喚する。来い、『トゥーン・ヂェミナイ・エルフ』」
トゥーン・ヂェミナイ・エルフ ATK1900
現れたのは、エルフの姉妹。リュウガのフィールドに、1人と1組のエルフが揃った。対して少女のフィールドは空。
リュウガ「バトルだ。『トゥーン・エルフの剣士』でダイレクトアタック!」
少女「……私は手札から『クリボー』を捨てて、その効果を発動。戦闘ダメージを0に」
トゥーン・エルフの剣士「!」バッ
クリボー「クリ!」
リュウガ「……『トゥーン・エルフの剣士』によって特殊召喚されたトゥーン・モンスターは、その攻撃できない効果が無効にされている。行け、『トゥーン・ヂェミナイ・エルフ』!」
リュウガ(『トゥーン・ヂェミナイ・エルフ』は戦闘ダメージを与えた時、相手の手札を捨てさせることができる。だが……)
少女「手札から『クリボール』を墓地へ送り、その効果を発動。『トゥーン・ヂェミナイ・エルフ』を守備表示にする」
トゥーン・ヂェミナイ・エルフ DEF900
リュウガ「……ターンエンド」
TURN04
少女「私のターン」手札:4→5
リュウガ(相手のデッキはクリボーか……非常に受け身なデッキだ。だが、こちらを圧倒する手段も何かしら持っているはず。下手に時間をかけるのは得策じゃない)
少女「……『トゥーン・ワールド』がトゥーンモンスターの戦う舞台であるのならば、クリボーにもその舞台はある。私はフィールド魔法『超古代都市・クリバビロニア』を発動!」
少女がカードの発動を宣言すると、『トゥーン・キングダム』に亀裂が生じ、少女側の空間が古代都市へと描きかえられていった。
リュウガ「……これが、クリボーたちの都市」
少女「私は800LPを払い、クリバビロニアの効果を発動! デッキの1番上のカードをめくり、『クリボー』モンスターならば特殊召喚できる。ドロー」LP4000→3200
少女はゆっくりと、カードの内側を自分に向ける。
少女「私は『サクリボー』を、守備表示で特殊召喚」
サクリボー「クリー」DEF200
リュウガ「……クリボーモンスター」
少女「更に私は儀式魔法『クリボーの聖儀式』を発動。墓地の『クリボール』を必要なレベル分として墓地から除外し……」
少女「降臨せよ、レベル1『リチュアル・クリボー』!」
リュウガ「儀式のクリボー……!」
リチュアル・クリボー DEF200
少女「墓地の『クリボーの聖儀式』を除外することで、墓地の『クリボー』を手札に戻す」手札2→3
少女「更に『リチュアル・クリボー』の効果。1ターンに1度、手札の『クリボー』モンスター1体を特殊召喚できる。舞い戻れ、『クリボー』!」
少女「……これで準備は整ったわ」
リュウガ「まだ召喚権を残している……まさか!?」
少女「私はフィールドのクリボー3体をリリースし……」
空に黒雲がかかり、稲妻が轟く。その雲の中から這いずるようにして現れたのは……
少女「顕現せよ、『オシリスの天空竜』!!」
リュウガ「……神……」
もはやその存在は古く過去のものとなり、記憶は風化し、幻のものとなっていた。しかし、確かに今目の前に、その幻は存在している――!
オシリス「……」
リュウガ(……これが、神のカード……)
オシリス「――グオアオォーーー!!」
リュウガ LP4000 デッキ:30
手札:2 モンスター:『トゥーン・エルフの剣士』『トゥーン・ヂェミナイ・エルフ』 魔法・罠:『トゥーン・キングダム』・(セットカード) 墓地:1 除外:3
??? LP3200 デッキ:32
手札:1 モンスター:『オシリスの天空竜』 魔法・罠:『超古代都市・クリバビロニア』 墓地:3 除外:2
クリボー「……クリー」
少女は並々ならぬ空気を漂わせながら、しかし穏やかともいえる口調で静かに語りかけた。
少女「……よくぞここまでたどり着きました、デュエリストよ。――私とデュエルしなさい」
リュウガ「……なぜ?」
少女「……ここは神聖な決闘の場。貴方には、ここでデュエルをするだけの資格がある」
リュウガ(……まるで話が通じないな)
少女「……貴方の求める答えが、ここにはある」
リュウガ「……思わせぶりなことを言う」
少女「いいえ。私にはわかるのですよ。貴方の全てが」
リュウガ「……!」
リュウガ(千年アイテム……!?)
少女は実物こそ手にしていなかったが、リュウガはその力の片鱗を感じ取った。記録の中でだけ触れた、その力の一端を。
リュウガ(……どちらにせよ、戦わないという選択肢はないか。ここから進むも退くも、目の前の敵と戦った後に決めればいい)
リュウガ「わかった。その勝負、受けて立つ」
少女「……それでこそ、です」
その直後、少女の右腕に光が集まったかと思うと、瞬く間にデュエルディスクが形成された。
リュウガ「……てっきり、石版かなにかでやるのかと思ったぞ」
少女「形式は貴方に合わせます」
クリボー「……クリクリ」
リュウガ「ああ、わかってる。お前も一緒に戦ってくれ」
クリボー「クリ!」
少女「…………」
目の前に対峙する少女の異常ともいえる雰囲気に、リュウガは心臓を鷲掴みにされているような恐怖を感じていた。
その姿は、まさにピラミッドが存在していた時代そのもののようで、その態度は少女のそれとは異なり、まるで尊大な神であるかのようだった。
あらゆるデュエリストを相手にしてきたリュウガをもって、
リュウガ(……次元が違う)
そう思わせるに相応しい気配を纏っていた。
「「……決闘!」」
薄暗い空間に光が灯る。決闘の場の裁定者によって、先攻が示された。
先攻:リュウガ 後攻:???
リュウガ「……来てくれたんだな」
クリボー「クリクリ―!」
リュウガは視線を手札から眼前の少女へと移す。
リュウガ「俺のターン」
TURN01
リュウガ「俺は手札から、『トゥーンのもくじ』を発動。その効果により、デッキから『トゥーン・キングダム』を手札に。そして発動する。適用処理により、デッキの上からカード3枚を裏側表示で除外。これにより、俺のフィールドは『トゥーン・ワールド』となった」
周りの風景が徐々に変わっていく。舞台は町の広場。その背後には、見守るように城が佇む。
リュウガ「そして俺は、『トゥーン・エルフの剣士』を攻撃表示で召喚。カードを1枚セットして、ターンエンド」
トゥーン・エルフの剣士 ATK1900
TURN02
少女「私のターン」手札:5→6
少女はドローしたカードを静かに一瞥した後、
少女「……ターンエンド」
リュウガ(……どういうことだ?)
リュウガ LP4000 デッキ:31
手札:2 モンスター:『トゥーンエルフの剣士』 魔法・罠:『トゥーン・キングダム』・(セットカード) 墓地:1 除外:3
??? LP4000 デッキ:34
手札:6
TURN03
リュウガ「俺のターン」手札:2→3
リュウガ「俺は『トゥーン・エルフの剣士』の効果を発動! このターンの召喚権を放棄することで、手札からレベル4以下のトゥーンモンスター1体を特殊召喚する。来い、『トゥーン・ヂェミナイ・エルフ』」
トゥーン・ヂェミナイ・エルフ ATK1900
現れたのは、エルフの姉妹。リュウガのフィールドに、1人と1組のエルフが揃った。対して少女のフィールドは空。
リュウガ「バトルだ。『トゥーン・エルフの剣士』でダイレクトアタック!」
少女「……私は手札から『クリボー』を捨てて、その効果を発動。戦闘ダメージを0に」
トゥーン・エルフの剣士「!」バッ
クリボー「クリ!」
リュウガ「……『トゥーン・エルフの剣士』によって特殊召喚されたトゥーン・モンスターは、その攻撃できない効果が無効にされている。行け、『トゥーン・ヂェミナイ・エルフ』!」
リュウガ(『トゥーン・ヂェミナイ・エルフ』は戦闘ダメージを与えた時、相手の手札を捨てさせることができる。だが……)
少女「手札から『クリボール』を墓地へ送り、その効果を発動。『トゥーン・ヂェミナイ・エルフ』を守備表示にする」
トゥーン・ヂェミナイ・エルフ DEF900
リュウガ「……ターンエンド」
TURN04
少女「私のターン」手札:4→5
リュウガ(相手のデッキはクリボーか……非常に受け身なデッキだ。だが、こちらを圧倒する手段も何かしら持っているはず。下手に時間をかけるのは得策じゃない)
少女「……『トゥーン・ワールド』がトゥーンモンスターの戦う舞台であるのならば、クリボーにもその舞台はある。私はフィールド魔法『超古代都市・クリバビロニア』を発動!」
少女がカードの発動を宣言すると、『トゥーン・キングダム』に亀裂が生じ、少女側の空間が古代都市へと描きかえられていった。
リュウガ「……これが、クリボーたちの都市」
少女「私は800LPを払い、クリバビロニアの効果を発動! デッキの1番上のカードをめくり、『クリボー』モンスターならば特殊召喚できる。ドロー」LP4000→3200
少女はゆっくりと、カードの内側を自分に向ける。
少女「私は『サクリボー』を、守備表示で特殊召喚」
サクリボー「クリー」DEF200
リュウガ「……クリボーモンスター」
少女「更に私は儀式魔法『クリボーの聖儀式』を発動。墓地の『クリボール』を必要なレベル分として墓地から除外し……」
少女「降臨せよ、レベル1『リチュアル・クリボー』!」
リュウガ「儀式のクリボー……!」
リチュアル・クリボー DEF200
少女「墓地の『クリボーの聖儀式』を除外することで、墓地の『クリボー』を手札に戻す」手札2→3
少女「更に『リチュアル・クリボー』の効果。1ターンに1度、手札の『クリボー』モンスター1体を特殊召喚できる。舞い戻れ、『クリボー』!」
少女「……これで準備は整ったわ」
リュウガ「まだ召喚権を残している……まさか!?」
少女「私はフィールドのクリボー3体をリリースし……」
空に黒雲がかかり、稲妻が轟く。その雲の中から這いずるようにして現れたのは……
少女「顕現せよ、『オシリスの天空竜』!!」
リュウガ「……神……」
もはやその存在は古く過去のものとなり、記憶は風化し、幻のものとなっていた。しかし、確かに今目の前に、その幻は存在している――!
オシリス「……」
リュウガ(……これが、神のカード……)
オシリス「――グオアオォーーー!!」
リュウガ LP4000 デッキ:30
手札:2 モンスター:『トゥーン・エルフの剣士』『トゥーン・ヂェミナイ・エルフ』 魔法・罠:『トゥーン・キングダム』・(セットカード) 墓地:1 除外:3
??? LP3200 デッキ:32
手札:1 モンスター:『オシリスの天空竜』 魔法・罠:『超古代都市・クリバビロニア』 墓地:3 除外:2
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