49.暗闇と炎の先に　作：くちなし

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「誰だ、、！？」

いつの間にか現れた少女。白いワンピースに白い帽子。帽子には花がついている。
あの花、、綺麗だな、、

「何しに来たの、、？」
「ん、、？そうだな、、自己鍛錬とでも言っておくべきかな」
「やめておいたほうがいいですよ⋯⋯⋯？」
「いや、行く」

空は太陽が輝き、風が吹くと木々がざわめく様に揺れる。

「⋯⋯知りませんよ⋯⋯？」
「心配してくれてありがとさん」
「べ⋯⋯別に心配してないです」
「、、そうかい」

自転車に足をかけ、ペダルを漕ぐ。

「⋯⋯」

冥通トンネルに入っていく。
先は真っ暗。

「⋯⋯⋯」

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「、、」
「。。」
「あー！！なんであいつは来ないのよ！！」

WRGPまであと少し。
悠里も含めて実践練習したいところだが、、

「やっほーーっ！」
「あら、氏家さん」
「あれ？カレはお休みかい？」
「少しの間休むって」
「あらま、大変やんね～」
「ホントそうよ！あいつ、気まぐれなんだから！」
「それより！できたやんね！」
「ん？何ができたの？」
「Dホイール、用意したやんね！あと、ユニフォームのサンプル！」
「、、、」
「いつも、ありがとうございます、氏家さん」
「香織っち、全然気にしないでいいよっ！」

ユニフォームの色は、黒めの生地に赤いラインの物、赤い生地に黒いラインの物と2種類ある。

「カッコいいわね」
「ほんますごいなぁ～、、」
「、、クール」
「。。。」
「一応ジャケットだけでいいんじゃないかって、瑞穂っちと海清くんで話してみたのさっ！」

皆圧巻するほどの出来の良さに氏家さんは満足げに微笑む。
んで、どっちが来たいか、アンケートを取った結果。
瑞穂と香織、火憐、理沙は赤い生地の物にした。
有希は黒い生地のほうを気に入ったらしく、それを選んだ。

「海清くんは希望取ってあって、黒い生地が良いだってさっ！」
「分かったわ。全員、なにか異論は？」

反応なし。可決である。

「じゃあ氏家さん、ユニフォーム、お願い！」
「了解っさ！次はDホイールやんね！」

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「、、、」

真っ暗なトンネルをひたすら走る悠里。大体20分くらい走っただろうか。
出口は一向に見えなく、ただ自転車のタイヤの音が反響している。

「、、！？」

突然だ。横にあるライトが突然光りだしたのだ。
あ、ライトというのは、高速道路とかで見るオレンジ色のあれだ。

そのまま進む。

「なんでここで、、」

霧である。
一応説明しておくが、ここはトンネルの中である。

「何が起こっているんだ、、？」

その後また数分自転車を走らせてみる。

「あそこにいるのは、、人、、？」

誰か奥に立っている。だけど、あまりに遠いせいか、とても小さく、はっきりとわからない。
その人は赤と白のワンピース。ボブカットである。

「、、！？」

その後走って10分。その少女がある人物と酷似していることに気づく。

「有希、、？」

有希にそっくりなのである。髪の色も、顔の輪郭も、身長も。
メガネの形や、フレームまでもが。
まるでコピー機にでも移したかのように。ただ来ている服が違うだけ、、

「何が起こってる、、」

後ろにも気配を感じる。
後ろを振り向くと、さっきまでいなかったはずなのに、いや、通ってきた道に人が立っているのである。

「瑞穂、香織、安楽木、城ヶ崎、氏家さん、、ウミキヨ、、？」

全員そっくりなのである。それだけではない。

「おふくろ、、父さん、、じっちゃん、ばっちゃん、、義姉さんまで、、？」

何故だ？なぜこんなところにみんなが揃っているんだ、？
瑞穂たちは学校にいるはずである。

「、、、くそっ、、」

携帯を開くが圏外である。電波もつながっていない。
自転車を止め、考えている間に、霧はどんどん濃くなっていく。
そして、あっという間に3m先ですらも見えないくらいの濃霧に囲まれてしまった。
何が起こっている、、？何が起こっているんだ、、！？

「あれ、、？目が、、視界が、、」

ボクのからだはどうかしてしまったのか？
今度は火の玉が見える。あたり一面である。
彷徨っているような感じだ。色は、、かろうじて赤とオレンジ、青に、、

「なんだあれ、、」

炎の先に見えるのは、、瑞穂たち、、？
学校にいる瑞穂達か、、？へっ、、みんな仲良く談笑してやがる。
とうとう幻まで見えるようになっちゃったか。
神のお迎えが来たのか、、？短く、儚かったものだな、、

「、、い、、いし、、きが、、」

なんか、言葉で表すとめんどくさそうな感じの違和感を感じる。

「だ、、ダメだ、、気が、、」

真っ暗闇のトンネルの中で、、、ボクは、、倒れた。


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次回(自壊)予告っ！
、、ユニフォーム、クール、カッコいい、、。
悠里、、どこにいるんだろう、、
早く戻ってきて、、大会まであと少しだから、、、

次回、、第50話「暗闇の果ては」

P.S 次回投稿は10月11日とさせていただきます。

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