34.対応策議←(何か足りない)　作：くちなし

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で、翌日。
朝、登校すると、昇降口で僕を待っていたのか、見つけた時に「放課後、文芸室にきて」
有希からそう言われたので、特に用事のないボクは向かうことにした。

「失礼しまーす、、」

ノックをしたのち、ゆっくりと扉を開け、中に入る。

「、、？」

あ、あれ、、？どちら様、、？、、というのは向こうも同じか。

「にゅ、入部希望、、？う、、うれしい、、」
「はぁ、、」

そんなキラキラした眩い目で見られるほど嬉しかったのか。
紙切れを渡される。なになに、、文芸部入部用紙、、

「入るのは構わないんだが、何をするんだ？」
「えっと、、？」

疑問形で返されても、、まぁ、良いか。
記名をして、紙を渡す。

「わ、わたしは、茅原香織です、、1Cです！、これからよろしく、おねがいします！」
「ボクは1Bの観月悠里です」

茅原香織、と名乗る少女。
小柄で、背も小さくて、ツインテールで、、出るとこは出てる、、
いわゆる、ゲームやアニメで出てくるロリータ的存在。
そして、追加要素。旧姓は松風らしい。

「、、、♬」

機嫌がよさそうである。ボクが入ったのがそんなにうれしかったのか、、？

「あ、あの、、」
「なんでしょう？」
「RINKモンスターって知ってますか？」

RINKモンスター、、
うわさで聞いたことがある。ルール改定と同時に投入された新規グループ。

「あ、来てたんだ」

有希と瑞穂が入ってくる。

「あ、有希ちゃんと瑞穂ちゃん」
「、、、」

とりあえず、揃った、、か。

「じゃあ、本題に入るわよ」

ホワイトボードに大きく文字を書く。【RINKモンスター対応策議】と。

「WRGPにおいて、大半がRINKモンスターを使ってくると言っても過言ではないと思うわ」

ほう、そこまで断定するか。

「知ってる通り、RINKモンスターが出たことによって、EXデッキから出てくるモンスターの
　複数展開は少なからず抑制できたけど、色々出し方が特殊だから。当てはめるなら、
　【チューナーのいらないシンクロ召喚】【魔法のいらない儀式召喚】ってとこかしら」
「なるほどな。で、なんでそこまで言うんだ？」
「えっと、モンスターのおく位置をかんがえる必要がある、、ってこと？」
「香織、正解。何も考えずに置いたら、マーカー先と被って、かえって邪魔になるからね」

つまり、最終的な理想の盤面を考えておかなければならないってことか。面倒だな。

「あと、まだRINKモンスターは種類が少ないから、効果を覚えておくといいわ」
「わたしは、デコード・トーカーとファイアウォール・ドラゴンをおぼえてたほうが、、」
「それは最低限の常識内よ」
「有希、効果覚えてる？」
「デコードは攻撃力の上昇と、対象を取る効果を無効にして破壊する効果、、、。
　ファイアウォールは1度だけ場か墓地のモンスターを手札に戻す効果、、」
「香織、それぞれの攻撃力と召喚条件、RINK数は？」
「えっと、デコード・トーカーは、、(以下略)」

こんな感じでざっと類についての説明があった。

「よーっす、お邪魔するよー」

入ってきたのは、中々の美少女で背も高く、声も良く。髪はとっても長いロングヘアー。
第一印象はポジティブそう。
ところで、どちら様ですか、？What are you name?

「、紹介するわ。D組の氏家さん」
「よろしくねぇ～」
「さて、氏家さん、」
「ちゃんと持ってきたやんね！」

陽気にスキップしながらホワイトボードに向かうと、何かを張り付けている。

「これはそこそこ使えそうなRINKモンスターの見分け表だよっ！素材の軽さと効果で
　分けてあるから考えてみてねっ！」

見やすい。さっき話に出たデコード・トーカーやファイアウォール・ドラゴンも載っている。

「あ、うちはWRGPには出ないよっ！だって、人数は揃ってるみたいだしね！」

テンション高いなぁ、、そして、独特の言葉の言い回し。これはなんなんだろう。

「じゃあ私は別の用事あるからちょいと抜けさせてもらうよ！あ、そこのちょっと冴えない
　男の子っ！あとで話あるから終わったら残ってくんなっ！」

冴えない男の子、、ボクか。サラッと刺さることを言われた気がする。

「さて、WRGPはライディングデュエルのリレー方式で行われるわ。順番も決めるけど、
　お互いの使うデッキもお互いに知っておくといいわね」

有希とボクはお互いにデッキを知っている。

「ちなみに私は『影霊依』と『幻煌龍』よ。」
「わたしはシンクロをおもに使います。だけど、デッキにはいろいろなテーマのカードが
　入っています」

幻煌龍は☆8で通常モンスターの幻煌龍スパイラルを軸にして魔法や罠のサポートで動く
というギミックを用いるテーマである。
一方、香織のデッキに関しては内容の全貌が明らかになっていない。
いったいどんなデッキなんだ？

「なら、デュエルに限るわ。、、と言いたいれど、氏家さんが表のカード、一通り持ってきて
　くれたから、好きなカードを好きな枚数EXデッキに入れときなさい」

全部持ってきたのか。しかも1人3枚、人数分置いてある。全部あの人の私品か。

ーーー

ほどなくしてボクたち4人はデッキ調整を終えた。
瑞穂の指示により机を端に寄せ、香織の座っている(進行形)椅子だけが日当たりの良い場所に
設置してある状態である。

「最初は香織と私から行くわよ」
「え、！？わ、わたし？」

前触れもなく指名されて軽くキョドっているな。

「覚悟は良い？あと、2人もお互いのデッキの動きをよく見ておきなさいよね」
「、、、」
「おうよ、、」
「お手合わせ、よろしくおねがいします、、!」

ただ頷いて反応を示す有希。そして2人の手合わせは瑞穂の一方的な指示で始まった。


『決闘！』　(瑞穂LP8000 VS 香織LP8000)