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遊☆戯☆王V☆S(ファイブスター)/Episode69:純黒の反逆者 作:カズ

 黒羽翼との来たる決戦の日。凛と希は、目的地であるシャン・ド・マルス公園の中で彼の到着を待ちわびていた。しかしいつまで待っても来ない対戦相手に軽く苛立ちを覚えていた。



「お兄ちゃん、宮本武蔵気取りなの?来るならとっとと来なさいよ…!」
「……君が、黒羽凛か?」
「そう…って、うわっ!」


 音も無く唐突に背後から現われたがために凛と希は飛び退けたが、その姿を彼女たちはよく知っていた。何を隠そう、よくテレビでその姿を見てきたのだから。そしてなにより、精一のメールで「ダーク・リベリオンを使うアンドロイド」の存在とその注意喚起もされているのだから当然の反応だ。


「俺は、エースに創られたアンドロイドNo.002『UTE(ユート)』だ。君の仲間が、ダーク・リベリオンを使うアンドロイドを見つけたら気を付けろと忠告していたようだが」
「あ、アンドロイドなんだ…。本物そっくりだったから、テレビから飛び出してきたのかと思ったよ……」


 希は彼がアンドロイドだということを改めて告げられたが、普通の人間と外見があまりにも大差なかったためその事実を受け入れるのは極めて困難だった。ユートの後ろに翼の姿も確認でき、全ての準備が整ったところでタッグデュエルでの要求を説明した。


「このタッグデュエルに君たちが勝てば君の兄を解放し、A.W.Ⅱの情報を可能な限り提供する。ただし君たちが負ければ、持っているSNo.を全てこちらの手に渡してもらう」


 ユートが提案してきた要求は簡単に呑めるものではなかったが、兄に施された洗脳を解除するためには受けなければならなかった。それに、希もホープ・ゼアルをいち早く理解するための近道はデュエルしか存在しないことを分かっていたため、今回のタッグデュエルはうってつけなのだ。


「やろう、凛ちゃん!勝ってお兄さんを取り戻さなきゃ!」
「うん!」


 このタッグデュエルでは墓地を共有し、全員のライフポイントは通常通り8000。先に両者を倒した方が勝ちとなる。更に、ドローが行えないのは最初の1ターン目のプレイヤーのみ、全プレイヤーは最初のターンでの攻撃不可、パートナーのモンスターを融合・シンクロ・エクシーズ・ビヨンド召喚の素材にすることも可能となるルールで行なう。ただし注意すべき点として、『ライトニング・ボルテックス』のように「相手フィールドのカード全てに干渉する」効果は、発動したプレイヤーのパートナーには及ばないこととする。
 凛と希は、このデュエルに勝利して前に進むことは出来るのだろうか。乗り越えるべき大きな試練が、今始まった。





「「デュエル!!」」

RIN→LP:8000 手札:5 デッキ:35 Mゾーン:0 M・Tゾーン:0 Fゾーン:0 Pゾーン:0

NOZOMI→LP:8000 手札:5 デッキ:35 Mゾーン:0 M・Tゾーン:0 Fゾーン:0 Pゾーン:0


 V S


TSUBASA→LP:8000 手札:5 デッキ:35 Mゾーン:0 M・Tゾーン:0 Fゾーン:0 Pゾーン:0

UTE→LP:8000 手札:5 デッキ:35 Mゾーン:0 M・Tゾーン:0 Fゾーン:0 Pゾーン:0


*TURN01
 ターンの進行は凛→ユート→希→翼の順番で行なわれる。


「私のターン!手札から永続魔法『黒い旋風』を発動し、『BF-残夜のクリス』を召喚!旋風の効果で、デッキからクリスより攻撃力の低い『BF-黒槍のブラスト』を手札に加えるわ。そしてブラストを自身の効果で特殊召喚!」


 凛は最初から快調の滑り出しが出来たと言ってもいいだろう。【BF】は本来、連続シンクロを売りにしているテーマだがフィールドにはチューナーが存在しない。しかし、彼女が何の意味も無くレベル4のモンスターを2体並べただけだと思ったら御門違いだ。


「私はレベル4のクリスとブラストの2体でオーバーレイ!漆黒の翼重なりて、永遠に羽ばたく力となる!エクシーズ召喚!!ランク4『BF-エターナル・ウィング』!!」


 ここで凛は、新しいエクシーズモンスターを召喚してきた。今までなら確実に『BF』をサーチできる「エクシーズ・ウィング」を積極的に呼び出していたが、今まで通りの戦法ではリリーに勝つことは不可能だと思い、デッキを調整してきたのだ。


「エターナル・ウィングの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、デッキからこのカードの攻撃力以下の『BF』と名の付いたモンスター1体を墓地へ送る!私が墓地へ送るのは『BF-精鋭のゼピュロス』!」


〇BF-エターナル・ウィング(ランク4 闇)(オリジナル)
鳥獣族/エクシーズ/効果
攻2200/守1200
レベル4「BF」モンスター×2
このカード名の①②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できず、②の効果はデュエル中に1度しか使用できない。①:このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。デッキからこのカードの元々の攻撃力以下の「BF」モンスター1体を墓地へ送る。この効果を使用したターン、自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。②:このカードが墓地に存在し、自分フィールドの「BF」モンスターが墓地へ送られた場合に発動できる。墓地のこのカードを特殊召喚する。その後、このモンスターよりランクが2つ高い「BF」モンスター1体を、このカードの上に重ねてX召喚扱いでEXデッキから特殊召喚する。



 エクシーズ召喚を行ないつつ、次のターン以降での下準備も忘れなかった。ゼピュロスはデュエル中に1度だけとはいえ、かなり緩い条件で墓地から蘇生できるカードだ。早々に墓地へ落とせたのは大きい。


「カードを2枚伏せて、ターンエンド!」
RIN→LP:8000 手札:1 デッキ:33 Mゾーン:1 M・Tゾーン:3 Fゾーン:0 Pゾーン:0



*TURN02
 次はユートのターン。このターンからドローが可能になり、彼の操るデッキも明らかになる。ユーリが【捕食植物】を使用していたが、ユートはどうなのだろうか。


「俺のターン、ドロー!まずは魔法カード『おろかな埋葬』を発動し、デッキから『幻影騎士団ダスティローブ』を墓地へ送る。そして手札から『魔界発現世行きデスガイド』を召喚!」


 ユートは積み込みを疑うレベルで制限カードを連続で使用してきたが、これが取るべき最善策なのだ。デスガイドの効果で、デッキから『彼岸の悪鬼 スカラマリオン』を特殊召喚した。メインデッキに投入出来る『彼岸』モンスターには共通して「彼岸と名の付いたモンスター以外のモンスターが存在する場合に破壊される」効果を持っているが、デスガイドの効果で呼び出したモンスターの効果は無効化されているため、自壊効果も失われている。


「俺はレベル3のデスガイドとスカラマリオンでオーバーレイ!生も死も超えたその先に、汝の導き出すべき答えがある。エクシーズ召喚!!ランク3『彼岸の旅人 ダンテ』!!」



〇幻影騎士団ダスティローブ(Lv3 闇)
戦士族/効果
攻800/守1000
「幻影騎士団ダスティローブ」の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードがフィールドに攻撃表示で存在する場合、フィールドの闇属性モンスター1体を対象として発動できる。このカードを守備表示にし、対象のモンスターの攻撃力・守備力は相手ターン終了時まで800アップする。②:墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「幻影騎士団ダスティローブ」以外の「幻影騎士団」カード1枚を手札に加える


〇魔界発現世行きデスガイド(Lv3 闇)(制限カード)
悪魔族/効果
攻1000/守600
①:このカードが召喚に成功した時に発動できる。手札・デッキから悪魔族・レベル3モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは効果が無効化され、S素材にできない。


〇彼岸の悪鬼 スカラマリオン(Lv3 闇)(制限カード)
悪魔族/効果
攻800/守2000
「彼岸の悪鬼 スカラマリオン」の①③の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。①:自分フィールドに魔法・罠カードが存在しない場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。②:自分フィールドに「彼岸」モンスター以外のモンスターが存在する場合にこのカードは破壊される。③:このカードが墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動できる。デッキから「彼岸の悪鬼 スカラマリオン」以外の悪魔族・闇属性・レベル3モンスター1体を手札に加える。


〇彼岸の旅人 ダンテ(ランク3 光)(制限カード)
戦士族/エクシーズ/効果
攻1000/守2500
レベル3モンスター×2
①:1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、自分のデッキの上からカードを3枚まで墓地へ送って発動できる。このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果を発動するために墓地へ送ったカードの数×500アップする。②:このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になる。③:このカードが墓地へ送られた場合、このカード以外の自分の墓地の「彼岸」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。




 ユートの扱うデッキは【幻影騎士団】に【彼岸】でも採用されているカードを取り入れた、俗に言う【幻影彼岸】であり、純粋な【幻影騎士団】よりも墓地を肥やすことに長けている。ユーリが花奈とのデュエルでエクシーズ召喚を行なったように、ユートもまた、より勝利することを考えるようプログラムされていたのだ。


「ダンテの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、デッキの上から3枚を墓地へ送る。これによってダンテの攻撃力がターン終了時まで1500ポイントアップするが、このターンは攻撃できない」
「だけど、墓地肥やしをする意味はあるってわけね」
「その通りだ」


 この効果で墓地へ送られたカードは『幻影霧剣(ファントム・フォッグ・ブレード)』『幻影翼(ファントム・ウィング)』『幻影騎士団ラギッドグローブ』の3枚。いずれも墓地に存在しても効果を発揮できるカードばかりだ。


「そして俺は、墓地の『幻影翼』を除外し、効果発動!墓地からラギッドグローブを特殊召喚する!さらに、自分フィールドに『幻影騎士団』が存在することで、手札から『幻影騎士団サイレントブーツ』を特殊召喚できる!そして俺は、レベル3のラギッドグローブとサイレントブーツでオーバーレイ!戦場に倒れし騎士たちの魂よ。今こそ蘇り、闇を切り裂く光となれ!エクシーズ召喚!!ランク3『幻影騎士団ブレイクソード』!!」



〇幻影翼(通常罠)
「幻影翼」の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターの攻撃力は500アップし、このターンに1度だけ戦闘・効果では破壊されない。②:墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の「幻影騎士団」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは、フィールドから離れた場合に除外される。


〇幻影騎士団サイレントブーツ(Lv3 闇)
戦士族/効果
攻200/守1200
「幻影騎士団サイレントブーツ」の、①の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:自分フィールドに「幻影騎士団」モンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。②:墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「ファントム」魔法・罠カード1枚を手札に加える。


〇幻影騎士団ラギッドグローブ(Lv3 闇)
戦士族/効果
攻1000/守500
「幻影騎士団ラギッドグローブ」の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:フィールドのこのカードを素材としてX召喚した闇属性モンスターは以下の効果を得る。●このX召喚に成功した場合に発動する。このカードの攻撃力は1000アップする。②:墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「幻影騎士団」カードまたは「ファントム」魔法・罠カード1枚を墓地へ送る。


〇幻影騎士団ブレイクソード(ランク3 闇)
戦士族/エクシーズ/効果
攻2000/守1000
レベル3モンスター×2
①:1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、自分及び相手フィールドのカードを1枚ずつ対象として発動できる。そのカードを破壊する。②:X召喚されたこのカードが破壊された場合、自分の墓地の同じレベルの「幻影騎士団」モンスター2体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターのレベルは1つ上がる。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしか特殊召喚できない。


 ユートはこのターン中に2回のエクシーズ召喚を決め、攻守を万全にしてきた。ラギッドグローブを素材としたブレイクソードの攻撃力は1000ポイントアップし、3000になった。


「俺はカードを2枚伏せ、スカラマリオンのエンドフェイズに発動する効果を使う!デッキから『クリバンデット』を手札に加えてターンエンドだ」
UTE→LP:8000 手札:2 デッキ:28 Mゾーン:2 M・Tゾーン:2 Fゾーン:0 Pゾーン:0


〇クリバンデット(Lv3 闇)
悪魔族/効果
攻1000/守 700
①:このカードが召喚に成功したターンのエンドフェイズにこのカードをリリースして発動できる。自分のデッキの上からカードを5枚めくる。その中から魔法・罠カード1枚を選んで手札に加える事ができる。残りのカードは全て墓地へ送る。



*TURN03
 次は希のターンだが、攻撃できない現状では必殺級の効果を持ったホープ・ザ・ライトニングを召喚しても特に意味は無い。ここは手堅く防御を固めるべきだと判断した希はどう立ち回るのか。


「私のターン、ドロー!手札から魔法カード『ジェネレーション・フォース』を発動して、デッキから『エクシーズ・チェンジ・タクティクス』を手札に加えて発動。更に『ガガガ学園の緊急連絡網』も発動して、デッキから『ガガガガール』を特殊召喚!そして『ガガガマジシャン』を通常召喚し、ガールの効果発動!このカードのレベルを自分フィールドの『ガガガマジシャン』と同じにするよ!」


 希の初手には「かっとビングカウンター」を溜めることによって展開補助と攻撃力増加を達成できるフィールド魔法『希望卿-オノマトピア-』が入っておらず、これ以上の展開は不可能だった。しかし、お得意のエクシーズ召喚が封じられたわけではないので、希の分身というべきカードは呼び出せる。


「私は、レベル4のガガガマジシャンとガガガガールでオーバーレイ!希望は決して捨てない。それが、勝利という答えへの道標だから!エクシーズ召喚!!『No.39 希望皇ホープ』!!」


 光の戦士、ホープが登場した。希自身はまだ知らないが、このカードもまた「A.W.Ⅱ」での要となる。そのことをエースから聞かされていたユートは、希の実力をじっくりと観察したかったのだ。


「ガガガマジシャンと共にオーバーレイユニットとなったガガガガールの効果発動!ブレイクソードの攻撃力を0にする!そして、私のライフポイントを500払うことで、デッキから1枚ドロー!」


 ユートが折角呼び出したブレイクソードも、希の戦術によって醜い攻撃力を晒す羽目になってしまった。「幻影騎士団」と名の付くモンスターは基本的なステータスは他のモンスターと比較すれば心許ないが、「ファントム」の名を持つ魔法・罠カードの恩恵を受けることでそのパラメータを上昇させることが出来る。


「このターンは攻撃できないから……私はカードを1枚伏せてターンエンド!」
NOZOMI→LP:7500 手札:2 デッキ:31 Mゾーン:1 M・Tゾーン:2 Fゾーン:0 Pゾーン:0



*TURN04
 ここまで「攻撃できないから」という理由で凛、ユート、希の誰もが動けなかったが、翼はその程度の理由で牙を向かないはずがなかった。


「僕のターン、ドロー!手札から『RR-バニシング・レイニアス』を召喚!そしてその効果で、手札の『RR-トリビュート・レイニアス』を特殊召喚!さらにトリビュートの効果で、デッキから『RR-ミミクリー・レイニアス』を墓地へ送る」


 続いて翼は、墓地へ送られたミミクリー・レイニアスの効果を使い、デッキから『RR-ネスト』を手札に加えた後、そのまま発動した。その効果で、デッキから『RR-ファジー・レイニアス』を手札に加えた。このモンスターは「RR」が存在するだけで特殊召喚が可能になり、連続エクシーズ召喚を狙う上では欠かせないカードなのだ。


「僕はレベル4のバニシング・レイニアスとトリビュート・レイニアスでオーバーレイ!冥府の猛禽よ。闇の眼力で真実を暴き、鋭き鉤爪で栄光をもぎ取れ!エクシーズ召喚!!ランク4『RR-フォース・ストリクス』!!」


 翼は召喚したフォース・ストリクスの効果を使い、デッキから『RR-シンギング・レイニアス』を手札に加え、ファジー・レイニアスと共に特殊召喚した。この2体はどちらもレベル4であるため、翼は2体目のフォース・ストリクスを呼び出した。このカードのサーチ効果には「ターン1回」の制限は付いていないため、同名モンスターを呼び出せばその効果を複数回使うことも出来る。
 2体目のフォース・ストリクスの効果で、デッキから『RR-シンギング・レイニアス』を手札に加え、オーバーレイユニットとして墓地へ送られたファジー・レイニアスの効果で、デッキから同名カードを回収した。そして、ここから彼は次の手を打った。


「そして僕は、手札の『RUM-ソウル・シェイブ・フォース』を墓地へ送り、フォース・ストリクスを素材としてエクシーズ召喚を行なう!」


 手札から「RUM」と名の付く魔法カードを墓地へ送ってエクストラデッキからエクシーズモンスターを特殊召喚する方法は希の専売特許ではなく、カードプールが増えた現在の「RR」でも使用可能となった。そしてこの方法で呼び出すモンスターは、かつて凛が嫌と言うほど苦汁をなめたあのモンスターの進化形態。





―――英雄の血潮に染まる隼よ、革命の炎をその身に纏い、反逆を阻むもの皆打ち払え!エクシーズ召喚!!―――




―――飛来せよ、ランク6!『RR-レヴォリューション・ファルコン-エアレイド』!!―――



〇RR-レヴォリューション・ファルコン-エアレイド(ランク6 闇)
鳥獣族/エクシーズ/効果
攻2000/守3000
鳥獣族レベル6モンスター×3
このカードは手札の「RUM」魔法カード1枚を捨て、自分フィールドのランク5以下の「RR」Xモンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。①:このカードがX召喚に成功した場合、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを破壊し、その攻撃力分のダメージを相手に与える。②:このカードが相手によって破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。エクストラデッキから「RR-レヴォリューション・ファルコン」1体を特殊召喚し、このカードを下に重ねてX素材とする。



「エ…エアレイド?!お兄ちゃん、あんなモンスターを持っていたなんて……」
「驚くのはまだ早い!レヴォリューション・ファルコン-エアレイドがエクシーズ召喚された時、相手フィールドのモンスター1体を破壊し、その攻撃力分のダメージを与える!エターナル・ウィングを破壊!」
「くっ…!」
RIN→LP:5800



 本来なら希のホープを破壊した方が与えられる効果ダメージは大きかったのだが、「兄妹で激しく戦いたい」という本能が彼の奥底に眠っているのだろうか。しかし、凛も無抵抗では終わらせなかった。


「速攻魔法『RUM-ブラック・フォース』を発動!破壊されたエターナル・ウィングを特殊召喚し、ランクが1つ高いモンスターをエクシーズ召喚するわ!漆黒の翼重なりて、暴風を巻き起こせ!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!!『BF-スパイラル・ウィング』!!」


 幼少期に翼から教わった「ランクアップ」という戦術は、今でもこうして愛用されている。彼女が使用する「RUM」は全て速攻魔法カードであるため、相手ターンでも発動できる。今回はダメージを受けてしまったが、『RUM-トルネード・フォース』で対象を失わせることが出来ればそれも回避できた。こればかりは引き運も関係してくるのでどうにもならなかったが。


「さすがは我が妹だ……。僕はカードを1枚伏せてターンエンド!」
TSUBASA→LP:8000 手札:4 デッキ:28 Mゾーン:2 M・Tゾーン:2 Fゾーン:0 Pゾーン:0



*TURN05
 攻撃できないからといってダメージを受けないわけではない。それは想定していたことだったのだが、いざ兄を相手にするとなると恐怖よりも先に闘志が溢れてくる。


「私のターン!スパイラル・ウィングの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、デッキから『BF-漆黒のエルフェン』を特殊召喚!さらに手札からチューナーモンスター『BF-極北のブリザード』を召喚して、その効果で墓地のゼピュロスを守備表示で特殊召喚する!」


 そして凛は『黒い旋風』の効果も使い、デッキから『BF-そよ風のブリーズ』を手札に加えた。ブリーズはカード効果でデッキから手札に加わった場合、そのまま手札から特殊召喚できる効果を持っている。しかもチューナーモンスターであるため、即座にシンクロ召喚へと繋げることも出来るのだ。


「私はレベル4のゼピュロスに、レベル3のブリーズをチューニング!漆黒の翼翻し、雷鳴と共に走れ、電光の斬撃!シンクロ召喚!!『A BF-驟雨のライキリ』!!」


 ライキリはかつて翼とのライディングデュエルでも勝利に貢献したカードだが、このカードは自分フィールドにより多くの『BF』をフィールドに揃えて初めて、強大な制圧力を獲得する。そして凛の怒濤の展開はここから始まった。


「そして私は、墓地のエターナル・ウィングの効果発動!墓地からこのカードを特殊召喚し、このカードを素材としてランクが2つ上のモンスターをエクシーズ召喚する!漆黒の翼三度交わりて、吹き荒ぶ嵐と共に降臨せよ!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!!ランク6『BF-タイフーン・ウィング』!!」


 エターナル・ウィングには「自分フィールドの『BF』と名の付いたモンスターが墓地へ送られた場合に復活し、自身を素材としてランクが2つ上のモンスターを呼び出す」効果を持っていた。この効果には「RUM」を必要としないため、墓地に存在するだけで自陣を復帰させることも容易いのだ。そして、凛のフィールドに5体の「BF」が揃い、ライキリの効果を余すことなく活かせる展開に持ち込んだ。


「ライキリの効果発動!このカード以外の自分フィールドの『BF』1体につき1枚、相手フィールドのカードを破壊する!お兄ちゃんのフォース・ストリクスと伏せカード、そしてユートさんのダンテと伏せカードを破壊!」


 元から大量展開を得意とするデッキではあったが、新たに投入されたエターナル・ウィングによって更に研磨された。2人の破壊された伏せカードはそれぞれ『RR-リターン』『ワンダー・エクシーズ』だったことを考慮すれば、モンスターが破壊された時のケアをお互いに狙っていたのだろう。


「ダンテが破壊されたことにより、墓地のスカラマリオンを手札に加える。ダンテを破壊することで墓地肥やしのみならず、ベアトリーチェの召喚も防ぐとはな」
「お褒めにあずかり光栄よ…!」



〇RR-リターン(通常罠)
「RR-リターン」の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:自分フィールドの「RR」モンスターが戦闘で破壊された場合、自分の墓地の「RR」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。②:自分フィールドの「RR」モンスターが効果で破壊された場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「RR」カード1枚を手札に加える。



 ユートも凛のタクティクスに賞賛の言葉を贈ったが、このデュエルに勝利するためにはこの程度の賛辞で頬を緩めていられない。凛は残されているモンスターを使い、自らのエースモンスターを呼び出した。


「レベル6のエルフェンに、レベル2のブリザードをチューニング!遙か未来を守護する竜よ、漆黒に染まりし翼はためかせ、世界に光を!シンクロ召喚!レベル8『封印竜ノーブル・フェザー』!!」


 早くも切り札を呼び出したが、彼女のターンはまだ終わらない。ランクアップによって呼び出されたタイフーン・ウィングの効果も使い、墓地からブリーズとゼピュロスを再び呼び戻し、この2体を素材として『BF-アーマード・ウィング』をシンクロ召喚してみせた。涙雨のチドリを呼び出せば総攻撃力は確かに上がるものの、翼のレヴォリューション・ファルコン-エアレイドが持っている2つ目の効果を考慮した結果、こちらのモンスターを選んだというわけだ。



「バトル!私はノーブル・フェザーで、攻撃力が0になったブレイクソードを攻撃!グロリアス・ストリーム!!」
「ぐぁあっ…!だが、破壊されたブレイクソードの効果発動!墓地からラギッドグローブとサイレントブーツをレベル4として守備表示で特殊召喚する!そう易々と幻影騎士団は倒れない!!」
UTE→LP:5100



 テレビでもこの戦法を彼がやっていたことを思い出し、次のターンで呼び出してくるモンスターがダーク・リベリオンだということも予測できた凛は、立て続けにタイフーン・ウィングでサイレントブーツに攻撃を仕掛けた。しかし、ユートはこのタイミングで罠カードを発動した。


「俺は驟雨のライキリを対象として『幻影騎士団ロスト・ヴァンブレイズ』を発動!ターン終了時までレベル2として扱われ攻撃力は600ポイント下がる。そして俺の幻影騎士団は戦闘で破壊されない。更にこのカードを通常モンスター扱いとして自分フィールドに特殊召喚する!」



〇幻影騎士団ロスト・ヴァンブレイズ(通常罠)
①:フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。ターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力は600ダウンし、レベルは2になり、自分の「幻影騎士団」モンスターは戦闘では破壊されない。その後、このカードは通常モンスター(戦士族・闇・星2・攻600/守0)となり、モンスターゾーンに守備表示で特殊召喚する(罠カードとしては扱わない)。



凛がまだ攻撃していないライキリの攻撃力を下げつつ自分フィールドのモンスターを守ることによって、次のターンでの攻撃態勢も万全のものとさせた。しかし彼女にはまだ攻撃できるモンスターが残っている。


「だったら、アーマード・ウィングでお兄ちゃんのレヴォリューション・ファルコン-エアレイドを攻撃!」


 本当なら希のホープ・ザ・ライトニングで完封したかったのだが、希に頼り切ったデュエルをしてはこの先の戦いに勝てないことを重々承知しているからこそ、茨の道を歩く選択をしたのだ。


「くっ…!だけどエアレイドが破壊されたことによって、エクストラデッキから『RR-レヴォリューション・ファルコン』を特殊召喚し、エアレイドをオーバーレイユニットとして扱う!」
TSUBASA→LP:7500


 攻撃力は2000とランク6の割には貧弱だが、特殊召喚されたモンスターとの戦闘に於いて無敵ともいえるのがこのモンスターだ。希も凛もエクストラデッキからモンスターを特殊召喚することで力を最大限に引き出すデッキを採用しているため、このカードは最も苦手なのだ。


「ライキリは攻撃力が下がっちゃったから……私はこれでターンエンド!」
RIN→LP:5800 手札:1 デッキ:30 Mゾーン:4 M・Tゾーン:1 Fゾーン:0 Pゾーン:0



*TURN06
 早くも6ターン目が経過し、次はユートのターン。罠カードのおかげでフィールドに同レベルのモンスターを残せたため、満を持して、彼のエースモンスターを呼び出せる。


「俺のターン、ドロー!俺は『クリバンデット』を召喚!」


 前のターンで手札に加えたカードを早速召喚したが、このカードは大量の墓地肥やしを行えるという点に於いて優れており、同じく墓地肥やしをすることで真価を発揮する【幻影騎士団】の相性は極めてよい。効果の発動タイミングは他のカードと比較すれば若干遅いものの、凛と希が相手ならその心配も無用だ。


「俺はレベル4となったサイレントブーツとラギッドグローブでオーバーレイ!漆黒の闇より、愚鈍なる力に抗う反逆の牙!今、降臨せよ!エクシーズ召喚!!ランク4!『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』!!」



~現在の状況~
RIN→LP:5800 手札:1 デッキ:30 Mゾーン:4 M・Tゾーン:1 Fゾーン:0 Pゾーン:0

NOZOMI→LP:7500 手札:2 デッキ:31 Mゾーン:1 M・Tゾーン:2 Fゾーン:0 Pゾーン:0


 V S


TSUBASA→LP:7500 手札:4 デッキ:28 Mゾーン:1 M・Tゾーン:1 Fゾーン:0 Pゾーン:0

UTE→LP:5100 手札:2 デッキ:27 Mゾーン:3 M・Tゾーン:0 Fゾーン:0 Pゾーン:0
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2 Episode20:初の対外試合 373 2 2015-09-20 -
1 Episode21:シンクロ封印 308 1 2015-09-22 -
4 Episode22:1つの答え 376 2 2015-09-24 -
1 Episode23:黒羽の誇り 401 2 2015-10-01 -
2 Episode24:ハイスピードバトル 369 3 2015-10-06 -
0 Episode25:超越する力 331 2 2015-10-11 -
3 Episode26:運命の決戦 306 3 2015-10-20 -
3 Episode27:来訪者、天導レイン 383 2 2015-11-03 -
3 Episode28:遊弥vsレイン 406 2 2015-11-09 -
5 Episode29:舞い降りた天使 360 2 2015-12-05 -
6 Episode30:天使と悪魔 433 3 2015-12-09 -
4 Episode31:禁断の無限暗黒竜 526 2 2015-12-12 -
6 番外編02:凛と紅葉が… 371 0 2016-01-05 -
6 Episode32:パワー・ツール 384 3 2016-01-29 -
6 Episode33:死した希望の使者 317 2 2016-01-31 -
5 Episode34:高貴の翼 396 4 2016-02-04 -
6 Epi35:戦慄のリバースビヨンド 355 1 2016-02-13 -
8 Epi36:加速するカウントダウン 401 2 2016-02-20 -
7 Epi37:希望のカード『V☆S』 398 3 2016-03-25 -
5 Episode38:朱色の夜 318 0 2016-04-11 -
5 Episode39:並び立つ盟友 385 2 2016-04-22 -
8 Episode40:精一と彩 451 2 2016-05-30 -
5 Episode41:漆黒の鎮魂歌 372 4 2016-06-22 -
5 Episode42:涅槃の境地へ 372 2 2016-07-02 -
4 Episode43:トワノキズナ 332 3 2016-07-23 -
2 Episode44:銀河と宇宙 349 3 2016-08-09 -
5 Episode45:銀河眼vs宇宙眼 333 0 2016-08-20 -
2 Episode46:絶望の凱旋 265 0 2016-08-24 -
4 Episode47:刻まれた記憶の欠片 258 1 2016-09-06 -
10 Episode48:希望の行方 244 0 2016-09-13 -
4 Episode49:悪夢の決戦前夜 251 0 2016-10-03 -
5 Episode50:創世の星屑竜 244 0 2016-10-25 -
0 Episode51:託された未来 255 0 2016-10-30 -
1 番外編03:遊弥と花奈の... 256 2 2016-11-02 -
3 未投稿オリカ紹介① 279 0 2016-11-09 -
2 未投稿オリカ紹介② 225 0 2016-11-26 -
2 未投稿オリカ紹介③ 267 0 2016-12-08 -
3 未投稿オリカ紹介④ 261 0 2016-12-20 -
6 未投稿オリカ紹介⑤ 215 0 2016-12-30 -
4 Episode52:極寒の夏 192 2 2017-01-01 -
31 Episode53:闇の邂逅 212 2 2017-01-07 -
3 Episode54:呪縛竜復活 180 0 2017-01-11 -
5 Episode55:届かぬ声で... 180 2 2017-01-15 -
2 Episode56:禁忌の目覚め 206 5 2017-01-19 -
3 Episode57:共鳴する四龍 210 4 2017-01-25 -
5 Episode58:本当の気持ち 203 3 2017-01-30 -
4 Episode59:真実への鍵 197 2 2017-02-08 -
4 IF01:バレンタインデー 247 6 2017-02-11 -
1 Episode60:エレンとアレックス 234 3 2017-02-16 -
30 ルール改訂と今後の進行について 339 2 2017-02-18 -
4 Episode61:想いの証 201 5 2017-02-21 -
3 Episode62:茨の道標 237 5 2017-02-27 -
5 Episode63:光と闇の花 187 3 2017-03-20 -
7 Episode64:渇望と葛藤 176 2 2017-03-23 -
5 Episode65:麗しき孤月 149 2 2017-03-29 -
44 Episode66:月夜のイリュージョン 223 2 2017-04-21 -
15 Episode67:常闇に消える月華 292 1 2017-05-05 -
10 Episode68:模索者たち 106 4 2017-07-22 -
12 Episode69:純黒の反逆者 118 0 2017-07-27 -
8 Episode70:紅と黒の禁呪 118 2 2017-08-07 -
7 Episode71:希望は往く 116 3 2017-08-17 -
9 Episode72:リリーの過去 103 2 2017-08-24 -
5 Episode73:異次元の亡霊 96 2 2017-09-13 -
4 Episode74:覚醒の鼓動 91 3 2017-09-22 -
5 Episode75:挑戦者の儀 96 0 2017-10-05 -
3 Episode76:神速の決闘 65 2 2017-11-14 -

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