26.作戦会議→潜入　作：くちなし

7月25日｡決戦日だ｡
期末テストやら,親睦会やら,,,やることは多くあったが;無事この日を迎えることが出来た｡今の所は｡

｢悠里～遅刻ギリギリよ！｣
｢安楽木,,,｣

僕が来たとき､既に全員揃っていた｡場所は海清宅｡この日は期末休みである｡

｢さて､始めるか,,,｣
｢,,,｣
｢城ヶ崎,,,どうしたってんだ,,,?｣
｢ん？,,,なんでもない,,,｣

ただいまの時刻､10:30｡

｢さて､アルカディア・ムーヴメントについてだが,,,｣

長々と説明が入る｡主にどういう所か､政府との関わり,,,
長々と話される中､本題に直結する話に｡

｢問題はこの政府機関が,,,ある実験をしていることだ,,,｣
｢実験,,,？｣
｢人体実験か？｣
｢悠里､正解｡そう､人間をサイコ化させる実験だ｣
｢サイコ化,,,？なにそれ｣

城ヶ崎の問いには安楽木が答える。

｢んー,,,超能力みたいなものね｡例えば,,,デュエルで発生するダメージや衝撃を具現化する,,,とか｣
｢それ､かなりヤバいじゃん！｣
｢まあ、ヤバいどころの問題じゃないな｡なんで今生きてるのか不思議なくらいだ｣

もし安楽木が答えたことが真実だとしたら､悠里も安楽木も生きているわけがない｡と言うのも､
もし､ダメージが具現化しているなら､負けた2人は死んでいるはずだ｡そこは有希の力加減なのか,,,？
それに,僕はあの時､一週間も寝込んでいたのに､安楽木は元気だった,,,やはり不思議だ｡

｢まあ、作戦を伝えておこう｣

お伝えしよう｡海清の口から伝えられる作戦｡今ここに露わとなる｡

｢このメンバーで2チームに分かれて別行動をとる｣
｢んで､役割は？｣
｢まあ､悠里,,,焦らないで｣

海清が考えたパターンはこうだ｡

・陰から潜入して内部から掻き回し､実態を知る第1隊
・正面から潜入して注意を引かせる第2隊

｢まあ、こんな感じかな｣
｢内部から掻き回すって？｣
｢簡単に言うと,,,実態を暴露するのが神の作戦｡そのための布石を打つ｡そのために悪事や機密事項を
探る役目をして貰うよ｣
｢なるほど,,,チーム編成は？｣
｢今の所､第1隊がオレと城ヶ崎さん､第2隊は安楽木さんにするつもりだよ｣

あれ？僕は何処に？

｢悠里には別のことをして貰う｣

何だよ｡無茶なことはイヤだぞ｡

｢有希を頼む｣
｢,,,｣
｢ちょっと,,,具体的なのはないの,,,｣
｢分かった,,,｣
｢ちょ,,,悠里,,,｣
｢安楽木,,,良いんだ,,,｣

軽く微笑んでみせる｡
眼差し見りゃ,,,だいたい分かる｡海清の柔和な目線｡それが大方の内容を物語っている｡

｢よし,,,決行だ！｣

皆が出発準備をし,,,いざ,,,アルカディア・ムーヴメントに突撃だ,,,！
嫌と行っても有希を連れ戻してやる！

☆★☆★

｢で,,,でかい,,,｣
｢政府機関だからね,,,｣
｢匂うわね,,,私の天使も疼いているわ,,,｣
｢疼くって,,,｣

アルカディア・ムーヴメント｡ここに有希がいる｡
因みにここにいるのは安楽木と僕だけ｡二人は先行している｡
僕らは目立たない格好でマスクをしている｡

｢悠里,,,行く？｣
｢うん｣

☆★☆★

｢よし,,,入れた,,,｣
｢ホントに入れた,,,｣

こちら先行している海清と火憐｡狭い通路を通り,,,うまく入れたようだ｡
小さな小部屋｡どうやらカメラは無い様である｡

｢さて,,,清掃員の用具を盗んでおいたよ｡着替えて｣
｢え？ここで？｣
｢見ないから｡周り見張ってる｣

と言い,,,その場を離れる｡

｢,,,着替えたわよ,,,｣
｢お、似合ってるじゃん,,,｣
｢え,,,,,,｣

赤面する火憐｡

｢さて,,,実行に移ろうか,,,｣

☆★☆★

｢うまく入れたな｣
｢ホントね｣
｢それにしても眼鏡,,,似合ってるぞ｣
｢え,,,？ありがと,,,｣

海清がわざわざ予約してくれたことで入手できた入場券｡
今､入場完了｡ガイドさんが来る｡

｢ご案内致しますのでどうぞこちらに｣
｢あ､少しお手洗いに寄らせて貰っても？｣
｢どうぞ？,｣

安楽木,,,ナイスタイミング！

☆★☆★

こちら海清と火憐｡

｢この中から探すか,,,｣

着替えた部屋は書斎｡きっと何かがあるはず｡
二人は黙々と探し続ける｡

｢あ、そうそう、話しておくことがあるんだ｣
｢え,,,？｣

☆★☆★

｢安楽木,,,とりあえず話しておきたいことがある,,,｣
｢え？｣
｢｣

それだけ行ってガイドさんの所へ戻っていった。