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虹彩竜と歩むもの/第40話:奇跡 作:光芒





「クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンで暗黒界の龍神 グラファを攻撃! “烈風のクリスタロス・エッジ”!」

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK5700 VS 暗黒界の龍神 グラファ ATK2700

アイギス LP4700→1700

『ぐおおっ!!』

 クリスタルウィングの一撃は強靭な身体を持つデュエルコンピューターのアイギスの身体をよろつかせる。機械の身体を以てしても、やはり強力なモンスターの一撃は堪えるのだろう。

「クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンはレベル5以上のモンスターとの戦闘ではまず負けません。仮にグラファを蘇生したところで壁にするのが精一杯ですよ?」
『……その通りだな。だが、所詮は1体のモンスターにすぎない。1体に依存しすぎると後に痛い目を見るぞ?』

 コンピューターであるにも関わらず、随分とこちらの精神を揺さぶるようなことを言ってくる、と美鈴は内心思った。それでもクリスタルウィングをあっさり突破される、という苦い経験は美鈴も味わっている。
 遊大と組んだデュエルがそうだ。そのデュエルでは先攻1ターン目でシンクロ召喚し、スノウ・ベルの効果で破壊耐性を付けたクリスタルウィングを【壊獣】によってリリースされるという方法で除去されている。そのため美鈴はデュエリストにおいて過信こそが最も避けるべきこと、ということを学んでいた。

(アイギスのあの言いようだと、きっとクリスタルウィングを突破できる手段を用意しているはず。用心しておくに越したことはないでしょう)
「バトルフェイズを終了し、メインフェイズ2に移ります」
『ではそのバトルフェイズ終了時に我はリバースカードを発動する。速攻魔法“暗黒界に続く結界通路”だ』


※暗黒界に続く結界通路
速攻魔法
自分の墓地に存在する「暗黒界」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚する。このカードを発動するターン、自分は召喚・反転召喚・特殊召喚する事はできない。


『我は墓地の暗黒界の狩人 ブラウを特殊召喚する』
「暗黒界に続く結界通路は発動するターン、召喚・特殊召喚・反転召喚の全てを不可能にします。ですが、そのデメリットも相手ターンならばさほど問題になりませんね」

 暗黒界のエースモンスターであるグラファは自己蘇生が可能であるため、このカードに頼る意義は薄い。しかし、アイギスが蘇生したブラウはカードの効果によって手札から捨てられることでデッキからカードを1枚ドローすることができる。アイギスはブラウを手札に戻すことでグラファを蘇生し、ブラウのドロー効果を狙っていることは明白であった。

「メインフェイズ2に移行。手札から2枚目のグリモの魔導書を発動、デッキから“ネクロの魔導書”を手札に加えます。といっても今の私にこれ以上できることはもうありません。私はこれでターンエンドです」


アイギス LP1700 手札3枚
デッキ:27 モンスター:1(暗黒界の狩人 ブラウ)魔法・罠:0 墓地:7 除外:1 Pゾーン:青/赤 エクストラデッキ:15(0)
美鈴 LP5300 手札2枚
デッキ:19 モンスター:1(クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン)魔法・罠:1(魔導書院ラメイソン)墓地:21 除外:0 Pゾーン:青/赤 エクストラデッキ:13(0)


☆TURN05


『我のターン、ドロー。我は手札から魔法カード、テラ・フォーミングを発動。デッキからフィールド魔法、暗黒界の門を手札に加え、そして発動する』

暗黒界の狩人 ブラウ ATK1400/DEF800→ATK1700/DEF1100

『そしてブラウを手札に戻し、墓地からグラファを守備表示で特殊召喚する。当然グラファも暗黒界の門の効果を受けてステータスがアップする』

暗黒界の龍神 グラファ ATK2700/DEF1800→ATK3000/DEF2100

「攻撃力3000……ですが、クリスタルウィングには敵いません」
『そもそも守備表示だからな。我は暗黒界の門の効果を発動。墓地の魔サイの戦士をゲームから除外し、手札のブラウを捨てて1枚ドロー。捨てられたブラウの効果でさらに1枚ドローする。我はカードを2枚セットしてターンエンドだ』


アイギス LP1700 手札3枚
デッキ:23 モンスター:1(暗黒界の龍神 グラファ)魔法・罠:3(暗黒界の門)墓地:7 除外:2 Pゾーン:青/赤 エクストラデッキ:15(0)
美鈴 LP5300 手札2枚
デッキ:19 モンスター:1(クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン)魔法・罠:1(魔導書院ラメイソン)墓地:21 除外:0 Pゾーン:青/赤 エクストラデッキ:13(0)


☆TURN06


「私のターン、ドローです」
『魔のデッキ破壊ウイルス発動後2ターン目。ドローカードを確認させて貰うぞ』
「……ドローカードは“灰流うらら”です」


※灰流うらら
チューナー・効果モンスター
星3/炎属性/アンデット族/攻0/守1800
「灰流うらら」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):以下のいずれかの効果を含む魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、このカードを手札から捨てて発動できる。その効果を無効にする。この効果は相手ターンでも発動できる。
●デッキからカードを手札に加える効果
●デッキからモンスターを特殊召喚する効果
●デッキからカードを墓地へ送る効果


『灰流うららの攻撃力は0。よって魔のデッキ破壊ウイルスによって破壊される』
「ここでこのカードを失うのは痛いですね……」

 灰流うららはデッキからのサーチ、特殊召喚、墓地肥やしを封じることのできる強力な手札誘発のカードであり、これらの効果が全く刺さらないデッキはまず存在しない。アイギスの暗黒界に対しても、2つ目の効果以外が決まるため、できれば最初のターンで引いておきたいカードの1枚であった。

「ドローフェイズからスタンバイフェイズに移行。ラメイソンの効果で墓地のグリモの魔導書をデッキに戻し、1枚ドローします」
『ドローカードを見せてもらうぞ』
「ドローカードは……“アルマの魔導書”ですので破壊されません。メインフェイズ1を経てバトルです! クリスタルウィングで守備表示の暗黒界の龍神 グラファを攻撃します! 烈風のクリスタロス・エッジ!!」

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000 VS 暗黒界の龍神 グラファ DEF2100

「レベル5以上のモンスターと戦闘をする時、クリスタルウィングの攻撃力はそのモンスターの攻撃力分アップします!」

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→6000

『攻撃力6000か……確かに強力だな』
「最も守備表示のためダメージは与えられませんが、これで優位を保つことができます!」
『……言ったはずだぞ。1体のモンスターを過信しすぎると痛い目を見ると。この瞬間、リバースカードオープン!』
(やはりあの2枚のうち1枚は……ですが、暗黒界にクリスタルウィングを突破できるカードなど……)
『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンを対象に、罠カード“バージェストマ・ディノミスクス”を発動する!』


※バージェストマ・ディノミスクス
通常罠
(1):フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。手札を1枚捨て、対象のカードを除外する。
(2):罠カードが発動した時、その発動にチェーンしてこの効果を墓地で発動できる。このカードは通常モンスター(水族・水・星2・攻1200/守0)となり、モンスターゾーンに特殊召喚する(罠カードとしては扱わない)。この効果で特殊召喚したこのカードはモンスターの効果を受けず、フィールドから離れた場合に除外される。


「【バージェストマ】!?」

【バージェストマ】とはメインデッキに入るカードの全てが罠カードであり、条件を満たすことで墓地の罠カードをモンスターとして扱うことのできるカード群である。その中の1枚であるこのバージェストマ・ディノミスクスは暗黒界デッキとはとりわけ相性のいいカードであった。
 同系統の効果を持つ罠カードに“因果切断”というカードがあるのだが、あちらの効果は手札を1枚捨てることで「発動する」効果であるために暗黒界の効果を発動することができない。しかし、バージェストマ・ディノミスクスはコストではなく、効果で手札を捨てるために暗黒界の効果を発動できるのだ。

『手札を1枚捨て、対象のカードをゲームから除外する!』
「しまった……」

 時すでに遅し、とはまさにこのことを言うのだろう。クリスタルウィングは対モンスターには非常に強いのだが、魔法・罠カードに対する耐性を持ち合わせていない。そのためスノウ・ベルを素材にすることで破壊耐性を付けていたのだが、それでもリリース、そして魔法・罠の効果によるバウンスおよび除外という弱点があった。
 カードの状態から花のような姿に展開したディノミスクスはそのままクリスタルウィングに絡みつくと、自身の身体もろともクリスタルウィングを異次元へと連れ去っては消えていった。

『ディノミスクスによって墓地に送られたベージの効果を発動。このカードをフィールドに特殊召喚する』

暗黒界の尖兵 ベージ ATK1600/DEF1300→ATK1900/DEF1600

「……攻撃モンスターがいなくなったことで戦闘は成立しません。私はバトルフェイズを終了しますが、このまま何もせずにターンエンドです」

 何もせず、と言うより何もできずに、と言う方が正しかった。美鈴は自らの敗北を予見した。


アイギス LP1700 手札2枚
デッキ:23 モンスター:2(暗黒界の龍神 グラファ、暗黒界の尖兵 ベージ)魔法・罠:2(暗黒界の門)墓地:8 除外:2 Pゾーン:青/赤 エクストラデッキ:15(0)
美鈴 LP5300 手札3枚
デッキ:18 モンスター:0 魔法・罠:1(魔導書院ラメイソン)墓地:21 除外:1 Pゾーン:青/赤 エクストラデッキ:13(0)


☆TURN07


『我のターン、ドロー……命拾いしたな。決闘者』
「……」
『バトルフェイズ。まずは暗黒界の尖兵 ベージでダイレクトアタック。“暗黒槍-ベージ・ランス”』

暗黒界の尖兵 ベージ ATK1900

美鈴 LP5300→3400

『そして暗黒界の龍神 グラファによるダイレクトアタック。“暗黒焔-グラファイト・フレア”』

暗黒界の龍神 グラファ ATK3000

美鈴 LP3400→400

「きゃあああっ!!」

 ベージの茶褐色の槍とグラファの黒鉛色の炎が美鈴に襲い掛かった。クリスタルウィングのおかげで優勢を保っていたライフも、グラファとベージの攻撃であっという間に首の皮一枚、というところまで減らされてしまった。もし今のドローでアイギスがモンスターを引いていれば、まず間違いなくこのターンでデュエルは終わっていた。
 美鈴のデッキ同様、暗黒界のデッキもメインで採用されるモンスターはグラファ、スノウ、ベージ、ブラウの4種類が主流であり、デッキのモンスターの数はそう多くはない。そう言った面で美鈴は意図せず互いのデッキに助けられた形になっていた。

『残りのライフは400。せめて最後まで足掻いてみせろ。我はこれでターンエンドだ』


アイギス LP1700 手札3枚
デッキ:22 モンスター:2(暗黒界の龍神 グラファ、暗黒界の尖兵 ベージ)魔法・罠:2(暗黒界の門)墓地:8 除外:2 Pゾーン:青/赤 エクストラデッキ:15(0)
美鈴 LP400 手札3枚
デッキ:18 モンスター:0 魔法・罠:1(魔導書院ラメイソン)墓地:21 除外:1 Pゾーン:青/赤 エクストラデッキ:13(0)


☆TURN08


(このターンで逆転のためのカードを引くしか私には道は残されていません。ですが、そう易々と引けるでしょうか……)

 美鈴の心には沸々とネガティブな感情が湧き上がってくる。アイギスのようなコンピューターならばこういう時に迷いなど感じず、追い込まれても平然と振る舞うことができるのだろう。
 しかし、人間である美鈴にはそのようなことは不可能だ。人間のように感情豊かな生き物に全くネガティブな感情を抱くな、という話がまず無理なことである。しかし、人間にできてコンピューターにできないこともある。

(遊大さんでしたら、こんな時どうするでしょうか。でも、ひとつだけあの人に対して言えることはあります。それは……遊大さんは最後の最後まで諦めない。諦めないから、私はあの人のことを……私は遊大さんに少しでも近づきたい)
「私は諦めません! 私のターン、ドロー!!」
『魔のデッキ破壊ウイルス3ターン目。ドローカードを見せてもらおうか』
「……ドローカードは“魔導法士 ジュノン”です! 攻撃力は2500、よって破壊されません!」
『魔導法士ジュノンか。此処に来て最上級モンスターを引き当てるとはな。だがそれだけでは勝てぬぞ』
「わかっています。私はラメイソンの効果を発動! 2枚目のグリモの魔導書をデッキに戻し―――1枚ドロー!!」

 美鈴は願った。このドローが自分にとっての奇跡のドローとなってくれることを。

『ドローカードを確認させてもらおうか』
「……私のドローカードは―――魔法カード“ミラクルシンクロフュージョン”です!」
『ミラクルシンクロフュージョン……まさか』
「そのまさかです。私のデッキにはこのカードで融合召喚できるカードが眠っています。まず私は手札のヒュグロの魔導書、セフェルの魔導書、アルマの魔導書の3枚を相手に見せることで手札の魔導法士ジュノンの効果を発動! ジュノンを特殊召喚します!」


※魔導法士 ジュノン
効果モンスター
星7/光属性/魔法使い族/攻2500/守2100
手札の「魔導書」と名のついた魔法カード3枚を相手に見せて発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
また、1ターンに1度、自分の手札・墓地の「魔導書」と名のついた魔法カード1枚をゲームから除外して発動できる。フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。


「そしてジュノンを対象に手札のヒュグロの魔導書の効果を発動!」


※ヒュグロの魔導書
通常魔法
自分フィールド上の魔法使い族モンスター1体を選択して発動できる。このターンのエンドフェイズ時まで、選択したモンスターの攻撃力は1000ポイントアップし、戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、デッキから「魔導書」と名のついた魔法カード1枚を手札に加える事ができる。
「ヒュグロの魔導書」は1ターンに1枚しか発動できない。


魔導法士 ジュノン ATK2500→3500

『ジュノンの攻撃力がグラファを上回るだと……』
「ジュノンの効果を発動! 墓地のルドラの魔導書をゲームから除外し、フィールドのカード1枚を破壊します! 破壊するのはベージです!」

 ジュノンが両手から放った魔弾がベージの身体を焼き尽くす。この効果で美鈴はベージではなくグラファを破壊していれば、より大きなダメージをアイギスに与えることができるのだが、彼女の中では勝利への道筋が出来上がっており、美鈴はあくまで相手のデッキのエースであるグラファを圧倒して勝利を収めたかった。

「そしてこのカードが私に勝利をもたらします! 手札から魔法カード、ミラクルシンクロフュージョンを発動!!」


※ミラクルシンクロフュージョン
通常魔法
(1):自分のフィールド・墓地から、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、Sモンスターを融合素材とするその融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
(2):セットされたこのカードが相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動する。自分はデッキから1枚ドローする。


「私は墓地のシンクロモンスター、WW-ウインター・ベルとWW-スノウ・ベルをゲームから除外して融合します!“白き雪原を吹き抜ける風の音よ。雪風と共に飛来する鈴の乙女よ。今その命、その力を一つとして美しくも激しく響き渡れ!”奇跡同調融合!! 現れなさい、荘厳に響く水晶の鐘!“WW-クリスタル・ベル”!!」


※WW-クリスタル・ベル
融合・効果モンスター
星8/風属性/魔法使い族/攻2800/守2400
「WW-ウィンター・ベル」+「WW」モンスター
「WW-クリスタル・ベル」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。エンドフェイズまで、このカードはそのモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る。
(2):このカードが相手によって破壊され墓地へ送られた場合、自分の墓地の、「WW-ウィンター・ベル」1体とレベル4以下の「WW」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。


「ラストバトルです! 魔導法士 ジュノンで暗黒界の龍神 グラファを攻撃!“女教皇の魔光”!!」

魔導法士 ジュノン ATK3500 VS 暗黒界の龍神 グラファ ATK3000

アイギス LP1700→1200

「そしてこれで終わりです! WW-クリスタル・ベルでダイレクトアタック!“水晶共鳴”!」

WW-クリスタル・ベル ATK2800

アイギス LP1200→0











『見事だ決闘者よ。この先に進み、ダンジョンマスターに挑むがいい』

 デュエルに勝利した美鈴を讃えながら、アイギスは道を開ける。アイギスが立っていた場所には先に続く一本道があり、奥からは異様なまでの闘気が感じられた。

(この先にダンジョンマスターが……)

 美鈴はアイギスに別れを告げると、一本道を突き進んでいく。真っ暗な道を数分ほど歩いた先には巨大な錠前が付けられた鉄の扉があり、その錠前には星型の穴が7つ開けられていた。恐らくここにスターチップを嵌めるのだろう、そう思った美鈴は誰に言われるまでもなく集めたそのスターチップを窪みに差し込む。
 7つ目のスターチップを嵌め込んだ瞬間、ガチャンという音が響く。機械式のロックが解かれ、大きな音を立てながら扉は開き、ダンジョンマスターの待つ部屋への入口が解放された。美鈴は掌に「人」という字を三回ほど書いてから飲み込むと、意を決して中へと入っていった。

「ダンジョンマスターの部屋にようこそ。君が挑戦者か」

 これまでの石造りのダンジョンとは打って変わった現代的な部屋に通された美鈴の視線の先には玉座のような場所に腰かけた一人の男性がいた。男性は黒いローブのようなものを纏っており、その顔などは確認できないが、声から推測するに20代前後の男性であることが伺えた。

「はい、孫 美鈴と申します」
「孫……ああ、君が」
「……私のことを知っているのですか?」
「あまりこういうことを言ってしまうと本人に怒られてしまうから言いたくないんだが、俺の弟がアカデミアに通っていてね。前に連絡を取った時に君のことを話していたんだよ」

 遊大と組んでいたとはいえ、上級生をデュエルで打ち倒した美鈴はアカデミアでもそれなりの有名人となっていた。そのため何処からかダンジョンマスターに美鈴のことが知れ渡っていても何らおかしなことはない。
 しかし、そうなるとより気になるのがダンジョンマスターの正体だ。ダンジョンの主、ということはアイギスをはじめとしたこれまでのデュエリストの誰をも上回るだけの力を持っており、この試験における最後の壁として立ちはだかる存在。それ故にどのようなデュエリストが相手になるのかを生徒たちは最も気にしていたのだ。

「……さて、ダンジョンマスターとのデュエルは一発勝負。一度負ければその時点で試験は終了となる。最も負けても成績はつくが」
「はい、理解しています。ですが、それ故に私は負けたくありません!」
「いい心がけだ。では始めるとしようか……」

 そう言って立ち上がったダンジョンマスターは、デュエルディスクを構えて纏っていたローブを取る。その姿を見て美鈴は言葉を失った。

「あ、あなたは……!!」

 そこに立っていたのは美鈴の予想だにしなかった人物であった。何故ならその人物は、学生である自分たちからしてみればまさに雲の上の存在と言っても差し支えないデュエリストだったのだから。






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ター坊
1体のモンスターに頼るのは良くない。
バージェストマというまさかのイレギュラーがありながらもジュノン+クリスタル・ベルで綺麗にまとめました。クリスタル・ベル、アニメでは闇堕ちっぽかったのに。
そしてとうとう現れたダンジョンマスター…。今まで出てきたキャラの中で弟と言えば…! (2017-05-19 16:35)
光芒
ター坊さん
匹夫の勇、といったことでしょうか。しかし、現状WWの切り札かつ絶対的エースが破壊耐性持ちのクリスタルウィングになってしまっているという。まあ単純に強いから、というのもあるんですけどね……ちなみにアイス・ベルの効果と噛み合わないので実際のWW魔導にはバテルしか入らないようです。

クリスタル・ベルは本当は遊大とのタッグデュエルで出したかったカードであり、オッドアイズと融合してルーンアイズになってデュエルに勝利、という予定でした。最もルーンアイズより打点のある壊獣やグレイドル・ドラゴン相手では無理な話ですが。

>そしてとうとう現れたダンジョンマスター…。今まで出てきたキャラの中で弟と言えば…!
まあ大体わかりますよね。弟であることが明言されているのは……
(2017-05-21 09:22)
パニー
おはようございます、そしてお久しぶりですm(_ _)m
私もスーパドロー暗黒界なるものを使っているのですが、暗黒界にバージェストマは盲点でした!
除去要因として投入を検討してみようと思います。
美鈴さんの活躍を見ていると、WW魔導も作りたくなってきました。(しかし今はADIFと星杯を作っているのでサイフポイントが0になりかねません・・・)



いつも思っているのですが、比較的短い間隔でSSを投稿している光芒さんは凄いと思います。私なんか、今年が就活だという事を理由に約一ヶ月に1話しか出せていないので・・・。しかも内容にも天と地ほどの差があると思うと、正直焦りを感じてしまいます。
しかし、光芒さんのSSを読んでいると不思議と「もうちょっと頑張ってみるかな」とか、「どこをどうすれば面白くなるか」なんて考えられるようになります。おかげで、私は自分のSSの内容を考える事がより一層楽しくなりました。

長々しい駄文で申し訳ありません。
次回も楽しみにしています! (2017-05-21 10:01)
光芒
パニーさん
自分もwiki見るまでバージェストマ・ディノミスクスの存在を度忘れしていたタチでして……グラファの効果以外の除去手段に欠ける点があるので結構おススメだと思います。

>いつも思っているのですが、比較的短い間隔でSSを投稿している光芒さんは凄いと思います。私なんか、今年が就活だという事を理由に約一ヶ月に1話しか出せていないので・・・。
いやいや、就活は大事ですよ。SSの投稿は時間があればいつでも出来ますが、就活は学生の間しかできないわけですから。かくいう自分もここ1年は転職活動を行いながらSSを書いていましたし、転職後は忙しくて下書きやら推敲もままならない状態です。

>しかも内容にも天と地ほどの差があると思うと、正直焦りを感じてしまいます。
SSの内容に関しては、何とも言えませんが、文体をSSっぽくするには通勤通学の間などに小説などを読んでみるのは如何でしょうか?地の文をメインにして台本形式から脱却できるとより見れる文章になると思います。自分も最初はそうやっていましたから。

>しかし、光芒さんのSSを読んでいると不思議と「もうちょっと頑張ってみるかな」とか、「どこをどうすれば面白くなるか」なんて考えられるようになります。おかげで、私は自分のSSの内容を考える事がより一層楽しくなりました。
ありがとうございます。書き手としてこう言うことを言われるのはとても励みになります。

(2017-05-22 07:11)
から揚げ
1体のモンスターに頼り過ぎるのは良くないという言葉は、暗黒界デッキを使っていたアイギスが言うからこそ説得力がありますね!暗黒界デッキはグラファが1体除外などをされるだけでも、かなりのダメージになるので。

暗黒界デッキは魔サイの戦士やバージェストマ・ディノミスクスといった悪魔族モンスターや効果で手札を捨てられるカードと親和性が高い所が強みですね!

ミラクル・フュージョンからの逆転勝利は燃えますね!クリスタル・ウィングを手軽に出せるだけでなく、破壊されたクリスタル・ウィングの効果を再利用する手段まで用意しているとは、正に中々の強かさですね!ユーゴとリンのカードなだけあって非常に相性が良いですね! (2017-05-23 12:52)
光芒
から揚げさん
でもその1体のモンスターを出せるデッキがリアルでは強いという。クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンを出せるだけであらゆるデッキに出張している【WW】が制限にならないことを願います。そうなると美鈴どうしようもなくなっちゃうので……

>暗黒界デッキは魔サイの戦士やバージェストマ・ディノミスクスといった悪魔族モンスターや効果で手札を捨てられるカードと親和性が高い所が強みですね!
バージェストマはともかく、魔サイは暗黒界を意識されて作られているところはありますね。ガイドとも噛み合いますし。

>クリスタル・ウィングを手軽に出せるだけでなく、破壊されたクリスタル・ウィングの効果を再利用する手段まで用意しているとは、正に中々の強かさですね!ユーゴとリンのカードなだけあって非常に相性が良いですね!
今回のデュエルではまあクリスタルが除外されてしまっているのですが、クリスタルウィングを倒しても疑似クリスタルウィングとなれるクリスタル・ベルが控えているというのは中々嫌らしいことだと思いますね。
(2017-05-23 23:54)

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40 第45話:幻影 316 4 2017-06-08 -
13 第46話:黒牙 266 2 2017-06-14 -
15 遊大たちが7月制限について語るようです 324 2 2017-06-14 -
15 第47話:終幕 356 4 2017-06-17 -
17 第48話:宣誓 282 2 2017-06-22 -
11 サブキャラクター紹介・2 246 2 2017-06-24 -
17 第49話:編入 265 6 2017-06-29 -
14 第50話:理由 295 4 2017-07-03 -
11 番外編:七夕 292 6 2017-07-07 -
18 第51話:一歩 365 5 2017-07-12 -
19 第52話:修練 280 4 2017-07-17 -
11 第53話:自信 250 5 2017-07-20 -
16 第54話:克服 226 4 2017-07-24 -
15 第55話:猛攻 260 6 2017-08-02 -
14 第56話:障壁 180 3 2017-08-08 -
8 第57話:意地 170 3 2017-08-13 -
9 第58話:提案 267 3 2017-08-17 -
11 第59話:来訪 215 3 2017-08-27 -
17 第60話:交錯 231 3 2017-09-04 -
14 第61話:諜報 192 3 2017-09-11 -
67 遊大たちが10月制限について語るそうです 308 5 2017-09-14 -
10 第62話:暴露 169 2 2017-09-21 -
13 第63話:決意 201 4 2017-09-25 -
6 第64話:結束 196 4 2017-10-02 -
10 第65話:渇望 340 3 2017-10-07 -
12 第66話:証明 171 4 2017-10-13 -
10 第67話:空想 145 2 2017-10-16 -
8 第68話:魔鎖 137 2 2017-10-23 -
6 第69話:喝采 113 2 2017-10-27 -
8 第70話:胸愛 157 3 2017-11-01 -
10 第71話:点火 138 4 2017-11-07 -
5 第72話:誘惑 103 3 2017-11-15 -
3 第73話:憤怒 88 3 2017-11-18 -

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