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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第33話:初めての中間テスト

第33話:初めての中間テスト 作:風鼠

葵「ふえぇ…聞きたくない、聞きたくないよぉ!」

瑞樹「もう…」

カンナ「どうしたんですか?」

瑞樹「あ、カンナちゃん。」

休日の朝、カンナが部屋に訪れると耳を両手で塞ぎ、うずくまる葵と呆れたような表情を浮かべる瑞樹の姿があった。

葵「カンナちゃん、助けてぇ~…瑞樹がいじめるぅ」

瑞樹「い、いしめてないわよ。」

カンナ「は、話が見えないですよ…」

カンナに気づいた葵が涙を目に溜めながらカンナに抱き着く

葵「瑞樹が、勉強しろっていうの…」

瑞樹「この子、勉強できないから…早めから復習しなさいって言ってるだけよ」

カンナ「あ、確かに来月に中間テストありますからね~」

葵「ふえぇ…その言葉、聞きたくなかったよぉ…」

テストという単語を聞いた葵はカンナから離れ、再びその場にうずくまる。

瑞樹「もう…そうだ。葵、テストでいい点とったら、願い何個か聞いてあげてもいいわよ?」

葵「ホント?!」

カンナ「ま、眩しいですぅ…」

葵は瑞樹の言葉を聞くと同時に潤んだ目を輝かせ、太陽の様な笑顔で瑞樹を見つめる。

瑞樹「えぇ。だけど80点以上の教科1つにつき1つね。」

葵「ふえぇ…ハードルたかい…」

瑞樹「今回は5教科だけだから5つまでね。」

葵「うん分かった♪…ねぇ、瑞樹…私がいい点とったらうれしい?」

瑞樹「えぇ」

葵「じゃ、私がんばる♪あ、そうだ!いいこと思いついた!このお願い事ルール皆に適応って事で♪」

瑞樹「もう…いいわよ。」

数分後…

杏奈「…で、皆で勉強会ってことになったんだ」

葵「うん♪」

葵が中間テストの件を皆に話す

椿「でも、皆でやる事は良い事でぇす!」

クロエ「スタディは大切ですよね。」

カンナ「皆で分からない所出しあいましょう」

詩音「は、はいぃ…」

瑞樹「さてと…中間テストに出やすい問題をまとめた模擬テストを作ってきたわよ」

瑞樹は大量の用紙を持って部屋に戻る

葵「わ~い♪瑞樹の予想問題って、高確率ででるんだよね~♪」

杏奈「そうなんだ。」

カンナ「瑞樹ちゃんの作った問題ですから信用もできますね」

クロエ「これでみんなのウィークポイントが分かりますね~」

芹「zzz」

カンナ「芹ちゃん、起きて勉強一緒にやろ?」

芹「ん…分かった…」

数時間…

葵「やっと終わったぁ」

カンナ「む、難しかったです」

数時間にも及んだ模擬テストを終え、葵達は机に突っ伏し、瑞樹がテスト用紙を回収する。

詩音「良い問題一杯ありましたね」

瑞樹「詩音ちゃんがそう言ってくれると、作った甲斐があって嬉しいわ」

詩音「え、えへへ…」

瑞樹に褒められた詩音は顔を赤めらせる

杏奈「わ、分からない問題一杯あった…」

椿「い、いやな予感がするでぇす…」

クロエ「自信あるで~す♪」

葵「私も~♪」

冷や汗をかく杏奈や椿をよそに葵やクロエは自信ありげな笑顔を浮かべる

瑞樹「じゃあ採点するから待ってて…」

数分後…

瑞樹「採点終ったわよ。」

葵「どきどき♪」

模擬テスト結果…


国語52、英語54、数学32、理科12、社会20
合計170

瑞樹
国語100、英語100、数学100、理科100、社会100
合計500

カンナ
国語98、英語74、数学82、理科88、社会96
合計438

杏奈
国語92、英語88、数学42、理科78、社会98
合計398

詩音
国語100、英語78、数学80、理科70、社会84
合計412


国語90、英語98、数学92、理科94、社会94
合計468

クロエ
国語38、英語100、数学88、理科82、社会18
合計326

椿
国語63、英語66、数学88、理科78、社会42
合計337

葵「ふえぇ…まさかのぼろぼろだよぉ…」

クロエ「私もデス…」

先程までの自信が消え、葵とクロエは意気消沈し肩を落とす

杏奈「芹ちゃん、凄い点数だね」

瑞樹「えぇ…採点してて驚いたわ」

カンナ「芹ちゃんって、昔から成績よかったんですよね」

詩音「授業中ずっと寝てるんですが…」

椿「睡眠学習でぇすかね…」

芹「zzz」

あまりの高得点に瑞樹たちは寝息を立て眠る芹を見つめる

瑞樹「これで皆の苦手教科がなんとなく分かったわね。」

葵「私は全教科やった方がいいのかぁ」

瑞樹「えぇ…」

クロエ「私は国語と、社会デスか」

瑞樹「まあ、クロエちゃんはこっちに来たばかりだから仕方ないけど、この国の事を学ぶいい機会ね。」

杏奈「僕は…理数系だね」

瑞樹「杏奈ちゃんは理科の暗記部分は大丈夫だったから、後は計算の公式の基礎をしっかり覚えれば何とかなりそうね。」

椿「国語と英語…と社会でぇすか」

瑞樹「椿ちゃんはどの教科も暗記系に弱いみたいね。後で暗記法教えてあげる。」

椿「ありがとでぇす。」

詩音「私とカンナちゃんは…英語と理科ですかね」

瑞樹「強いて言えばそうね。文法や長文問題でミスが多かったから、そこの対策を重視ね」

カンナ「ありがとうございます」

芹「zzz…」

葵「芹ちゃんは?」

瑞樹「芹ちゃんは…些細なミスが殆どだったし、そこを注意すれば大丈夫ね。」

葵「すごいなぁ…」

瑞樹は一人一人の解答からそれぞれに適したアドバイスを行う。

瑞樹「とりあえず…間違えた所を中心に復習してね」

葵「うえぇ…私だけ一杯いっぱいあるよぉ」

カンナ「葵ちゃん頑張ってください。」

葵「うん…がんばるぅ…あぁ…もっと勉強しとけばよかったぁ…」

葵は自身の不甲斐なさを嘆きつつ、渋々と復習をしはじめる

杏奈「う…やっぱりこの選択肢だったか…」

カンナ「あう…計算間違えてたよぉ…」

瑞樹「クロエちゃん、この漢字の意味は…」

クロエ「ミス瑞樹はリアルにジーニアスですね♪」


芹「zzz…」

それぞれ自身が間違えた箇所の復習をし始める中、すでに復習を終えた芹は葵達を他所に寝息を立て寝始める

葵「うぅ…芹ちゃんいいなぁ…やる量少なくて…あう!」

瑞樹「葵、口じゃなくて手を動かすの」

葵「分かったよぉ…(こういう時の瑞樹は厳しいんだよなぁ…)」

芹のその姿に葵が羨ましそうにつぶやくと瑞樹が葵の頭を優しくたたく

カンナ「瑞樹ちゃん、ここ…分からないんですけど…」

瑞樹「いいわよ…どれどれ…あ、ここは…」

カンナ「あ、解けました。ありがとうございます」

クロエ「ミス瑞樹、今度はここ教えて欲しいで~す♪」

瑞樹「えぇ…この漢字は…」

詩音「(皆で一緒にやる勉強会…楽しいなぁ…)ふふ♪」

テストに向けた勉強が進む中詩音は思わず笑みがこぼれる。

椿「?詩音ちゃん何ニヤニヤしてるんでぇすか?」

詩音「い、いえ…な、なんだか楽しくて…」

葵「楽しくてもにやにやしてたら、瑞樹に怒られるよぉ~…あう!」

瑞樹「貴方がいわないの。」

葵「ふえぇ…」

葵が詩音を笑顔で話し掛けると同時に瑞樹が葵の頭にポンッと手を置く

詩音「あ、ははは…」

杏奈「もう…」

カンナ「ふふ♪」

椿「ホント葵ちゃんは馬鹿でぇすね…ひゃう!」

瑞樹「ほ~ら、皆も手止まってるわ」

詩音「は、はいぃ…」

椿「ご、ごめんでぇす…」

その光景に皆が思わず小さく笑うと、瑞樹が優しめに注意する

数分後…

葵「願い事何にしようかなぁ~♪」

瑞樹「葵、集中しなさいよ…」

葵「だって~♪願い事、一杯思いつくんだもん♪」

カンナ「ど、どんなこと思いついたんですか?」

葵「ん~とねぇ~♪まずは、瑞樹に添い寝して寝る~♪」

瑞樹「…く、くっつかないの。」

葵「それに~♪カンナちゃんの胸の匂い一杯嗅ぐ~♪」

カンナ「ふえぇ…す、少しだけですからね?」

葵「後は~杏奈に御姫様だっこしてもらうの~♪」

杏奈「あはは…」

葵が満面な笑顔で願い事の内容を語ると

瑞樹「…願い事、全部かなうといいわね」

葵「うん♪よ~し勉強がんばるぞ~」

スイレン「…皆…なに…してるの?」

詩音「あ…す、すす、スイレン先輩…」

カンナ「今、皆でテスト勉強してたんですよ~」

葵の元気な声に引き寄せられたのか、スイレンが不思議そうな表情を浮かべ部屋を訪れる

スイレン「…皆…えらい…」

葵「えへ~♪褒められたぁ~♪あ、スイレン先輩も一緒にやりましょうよ~♪」

スイレン「…私も?…うん…いいよ…」

葵「やったぁ♪ここ空いてますよ♪」

スイレン「ん…」

葵が勉強道具を瑞樹の方に少し寄せ、スイレンが座れる空間を作る。

瑞樹「もう…。ごめんなさい、スイレン先輩、勉強に付き合せてしまいまして…」

スイレン「…いいよ…。たまには…一緒に…勉強も…したかった…から…」

スイレンは空いた空間に静かに座り、瑞樹に少し嬉しそうに微笑む。

カンナ「(スイレン先輩と一緒に勉強できるなんて…嬉しいよぉ♪)」

詩音「(あわわ…せ、先輩と一緒に勉強するなんて…き、緊張しますぅ…)」

杏奈「でも先輩と僕達のテスト範囲って全然違うんじゃ…」

スイレン「だい…じょうぶ…。ノート…しっかり…とってるから…」

葵「わ~♪スイレン先輩の字、綺麗です~♪」

瑞樹「要点もしっかり書かれてて分かりやすい…」

杏奈の疑問にスイレンはカバンから三毛猫が描かれたノートを取り出して適当にページを開き、葵達に見せる。

スイレン「次の…ページには…にゃー…」

椿「ね、猫の絵…」

カンナ「すごく上手ですぅ」

クロエ「すっごくキュートデス♪」

スイレンが次のページをめくると、1ページ全部を使い、シャーペンで書かれた猫が眠る姿を描いた絵が現れる

瑞樹「…急に頭痛がしてきたわ…」

葵「でもスイレン先輩って良い学校行ってますもんね~」

スイレン「…そう?」

カンナ「はい。その制服って私立聖ヶ原女学園の中等部の制服…ですよね?」

杏奈「聖ヶ原女学園って小中高大一貫校で全国トップクラスの高い偏差値の女子生徒が入れる学園…だっけ?」

椿「私でも知ってるでぇす!」

聖ヶ原女学園…小学校から大学、学園専用の病院まで広大な敷地内に備え、政界や様々な業界に優秀な人材を多数輩出している女子専用の学園都市である。

瑞樹「入学するだけでも勝ち組と言われてるわね。」

葵「いいなぁ…私もそこに行きたい!」

杏奈「僕達が入ろうとすれば高校からだけど…」

詩音「せ、聖ヶ原高校の入試問題って確か全て英文で…」

カンナ「各教科80点以上取らないといけないんですよね…」

クロエ「は、ハードルがすっごく高いデス…」

瑞樹「入試問題も中学ですら下手な大学の入試より難しいっていうし…」

葵「スイレン先輩ってすごいなぁ…」

スイレン「…そう?」

カンナ「(そう思わせないのもスイレン先輩の魅力なのかなぁ…)」

瑞樹「なんだか調子狂うわ…」

数日後の放課後…

アザミ「再来週に中間テスト始まるから、今日はこれくらいにするぞ~」

葵「あざ~み先輩♪」

アザミ「む…桜木か。どうかしたのか?」

部活動終了後、葵はアザミの胸に顔を埋める様に抱き付く。

葵「明日、私達と一緒にテスト勉強しましょ~♪」

アザミ「1年と2年とじゃ、かなりテスト範囲が違うが…」

桃「面白そうね♪ぜひ行きましょうよ、アザミ」

葵の提案に、アザミは困った表情を浮かべるが、桃は楽しそうな笑顔を浮かべる

アザミ「も、桃…ま、いいか。行かせてもらおう」

葵「やったぁ♪部長も来ませんか?」

蘭花「ふむ、勉強会か…当然、お菓子は出るんじゃろうな?」

葵「はい、もっちろん♪部長好みのお菓子とお茶も用意しますよ♪」

蘭花「行くに決まっておるじゃろう♪」

蘭花はお菓子が出ると聞き、子供の様な笑顔を浮かべる

葵「わ~い♪」

瑞樹「葵はまた先輩方まで巻き込んで…」

桃「いいんですよ、瑞樹さん。後輩達との貴重な交流は大切ですから♪」

瑞樹「そう言っていただけるとありがたいです…」

桃の言葉に瑞樹はお礼を述べる

カンナ「し、しっかり御片付けしないと…」

杏奈「お菓子の調達もね」

椿「一杯買うでぇす♪」

瑞樹「はぁ…悪い予感しかしないわ…」

翌日…

アザミ「…ここか。」

桃「やっぱり大きいわね~」

蘭花「おぉ…夢にまで見た一座の屋敷の中に入れる…。妾は嬉しいぞ、アザミ!」

一座の大きな門の前に到着した3人。蘭花は目を輝かせアザミを見つめる

アザミ「部長、燥がないで下さい」

桃「そう言うこと言うアザミが一番浮かれてるみたいだけど?」

アザミ「そ、そんなことない!さ、さっさと入るぞ!」

インスタントカメラや色紙が少しはみ出しているバックを抱えながらアザミは門のドアを開ける

蘭花「ホント、アザミは弄りかいがあるのぉ」

桃「ですよね~」

アザミ「お邪魔します。」

彩愛「あら、いらっしゃい。葵ちゃん達から聞いてるわ。ゆっくりしてってね」

アザミが門を開けると彩愛が箒を持ち、掃除をしており、3人を出迎える

桃「はい~♪」

蘭花「し、失礼するぞよ」

彩愛「…あら、良いカツラね。チョット見せて。」

蘭花「ひゃあ?!うぅ…カツラ返して下さい~」

彩愛が少し小悪魔的な笑みを浮かべ、蘭花の白髪のカツラを取る

彩愛「ふふ♪可愛い♪いじめたくなっちゃう」

アザミ「もう…部長は…。すみません、そのカツラ返してもらえませんか?」

彩愛「いいわよ。(この子も真面目そうで弄りがいがありそう♪)」

アザミ「ありがとうございます。…ほら、部長、カツラですよ」

蘭花「よかったぁ…ありがt……。ケホ…。…よき働きだったぞ、アザミ」

アザミが彩愛からカツラを受け取り、蘭花に渡すと蘭花は一瞬素でお礼を言いかけるも自身のキャラを思い出し、お礼を言い直す

アザミ「ありがとうございます。(言い直さなくてもいいのに)」

桃「ふふ♪お邪魔します」

葵「あ、先輩だ~♪いらっしゃいです~♪」

蘭花「ふふふ、お菓子と茶を用意せい、桜木~♪妾をもてなせ~♪」

葵「はは~♪」

蘭花が偉そうに言うと葵はその場に笑顔でひれ伏す

アザミ「もう、この二人は…」

桃「ノリの良い後輩っていいですよね~」

次回につづく…
・-・-・-・-・-・-・-・-・-
スイレンの日常-学校編
スイレン「…」(かきかき…)
女子生徒1「あぁ…勉強なされているスイレンさん、綺麗です~♪」
スイレン「…ふふ♪」
女子生徒2「笑った?!スイレンさんが笑った?!」
女子生徒1「素敵すぎますぅ♪」
スイレン「…にゃー…」
スイレン、落書き中…
・-・-・-・-・-・-・-・-・-
田中と中田の日常

田中「あ~…もうすぐテストか…」

中田「あぁ…カンナちゃんは桜木ちゃん達と一緒に勉強しているらしいぞ…」

田中「あぁ…いいなぁ…」

田中、中田「俺たちも交ざりたい…」
・-・-・-・-・-
瑞樹の日常-学校編

葵「(すやすや…)」

瑞樹「もう…この子は…」

葵「ふみゃあぁ…良く眠ったぁ…あう!」

瑞樹「もう…さっきの授業、堂々と寝てたわね」

葵「あはは…ごめんごめん…」

瑞樹「どうせノートも取れてないでしょ。私のノート貸して上げるから、さっさと写しときなさい」

葵「わ~い♪ありがと~♪えへ~♪瑞樹って字も綺麗でずるいぞ~♪うりうり♪」

瑞樹「も、もう、茶化さないの。さ、さっさと写さないと次の授業始まるわよ」

葵「は~い♪」

椿「(ホント瑞樹ちゃんってしっかりしてるでぇすよね…)」
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