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虹彩竜と歩むもの/第34話:双子・1 作:光芒






「ほう、これはこれは……」

 さすがに難易度5段階中の4、となれば出される問題も難しくなってくる。ライフ、フィールドと提示された条件はいずれも特殊なものであり、相手のライフは12600もある。そんな相手のライフを1ターンで0にするというのはまず正攻法では無理なことだった。

「さすがの仁もこれは無理そうね。もしクリアできないんだったら私がアドバイスをあげてもいいけど?」
「……」
「ねえ仁、聞いているの?」
「……ピーチクパーチクうるさいやつだ。デッキが小鳥ならデュエリストも小鳥並にうるさいのか」
「はあっ!?」

 仁は双子の妹のことをよく理解していた。昔から礼は心細かったり、動揺したりすると口数が多くなる癖がある。礼は言葉では強がっていてもその実は仁のことが心配でたまらなかったのである。

(ここでミスをして礼をがっかりさせたくはないな。本気で取り組むとするか。さて、攻撃力0の羊トークンに攻撃力3000の青眼の白龍。手札にはヘル・テンペスト……)


※ヘル・テンペスト
速攻魔法
3000ポイント以上の戦闘ダメージを受けた時に発動する事ができる。お互いのデッキと墓地のモンスターを全てゲームから除外する。


(羊トークンで青眼の白龍に自爆特攻をすることでヘル・テンペストの発動条件を満たす。そして墓地には“力の代行者マーズ”)


※力の代行者マーズ
効果モンスター
星3/光属性/天使族/攻0/守0
このカードは魔法カードの効果を受けない。自分フィールド上に「天空の聖域」が表側表示で存在し、自分のライフポイントが相手より上の場合、その数値だけこのカードの攻撃力・守備力がアップする。


(ライフポイントが相手より多い分マーズは攻撃力を増す。相手の多すぎるライフを削るにはマーズが必要不可欠。そのマーズを大量展開するには……そうか、わかったぞ)
「俺は羊トークンを攻撃表示に変更する。そして墓地の力の代行者マーズと“裁きの代行者サターン”を1体ずつ除外して手札から“神聖なる魂”を特殊召喚する」


※神聖なる魂(ホーリーシャイン・ソウル)
効果モンスター
星6/光属性/天使族/攻2000/守1800
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地に存在する光属性モンスター2体をゲームから除外した場合に特殊召喚する事ができる。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手のバトルフェイズ中のみ全ての相手モンスターの攻撃力は300ポイントダウンする。


「墓地のカードが除外されたことで“魂吸収”の効果が発動」


※魂吸収
永続魔法
このカードのコントローラーはカードがゲームから除外される度に、1枚につき500ライフポイント回復する。


「俺はライフを1000ポイント回復する」

自分:11200→12200

「そして俺は神聖なる魂をリリースして“天空騎士パーシアス”をアドバンス召喚!」


※天空騎士パーシアス
効果モンスター
星5/光属性/天使族/攻1900/守1400
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
また、このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、自分のデッキからカードを1枚ドローする。


「メインフェイズ1を終えてバトルフェイズに移行。まずは天空騎士パーシアスで守備表示の宝玉獣トパーズ・タイガーを攻撃!」

天空騎士パーシアス ATK1900 VS 宝玉獣トパーズ・タイガー DEF1000

「パーシアスは守備表示モンスターを攻撃した時に貫通ダメージを与える。そしてモンスターを戦闘破壊したことで俺は1枚ドローする」

相手 LP12600→11700

 【宝玉獣】の1体であるトパーズ・タイガーは戦闘破壊に合わせて魔法・罠ゾーンへと送られる。宝玉獣は破壊されることで自らを宝玉へと姿を変えては魔法カードとしてフィールドに残るのが特徴的なモンスターだ。それでも天空騎士パーシアスが相手に戦闘ダメージを与えたことには変わりないので、仁はカードを1枚ドローする。

ドローカード:貪欲な瓶

(貪欲な瓶は罠カード。このターンでは使えないからこれは意味はない)
「羊トークンで青眼の白龍を攻撃」

羊トークン ATK0 VS 青眼の白龍 ATK3000

(このタイミングだ!!)
「俺はリバースカードを発動! 永続罠“奇跡の光臨”!」


※奇跡の光臨
永続罠
ゲームから除外されている自分の天使族モンスター1体を選択し、自分フィールド上に特殊召喚する。
このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。


「ゲームから除外されている力の代行者マーズを特殊召喚する! そして攻撃力0のマーズが特殊召喚されたことで手札から速攻魔法“地獄の暴走召喚”を発動!」


※地獄の暴走召喚
速攻魔法
(1):相手フィールドに表側表示モンスターが存在し、自分フィールドに攻撃力1500以下のモンスター1体のみが特殊召喚された時に発動できる。
その特殊召喚したモンスターの同名モンスターを自分の手札・デッキ・墓地から可能な限り攻撃表示で特殊召喚し、相手は自身のフィールドの表側表示モンスター1体を選び、そのモンスターの同名モンスターを自身の手札・デッキ・墓地から可能な限り特殊召喚する。


 地獄の暴走召喚は自分のモンスターを大量展開できることが強みのカードであるが、相手フィールドに召喚制限のないモンスターが存在する場合は相手もそのモンスターを特殊召喚できるというデメリットが存在する。相手のフィールドには青眼の白龍がおり、そしてデッキの残り1枚はトパーズ・タイガーだ。
 仮にトパーズ・タイガーを戦闘破壊する前に奇跡の光臨を発動してしまっていては、相手にも2体目のトパーズ・タイガーの特殊召喚を許すことになるため、相手のライフを削りきることができなくなってしまうのである。そのためこの詰めデュエルにおいて地獄の暴走召喚の発動タイミングこそがターニングポイントとなるのだ。

「墓地の力の代行者マーズ2体を特殊召喚する! マーズの攻守は今の俺のライフと相手ライフの差分アップする」

力の代行者マーズ×3 ATK0/DEF0→ATK500/DEF500

自分 LP12200→9200

「自分が3000以上のダメージを受けた時、手札の速攻魔法ヘル・テンペストを発動! 俺のデッキ・墓地のモンスターを全て除外する! 除外されたモンスターは全部で9体! 魂吸収の効果で俺のライフを4500回復する!!」

自分 LP9200→13700

「俺と相手のライフ差は500から2000となり、力の代行者マーズの攻守は1500アップする」

力の代行者マーズ×3 ATK500/DEF500→ATK2000/DEF2000

「まだ青眼の白龍を超えるには至らないか。だが、これならどうだ! リバースカードオープン、速攻魔法“光神化”を発動!」


※光神化
速攻魔法
手札から天使族モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は半分になり、エンドフェイズ時に破壊される。


「手札から“天空勇士ネオパーシアス”を特殊召喚する!」


※天空勇士ネオパーシアス
効果モンスター
星7/光属性/天使族/攻2300/守2000
このカードは自分フィールド上の「天空騎士パーシアス」1体をリリースし、手札から特殊召喚できる。
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
また、このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、デッキからカードを1枚ドローする。
フィールド上に「天空の聖域」が存在し、自分のライフポイントが相手より上の場合、その数値だけこのカードの攻撃力・守備力がアップする。


「光神化の効果で特殊召喚されたネオパーシアスの攻撃力は半分になる」

天空勇士ネオパーシアス ATK2300→1150

「だが、フィールドには天空の聖域が存在するため、このカードの攻守の値は自分と相手のライフポイントの差分アップする!」

天空勇士ネオパーシアス ATK1150/DEF2000→ATK3150/DEF4000

「青眼の白龍の攻撃力を上回った……」
「これで俺の勝ちだ。天空勇士ネオパーシアスで青眼の白龍を攻撃!」

天空勇士ネオパーシアス ATK3150 VS 青眼の白龍 ATK3000

相手 LP11700→11150

「ネオパーシアスが戦闘破壊したことでデッキからカードを1枚ドローする。相手とのライフ差が増えたことでネオパーシアスとマーズの攻守の値は更に増加!」

ドローカード:貪欲な瓶

天空勇士ネオパーシアス ATK3150/DEF4000→ATK3300/DEF4150
力の代行者マーズ×3 ATK2000/DEF2000→ATK2150/DEF2150

「1体目のマーズでダイレクトアタック!」

力の代行者マーズ ATK2150

相手 LP11150→9400

「モンスター4体の攻守は更にアップする!」

天空勇士ネオパーシアス ATK3300/DEF4150→ATK5450/DEF6300
力の代行者マーズ×3 ATK2150/DEF2150→ATK4300/DEF4300

「2体目のマーズで追撃!」

力の代行者マーズ ATK4300

相手 LP9400→LP5100

天空勇士ネオパーシアス ATK5450/DEF6300→ATK9750/DEF10600
力の代行者マーズ×3 ATK4300/DEF4300→ATK8600/DEF8600

「これで最後だ! 3体目のマーズでダイレクトアタック!」

力の代行者マーズ ATK8600

相手 LP5100→0











「まあ、こんなところか」

 ふう、と一息ついた仁は出てきたスターチップをケースに入れる。これで彼の通算スターチップは7個となり、ダンジョンマスターに挑む資格を手に入れた。
 最も7つ手に入れたからと言ってすぐにダンジョンマスターに挑めるというわけではない。ここは迷宮であるため、スターチップ7個を維持したままダンジョンマスターの待つゴールへと向かわなければならないのだ。
 もちろんその途中で試練はまだあるかもしれないし、他のデュエリストと出会えばデュエルに臨まなければならないため、仁は未だ安心できないのが現状である。

「結構……やるじゃない」
「お前がそんな目で見ているんだから、嫌でも勝たなくてはな」
「なっ……それはどういう意味よ!!」

 顔を真っ赤にして怒る礼と、それを軽くいなす仁。双子と言えども何から何までが同じわけではない。

「ほら、次はデュエルだぞ。そう言えばお前とはアカデミアに入ってからデュエルをしたことはなかったな」
「……そういえばそうね。でもやるまでもないと思うわ」
「何故?」
「だって私の方が強いからに決まっているでしょ?」
「お、言ったな。だったらその鼻っ面をへし折ってやろう。兄としてな」
「それなら鼻っ面を折りにきたところを返り討ちにしてあげる。妹としてね」

 闘志を燃やす仁と、それを冷静に受け止める礼。攻守があっさり逆転するあたり、やはりこの双子は双子であった。


「「デュエル!!」」


礼 LP8000 手札:5枚
デッキ:35 モンスター:0 魔法・罠:0 墓地:0 除外:0 Pゾーン:青/赤 エクストラデッキ:15(0)
仁 LP8000 手札:5枚
デッキ:35 モンスター:0 魔法・罠:0 墓地:0 除外:0 Pゾーン:青/赤 エクストラデッキ:15(0)


☆TURN01


 先攻を取ったの礼である。思えば礼はアカデミア入学以降、彼女にとっては予期せぬことが続いていた。それは彼女のデッキの裏のエースモンスターと呼べる存在であったThe tyrant NEPTUNEの禁止カード化である。
 LL-インディペンデント・ナイチンゲールとのコンボであっという間にゲームエンドまで持ち込めたカードの禁止カード化は彼女のデッキには大きな痛手と言えた。そして十二獣ドランシアと十二獣の会局の禁止、十二獣モルモラットの制限によって【十二獣】の出張ギミックも役に立たなくなった。
 最も【十二獣】はモルモラットや会局と言ったカードも失った今もなお純構築ではかなり強力なデッキではあるが、出張させるパーツが消えてしまうとさすがに採用することは難しくなっていたのである。
 しかし、礼は首席入学を果すなど今年度の新入生においては文武両道で知られる存在。NEPTUNEや十二獣が無くなってもなお彼女の【LL】はそれまでの強さを維持し続けていたのだ。

「私は手札から“イービル・ソーン”を召喚!」


※イービル・ソーン
効果モンスター
星1/闇属性/植物族/攻100/守300
このカードをリリースして発動する。相手ライフに300ポイントダメージを与え、自分のデッキから「イービル・ソーン」を2体まで表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
この効果で特殊召喚した「イービル・ソーン」は効果を発動する事ができない。


「そしてイービル・ソーンをリリースして効果を発動するわ。相手ライフに300ポイントのダメージを与える」

仁 LP8000→7700

「さらにデッキから2体イービル・ソーンを攻撃表示で特殊召喚するわ」
「先攻は攻撃できない、というデメリットがある。故にバーンダメージでライフを削り、そしてエクシーズ召喚のための素材を揃えてきたか」
「そういうことよ。私はレベル1のイービル・ソーン2体でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚!“麗しき翼を持つ者たちよ。今その小さき力を一つとし、夜陰に紛れて抒情の詩を奏でよ!”現れなさい!“LL-リサイト・スターリング”!!」


※LL-リサイト・スターリング
エクシーズ・効果モンスター
ランク1/風属性/鳥獣族/攻0/守0
レベル1モンスター×2体以上
(1):このカードがX召喚に成功した場合、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力・守備力は、このカードのX素材の数×300アップする。
(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。デッキから鳥獣族・レベル1モンスター1体を手札に加える。
(3):X召喚したこのカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは相手も受ける。


「エクシーズ召喚に成功したリサイト・スターリングの効果を発動するわ。フィールドのモンスターの攻守の値をこのカードのオーバーレイユニットの数×300アップさせるわ。対象は当然リサイト・スターリング自身よ」

LL-リサイト・スターリング ORU:2 ATK0/DEF0→ATK600/DEF600

「リサイト・スターリングの2つ目の効果を発動。オーバーレイユニットを1つ取り除き、デッキから鳥獣族・レベル1モンスター1体を手札に加えるわ。私はLL-ターコイズ・ワーブラーを手札に加えるわ」
「攻撃力600のモンスターを攻撃表示か。いいのか、それで?」
「別にいいわ。だってエクシーズ召喚されたリサイト・スターリングの戦闘で発生する私へのダメージはあんたも受けるもの。私はカードを2枚セットしてターンエンドよ」


礼 LP8000 手札:3枚
デッキ:32 モンスター:1(LL-リサイト・スターリング ORU:1)魔法・罠:2 墓地:2 除外:0 Pゾーン:青/赤 エクストラデッキ:14(0)
仁 LP7700 手札:5枚
デッキ:35 モンスター:0 魔法・罠:0 墓地:0 除外:0 Pゾーン:青/赤 エクストラデッキ:15(0)


☆TURN02


「俺のターン、ドロー。俺は手札からRR-バニシング・レイニアスを召喚!」
「やっぱりあんたの初手はバニシング・レイニアスなのね」
「お前にとっての展開の始点がさっきサーチしたターコイズ・ワーブラーならば、俺にとっての始点はこのバニシング・レイニアスだ。バニシング・レイニアスの効果を発動。手札からRR1体を特殊召喚する。来い、RR-トリビュート・レイニアス! そしてトリビュート・レイニアスの効果を発動。デッキからRRカード1枚を墓地に送る。墓地に送るのは当然RR-ミミクリー・レイニアスだ」

 流れるように大量展開のための手順を踏んでいく仁。彼のデッキは留奈とデュエルした時とそう変わってはいないのだが、それは逆を言えばそれだけ仁のデッキの完成度が遊大や陸に比べて高いことを意味している。

「そして墓地に送られたミミクリー・レイニアスをゲームから除外し、デッキからRR-ネストを手札に加える。そしてフィールドに2体以上RRが存在するため、RR-ネストはその効果を発動できる。デッキからRR-ファジー・レイニアスを手札に。そしてファジー・レイニアスは同名カード以外のRRが存在する場合、手札から特殊召喚できる」
「これでレベル4のモンスターが3体……」
「そうだな……まずはその厄介なモンスターを倒させてもらう。バトルだ! RR-バニシング・レイニアスでLL-リサイト・スターリングを攻撃!」

RR-バニシング・レイニアス ATK1300 VS LL-リサイト・スターリング ATK600

礼 LP8000→7300

「リサイト・スターリングの戦闘で発生するダメージは仁、あんたにも受けてもらうわ!」
「ああ。構わない」

仁 LP7700→7000

「だがこれでお前のフィールドはがら空きになった。トリビュート・レイニアスでダイレクトアタック!」

RR-トリビュート・レイニアス ATK1800

「これ以上ライフは削らせないわ! 相手モンスターの直接攻撃宣言時に私は手札から“ゴーストリック・フロスト”の効果を発動するわ!」
「ゴーストリックだと?」


※ゴーストリック・フロスト
効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻800/守100
自分フィールド上に「ゴーストリック」と名のついたモンスターが存在する場合のみ、このカードは表側表示で召喚できる。このカードは1ターンに1度だけ裏側守備表示にする事ができる。
また、相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。その相手モンスターを裏側守備表示にし、このカードを手札から裏側守備表示で特殊召喚する。


「トリビュート・レイニアスを裏側守備表示にしてこのカードを手札から裏側守備表示で特殊召喚するわ!」
「裏側守備表示にすることでダイレクトアタックを防ぐだけではなく、エクシーズ素材にすることも防いだか。まあいい、バトルフェイズを終了する」
「……ゴーストリック・フロストの守備力は100よ? ファジー・レイニアスで破壊できるじゃない」
「確かに破壊すれば相手のモンスターを一掃できるが……時には残しておいた方がいい時もある。そうだよな?」

 礼は前のターン、リサイト・スターリングの効果でデッキからターコイズ・ワーブラーを手札に加えていた。ターコイズ・ワーブラーはフィールドにモンスターが存在しない場合に特殊召喚できるモンスターであるため、ここでゴーストリック・フロストを敢えて残すことでターコイズ・ワーブラーの自身の効果による特殊召喚を封じることができるのだ。
 仁はライフの逆転を、礼は次のターン以降での展開をそれぞれ目論んだが、それは相手のプレイングによって失敗に終わった。曲がりなりにもこの二人は双子であるが故、他の誰よりも「相手が礼だったら」「相手が仁だったら」……と相手の立場に立って考えることができたのだ。

「メインフェイズ2に移行する。俺はバニシング・レイニアスとファジー・レイニアスでオーバーレイ! 2体の鳥獣族モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚!“漆黒の闇夜に生きる猛禽よ、その眼光において真実を見抜き、我に勝利をもたらせ!” 飛翔せよ、RR-フォース・ストリクス!」

 エクシーズ召喚されたフォース・ストリクスは音を立てずに、その場に羽を閉じて着地する。RRは守りに優れたモンスターも多いが、フォース・ストリクスはその最たるものと言えた。攻撃力は他のRRモンスターがいなければわずか100であり、また守備力2000も下級モンスターの攻撃を弾き返せる程度のもの。
 しかし、攻守に半端なステータスや効果ではなく、自らを完全にサポート役として割り切っているからこそ、このカードはRRには欠かせないカードなのだ。

「オーバーレイユニットを1つ取り除き、フォース・ストリクスの効果を発動。デッキからRR-モンスター1体を手札に加える。俺が手札に加えるのは2体目のバニシング・レイニアスだ。そしてオーバーレイユニットとして墓地に送られたファジー・レイニアスの効果も発動。2体目のファジー・レイニアスを手札に加える」
「自身の戦闘力は皆無。でもそこまでサポートに振り切れると清々しいものね」
「こいつは賢いのでな。無理に自分に不向きなことはしないんだ」
「……いなしてもRRで手札を補充するし、更なる展開のための下準備。抜け目ないわね、妹としてそこだけは尊敬するわ」
「そこだけ、か。ならばこのデュエルに勝ってもっと尊敬させてやろう。俺はカードを1枚セットしてターンエンドだ」


礼 LP7300 手札:2枚
デッキ:32 モンスター:1 魔法・罠:2 墓地:4 除外:0 Pゾーン:青/赤 エクストラデッキ:14(0)
仁 LP7000 手札:5枚
デッキ:29 モンスター:2(RR-フォース・ストリクス ORU:1)魔法・罠:2(RR-ネスト)墓地:1 除外:1 Pゾーン:青/赤 エクストラデッキ:14(0)




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ター坊
そうか、マーズを呼べば良かったのか!
光神化→普通パーシアス→暴走
とか考えてましたがハナから違ってたか…。
リアル事情で礼のデッキは死に体になっていましたが、ゴーストリック等のローレベルエクシーズという形で生き残ったのですね。良かった良かった。 (2017-04-25 23:54)
光芒
ター坊さん
自分も最初その詰めデュエルに挑んだ時、パーシアスを大量展開していました。でもそれだとどうしても足りませんからね……また、サターンとヘル・テンペストのコンボもあるので結構間違えやすいですね。

【LL】はネプチューンが消えましたが、レベル1の汎用性があるモンスターを適当に入れるだけで結構物になりましたね。速攻のかかしとかクリボー系統とか金華猫とかそれなりに有用性のあるモンスターが多いので助かりました。
(2017-04-26 23:30)
パニー
前回といい今回といい、詰めデュエルが出ており頭を使わされますw

礼はレベル1モンスターを沢山投入する形で見事に戦っていたので何だが安心しました。というか元のLLに戻った感じがしますね。
新ルールによって幾分戦いづらくなってしまった2人ですが、勝敗は如何に・・・ (2017-04-27 19:07)
光芒
パニーさん
詰めデュエルは実際見てみると、こんなに難しいものなのかとは思ってしまいますね。これを一発で解けるのはさすがデュエルの専門学校に通うデュエリスト、と言われてもおかしくないです(ぶっちゃけご都合的なものはありますが……)

>礼はレベル1モンスターを沢山投入する形で見事に戦っていたので何だが安心しました。というか元のLLに戻った感じがしますね。
これが従来の【LL】ですね。レベル1を駆使しながら戦うというコンセプトは面白いと思います。

>新ルールによって幾分戦いづらくなってしまった2人ですが、勝敗は如何に・・・
礼はそんなに複数体エクシーズを並べることはありませんが、仁に関しては新ルールで息していませんからね……彼もゴウフウやスケゴといったカードに頼らなければいけなくなってしまったのは厳しいです。
まあこの作品ではそんな事態にすらならないので(え
(2017-04-28 10:40)

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14 第56話:障壁 181 3 2017-08-08 -
8 第57話:意地 170 3 2017-08-13 -
9 第58話:提案 267 3 2017-08-17 -
11 第59話:来訪 221 3 2017-08-27 -
17 第60話:交錯 231 3 2017-09-04 -
14 第61話:諜報 197 3 2017-09-11 -
67 遊大たちが10月制限について語るそうです 308 5 2017-09-14 -
10 第62話:暴露 174 2 2017-09-21 -
13 第63話:決意 201 4 2017-09-25 -
6 第64話:結束 197 4 2017-10-02 -
10 第65話:渇望 343 3 2017-10-07 -
12 第66話:証明 171 4 2017-10-13 -
10 第67話:空想 145 2 2017-10-16 -
9 第68話:魔鎖 138 2 2017-10-23 -
6 第69話:喝采 113 2 2017-10-27 -
8 第70話:胸愛 158 3 2017-11-01 -
10 第71話:点火 139 4 2017-11-07 -
5 第72話:誘惑 107 3 2017-11-15 -
3 第73話:憤怒 92 3 2017-11-18 -

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