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虹彩竜と歩むもの/第30話:昇華 作:光芒





(このターンの私の動きで、このデュエルの勝ち負けが決まる。思えば私のデュエルっていつもこんなような気がするなぁ)

 綾香は過去の自分のデュエルを思い出しつつ、手札のカードに目を落とした。状況は圧倒的に綾香が不利ではあるが、まだ手が無いわけではない。父のように優雅で圧倒的なデュエルはできないが、泥臭くてもその中に勝利のための道筋を見つけ出すのが綾香のデュエルであった。

「私はモンスターをセット、カードを1枚セットしてターンエンドよ」


綾香 LP:5000 手札:2枚
デッキ:31 モンスター:1 魔法・罠:3(補給部隊)墓地:4 除外:3 Pゾーン:青/赤 エクストラ:15(0)
遊希 LP:7700 手札:0枚
デッキ:28 モンスター:3(銀河眼の光波竜 ORU:1、巨神竜フェルグラント、銀河戦士)魔法・罠:0 墓地:12 除外:1 Pゾーン:青/赤 エクストラ:13(0)


☆TURN06


「私のターン、ドロー」
「この瞬間、私はリバースカードを発動するわ。2枚目の永続罠、竜星の具象化よ」
「あら、引いていたのね。でもやることは変わらないわ。銀河戦士を攻撃表示にしてメインフェイズ1からバトルフェイズに移行。巨神竜フェルグラントでセットモンスターに攻撃するわ」

巨神竜フェルグラント ATK3200 VS 地竜星-ヘイカン DEF0

「戦闘で破壊されて墓地に送られた“地竜星-ヘイカン”、そして竜星の具象化と補給部隊の効果を発動するわ!」


※地竜星-ヘイカン
効果モンスター
星3/地属性/幻竜族/攻1600/守0
「地竜星-ヘイカン」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。デッキから「地竜星-ヘイカン」以外の「竜星」モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。
(2):1ターンに1度、相手のメインフェイズ及びバトルフェイズに発動できる。自分フィールドの「竜星」モンスターのみをS素材としてS召喚する。
(3):このカードをS素材としたSモンスターは、戦闘では破壊されない。


「だったらこっちもその効果にチェーンして巨神竜フェルグラント、そして手札から増殖するGの効果を発動」
「増殖するG!?」
「このターン、相手が特殊召喚に成功するたびに私はデッキからカードを1枚ドローする」


チェーン5(遊希):増殖するG
チェーン4(遊希):巨神竜フェルグラント
チェーン3(綾香):補給部隊
チェーン2(綾香):竜星の具象化
チェーン1(綾香):地竜星-ヘイカン


(しまった……これだと……)
「フェルグラントの効果で墓地のアークブレイブドラゴンを特殊召喚する。アークブレイブドラゴンは特殊召喚時に相手フィールドの表側表示の魔法・罠を全て破壊する効果があるけど……タイミングを逃すため発動はできないわ」
「補給部隊の効果で1枚ドロー。竜星の具象化の効果でデッキからリフンを守備表示で特殊召喚するわ!」
「相手がモンスターの特殊召喚に成功したことで増殖するGの効果が適用される。1枚ドローよ」
「ヘイカンの効果でデッキからビシキを守備表示で特殊召喚するわ」
「さらに1枚ドロー。今蘇生したアークブレイブドラゴンでビシキを攻撃!」

アークブレイブドラゴン ATK2400 VS 水竜星-ビシキ DEF2000

(後続を呼ぶことはできるけど、遊希にドローを許してしまう……でもだからと言って……!)

 竜星の効果を使えば綾香はライフを守り切ることはできるし、反撃のための糸口を掴むこともできる。しかし、遊希は増殖するGを発動しているため、このターン綾香が竜星を特殊召喚するたびに彼女は手札をどんどん補充していく。手札が増殖するG1枚だけだった遊希の手札を補わせるということは、それだけ遊希の攻撃の手段を増やすことにも繋がるのである。当然綾香は迷った。それでも彼女の決断は早かった。

「破壊されたビシキの効果を発動! デッキから2体目のシュンゲイを攻撃表示で特殊召喚するわ!」
「増殖するGの効果で1枚ドロー。銀河眼の光波竜でシュンゲイを攻撃!“殲滅のサイファー・ストリーム”!!」

銀河眼の光波竜 ATK3000 VS 炎竜星-シュンゲイ ATK1900

綾香 LP5000→3900

「っ……破壊されたシュンゲイの効果! デッキから2体目のビシキを守備表示で特殊召喚!」
「1枚ドロー。銀河戦士でリフンを攻撃!」

銀河戦士 ATK2000 VS 光竜星-リフン DEF0

「破壊されたリフンの効果でデッキから“闇竜星-ジョクト”を守備表示で特殊召喚!!」


※闇竜星-ジョクト
チューナー・効果モンスター
星2/闇属性/幻竜族/攻0/守2000
「闇竜星-ジョクト」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):自分フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。デッキから「闇竜星-ジョクト」以外の「竜星」モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する。
(2):自分フィールドにこのカード以外のモンスターが存在しない場合、手札の「竜星」カード2枚を墓地へ送って発動できる。デッキから攻撃力0と守備力0の「竜星」モンスターを1体ずつ特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに除外される。


「デッキから1枚ドロー。ありがと綾香、おかげで手札が一気に5枚まで増えたわ」
「……嫌らしいったらありゃしないわね。でもライフが残ってればまだ終わらないわよ」
「それは私も同じ。私はバトルフェイズを終了し、メインフェイズ2に移行。そうね、カードを2枚セットしてターンエンドよ」
「待って。だったらこのエンドフェイズにリバースカードを発動するわ! 速攻魔法“サイクロン”よ!」


※サイクロン
速攻魔法
(1):フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。


「私から見て右側のセットカードを破壊するわ!」
「破壊されたカードはリビングデッドの呼び声。ツキがいいわね」


綾香 LP:3900 手札:3枚
デッキ:24 モンスター:2(水竜星-ビシキ、闇竜星-ジョクト)魔法・罠:2(竜星の具象化、補給部隊)墓地:9 除外:3 Pゾーン:青/赤 エクストラ:15(0)
遊希 LP:7700 手札:3枚
デッキ:22 モンスター:4(銀河眼の光波竜 ORU:1、巨神竜フェルグラント、アークブレイブドラゴン、銀河戦士)魔法・罠:1 墓地:13 除外:1 Pゾーン:青/赤 エクストラ:13(0)


☆TURN07


(遊希のフィールドには攻撃力2000以上のモンスターが4体。フェルグラントの効果で白き霊龍を蘇生されたらもう抑えきれなくなる……でも、私のデッキには)

 綾香の脳裏に浮かんでいたのはあるモンスターの姿だった。そして相手フィールドに存在する4体のモンスターを一気に突破するのはそのモンスターの力無くしては不可能であると言えた。

(このドローに全てが掛かっていると言っても過言じゃない。正直言うと柄じゃないけど……お願い、私のデッキ!)
「私のターン―――ドロー!!……私は手札から魔法カード、貪欲な壺を発動! シュンゲイ、ヘイカン、ビシキ、リフンの4体の竜星とナイト・ドラゴリッチをデッキに戻してシャッフル。そして2枚ドローするわ!!」
「リフンは墓地に置いておいた方が都合のいいモンスターだけど……そうまでして引きたいカードがあるのかしら?」
「ええ。これが―――そのカードよ! 私は手札から炎竜星-シュンゲイを召喚!」
「……今戻したシュンゲイを含めてもデッキには残り2枚。その2枚のうちの1枚を引き当てたっていうの?」
「今回ばかりはデッキに感謝ね。行くわ! これが私と、竜星たちのデュエルよ! 私はレベル4の炎竜星-シュンゲイとレベル2の水竜星-ビシキに、レベル2のチューナーモンスター、闇竜星-ジョクトをチューニング!!“天空に輝く星々の光、今その力を集わせ高貴なる光の竜を呼び覚ませ!”シンクロ召喚! 降臨せよ!“輝竜星-ショウフク”!」


※輝竜星-ショウフク
シンクロ・効果モンスター
星8/光属性/幻竜族/攻2300/守2600
チューナー+チューナー以外の幻竜族モンスター1体以上
(1):このカードがS召喚に成功した時、このカードのS素材とした幻竜族モンスターの元々の属性の種類の数まで、フィールドのカードを対象として発動できる。そのカードを持ち主のデッキに戻す。
(2):1ターンに1度、自分フィールドのカード1枚と自分の墓地のレベル4以下のモンスター1体を対象として発動できる。そのフィールドのカードを破壊し、その墓地のモンスターを特殊召喚する。


「シュンゲイを素材にシンクロ召喚されたショウフクの攻守の値は500ずつアップするわ!」

輝竜星-ショウフク ATK2300/DEF2600→ATK2800/DEF3100

「そしてシンクロ召喚に成功したショウフクの効果! このカードのシンクロ素材にした幻竜族モンスターの元々の属性の種類の数までフィールドのカードを対象として発動! そのカードを持ち主のデッキへ戻すわ!」
「ショウフクのシンクロ素材になった幻竜族モンスターは炎属性のシュンゲイ、水属性のビシキ、闇属性のジョクト。3枚のカードを一気にバウンスってことね……」
「そう! 対象は巨神竜フェルグラント、アークブレイブドラゴン、そして……銀河眼の光波竜!! 消えなさい、ドラゴンたち!!」

 ショウフクの放った光の波動によってまるで昇華していくかのように消えていく巨神竜フェルグラントとアークブレイブドラゴン。遊希のこのデッキは墓地からの特殊召喚をコンセプトにしたカードが多いため、デッキバウンスは最も避けたい除去の一つであった。一応アークブレイブドラゴンには墓地に送られることで墓地のレベル7か8のドラゴン族1体を蘇生する、という効果を発動できるのだが、それでも墓地に送る手段が無ければ事故要員と成り下がってしまう欠点もあった。
 そして何より一気に大型モンスター3体が除去されてしまう、ということも大きく、これで遊希のフィールドに残されたのは攻撃力2000の銀河戦士1体となる。ショウフクの効果で更に展開すればまたしてもこのデュエルの流れが逆転するため、ショウフクのシンクロ召喚を許してしまったということは遊希にとっては痛手に他ならない―――はずだった。

「ねえ綾香……ショウフクの波動って本当に綺麗よね。まるで天に昇るかのようだわ」

 遊希は自分のモンスターたちが消えていく様をまるで美しいものを眺めるかのように見ていた。当然遊希にはこの光景を楽しんでいる余裕などないはずである。

「えっ……? あんた、何を言って……」
「ごめんね、綾香。ショウフクの効果にチェーンして……私はリバースカードを発動!! 速攻魔法―――!!」











―――“RUM-光波昇華(ランクアップマジック サイファー・アセンション)”―――










「RUM!?」


※RUM-光波昇華(ランクアップマジック サイファー・アセンション)
速攻魔法
(1):自分・相手のメインフェイズに、自分フィールドの「サイファー」Xモンスター1体を対象として発動できる。その自分のモンスターよりランクが1つ高い「サイファー」Xモンスター1体を、対象のモンスターの上に重ねてX召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは以下の効果を得る。●このカードの攻撃力は、自分フィールドのレベル4以上のモンスターの数×500アップする。


チェーン2(遊希):RUM-光波昇華→銀河眼の光波竜
チェーン1(綾香):輝竜星-ショウフク→銀河眼の光波竜、巨神竜フェルグラント、アークブレイブドラゴン


「自分フィールドのサイファーと名のついたエクシーズモンスター1体を対象として発動。そのモンスターよりもランクが1つ高いサイファーと名のついたエクシーズモンスター1体を対象のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚するわ! 私はランク8の銀河眼の光波竜でオーバーレイ! 1体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築! ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!!」

 銀河の眼を持つ竜は、その光を波動と変えて自らを更に高みへと昇華させる。そして現れたのは左右の翼に鬼気迫る龍の顔を宿した光の龍であった。






―――“闇に輝く銀河よ。永久に輝く光放ち、我が未来照らす誇り高き道標となれ!!”―――





―――目覚めなさい!! “超銀河眼の光波龍(ネオ・ギャラクシーアイズ・サイファー・ドラゴン)”!!―――






※超銀河眼の光波龍(ネオ・ギャラクシーアイズ・サイファー・ドラゴン)
エクシーズ・効果モンスター
ランク9/光属性/ドラゴン族/攻4500/守3000
レベル9モンスター×3
(1):このカードが「サイファー」カードをX素材としている場合、以下の効果を得る。
●1ターンに1度、このカードのX素材を3つまで取り除いて発動できる。取り除いた数だけ相手フィールドの表側表示モンスターを選び、そのコントロールをエンドフェイズまで得る。
この効果でコントロールを得たモンスターの効果は無効化され、攻撃力は4500になり、カード名を「超銀河眼の光波龍」として扱う。この効果の発動後、ターン終了時までこのカード以外の自分のモンスターは直接攻撃できない。


「超銀河眼の光波龍……!?」
「チェーン2の光波昇華によって銀河眼の光波竜は超銀河眼の光波龍へとランクアップした。これにより、チェーン1のショウフクの効果の対象となった銀河眼の光波竜は対象不在により、ショウフクの効果は受けない! まあフェルグラントとアークブレイブドラゴンはデッキバウンスされるんだけど」
「……バトルよ!! 輝竜星-ショウフクで銀河戦士に攻撃!“竜星昇天波”!!」

輝竜星-ショウフク ATK2800 VS 銀河戦士 ATK2000

遊希 LP7700→6900

「私はバトルフェイズを終了。メインフェイズ2にショウフクの効果を発動するわ。自分フィールド上のカード1枚と墓地のレベル4以下のモンスターを選択、フィールド上のカード1枚を破壊し、そのモンスターを特殊召喚するわ! 補給部隊を破壊し、墓地のビシキを守備表示で特殊召喚!」
「あくまで守りを固めるのね」
「言ったでしょ? 私はライフが尽きるまで諦めないって! 私はカードを1枚セットしてターンエンドよ!」


綾香 LP:3900 手札:3枚
デッキ:26 モンスター:2(輝竜星-ショウフク、水竜星-ビシキ)魔法・罠:2(竜星の具象化)墓地:8 除外:3 Pゾーン:青/赤 エクストラ:15(0)
遊希 LP:6900 手札:3枚
デッキ:24 モンスター:1(超銀河眼の光波龍 ORU:2)魔法・罠:0 墓地:15 除外:1 Pゾーン:青/赤 エクストラ:12(0)


☆TURN08


「私のターン、ドロー。守りを固めたようだけど、それも無意味よ。超銀河眼の光波龍の効果を発動! オーバーレイユニットを2つ取り除き、取り除いた数だけ相手フィールドのモンスターのコントロールをエンドフェイズまで得るわ!“サイファー・スーパー・プロジェクション”!!」

 超光波龍の翼から放たれた眩い光がショウフクとビシキを拐す。まるで花や樹木が出す、甘い蜜に釣られる虫のように引き寄せられていった2体の竜星たちはその姿を一時的に超光波龍へと変えては綾香に牙をむいた。

「この効果でコントロール奪取したモンスターの効果は無効化される。そしてカード名を超銀河眼の光波龍として扱い、攻撃力は4500になる」

輝竜星-ショウフク ATK2800→超銀河眼の光波龍 ATK4500
水竜星-ビシキ ATK0→超銀河眼の光波龍 ATK4500

「ショウフク! ビシキ!」
「最もこの効果を発動したターンは元々の超光波龍しか攻撃できないけどね。でもそれでも十分よ! バトル! 超銀河眼の光波龍で綾香にダイレクトアタック!“アルティメット・サイファー・ストリーム”!!」

超銀河眼の光波龍 ATK4500

綾香 LP3900→0











「……負けちゃったか。やっぱり強いわね、あんた」
「そっちこそ。もしあの時増殖するGを引いていなかったら、あんたが竜星の効果を発動してくれなかったら。その台詞は私のものだったわよ?」
「またまた。ていうかたらればを言い出したらデュエルにならないじゃないの」
「……それもそうね!」

 先程までの白熱したデュエルは何処へやら。遊希と綾香は互いの顔を見合わせると、ケラケラと笑っていた。
 ラグビーの試合終了を告げる用語に「ノーサイド」というものがあるが、その意味はno side(敵味方無し)という意味である。デュエルにおいてもそれは同じでデュエルが終われば勝敗を競うデュエリストから元の親友に戻る、ということを遊希たちは体現していた。

「……」
「高海君?」

 そんな二人をじっと見つめていた遊大は詩織が呼びかけるのにもしばらく気づかなかった。遊大は自分のデュエルの反省点を振り返りながらも千夏と詩織のデュエル、そして遊希と綾香のデュエルを見て今の自分が目指すべき道というものを一人模索していた。

「あっ、なんでしょうか月宮先輩」
「いえ別に。ただすごく熱心に私たちのデュエルを見てくれていましたね」
「……はい。今の俺にはまだまだ先輩方のようなデュエルをする自信がありません。ですが、どれだけ時間がかかっても……皆さんのようにデュエルが終わった後、互いを讃え合えるような。結果に関係なく心からいいデュエルができるような。そんなデュエリストになりたいと思っています」
「高海くん、今の言葉は本当?」

 遊大のその言葉を耳にした時、遊希が口を挟んできた。その時の遊希の顔は綾香と話していた時のような優しく無邪気なものではなく、デュエルの時に見せるようなものへと変わっていた。

「はい」
「結構な心掛けね。でも、言っておくけど私たちのこのデュエルが決して正しいものであるとは限らないわよ?」
「ちょっと遊希……」
「確かにそうかもしれません。でも、俺は俺が信じる道を行きたい、そう思います」
「信じる道?」
「はい。勿論この決断が満点の解答ではないかもしれません。ですが、それでも俺は俺がこうありたい、と思った理想を突き詰めたいんです。それが俺の、高海 遊大としての選択です。他の誰によるものでもない。俺自身の」
「……そう。じゃあどこまでも突き進みなさい。自分の追い求めるものを掴み取るまで」
「は、はい!」
「よし、それならデュエルね! 高海君、次は誰とやるのかしら!」
「えっ、まだデュエルするんですか?」
「当然デス! まだまだ時間はたっぷりあるのデスカラ!」
「私たちはデュエリスト! デュエリストならデュエルができる喜びを噛み締めながらデュエルに臨むのよ! さあ次の相手は私よ!」
「か、勘弁してください……」

 千夏やエヴァに引っ張られていく遊大を見て遊希はやれやれ、と言った様子で溜息をつく。しかし、その溜息は決して遊大に呆れたがために出たものではなかった。

「遊希? どうしたの?」
「……凄いな、って思ったの」
「凄い?」
「彼……高海くんよ。私が彼と同じ年齢だった時……彼のように確固たる意志を持ってデュエル、できていたかしら?」
「……」
「確証はないけど……彼はきっと凄いデュエリストになる、と思う。私は先輩として、そしてデュエリストのライバルとして……彼を導いてあげたい。彼の目指す道が見たい。私、変かな?」
「そんなことないわよ。高海君も言っていたように、遊希も自分が信じる道を行けばいいの。私も応援するからさ」
「……綾香、ありがとう」

 そう言いながら、遊希はやはり不器用な笑顔を見せるのであった。







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ター坊
遊希のデレいただきました!
全員総NTRで決着がついた遊希VS綾香。なんで低評価付けたカードってこう使われるとすげぇ強く感じるんだろう?(←超銀河眼光波竜に4くらい付けた気がする)
遊大、お前期待半端ないぞ! (2017-04-13 12:57)
から揚げ
遊希と綾香の増殖するGを巡る駆け引きが、とても見応えがありました!増殖するGを発動された時って、展開を続けるか、止めるかで結構迷いますよね。遊希にドローさせた枚数と相まって、綾香にとっては正に苦渋の選択になりましたね。

その状況の中、見事にキーカードを引き当ててショウフクの召喚に繫げた綾香のドロー力に脱帽しましたが、それすらランクアップによるサクリファイス・エスケープで躱しながら、超光波龍の召喚を行った辺り、改めて遊希はプレイング・タクティクス共に最強と呼ぶに相応しい実力者なんだなと思いました!

それにしても超光波龍って、相手モンスターを対象を取らずにコントロール奪取+奪ったモンスターの攻撃力を4500にするといった効果は非常に強力なのですが、召喚しにくいのと、効果を使ったら自分以外ダイレクトアタック出来ないのが辛いですよね。かと言ってデメリットが無くて呼びやすいと強すぎますし、塩梅が難しいですね。

遊希が遊大に投げかけた言葉が、遊大が自分達のデュエルスタイルに憧れを抱くあまり、それに固執してしまって遊大本来のデュエルスタイルが損なわれない様に配慮されている事が感じられまして、とても説得力があって歴戦を勝ち抜けた重みや遊大への優しさを感じました!

遊大も15歳という若さで、意思を固めてしっかりと自分の意見を述べていた所が、とても素晴らしかったです!遊希も言っている通り、遊大が遊希達と肩を並べる程の実力者になる日も、そう遠くないですね! (2017-04-14 08:25)
光芒
ター坊さん
>全員総NTRで決着がついた遊希VS綾香。なんで低評価付けたカードってこう使われるとすげぇ強く感じるんだろう?(←超銀河眼光波竜に4くらい付けた気がする)
それは超光波龍に限った話ではないと思います(ぶっちゃけ
超光波龍は他の銀河眼エクシーズが軒並み優秀だから、その陰に隠れてしまっている感じがします。FA、ダークマター、刃竜がRUM無しで出せてしまうのもそれに拍車をかけていると思います。
ただサイファーモンスター全体に言えることですが、光波干渉がOCG化されればかなり救われると思います。超光波龍も光波干渉があれば9000アタッカーに化けますから。

>遊大、お前期待半端ないぞ!
実績が少ないのに期待されるのは主人公あるあるですね。

から揚げさん
増殖するGを一度通すか通さないかで勝敗が分かれるケースも少なくないですからね。今となってはメタカードの灰琉うららがいるので前ほどの脅威は無くなったと思いたいですが。

>それにしても超光波龍って、相手モンスターを対象を取らずにコントロール奪取+奪ったモンスターの攻撃力を4500にするといった効果は非常に強力なのですが、召喚しにくいのと、効果を使ったら自分以外ダイレクトアタック出来ないのが辛いですよね。かと言ってデメリットが無くて呼びやすいと強すぎますし、塩梅が難しいですね。
まあ超光波龍の効果はやはり光波干渉とのコンボ前提と思われますね。だからKONMAIは早く光波干渉をOCG化しろという話ですよ。

>遊希が遊大に投げかけた言葉が、遊大が自分達のデュエルスタイルに憧れを抱くあまり、それに固執してしまって遊大本来のデュエルスタイルが損なわれない様に配慮されている事が感じられまして、とても説得力があって歴戦を勝ち抜けた重みや遊大への優しさを感じました!
遊希も遊希で色々な死地を潜り抜けてきていますからね。何かしらのシンパシーを感じる+自分のことを憧れてくれている後輩が気になる、ということでしょうね。最もそれは前作では自分のことでいっぱいいっぱいだった彼女も他人を気遣えるようになった、という成長の証だったりします。
(2017-04-15 00:55)

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11 第53話:自信 255 5 2017-07-20 -
16 第54話:克服 227 4 2017-07-24 -
15 第55話:猛攻 260 6 2017-08-02 -
14 第56話:障壁 181 3 2017-08-08 -
8 第57話:意地 170 3 2017-08-13 -
9 第58話:提案 267 3 2017-08-17 -
11 第59話:来訪 221 3 2017-08-27 -
17 第60話:交錯 231 3 2017-09-04 -
14 第61話:諜報 197 3 2017-09-11 -
67 遊大たちが10月制限について語るそうです 308 5 2017-09-14 -
10 第62話:暴露 174 2 2017-09-21 -
13 第63話:決意 201 4 2017-09-25 -
6 第64話:結束 197 4 2017-10-02 -
10 第65話:渇望 343 3 2017-10-07 -
12 第66話:証明 171 4 2017-10-13 -
10 第67話:空想 145 2 2017-10-16 -
9 第68話:魔鎖 138 2 2017-10-23 -
6 第69話:喝采 113 2 2017-10-27 -
8 第70話:胸愛 158 3 2017-11-01 -
10 第71話:点火 139 4 2017-11-07 -
5 第72話:誘惑 107 3 2017-11-15 -
3 第73話:憤怒 92 3 2017-11-18 -

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