HOME > 遊戯王SS一覧 > 虹彩竜と歩むもの > 第20話:天命

虹彩竜と歩むもの/第20話:天命 作:光芒




☆TURN05


「私のターン、ドロー。リトスアジムDとバハルストスFを攻撃表示に変更してバトル! バハルストスFで賤竜の魔術師を攻撃。“水真竜の顎(アギト)”!」

真竜皇バハルストスF ATK2100 VS 賤竜の魔術師 DEF1400

「そしてリトスアジムDでダイレクトアタック!“地真竜の爪牙”!」

真竜皇リトスアジムD ATK2800

遊大 LP6000→3200

「っ……」
「バトルフェイズ2を終えてメインフェイズ2。リトスアジムDとバハルストスFでオーバーレイ! 三度降臨しなさい、真竜皇V.F.D! そして真竜皇の復活の効果で墓地のマリアムネを守備表示で特殊召喚。これでターンエンドよ」

真竜皇V.F.D ATK3000/DEF3000→ATK3300/DEF3300
真竜鳳マリアムネ ATK2700/DEF2100→ATK3000/DEF2400


遊希 LP8000 手札2枚
デッキ:27 モンスター:2(真竜皇V.F.D ORU:2、真竜鳳マリアムネ)魔法・罠:2(ドラゴニックD、真竜皇の復活)墓地:5 Pゾーン青/赤 除外:2 エクストラデッキ:12(0)
遊大 LP3200 手札1枚
デッキ:32 モンスター:0 魔法・罠:0 墓地:5 Pゾーン青1(竜脈の魔術師)/赤8(虹彩の魔術師)除外:0 エクストラデッキ:15(1)


☆TURN06


(甘かった……)

 ブラック・ホール、ウェーブ・フォースと二回も除去したのにも関わらず、V.F.Dを含めた二体の真竜が相も変わらず遊希のフィールドには鎮座する。
 いずれもドラゴニックDの恩恵を受けて攻撃力は3000を上回る。マリアムネの守備力は強化されても2400であるため、倒すことはそう難しくないのだが、仮にその守備力を上回る攻撃力のモンスターを出せたところで次のターンにはより強化されたV.F.Dの餌食になるだけだ。守備表示のモンスターを並べて逆転の手を引くまで持ちこたえる、という自分の見通しが甘かったことを彼は痛感した。

(遊希さん相手に何ターンか耐えきれるなんて、そんな簡単には行かせてくれない。こうなったら俺のドロー運と遊希さんのドロー運。どっちに神様が微笑むか、天命を待つしかない!)

 しかし、ここで諦めることなどできない。負ける可能性が高い、と言えども自分から負けに行くことなどしない。それがデュエリスト・高海 遊大の意地であった。

「俺のターン……ドロー!」
「ドローフェイズにオーバーレイユニットを1つ取り除いて真竜皇V.F.Dの効果を発動。そうね、風属性を指定するわ」

 遊大の狙いは賤竜の魔術師を特殊召喚することで墓地にいるオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを手札に戻すこと―――それに気づいた遊希はV.F.Dの効果で予めその効果の発動を封じる。しかし、戦いの神は遊大に微笑んだ。

「……ドローフェイズからスタンバイフェイズを経てメインフェイズ1に移ります。俺は手札からフィールド魔法“天空の虹彩”を発動します!」


※天空の虹彩
フィールド魔法
「天空の虹彩」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、自分のPゾーンの「魔術師」カード、「EM」カード、「オッドアイズ」カードは相手の効果の対象にならない。
(2):このカード以外の自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、デッキから「オッドアイズ」カード1枚を手札に加える。


「天空の虹彩の2つ目の効果を発動します! このカードの自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象にして破壊し、デッキからオッドアイズカード1枚を手札に加えます! Pゾーンの竜脈の魔術師を破壊し、デッキから2枚目のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを手札に加えます!」
「2枚目のオッドアイズ……つくづくドロー運は凄いのね。でもそのままだと防戦一方よ? あなたはこのまま逃げ続けるの?」
「はい。最後に勝つために、逃げることも必要ですから!」
「……そう」
「俺は空いたPゾーンにスケール5の慧眼の魔術師をセットします。そして慧眼の魔術師の効果で自身を破壊してデッキからスケール3の相克の魔術師をPゾーンにセッティングします!」

 スケール3の相克の魔術師とスケール8の虹彩の魔術師がPゾーンにセッティングされたことで、遊大はレベル4から7までのモンスターをペンデュラム召喚できるようになった。
 相克の魔術師はエクシーズモンスターにそのランクと同じ数だけのレベルを与える効果を持っており、遊大がオッドアイズ・レイジング・ドラゴンをエクシーズ召喚するためには絶対に欠かせないカードなのだ。

「俺は手札・エクストラデッキからオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン、賤竜の魔術師、慧眼の魔術師、竜脈の魔術師の4体を守備表示でペンデュラム召喚します!」
「言っておくけどV.F.Dの効果で賤竜の魔術師の特殊召喚時の効果は発動できないからね」

 遊大のフィールドにはレベル4のモンスターが2体存在する。この2体でバウンス効果を持つ鳥銃士カステルをエクシーズ召喚することもできるのだが、当然V.F.Dの効果が発動している以上カステルを出したところで反撃の札を一枚失うだけだった。

「……承知の上です。俺はこれでターンエンドです」
「じゃあエンドフェイズに真竜皇の復活の効果で墓地のリトスアジムDを特殊召喚するわね」

真竜皇リトスアジムD ATK2500/DEF2300→ATK2800/DEF2600


遊希 LP8000 手札2枚
デッキ:27 モンスター:3(真竜皇V.F.D ORU:1、真竜鳳マリアムネ、真竜皇リトスアジムD)魔法・罠:2(ドラゴニックD、真竜皇の復活)墓地:5 Pゾーン青/赤 除外:2 エクストラデッキ:12(0)
遊大 LP3200 手札0枚
デッキ:31 モンスター:4(オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン、賤竜の魔術師、慧眼の魔術師、竜脈の魔術師)魔法・罠:1(天空の虹彩)墓地:5 Pゾーン青3(相克の魔術師)/赤8(虹彩の魔術師)除外:0 エクストラデッキ:15(0)


☆TURN07


(最後に勝つために逃げる、か。私が一年生の時に、そんなこと考えられたかしら?)
「私のターン、ドロー。リトスアジムDを攻撃表示に変更してバトルフェイズ。まずはリトスアジムDで守備表示の竜脈の魔術師を攻撃。真竜皇の地爪!」

真竜皇リトスアジムD ATK2800 VS 竜脈の魔術師 DEF900

「真竜鳳マリアムネで慧眼の魔術師を攻撃。“真竜鳳の翼”!」

真竜鳳マリアムネ ATK3000 VS 慧眼の魔術師 DEF1500

「真竜皇V.F.Dでオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを攻撃。黙示録の邪炎!」

真竜皇V.F.D ATK3300 VS オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン DEF2000

「バトルフェイズを終了。メインフェイズ2に移るわ」
(特殊召喚することで墓地のペンデュラムモンスターを回収できる賤竜の魔術師を残した……さりげないけど、さすがのタクティクスだ)
「私は手札からチューナーモンスター“ジュラック・アウロ”を召喚」


※ジュラック・アウロ
チューナー(効果モンスター)
星1/炎属性/恐竜族/攻200/守200
このカードをリリースして発動できる。自分の墓地から「ジュラック・アウロ」以外のレベル4以下の「ジュラック」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚する


「チューナーモンスター……」
「私はレベル9の真竜皇リトスアジムDにレベル1のジュラック・アウロをチューニング!“神樹の加護を受けし大いなる獣よ。溢れ出る力をもって全てを守る優しき王となれ!”シンクロ召喚! 吠えなさい。“神樹の守護獣-牙王”」


※神樹の守護獣-牙王
シンクロ・効果モンスター
星10/地属性/獣族/攻3100/守1900
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードは、自分のメインフェイズ2以外では相手のカードの効果の対象にならない。


「牙王は自分のメインフェイズ2以外では相手のカードの効果の対象にはならないわ。そして真竜皇の復活の効果で今シンクロ素材として墓地に送られたリトスアジムDを守備表示で特殊召喚。これでターンエンドよ」


遊希 LP8000 手札2枚
デッキ:26 モンスター:4(真竜皇V.F.D ORU:1、神樹の守護獣-牙王、真竜鳳マリアムネ、真竜皇リトスアジムD)魔法・罠:2(ドラゴニックD、真竜皇の復活)墓地:6 Pゾーン青/赤 除外:2 エクストラデッキ:11(0)
遊大 LP3200 手札0枚
デッキ:31 モンスター:1(賤竜の魔術師)魔法・罠:1(天空の虹彩)墓地:5 Pゾーン青3(相克の魔術師)/赤8(虹彩の魔術師)除外:0 エクストラデッキ:15(3)


☆TURN08


「俺のターン、ドロー!」

 遊希は3体目のV.F.Dではなく、レベル10のシンクロモンスターである牙王をシンクロ召喚した。牙王も強力なモンスターではあるのだが、何故ここでV.F.Dをエクシーズ召喚しなかったのか、と遊大は疑問に思う。最も遊希のエクストラデッキにV.F.Dは2枚までしか入っていない、という何でもない事情なのだが。

「オーバーレイユニットを1つ取り除いてV.F.Dの効果を発動。今度は水属性にしておくわ」
「天空の虹彩の効果を発動します。フィールドの賤竜の魔術師を破壊し、デッキから3枚目のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを手札に加えます」
「3枚目のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン……」
「そして手札とエクストラデッキからオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン2体と賤竜の魔術師、竜脈の魔術師、慧眼の魔術師の計5体をペンデュラム召喚します! 俺はこれでターンエンドです」


遊希 LP8000 手札2枚
デッキ:26 モンスター:4(真竜皇V.F.D ORU:1、神樹の守護獣-牙王、真竜鳳マリアムネ、真竜皇リトスアジムD)魔法・罠:2(ドラゴニックD、真竜皇の復活)墓地:6 Pゾーン青/赤 除外:2 エクストラデッキ:11(0)
遊大 LP3200 手札1枚
デッキ:29 モンスター:5(オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン×2、賤竜の魔術師、竜脈の魔術師、慧眼の魔術師)魔法・罠:1(天空の虹彩)墓地:5 Pゾーン青3(相克の魔術師)/赤8(虹彩の魔術師)除外:0 エクストラデッキ:15(0)


☆TURN09


「私のターン、ドロー。魂喰いオヴィラプターを召喚。効果で幻創のミセラサウルスを手札に加えるわ。そしてバトル。モンスターで一斉攻撃よ!」

真竜皇V.F.D ATK3300 VS オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン DEF2000
神樹の守護獣-牙王 ATK3100 VS オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン DEF2000
真竜鳳マリアムネ ATK3000 VS 賤竜の魔術師 DEF1400
真竜皇リトスアジムD ATK2800 VS 慧眼の魔術師 DEF1500
魂喰いオヴィラプター ATK1800 VS 竜脈の魔術師 DEF900

 5体のモンスター同士が入り乱れて乱戦となる。しかし、攻撃力で上回る遊希のモンスターが遊大のモンスターたちを防御態勢の上から叩き潰していった。

「モンスター同士が殴り合うデュエル……なんだか久しぶりね。バトルフェイズを終了してメインフェイズ2。次のデュエルからはV.F.D以外のランク9も入れることにするわ。ターンエンドよ」


遊希 LP8000 手札3枚
デッキ:24 モンスター:5(真竜皇V.F.D ORU:0、神樹の守護獣-牙王、真竜鳳マリアムネ、真竜皇リトスアジムD、魂喰いオヴィラプター)魔法・罠:2(ドラゴニックD、真竜皇の復活)墓地:7 Pゾーン青/赤 除外:2 エクストラデッキ:11(0)
遊大 LP3200 手札1枚
デッキ:29 モンスター:0 魔法・罠:1(天空の虹彩)墓地:5 Pゾーン青3(相克の魔術師)/赤8(虹彩の魔術師)除外:0 エクストラデッキ:15(5)


☆TURN10


(V.F.Dのオーバーレイユニットが尽きた! チャンスは……今しかない!)
「俺のターン、ドロー!! 俺は手札から強欲で貪欲な壺を発動します! デッキトップ10枚を除外し、2枚ドロー!」
(強欲で貪欲な壺……試験の時はあのカードから全てが始まった。まさか……)
「俺は天空の虹彩の効果を発動します! Pゾーンの虹彩の魔術師を破壊し、デッキからスケール8の“EMオッドアイズ・ユニコーン”を手札に加えます! そして今加えたオッドアイズ・ユニコーンを空いたPゾーンにセット!」


※EMオッドアイズ・ユニコーン
ペンデュラム・効果モンスター
星1/光属性/獣族/攻100/守600
【Pスケール:青8/赤8】
(1):このカードがPゾーンに存在する限り1度だけ、自分の「オッドアイズ」モンスターの攻撃宣言時、そのモンスター以外の自分フィールドの「EM」モンスター1体を対象として発動できる。
その攻撃モンスターの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで、対象のモンスターの元々の攻撃力分アップする。
【モンスター効果】
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分の墓地の「EM」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力分だけ自分はLPを回復する。


「そして手札から魔法カード―――死者蘇生を発動! 墓地のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを特殊召喚します! そしてスケール3の相克の魔術師とスケール8のEMオッドアイズ・ユニコーンでペンデュラム召喚! 手札及びエクストラデッキから舞い降りよ!」

 遊大のフィールドには5体のモンスターがまたしても居並んだ。死者蘇生で墓地より蘇った1体目のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン、そしてエクストラデッキより舞い戻った2体目と3体目のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンに賤竜の魔術師、そしてペンデュラム・ドラゴンと同じ二色の眼を持ちながら緑色の身体をしたドラゴンこと“オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン”が。


※オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン
ペンデュラム・効果モンスター
星3/闇属性/ドラゴン族/攻1200/守600
【Pスケール:青8/赤8】
(1):1ターンに1度、自分フィールドの表側表示の「オッドアイズ」Pモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
自分のPゾーンのカード1枚を選んで破壊し、自分のエクストラデッキから「オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン」以外の表側表示の「オッドアイズ」Pモンスター1体を選び、自分のPゾーンに置く。
【モンスター効果】
「オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン」のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分のPゾーンに「オッドアイズ」カードが存在する場合、自分フィールドの「オッドアイズ」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターはこのターンに1度だけ戦闘・効果では破壊されない。この効果は相手ターンでも発動できる。


「3体のレベル7モンスター……流石ね。その強運も強いデュエリストが必ず持っているものよ」
「ありがとうございます! 俺はレベル7のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン2体でオーバーレイ!“二色の眼持つ竜よ、その魂を極限に晒し絶対零度の爪牙で敵を撃て!”エクシーズ召喚! 目覚めよ!“オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン”!!」


※オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/水属性/ドラゴン族/攻2800/守2500
レベル7モンスター×2
「オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分または相手のモンスターの攻撃宣言時に、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。その攻撃を無効にする。その後、自分の手札・墓地から「オッドアイズ」モンスター1体を選んで特殊召喚できる。
(2):X召喚されたこのカードが墓地へ送られた場合に発動できる。エクストラデッキから「オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン」以外の「オッドアイズ」モンスター1体を特殊召喚する。


「Pゾーンの相克の魔術師の効果を発動! オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンにランクと同じ数のレベルを与えます!」

オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン ランク7→星7

「そして―――レベル7となったオッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンとレベル7のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンでオーバーレイ!!」

 二体の虹彩竜の魂が光と変わり、天へと昇る。天空に空いた真紅の大穴に吸い込まれるように引き寄せられていった魂は今一つとなって、覇王の名を持つ烈火の竜を呼び覚ました。






「二色の眼の竜たちよ。遥かなる天空より灼熱の炎を身に纏い、相対する者全てを焼き払え! 降臨せよ、俺を窮地より救う破壊竜―――覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン!!―――」






 天空にはまさに覇王の名を持つに相応しい存在、オッドアイズ・レイジング・ドラゴンの姿があった。その禍々しくも美しい姿に遊希はもちろん、このデュエルの経緯を真剣に見守っていた綾香・エヴァ・千夏・詩織の四人も言葉を失う。

「みんな、これが話していたモンスターよ!」
「すごい……こんなモンスター初めて見たわ!」

 オッドアイズ・レイジング・ドラゴンの姿に興奮する千夏を余所に、オッドアイズ・レイジング・ドラゴンを見ながら綾香とエヴァは小さく首を振った。

「どうですか、綾香さん? エヴァさん?」
「わかる。凄い力があるのは……でも」
「“あの子たち”とは違いマスネ」
「あの子たち……?」

 エヴァの言った「あの子たち」という言葉に小首を首をかしげる遊大。遊希は「こっちの話よ」と遮った。

「えっと、デュエルに戻りますね。オッドアイズ・レイジング・ドラゴンの効果を発動! このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールドのカードを全て破壊します! そして破壊したカードの数×200ポイント攻撃力をアップします!」
「だったらその効果にチェーンして手札の幻創のミセラサウルスの効果を発動! このカードを墓地に送ることでこのターン、私の恐竜族モンスターは相手が発動した効果を受けないわ!」


チェーン2(遊希):幻創のミセラサウルス
チェーン1(遊大):覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン


 オッドアイズ・レイジング・ドラゴンの翼からは灼熱の炎が剣のように伸び、遊希のフィールドに存在するカードを貫いていく。唯一恐竜族である魂喰いオヴィラプターだけはミセラサウルスの効果が守られたものの、V.F.Dや牙王といった高攻撃力のモンスターたち、そしてドラゴニックDや真竜皇の復活といった真竜の軸となるカードが次々と焼き払われていった。

「オッドアイズ・レイジング・ドラゴンの効果で破壊したカードは6枚! オッドアイズ・レイジング・ドラゴンの攻撃力は1200ポイント上昇します!」
「でも効果で破壊された真竜皇の復活、真竜皇リトスアジムD、真竜鳳マリアムネの効果が発動するわ! チェーン3の真竜皇の復活の効果でオッドアイズ・レイジング・ドラゴンを破壊し、チェーン2のリトスアジムDの効果で墓地のバハルストスFを特殊召喚、そしてチェーン1のマリアムネの効果でデッキから風属性以外の幻竜族モンスターを手札に加える!」
「その効果にチェーンしてオッドアイズ・ミラージュ・ドラゴンの効果を発動! 1ターンに1度、自分のPゾーンにオッドアイズカードが存在する場合、フィールドのオッドアイズカード1枚に破壊耐性を与えます! 対象は当然オッドアイズ・レイジング・ドラゴンです!」


チェーン4(遊大):オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン→覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン
チェーン3(遊希):真竜皇の復活→覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン
チェーン2(遊希):真竜皇リトスアジムD
チェーン1(遊希):真竜鳳マリアムネ


「チェーン3の真竜皇の復活の効果はチェーン4のオッドアイズ・ミラージュ・ドラゴンの効果によって防がれる。でもチェーン2のリトスアジムDの効果でバハルストスを守備表示で特殊召喚し、チェーン1のマリアムネの効果でデッキから“真竜皇アグニマズドV(バニッシャー)”を手札に加える!」

覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン ATK3000→4200

「バトルです! エクシーズモンスターを素材にエクシーズ召喚されたオッドアイズ・レイジング・ドラゴンは2回まで攻撃できます! バハルストスFを攻撃! 憤激のデストラクション・バースト!!」

覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン ATK4200 VS 真竜皇バハルストスF DEF3000

「賤竜の魔術師で魂喰いオヴィラプターを攻撃!」

賤竜の魔術師 ATK2100 VS 魂喰いオヴィラプター ATK1800

遊希 LP8000→7700

「覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴンで2度目の攻撃! 憤激のデストラクション・バースト 第二撃!!」

覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン ATK4200

遊希 LP7700→3500

「っ……! いい一撃ね……!」
「決めきれなかった……バトルフェイズを終了します。俺はこれでターンエンドです」

覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン ATK4200→3000


遊希 LP3500 手札3枚
デッキ:23 モンスター:0 魔法・罠:0 墓地:15 Pゾーン青/赤 除外:2 エクストラデッキ:11(0)
遊大 LP3200 手札1枚
デッキ:15 モンスター:3(覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン ORU:3、賤竜の魔術師、オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン)魔法・罠:1(天空の虹彩)墓地:7 Pゾーン青3(相克の魔術師)/赤8(EMオッドアイズ・ユニコーン)除外:10 エクストラデッキ:14(6)


☆TURN11


「流石ね、高海君。これがあなたとあなたのデッキに秘められた実力なのね。私、久々にわくわくしちゃった」
「ありがとうございます!」
「私のターン、ドロー。でも……このデュエル、勝つのは私よ! 私は墓地のプチラノドンと魂喰いオヴィラプターをゲームから除外する!」
「その召喚条件は……」
「再び目覚めなさい! 究極伝導恐獣! そして“ディノインフィニティ”を召喚!」


※ディノインフィニティ
効果モンスター
星4/地属性/恐竜族/攻?/守0
(1):このカードの元々の攻撃力は、除外されている自分の恐竜族モンスターの数×1000になる。


「ディノインフィニティ!?」
「ディノインフィニティの攻撃力は除外されている私の恐竜族モンスターの数×1000ポイントアップする!」

ディノインフィニティ ATK?→4000

「攻撃力4000……」
「そして究極伝導恐獣の効果を発動! 手札のアグニマズドVを破壊し、全ての相手モンスターを裏側守備表示に変更! そして破壊されたアグニマズドVの効果を発動!」


※真竜皇アグニマズドV
効果モンスター
星9/炎属性/幻竜族/攻2900/守1900
「真竜皇アグニマズドV」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。このカード以外の手札及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、炎属性モンスターを含むモンスター2体を破壊し、このカードを手札から特殊召喚し、炎属性モンスター2体を破壊した場合、相手のフィールド・墓地からモンスター1体を選んで除外できる。
(2):このカードが効果で破壊された場合に発動できる。自分の墓地から炎属性以外の幻竜族モンスター1体を選んで手札に加える。


「墓地の炎属性以外の幻竜族モンスター1体を手札に加える。私はリトスアジムDを手札に加えるわ」
「やっぱり遊希さんは凄いです……オッドアイズ・レイジング・ドラゴンを使っても勝てませんでした。ですが、前よりいい結果を残すことができました! ありがとうございます!」
「……負けるのに、随分と明るいのね。でもあなたのそんなところは嫌いじゃないわ。バトル! 究極伝導恐獣で守備モンスターに攻撃! 究極伝導恐獣は相手モンスターに全てに攻撃可能であり、守備表示モンスターを攻撃した時に相手ライフに1000のダメージを与えてそのままそのモンスターを墓地に送るわ!」

究極伝導恐獣 ATK3500 VS 覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン DEF2500
究極伝導恐獣 ATK3500 VS 賤竜の魔術師 DEF1400
究極伝導恐獣 ATK3500 VS オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン DEF600

遊大 LP3200→200

「そしてディノインフィニティでダイレクトアタック!“インフィニティ・ファング”!」

ディノインフィニティ ATK4000

遊大 LP200→0











「いいデュエルだったわ、ありがとう。これで恐竜族の新カードたちのことを会報に載せれるわ」
「会報?」
「デュエル委員の仕事の一つが月一の生徒会会報に新規登場したカードや埋もれてしまっているカードのことを載せることなの。生徒たちに隠されたカードの魅力を知ってもらう。これも委員の仕事なのよ」

 そう言って肩をぐるぐると回す遊希は、肩を回しながら目線を綾香たちに送った。綾香はにっこりと微笑むと、右手の親指と人差し指の先を合わせて〇を作る。

「ねえ高海君。もしよかったら……私と一緒にデュエル委員をやってもらえないかしら? 新設の委員だから私一人しかいないんだけど、一人だと出来ることも限られるのよ」
「えっ? で、でも……俺一年生ですよ?」
「あら、委員に学年は関係ないわ。まあ最初は二年生の知り合いに頼もうとしたんだけど、その子はフランスからの留学生でね。外国人ということもあってエヴァの方に行って貰ったの」
「……本当に俺でいいんですか?」
「先に言うとアレだと思ったから黙っていたんだけど、このデュエルはあなたが私の右腕になれるかどうか試す意味合いもあったの。もちろんこの【真竜恐竜】デッキの試運転や調整も兼ねてもいたけれど。それであなたは十分戦った。合格よ」

 そう言って遊希は優しい笑みを浮かべながら手を差し伸べた。

「こほん。えーと……セントラル校一年生・高海 遊大君。私……デュエル委員、天都 遊希はあなたを歓迎します。どうか、私と一緒にデュエル委員の仕事を……してくれませんか?」

 普段使い慣れていないのか、少し照れながら下手な敬語で遊大の意志を確認する遊希。遊大の眼に迷いはなかった。

「……非力ですが、よろしくお願いします」

 遊大はその手をぎゅっと、力強く握りしめた。





「ところで……なんで今敬語だったんですか?」
「いや、なんかそっちの方が委員らしくないかしら? このファッションとか」
「遊希さんはいつものままでいいと思いますよ。敬語だとなんか怖いですし」
「……あなた、結構毒吐くのね」
「えっ? そうですか?」
「……まあいいわ。何はともあれ宜しく、後輩君?」






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ター坊
爽快竜レイジング・ドラゴン!
ペンデュラム召喚で粘り、レイジングで壊滅させて遊希に一発デカイのをぶちこむも、決めきれずに敗北を喫することに…やっぱり前作主人公の壁は厚い。
それでもナイスファイトが認められて遊希の相棒(?)ポジションを獲得出来ましたね。…これますます千夏達から年下彼氏と弄られそうな気がする。 (2017-03-09 20:14)
光芒
ター坊さん
前作主人公が登場する作品にありがちな展開ではありますが、「今作主人公が前作主人公に挑む」→「実力差が高い壁となって阻む」といったものは王道中の王道だと思います。ただ某バンドの歌詞にもあるように、私の作品においては「高ければ高い壁の方が乗り越えた時気持ちいいもんだ」という理論です(何

>…これますます千夏達から年下彼氏と弄られそうな気がする。
千夏たちに遊希が弄られるのもそうですが、遊大が陸や仁に弄られるのも忘れずに……
(2017-03-11 11:25)

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11 第12話:最強 429 3 2017-02-10 -
12 メインキャラクター紹介 496 0 2017-02-15 -
10 第13話:親睦 378 3 2017-02-17 -
7 番外編:慟哭(2/18修正) 490 6 2017-02-17 -
8 第14話:血戦 533 8 2017-02-19 -
8 第15話:攻防 563 5 2017-02-21 -
12 第16話:約束 430 6 2017-02-23 -
13 第17話:部活 381 4 2017-02-25 -
9 第18話:激励 496 5 2017-02-28 -
8 第19話:恐獣 340 2 2017-03-07 -
15 第20話:天命 458 2 2017-03-09 -
8 第21話:恋情 429 4 2017-03-13 -
36 第22話:真価 331 3 2017-03-16 -
13 遊大たちが4月制限について語るようです 442 7 2017-03-17 -
35 第23話:信頼 378 6 2017-03-22 -
39 第24話:魔竜 426 8 2017-03-24 -
41 第25話:度胸 408 5 2017-03-28 -
26 第26話:漆黒 301 5 2017-03-30 -
82 番外編:4月1日 408 6 2017-04-01 -
13 第27話:英雄 301 3 2017-04-04 -
41 第28話:最高 398 4 2017-04-07 -
19 第29話:銀河 283 2 2017-04-10 -
46 第30話:昇華 441 3 2017-04-13 -
17 サブキャラクター紹介・1 411 3 2017-04-16 -
48 第31話:試練 361 5 2017-04-18 -
18 第32話:迷宮 350 3 2017-04-20 -
16 第33話:成長 348 3 2017-04-23 -
18 第34話:双子・1 311 4 2017-04-25 -
48 第35話:双子・2 363 2 2017-04-28 -
20 第36話:幻奏 354 2 2017-05-04 -
45 第37話:戦術 424 2 2017-05-08 -
23 第38話:門番 405 5 2017-05-12 -
37 第39話:白黒 272 3 2017-05-17 -
17 第40話:奇跡 309 6 2017-05-19 -
25 第41話:錬装 316 4 2017-05-23 -
42 第42話:命運 277 2 2017-05-27 -
34 第43話:覚悟 367 3 2017-05-30 -
17 第44話:条件 282 3 2017-06-03 -
18 1万アクセス記念企画のお知らせ 434 5 2017-06-04 -
40 第45話:幻影 318 4 2017-06-08 -
13 第46話:黒牙 267 2 2017-06-14 -
15 遊大たちが7月制限について語るようです 325 2 2017-06-14 -
15 第47話:終幕 357 4 2017-06-17 -
17 第48話:宣誓 283 2 2017-06-22 -
11 サブキャラクター紹介・2 246 2 2017-06-24 -
17 第49話:編入 265 6 2017-06-29 -
14 第50話:理由 295 4 2017-07-03 -
11 番外編:七夕 293 6 2017-07-07 -
18 第51話:一歩 366 5 2017-07-12 -
19 第52話:修練 281 4 2017-07-17 -
11 第53話:自信 256 5 2017-07-20 -
16 第54話:克服 227 4 2017-07-24 -
15 第55話:猛攻 260 6 2017-08-02 -
14 第56話:障壁 181 3 2017-08-08 -
8 第57話:意地 170 3 2017-08-13 -
9 第58話:提案 267 3 2017-08-17 -
11 第59話:来訪 221 3 2017-08-27 -
17 第60話:交錯 232 3 2017-09-04 -
14 第61話:諜報 197 3 2017-09-11 -
67 遊大たちが10月制限について語るそうです 308 5 2017-09-14 -
10 第62話:暴露 174 2 2017-09-21 -
13 第63話:決意 202 4 2017-09-25 -
6 第64話:結束 197 4 2017-10-02 -
10 第65話:渇望 344 3 2017-10-07 -
12 第66話:証明 171 4 2017-10-13 -
10 第67話:空想 146 2 2017-10-16 -
9 第68話:魔鎖 138 2 2017-10-23 -
6 第69話:喝采 113 2 2017-10-27 -
8 第70話:胸愛 158 3 2017-11-01 -
10 第71話:点火 139 4 2017-11-07 -
5 第72話:誘惑 107 3 2017-11-15 -
3 第73話:憤怒 92 3 2017-11-18 -

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